老いて一人暮らしも良し
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ブラジル南部、ポルトアレグレ。
隣国ウルグアイからブラジルにやって来て46年になる78歳エルネスト。
妻は先に亡くなり、一人息子は今はサンパウロで仕事をしていて、一人暮らし。
最近目がよく見えなくなってきていて、
心配した息子は、サンパウロで一緒に暮らそうと言っているのですが、
エルネストにその気はありません。
そんな彼の元に一通の手紙が届きます。
それはウルグアイ時代の友人の妻からのもの。
ところが、エルネストは目が悪くてそれを読むことができません。
たまたま知り合ったブラジル娘・ビアに読んでもらいます。
エルネストの親しかった友人が亡くなり、今は一人寂しく暮らしているという、
友人の妻からの手紙でした。
3人はとても親しくしていて、実はエルネストも彼女のことを好きでもあったのです。
この手紙がきっかけで、二人は手紙のやりとりをするようになります。
そして、手紙の代読と返事の代筆のために、ビアはエルネストの部屋を出入りするように。
ところがビアはあまり良い暮らしをしておらず、エルネストのお金を盗んだりします。
それに気がつきながらも、ビアを家に置くようになったエルネスト。
これは恋心というよりも、彼女といるとなんだか生きることが楽しく感じられるからでしょう。
若くて、率直で、感性豊か。
エルネストの灰色の毎日が色づくようです。
老いて一人暮らしになったときの孤独や所在なさ。
他人ごとではないなあ・・・。
そんな時、そばに寄り添う人がいるといいと思うけれど、
それは不自由な体で不便だから、という理由になってしまってはダメ。
そこが難しいところなのであります。
エルネストは目がかなり不自由だけれど、頭はしっかりしていて、体も元気。
カッコイイぞ。
とりあえずさしあたってこんな風に元気で年をとりたいものです・・・。
ロマンスはなくてもよし。
<WOWOW視聴にて>
「ぶあいそうな手紙」
2019年/ブラジル/123分
監督:アナ・ルイーザ・アゼベート
出演:ホルヘ・ボラーニ、ガブリエラ・ポエステル、ジュリオ・アンドラーヂ、ホルヘ・デリア
老いを考える度★★★★☆
満足度★★★.5
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