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ウェッジにて「日本人の値段」、ご紹介いただきました!

2015年04月04日 | 新刊紹介 日本人の値段

WEDGE Infintyにて、「日本人の値段」、ご紹介いただきました!!


日本人技術者を買う中国企業

『日本人の値段』
2015年04月03日(Fri)  中村宏之氏 (読売新聞東京本社調査研究本部 主任研究員)

研究員の方らしい、クールで客観的な非常にいい書評です!
めちゃ、うれしい。

うん、私も一番、びっくりしたのは、その人数の多さと一流企業の人が大量に中国企業に行っていることでした。
そりゃ、いるとは聞いていたけど、全土で何十人とか、非常に特殊なケースだと思ってた。
現実は違うんですね。
5000人て、私も多いと思ったんですが、これ、人によって反応はいろいろで、
「多いか少ないか、よくわからない」
という人もいました。

私が書きたかったのは、日本社会の変化です。
後、中国や他の国との関係の中での、日本の位置の変化。

人はどうやって、そういうことを認識しているかというと、

1.自分で見たこととか、体験、職場や学校、友だちなどから得る生情報(1次情報というか、正確にはこれも後半は2次情報なんですが、第三者の、利害とかその他のフィルターがかかっていない)。
2.メディア、書籍などからの二次情報。

これを複合して世界観を構築しているわけです。

1.のほうは、その人の居ている位置で全然違う。
地方都市のシャッターが全部閉まった商店街の中に居れば、(おい、いい話ねえよ。日本大丈夫か。もうダメだろな)でしょうし、東京のそこそこ儲けているいい会社の、年齢が上の方にいれば、「いやぁ、日本ていい国だなぁ。景気って悪い? オレ、ガマンしてきてよかった。友だちもみんなそうだよ。このまま逃げ切るべ、いけるんでねえの、後は知らない(→というか、そう組織に従うしかない)」の人も少なくない。
 また、危機感を持つヤングエグゼクティブ(すごい死語w)なら、独自の生情報網を持ち、日本の10年先を楽しく生き抜くための手を、いまもちゃくちゃくと打っているかもしれない。

2.は、実際自分で世界のあらゆることを見たり体験できるわけではないので、人の言っていることを信じるしかない。
本当は中国は、日本より空気が良くて食もすべて安全で、民主的なすばらしーい国かもしれない(笑)。←これは嘘よ、念のため(笑)。しかしそういう私も、アメリカやロシアについては人の言うことを信じるしかない。一次情報がほとんどないからです。ところが情報(数値などのデーターではなく)の実態は幻想なので、わりとどうとでも操作できるんですね。ご存じのように、実際、かなり操作もされています(程度の差はあれ、どこの国も)。ところが情報がウソだと判断を間違う。

 「あっちに美人がいるぞ!(情報) 」。ドドドドー(判断)。「ぼったくりバーにようこそ!お客さん ドアを触ったら入店したのと同じだよ。100万出しな」(結果)。「さあ、美人がいると言ったオレの取り分は50万だよな」(ウラ)。 ということも、あるかもしれない。


私は、見えない一つの現象を、できるだけフェアに可視化したかった。
うまく届いたようでうれしいです。

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余談ですが、中国というのは、2がいつもあまりにもウソ八百のため、伝統的に1の情報入手方法が非常に発達しています。あの人たち、人とご飯ばっかり食べてるでしょ。
 法や道徳的なことを除けば、今の中国の中間富裕層というのは、

 >また、危機感を持つヤングエグゼクティブ(すごい死語w)なら、独自の生情報網を持ち、日本の10年先を楽しく生き抜くための手を、いまもちゃくちゃくと打っているかもしれない。

 を、10年前に実行した人々です。