映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブレット・トレイン

2023年04月24日 | 映画(は行)

血まみれの弾丸列車

* * * * * * * * * * * *

いつも事件に巻き込まれてしまう、世界一運の悪い殺し屋“レディバグ”(ブラッド・ピット)。

彼の今回のミッションは、東京発の超高速列車で、
ブリーフケースを盗んで、次の駅で降りるという簡単なもの
・・・の、はずでした。

ところがやはり運が悪い。
カバンは手に入れたけれども、身に覚えのない殺し屋達に次々と命を狙われ、
降りるタイミングを見失ってしまいます。
状況がくるくると変わる中、やがて列車は
世界最大の犯罪組織のボス、“ホワイト・デス”が待ち受ける京都へ・・・

私、全く予備知識なしに見てしまったのですが、
実は本作の原作は伊坂幸太郎さんの「マリアビートル」だったのですね。

伊坂幸太郎さんの物語は、実は血生臭いバイオレンスであっても、
どこかさらっとスタイリッシュで端正な感じがするのです。
なのでそれを映画化したものも、そんな雰囲気を漂わせます。
ところが、ハリウッドで製作した本作にはそういう雰囲気がほとんどありません。
だから気づきもしませんでした。

でも、主人公たるレディバグがとことん運が悪かったり、
殺し屋のくせに妙に心優しいところがあったりする2人組の存在などは
確かに、伊坂幸太郎ワールドのもの。
すごく納得がいきました。

さてさて、それにしてもこれは本当に日本が舞台とは思わない方がいいです。
日本にちょっと似た、別次元の世界と始めから思っておいた方がいい。

全体的には、いかにもアメリカ人のイメージする「日本」そのもの。
そこをムリに現実の日本に近づけようとしなかったところが
逆に成功していると思います。

少なくともまだ明るいうちに東京を発ったはずの列車が、
夕暮れとなり一晩が過ぎて、朝になってようやく京都に到着。
最新の超高速列車で・・・? 
どんだけ広いんだ、日本。

というような、突っ込みどころを探すのもまた一興。

他の乗客の「お静かに」の言葉に応えようとする、
殺人者とブラッド・ピットのバトルシーンも楽しいし、
それぞれ個性的な殺人者達もちょっと好きになってしまいます。

真田広之さんも、さすがカッコイイ!!
血まみれではありますが、楽しめました。

<Amazon prime videoにて>

「ブレット・トレイン」

2022年/日本/126分

監督:デビッド・リーチ

原作:伊坂幸太郎

出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、
   ブライアン・タイリ-・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン

血まみれ度★★★★☆

謎の日本度★★★★★

満足度★★★★☆



最新の画像もっと見る

コメントを投稿