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VTR250の油脂類交換作業メモ

2006年05月09日 | メンテナンス実演(VTR250)
ひとまず整備が終了したので、2年間2万キロで油脂類がどんなもんなのか、また交換時期はどれくらいが妥当そうなのか、および今回の交換作業におけるVTR250の整備性について、時系列で、写真を交えながら説明してみたい。

まずは第一にガソリンタンクをはずさなければならない。タンクを外すにはガソリンコックにつながる2本のチューブを外す必要がある。フーエルチューブおよびコック用の負圧チューブであるが、先日も書いたとおりコック部で直接引き抜くにはスペースがタイトすぎるために、コックから伸びた先の分岐ジョイント部で管を抜く必要がある。このためタンク取り外し時にはコックから短いホースが2本ぶら下がっている状態となる。
分岐ジョイントはいずれもバイク右側のタンク下へまとめられており、かつ特に工夫せずともそのまま手が届く場所にあるためアクセスしやすく取り外しも容易。こういうホース類の抜き差しの仕方には人によって色々作法がありそうであるが、自分は大きめのマイナスドライバーをヘラのように用い、引き抜くベクトルの方向に向かってホースのフチを押しながら、ホースを引っ張るようにしている。大概のホース類はこれで抜ける。ドライバーをホースとニップルの隙間へ差し込むのはご法度。どうしようもない場合は自分は556を吹き付けるが、これも人によってはゴムを犯すので良くないという。厳密には自分が使っているのは556ではなくスズキ純正の「スーパータプトン」という潤滑剤だ。今までのところこの潤滑剤が悪さをしてゴム部品が犯された経験は無いということを、一応付け足しておく。

ガソリンタンク取り外しはこのように容易なのだが、問題は取り付けだ。先日書いたようにコックから直接ホースを抜くことを妨げているのはコック付近の排ガス対策のヘンなパーツだが、タンク取り付け時には、コックからぶらさがるフューエルホースと負圧ホースを、こいつの下をくぐって間から通さないといけない。これが1名ではけっこう困難。最初にタンクをステム側に下ろして支えながら、シート側を浮かせつつ器用にホースを通してからでないと、タンクをフレームへ置くことすらできない。タンクが満タンだったりするとさらに大変である(今回満タンでやってしまった…)。これでは排ガス規制に適応するために人間工学を無視したデメリットと言わざるを得まい(言い過ぎか)。

さてタンクを外したところへ話を戻す。すぐにエアクリーナーボックスが顔を出すので、このフタを開けさえすればエレメントとご対面だ。以前1万km走行程度の時にも一度対面したが、2万km走行後のエアクリはどんなものだろうか。


使用後/使用前


ご覧の通りである。エレメントは4千円弱だったと思うが、まあこれぐらい汚れたなら取り替えてもいいだろうかなあという感想だ。なおエレメント交換のみでテスト走行し、吹け上がりフィーリングやアイドル時の様子、エンジンの掛かりやすさ等を比較してみたが、何ら変化を体感できなかった。つまりこの程度の汚れならば許容レベルで本来の性能を維持できるということだろう。メーカー推奨の交換時期が多分2万kmなので、これで良しということにしたい。どうでも良いが、本来交換するべきはこの汚れたヒダヒダろ紙の部分だけでよいのだけど、周囲のプラスチックとか裏面の金網部分まで使い捨てなのって少しもったいない気がする。分別して捨てるのも大変…

続いてクーラントを抜きにかかる。抜き方はカンタンで、ラジエターキャップ(ガソリンタンクを外すと初めて露出する)を外し、クーラントのドレンボルトを外すのみである。抜き方の順序としては、最初にバケツ等で廃液を受ける準備をし、ドレンボルトを外して出るだけチビチビと垂らしてから、最後にラジエターキャップを外すと良いだろう。キャップを外すと同時に、既にドレンボルトを抜いてある排出孔からチンポからオシッコが出るごとく勢いよく廃液が飛び出す。この順序で行えば、ボルトを抜くと同時に廃液が勢いよく飛び出すより作業性が良いはずだ。
なおドレンボルトはサービスマニュアル(以降SM)記載箇所であるウォーターポンプカバーの他に実はもう一箇所あるので、写真で示しておきたい。


クーラント隠しドレンボルト


すべて排出後にさらにこの隠しボルトを抜いたところ、もう100ccは出たと思う。ちなみに何故この隠しボルトの存在をぼくが知っているのかというと、以前乗っていた同型エンジンのVT250FのSMではしっかりここを第2のクーラントのドレンボルトと記述していたからだ。そのことを覚えていたぼくは、VTRのSMに目を通して、「VTRのクランクケースではこの箇所のドレンボルトは廃止されたのカナ」と思ったのだが、実物を見てみたらちゃんと付いていた。そしてそこからまさしくクーラントを排出できた。よって、VTRのSMは単純にこのことを書き忘れているのだと思う。


クーラントの廃液


廃液の様子は抹茶ミルクと化していて透明感ゼロであった。先にも書いたが新品のクーラントは透明な緑色である。冷却効果そのものは水分によるところが大きいだろうからあまり関係ないだろうが、不凍および防錆効果については劣化しているのかも分からない。が、この液体を見たところでどうという判断は付かない。SMで推奨されている交換時期は4年に一度である。

さてこの後が難関であった。クーラントのリザーブタンクがフレームのヘッド部分に挟まっているのだが、こいつを取り外すのが超難儀なのだ。SMに「キャブレターを外す」と書いてあるのを読んで「マジかよ」とビビってみたが、実際はそれ以上に面倒だった。正直言って、通常の冷却水交換作業時にはクーラントリザーブタンクの洗浄はパスするのが妥当と思った。最終的にこのタンクを取り外してチャプチャプ水で洗い流してはみたが、正直別に洗わなくったって大して困ることはない。リザーブタンクの底にはこのタンクの本来の役目のひとつである「冷却回路へのクーラント補充」用のためのホースが刺さっているから、これを引き抜いてタンク内部をカラにして新しいクーラントを補充しておけば十分であろう。
次回は4年後で良いやと思った。

参考までにこのリザーブタンクを取り外すまでの面倒な作業と、そのことで知ったVTRに盛り込まれていた「経済設計」について記しておく。
結論としてクーラントのリザーブタンクを取り外すにはキャブレターは完全撤去する必要があった。そしてキャブを取り外すには2つのイグニッションコイルを取り外す必要があるのだが、コイルはエアクリーナーケースに取り付けられており、特にフロントバンクの方がタイトな箇所へ盛り込まれており取り外しが面倒。また至る所に例の排ガス規制の関連ホースが絡まっており、キャブに辿り着くまでの作業工程の多さには中々ウンザリであった。
面倒の原因と言えるのが経済設計。これはひとえにエアクリケースが果たす役割の多さだ。エアクリケースは3パーツから成っている。1番上は空気吸入のただのフタ。その下に2番目の樹脂製パーツがあり、エレメントはここに収まる。この2番目がクセモノ。3番目はキャブと直接接続する最下部を構成する金属製のパーツである。
真ん中のエアクリケースパーツが果たす役割を次に書き出そう。

・2つのイグニッションコイルのクランプ
・ウインカーリレーのクランプ
・メインハーネスおよびクーラントオーバーフロウホースのクランプ
・排ガス対策のヘンな装置のクランプ
・同装置からエアクリに繋がるホース
・ブローバイガスの戻しのホース
・キャブレターのオーバーフローホースのクランプ

ざっとこんな感じで、要するに全部取り外す必要がある。

ここまでやってようやくキャブを撤去できるのだ。キャブそのものについては以前よくいじくったVT250Fのそれと同型であるので取り外しや取り付けに苦労することはなかった。
VTのキャブ取り外しでポイントをいくつか挙げるなら、まずキャブの着脱時にはエアクリーナーの一番下部パーツである金属製の皿はキャブ本体に付けたままにしておくこと。この皿でもってキャブのV型バンクをしっかり固定した状態とし、抜き差しを行うのだ。
アクセルワイヤーを取り外し、スターターバルブ(=いわゆるチョークバルブ)を取り外し、インシュレーターのバンドを緩めて引っこ抜く。
引っこ抜くのは意外にアッサリ行くはずだが、取り付け時にはややコツがある。
まずゴム製のインシュレーターだが、これは必ずエンジン側にセットする。そしてインシュレータを留めるバンドのうち、エンジン側だけ気持ち固めに閉めておこう。キャブ側は緩めたままにしておく。キャブを取り付けるときは、フロントかリアどちらかのバンクだけをまず完全に差し込み、もう片方は滑り込ませるのが良い。ぼくはこの時よく滑るようにキャブの口に556を付けてから臨んでいる。ゴムへの影響は知らないが、固いインシュレータゴムに無理なテンションを掛けて欠けさせてしまったりするよりはマシなはずだ。
なお今回初めて知ったのだが、インシュレータゴムにはウラオモテと前後の向きがある(VTの時は無かった、多分…)のでこれも要注意である。インシュレータに書かれた矢印「↑」の指す方向は上の方、つまり空を向くようにして、インシュレータをセットするのだ。
気をつけることといえばこの程度で、エアクリーナーの隙間が狭くて苦労する直列4気筒マシンと比べれば全然ラクであろう。

キャブの撤去が済んだら、次にラジエターキャップをはめる部分を撤去する。ラジエターホースは太いから抜くのに力が要って面倒だが、要領としてはガソリンホースを抜くのと変わらない。だけどキャップ周りはとにかく狭い。サーモスタットのマウントを外してラジエターホースをずらさないと無理であった。作業性は極めて良くない。なぜここまでしてクーラントのタンクにアクセスしようとするだろうか?自問自答しながらの作業であった…

ようやくクーラントリザーブタンクと対面。このタンクがまた経済設計で複数の役割を担っており面倒なのだ。タンクは下部にクワ型に2本の「足」が生えていて、それぞれの足をビス留めする形でヒートガードのためのスカート状のゴムをぶら下げている。このビスが2パーツから構成されていて外し方がよく分からない。ぼくはペンチで半分破壊して取り外したが、幸い再利用に支障がなかった。クーラントリザーブタンクは1箇所だけフレームにビス留めされているが、ぼくはこれに気づかず強引に引きちぎりビスを破壊してしまった。こういうことはいちいちSMには書かれておらず、パーツリスト(PL)でどこになにが付いているのか事前に確認した方が良いだろう。


ヒートガードのゴム


しかし実際オーナーだからそこまでやる気になれるが、バイク屋に頼む場合はそこまではしてもらえまい。オーナーならば自分の車種のことだけをいくらでも詳しく知っておけば良いが、バイク屋はあらゆる車種を扱うだろうからそうはいかない。特定車種ごとのノウハウをどれだけもっているかはそのバイク屋の経験次第である。知らない車種、不慣れな車種の場合は知識に基づいて手探りで作業するしかあるまい。DIYでオートバイのメンテナンスをすることのメリットやデメリットは色々あるだろうが、ぼくとしては、愛車によく慣れておけばプロに頼む以上にいい仕事ができることがある、と思っている。
実際に以前別の車種でバイク屋のお世話になったとき、タンクにキズをつけられたり、カプラーの挿し忘れでメーターが動かなかったりという経験があったからだ。まあ頼まなくてはいけない時は頼めば良いが、極力自分で面倒を見れるようにしておこうという気になったのは、そういうきっかけがあったのだ。

さて、写真の通りヒートガードのゴムは、クーラントタンクとあわせて丸い口が開くようになっているのが分かるだろうか。この丸い部分がラジエターファンのモーター部を囲む仕組みである。後の組みつけの際、この穴をメインハーネスが通っていたかどうか忘れてしまい、結局2回やり直す羽目になった。正解は、メインハーネスはここを通らず、クーラントタンクのクワガタ足より上を通る。穴を通るのはラジエターファンモーターのケーブルのみ。別に取り外し時にしっかり確認しておけば間違いないのだが、自分はコレで痛恨の二度手間を踏んだのであえて強調したい。取り回しを間違えると、あとでエアクリケースのクランプにメインハーネスがどうやってもはまらなくなってしまうのだ。

実際の作業は昼前から行っていたのだが、ここで日が暮れてしまった。以降は2日目、残すはクーラント注入のほか、フルード交換、プラグ交換といった普通の作業である。

2日目の作業はクーラント注入から。用意するクーラントは希釈後でほぼ1.5リットル。冷却循環器内部は1リットル少々なのだが、リザーブタンクに400ccばかり入るのだ。

ここでLLC(ロングライフクーラント)に関する脱線をひとつ。今回ホンダ純正のLLCを用いたが、これは「原液」と「50%希釈済み」の2種類が発売されている。今回ぼくが買ってきたのは「原液」。水道水で薄めて使う。この希釈に際して水道水をそのまま使うかどうかは意見の分かれるところである。というのも、ご存知の通り水道水は沸騰するとカルキというのが発生する。ヤカンにこびりつくアレである。冷却水は当然のことながら高温に晒されるため、水路の中にカルキがついて汚れになるというのが「水道水そのまま使用否定派」の言い分である。実際のところどうなのかはよく分からない。意外にホンダ純正の希釈済LLCも水道水で薄めてあるだけかも。
否定派が言うところの対応策としては、一度沸騰させてカルキ抜きをしてから使うか、水道水ではなく蒸留水や精製水を使うというものである。
ウチには過去に沸騰後の湯冷ましで作った50%LLCがPETボトルに入れてとってあったりする。実はコイツ、なんだか使う気にならないから取ってあるのだ。というのもこのLLCを透かして見ると、ミジンコみたいな浮遊物がワンサカ漂っているのだ。その正体は、PETボトルに起因するのか、はたまたカルキなのか分からない。唯一言えるのは、ウチのヤカンは沸騰させてもカルキが全く付かないスグレモノであるということ。逆に沸騰させてもカルキが抜けてないのか?と勘ぐってしまう。
自分の場合は、今後相棒のVTRの冷却水を何度も交換し水路にカルキがたまってしまって循環を妨げるようなことは起きなさそうだ。そうなる前にとっくに色んなところがダメになってバイクそのものがオシャカになっていそうな気がするのだ。
しかし何気なく大型スーパーで見かけた「バッテリー補充水」(=精製水)や、薬局で売ってるソフトコンタクト洗浄用精製水が、1リットル100円とか200円程度なので、とりあえず今回は無難にコレにしようかということにした。
バッテリー用は、一緒に置かれている「バッテリー超強化液!」みたいのがなんか色々アヤシイ添加物が入っているので、一番安い自分のお目当て品に単なる「精製水」と書かれていても、何だかなあと思ってしまう。用途もバッテリー液の補充に限定されている。対するコンタクト用の精製水は使用方法が限定されておらず、複数上げられた用途の中に「バッテリー補充液として」なんて書かれていたりする。こちらのほうがより間違いなく「精製水」な気がする。ということでソフトコンタクトレンズ用の精製水を1リットルばかり購入してきたのであった。
これらをジョッキの中で混ぜ合わせる。指定は50%なのだが、今回は40%程度と薄めにしてみた。これも昔のVTとの比較であるが、VTは30%指定だった。濃さによって何が異なるかというと凍結温度である。濃いければ濃いほど凍りにくいのだ。凍るとナニがマズイかというと、コップに氷を入れて冷凍庫に入れたら割れるのと同じ理由である。バイクのエンジンも一発死亡してしまうらしい。
とは言え30%でも氷点下16度まで凍らないというのだから、北海道にでも住んでいるのでなければ30%で十分なのだろう。
一方で冷却効果だけ考えると理想的な効果を果たすのは実は単なる水なのだという。LLCを「不凍液」と言うのはそのためだろう。

さて話を元に戻しLLC注入の場面へ。注入方法は単にラジエターキャップを開けてここから注ぎ込むだけ。口元まで注ぎ込んだらキャップを開けたままでエンジンを始動し冷却水を潤滑させる。これによって水路内に残ったエアをキャップ口からポコポコと抜いてやるのだ。
先日も書いたが、エンジン始動にはガソリンが必要であるにも関わらず、ラジエターキャップはガソリンタンクを撤去しないと顔を出さない。整備性が悪そうだと考えた所以である。しかし色々想像してみると、ひょっとしたらタンク真下の方がラジエターよりも高い場所にあるからエア抜きがしやすいとかいうメリットがあるのかも知れない。
ひとまずLLCをトクトクと注ぎ込み注入終了。続いてエア抜きだ。
エンジン始動の前に。このエア抜き作業にもコツがあって、実は始動前に主だった混入エアを抜いておくことが可能だ。作業はカンタンで、冷却水のホースを至る所でモミモミするだけ。特にVTRはウォーターポンプからラジエターまでムチャクチャ長いホースが生えているので、ここは責めのポイントだ。「オラァ!」と言いながらもみもみもみもみもみ…(これをぼくは「手コキ」と呼んでいるが、誰にも話したことは無い)。すると注入口からポコッポコッと大きい泡が浮かぶ。このポコをドピュッとも言えるが、言わない。と同時に注入口の水面が下がるのでまたLLCを補給。これを繰り返して泡が出なくなくする。また脱線だけど、この長いホースがなんかイマイチ垢抜けないんだよね。ダブルクレードルフレームのVT250FC、FEは、この部分はフレームパイプが冷却水路を兼ねていた。それが本来の姿なのかなと思う。しかしVTRの長いホースの方が手コキしやすいのは確か。

さていよいよエンジン始動。前述の通りガソリンタンクを乗せるは一苦労なのだが、タンクを載せるとステム側のボルトのすぐ付近にラジエターキャップが位置しているため、タンクを浮かせて覗き込みながらアイドリングできることが分かった。バイクのトップブリッジ付近にしっかり頭をうずめて微動だにせずアクセルを一定にアイドリング、たまに7000回転くらいまでスナッピング。傍から見たら自閉症だと思われそうだが、そういう誤解のないようにしっかり「作業用ツナギ」を着て整備を行っているから安心だ。手コキが功を奏し細かい泡がプチプチ出る程度だ。5分ばかりでエア抜き終了。想像したほどは苦労しなかったなという印象であった。VTで同じ作業をした時は、アイドリング中に注入口を覗いていたらどんどん水位が上がり、突然風呂の中でオナラをしたごとく泡がドバッと出てビビった記憶がある。

さて残るはブレーキフルードとプラグの交換。
ブレーキフルード交換は特にVTRだからといって特筆すべき点は無い。2年経つと写真のようないい感じの飴色であるという程度か。ちなみにリアの方が酷かったように思える。作業に使ったのは一般的なホースとペットボトル。ペットボトルのキャップに穴を開け、そこへホースを差し込んだものだ。以前何かに使って余った耐油性の緑色の透明ホースがあったので、これを用いた。フルード交換時には、排出されるフルードの色で中身が入れ替わったかどうかを確認するのであるから、無色の透明ホースを使った方が良かったと思った。実際いつフルードがきれいになったのかがよく分からなかった。


2年熟成


プラグ交換は2度目である。前回1万1千km程度で交換だから、9千kmぶりの交換である。一応自分の持論ではこれでもOK。目視的には写真の程度。やや電極が擦り減ってはいるものの…。


使用後/使用前


交換作業は車載工具のプラグレンチを使うのがセオリー。だけどあのバイク屋さんが持っている長くて先端がクネクネ曲がるプラグレンチも欲しいと思った。というのも、VTRのプラグはフロントは交換しやすいのだが、リアバンクには普通のメガネレンチがほとんど入らず、結局もう一度ガソリンタンクを外したからだ。
なおVT系エンジンのプラグ交換で一点だけマストポイントをあげるなら、必需品として「OA用スプレー缶式エアーダスター」を用意すること。はっきり言ってVTのプラグキャップ周りは構造的に砂や小石だらけとなる。このまま遠慮なくプラグを交換してシリンダー内に石を落としたら、エンジンが亡くなる可能性がある。プラグキャップを外したら、プラグネジを回す前にかならずプラグホール付近に向かってこれでもかとエアーダスターを吹き付けこれらのゴミを撤去してもらいたい。これだけはぼくと約束して欲しい(誰が)。
プラグ締め付けの際は、ネジ部にモリブデングリスを塗るようにしている。「熱によるかじりつきを防ぐ」とかヤングマシンとかで読んだ気がするからなのだが、効果があるのかどうかは知らない。あとは何だい、最近のNGKのプラグはパッケージに締め込み回転数のイラストが描かれているのか。以前はこんなのなかったなあ。イラストに従って手で回せなくなったところからさらに180度ばかりレンチで締め込む。このパッケージは型番等の表示を含めて一切日本語が使われていないことに気がついた。このままの仕様で輸出できるということなのだろうか。

翌日整備終了のVTRに乗って「野菜ツーリング」に出かけてきた。ツーリングの詳細は気が向いたら書くかもしれないが、この時思った。

昨日までと比べて、明らかに全域トルクアップしている…。

エアクリ交換後の試運転では感じなかったことだ。車両購入直後の、あの「コロコロトコトコ」と低回転からよく粘るVTRならではの乗り味が蘇った。裏榛名のコーナーを10000回転で全開で抜ける時も、いつもと異なり回しただけパワーが着いて来ている(従来比で)。持論を修正することにした。

プラグはケチらずさっさと換えた方が良い。