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秘伝・高等HSK必勝法

2007年06月15日 | 中国語
日本人留学生の女の子が、
「HSKの高等、また落ちちゃった~」
とメールを送ってきた。この子、かなり話せるのなぁ~。

いいか、あれはテクニックじゃぁ~、という返事メールを書いてて、ふと気がついて、ブログにすることにしました。
(仕事もちゃんとしてますので編集の方、ご安心を~。書いてからいったん寝かせるのがコツ。ブログは全然やってないけど)。



HSKというのは(漢語水平考試 hanyu shuiping kaoshi)の略で、
1~8級が初中級、9~11級が高等で、数字が多いほどいい成績。
意外と試験に強い私、10級を持っております(エッヘン(笑))。今は受かる人も多いから、自慢してると恥ずかしい?


私、別に中国語はうまくはないのだが、これは「中国」の試験戦争をくぐり抜けた学生のアドバイスと、中国人の励ましのおかげ。

   



おもしろいなーと思ったのは、
中国人はテスト好きで老若男女、皆、受けろ、ガンバレ、手伝ってやるって言う。


「私、仕事からして別に受かっても意味ないし、あれ、上にいくほど試験のための勉強になって、上達に直接的にはあまり役に立たないような気が~」と言ったら、「試験というのは、すなわちそういうものだ!ディプロマの意味は持っているということだ。勉強しろ!」といわれ、
(おお、科挙の国!)と思った。で、その次に「先生、探して、出題の問題教えてもらえ」て、言われるんだけど……。


彼らは「競争主義」が骨身に沁みててそのシステムがどうあろうと、人より抜きん出るために勉強するのにつべこべ言わない。

「じゃあ、力試しに受ける」と言ったら、「お金がもったいない。受けるなら受かれ!」といわれ、ちょっと思うところあった。


でもあれ、高等は作文と話すテストがあって、採点の考え方が日本とまったく違うので、そこを押さえないと、実力あっても落ちちゃうのよ。

   


①作文

ポイントは「内容より量、形式」。←中国的でしょ。

指定400字から600字、考える時間も入れて30分以内って、超短い。慣れてないともう原稿ある中国語を書き写すだけでそれぐらいかかるのに。
日本なら絶対一時間にするが中国はスピード重視。(弊害は多いが、今は語らない)


それで日本人がしばしば陥るのが、内容良いものを丁寧に書こうとして、考え、400字埋まらず300字ぐらいで終ること。

 ところがこれは中国だとどんなに内容が良くても、一字でも少なければ「大減点」。基本的には規定内で多いほどいいそう(中国の学生たち談)。オーバーも減点。


 次に形式。頭二字落とすとか、いうやつね。やはりできてないと減点。複雑なのはあまりでないが、手紙文ぐらいは押さえておく。忘れちゃうんで、私は前の日にしか見ませんが。


 つまり内容はイマイチでもいいから、形を押さえてともかく時間内に書きとばせ~、で、私は文字数を稼ぐのにタイトルの繰り返しから書き出したりします。

 で、本文でもくりかえす。「…とういうわけだが、それは正しいことだろうか、いや間違っているだろうか」とか、全然内容ない。

 あと自分のパターン決めとくと早い。「それには三つの理由(問題点、etc…)が~」とか、何でもムリヤリ三つにしちゃう(笑)。本業ではぜったいやりませんが、試験作文には向いてる。


 それとけっこう「臭い」話が受けるな。明るく前向きの嘘八百の。どんなのかは初中級の閲読の文や作文の回答集見てるとつかめます(私は思ってないことは作文のテストといえども書かないけど)。自国の話は自慢せよ。
 中国の採点官の方々はある意味世界が狭いので、わかりやすい話がいい。


 これ聞いてやって作文は11級だから(私は漢字は超書けません。特に難しい言い回しや成語もまったく使っていません)「量」の勝利。もちろん留学の授業の時も中作文は好きだったが、試験用はまた別物。

 
中国の作文が型にはまってる理由わかるな……。

②話すテスト

1)
最初の短文朗読で、読めない字が出てくると焦るけど、気にする必要なし。
語言大学の元採点官に聞いたら、あれは「読めるかどうか」ではなく、なんと「出せてない音がないか」をチェックしているそうです。
 採点官三人でピンインの表持っていて、消しこんでいくそう。

 時間は2分とか指定あるけど、あんまり関係ないそうなのでゆっくり正確に。日本人は、很好の henでよく引っかかるそう。私もnで終るの、苦手。
 en とかan とか付いてるのは、試験の時だけでもちゃんと舌をかもう。
 中国人には全然違って聞こえるみたいよ。


2)スピーチ。

これも基本は作文と同じ。内容より、「話せているかどうか」。
中国学生いわく、
中国は英語の試験でも、先生が止めてもしゃべれ! と指導され、そのほうが圧倒的に点がいいそう。


あと間違いは気にするな。

いきなりテーマ与えられて、スピーチするわけで(また準備の時間、2,3分でしょ)、ちょっとは準備をと、昔、家庭教師と2,3回練習したことがあるけれど、ぜ~ったい間違いだらけだと思うのに、それを指摘してくれ、と言っているのに、中国人て気にしない、というか、「没関係!」。

 あんた、私そのために~と思ったが、前出の元採点官も気にしないのを見て、考えを変えた。つまり中国人は話すとき、「きちんと」なんてあまり求めていない。

 それより大減点はやはり「無口」。日本人は話せても黙る。

ゆえにしゃべるためのポイントは、「ネタ」準備。

 人によるけど、私はおしゃべりじゃないし、反応も恐竜のように遅いんで、とりあえずしゃべることを日本語で箇条書き。最初は中国語で書いて大失敗したんで…。
 それを見つつ、作文と同じで、どーでもいい「詰め物」を入れつつひきのばす。
 なんにでも使える締めの言葉も好きなの一個覚えておく。「総之(まとめますと~)」とかね。

 くりかえします。「内容」「言い回し」「正確性」はそう重要じゃなし。いい事を言う必要もなし→気楽でしょ。
 それより今の自分の実力で、どうやったらいっぱいしゃべれるか、に力を注げ。

 採点官は内容より「話せるか」「書けるか」を見てるんであります。

 あと、私は中国で300円のストップウオッチ買いました。持って数度練習。
 会場の時計もこれにした。でも試験官、話すテストはけっこう時間管理いいかげんで、みんなが話しやめたらそこで終ってた(笑)。
 
③ヒヤリング

初中級の頃からやっているのが、テストの勉強時間がなければ、前の日に発音練習15分。全然違います。音、はっきり聞こえる。

④閲読

 多い。読むのが好きな私でもめまいするほど、多い。
 あれは問題を先に見てから、本文を読む。文章の順にしか答えが隠れてないので、便利です。

⑤総合

 すいません、これはわからないなー、問題集もやってないし。

 えらそーに書いてきたが、私、実は高等は「試験勉強」はほとんどしてなくて(付け刃は効かないし)、スピーチ馴れをちょっとやったぐらいで、後は問題の解き方、答え方をチェック。

 あと一項目でも極端に低いと落とされるので、最弱点の補強ね。

 それと高等の試験はヘッドフォンチェックなども含めて、3時間強あるので(トイレ休憩一回あり)、非常に脳みそが疲れます。中国は事実上飲み物持ち込みOKなので、いつもは飲まない甘いジュースなんて飲んで、脳に糖分補給してました。終るとクタクタじゃ~。
 
 あと偏差値テストなので要は『勝負』。話すテストの時は、LL教室で皆いっせいにガーッとマイクにしゃべりだし圧倒されるが、あれ、馴れてるだけで、よく聞くと実は皆、たいしたことない(笑)。人は石だと思って自分に集中すべし。



 HSKで一番難しいのは、私は初中級の「8級」だと思っていて、
 取ったときはちゃんと問題集をやりました。

 8級は失敗ほとんどダメっていうのが、きつかったが、試験としては高等のほうがやさしいです。
だから8級受かっている人なら、うまく対策すればぜったい9級は受かる。
 HSKはやっぱり「中国のテスト」で実力あるのに、受からない人けっこういるんで、自分もたいしたことないけど、恥ずかしながら書いてみました。

 祝ni成功!


    

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