MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

欅坂46 『不協和音』の「僕」について

2017-04-20 00:01:47 | 邦楽

欅坂46 『不協和音』

欅坂46さん『不協和音』の歌詞
フチョウワオン
words by アキモトヤスシ
music by バグベア
Performed by ケヤキザカフォーティーシックス

 週刊文春の2017年4月20日号の「考えるヒット」というコラムで近田春夫が欅坂46の

新曲「不協和音」の歌詞に関して、以下のような推論をしている。

「『不協和音』の歌詞からどうしても感じてしまうのは、秋元康とスタッフの間にはなんらか隙間風が吹いているのではないかということである。かつてとは違い、意見の衝突などで孤立を実感することも増えた。読めば読むほどこの歌詞、そのような状況下の自身を鼓舞するために書かれたものに思えて仕方がないのだ。その行く手には何だか大変なことが待ってるんじゃないんすかね? なーんちゃって。」

 しかしこの理屈は考えにくい。例えば、秋元康が関わっている曲が売れなくなってきている

ならばともかく、乃木坂46や欅坂46の曲の売り上げは伸びており、AKB48の曲は安定して

売れているのだから、スタッフが秋元康に文句を言うわけがないからである。しかし秋元が

「当て書き」して歌詞を書くことはよくあることで、誰を思い浮かべながらこの歌詞を書いたのか

勘案するならば、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺された金正男ではないかと思う。

金正男が暗殺された日は2017年2月13日で、「不協和音」がリリースされると告知された日は

翌日の2月14日なのである。もちろんそれ以前から楽曲の制作は始まっていたはずだが、

この出来事から強いインスピレーションを得て良い歌詞が書けると確信したのではないだろうか。

そう思いながら聴くと納得できる内容の歌詞で、金正男について歌われた世界で初めての曲だと

思う。もっとも曲のイメージを損なわないために、作詞家が本当のことを言う訳はないのだが。

 それにしてもアイドルグループだと思って加入した欅坂46がゴリゴリのダンスユニットだった

ことに戸惑っているのは土生瑞穂だけではないと思う。


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「(Sweet Sweet Baby) Since You've Been Gone」 Aretha Franklin 和訳

2017-04-19 00:42:01 | 洋楽歌詞和訳

 4月16日のNHK-BSプレミアムの『笑う洋楽展』ではアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)の

「愛する貴方を失くして((Sweet Sweet Baby) Since You've Been Gone)」も流れていた。

以下、和訳してみる。

「(Sweet Sweet Baby) Since You've Been Gone」 Aretha Franklin 日本語訳

私は言わなければならないことがある
私が本当に冷たいやり方で傷つけることをあなたは甘んじて受け入れた

あなたの名前を口にすると私は身震いするだろう
あなたが言えば
私はその通りにすると答える

私は自分に正直でありたいから
あなたに猶予を与えるとあなたに言う
私に仕えて欲しい
あなたの全てを私のものにしたい
私はただとても憂鬱だ

あなたがいなくなってしまってから
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)
あなたがいなくなってしまってから
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)

あなたが逃げ出すなんて想像もしていなかった
私の唇にはプライドが残っていて
あなたを路頭に迷わせるようなことを言ったけれど
心の底ではそんなことは思っていなかった
でも、私の話を聞いて
私はどうしていいのか分からない
どうにかしてあなたを取り戻さないといけない
私は努力している
私を再び迎え入れて
私のことを尊重して
もしもあなたがあのドアへ歩いていくなら
私はひざまずいて嘆願できるから
私はただとても憂鬱だ

あなたがいなくなってしまってから
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)
あなたがいなくなってしまってから
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)
私はとても孤独だ
あなたがいなくなってしまってから
私はとても孤独だ
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)
あなたがいなくなってしまってから
(何故そんなことをしたの? 何故そうしなければならなかったの?)
とても孤独だ


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「No Paticular Place to Go」 Chuck Berry 和訳

2017-04-18 00:50:19 | 洋楽歌詞和訳

チャック・ベリー死去で楽曲売上が「1万%以上」の急上昇に
R&R創始者の一人チャック・ベリーさん死去 90歳

 4月16日のNHK-BSプレミアムの『笑う洋楽展』ではチャック・ベリー(Chuck Berry)の

「夢のドライブ・ウェイ(No Paticular Place to Go)」も取り上げていた。以下、和訳してみる。

「No Paticular Place to Go」 Chuck Berry 日本語訳

俺は自分の車に乗っている
俺は横に恋人を乗せて運転している
1マイル走った辺りで俺は唇を奪った
だんだん好奇心が抑えきれなくなると
俺は行く場所を決めないままラジオをつけて車を走らせた

俺は自分の車に乗っている
俺は自分が感じていることを彼女に言うことに不安を持ったから
俺は穏やかに誠意を持って彼女に言った
それを聞いた彼女は俺の耳元でささやいた
行く場所を決めないままもっと抱きしめてゆっくり運転してと

行く場所は決めていないから
ココモ市に車を停めた
更けようとしていた夜は満月だったから
俺たちは散歩しようと決めた
俺の気持ちが想像できるか?
俺は彼女のシートベルトを外すことができなかったんだ

俺は自分の「刑務所」に乗っていたんだ
彼女のシートベルトが緩まないかまだ格闘していた
俺は怨みながら帰途についた
ピクリとも動かなかったシートベルトのおかげで
俺は行く場所を決めないままラジオをつけて車を走らせた

 「行くあてのないドライブについての歌です」というのがこの曲に関する番組の説明なのだが、

正確に言うと、最初は行くあてもなく車を走らせていたのだが、肝心な時に彼女が締めていた

シートベルトが外れなくなって、どこにも行きようがないまま帰ることになったという歌である。


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「Killer on the Loose」 Thin Lizzy 和訳

2017-04-17 00:53:54 | 洋楽歌詞和訳

 4月16日のNHK-BSプレミアムの『笑う洋楽展』でシン・リジィ(Thin Lizzy)の

「ヤツらはレディ・キラー(Killer on the Loose)」が流れていたことに驚いた。何故なら

この曲は切り裂きジャックについて歌った曲で、当時女性たちから大顰蹙を買っていたからである。

以下、和訳してみる。

「Killer on the Loose」 Thin Lizzy 日本語訳

俺をジャックと呼ぶ奴もいれば
狂人と呼ぶ奴もいる
俺は自分が名前も知らない女を探しているんだ
おまえがどこにいようと俺はおまえを探すだろう
俺はおまえにしなければならないことがあるからな
俺とおまえの間に起こることを
おまえはそれを楽しいと思うかもしれないし
冗談と思うかもしれないが
心配は募る一方だろう
何故ならおまえは一筋の希望さえ見いだせそうにないからだ

また野放しの殺人者が現われた
また浮かれた殺人者が現われた
自由に女性を殺める者が

俺は卑劣になろうとしている訳ではないし
おまえを怖がらせようとしている訳でもないが
野放しの殺人者が現われたという噂を聞いたことがないのか?
彼は丁度真夜中あたりにこの街を歩き回るだろう
そう、あの中華街だ

おまえは俺がはったりを言っていると思うかもしれない
実は彼は存在しないと思うのかもしれないが
ここで告白しよう
俺は狂った性的犯罪者なんだ

また野放しの殺人者が現われた
また浮かれた殺人者が現われた
自由に女性を殺める者が

俺は愛の陰に隠れて立ち
おまえを待っているんだ
服のファスナーを開けないでくれ
俺が切り裂きジャックなんだ
泣き叫ばないでくれ

また野放しの殺人者が現われた
陰に隠れて立っている
また浮かれた殺人者が現われた
おまえを捕まえにやって来る
自由に女性を殺める殺人者が
また野放しの殺人者が現われた
愛の陰に隠れて立っている

また野放しの殺人者が現われた
また浮かれた殺人者が現われた
自由に女性を殺める者が
また野放しの殺人者が現われた
陰に隠れて立っている
また野放しの殺人者が現われた
また浮かれた殺人者が現われた
自由に女性を殺める者が
おまえは気を付けた方が良い
また野放しの殺人者が現われた
また浮かれた殺人者が現われた
一歩下がって確かめてみろ
また野放しの殺人者が現われた

 歌詞が英語でなかったら放送をためらわせるレベルの内容の曲だと思う。


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『LION/ライオン ~25年目のただいま~』

2017-04-16 00:25:19 | goo映画レビュー

原題:『Lion』
監督:ガース・デイビス
脚本:ルーク・デイヴィス
撮影:グレッグ・フレイザー
出演:デーヴ・パテル/ルーニー・マーラ/デヴィッド・ウェンハム/ニコール・キッドマン
2016年/オーストラリア・イギリス

インド国内の複雑な使用言語のあり方について

 なかなか考えさせられる話である。主人公のサル―は5歳の時に迷子になるのだが、それはただの迷子ではなく実家があるカンドワ(Khandwa)から、閉じ込められた回送電車でコルカタ(Kolkata)まで運ばれてしまったのである。コルカタの共通語はベンガル語でサル―が喋るヒンディー語は通じないことからその遠さが想像できる。
 サル―やマントッシュの境遇も過酷ではあるが、彼らを養子として引き取ったジョンとスーのブライアリー夫妻も決して恵まれた家庭環境ではなく、特にスーの父親はアルコール依存症で、スーは虐待された過去を持っており、同じような境遇の人が集まることでお互いを理解し支え合えるということがいわゆる「グループホーム」と呼ばれる施設の存在概念なのだと感じた。
 いまいち分からなかったシーンはサル―がコルカタの孤児院に入れられた際に、孤児の中にサル―と同じヒンディー語を理解できる娘がいたことで、さらにサル―は英語を勉強させられるのだが、その前にサル―はベンガル語を学ばなければならないはずで、ここら辺の言語のあり方がよく分からなかったのではあるが、それでもやはりラストは、分かってはいても感動する。


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『夜は短し歩けよ乙女』

2017-04-15 21:35:35 | goo映画レビュー

原題:『夜は短し歩けよ乙女』
監督:湯浅政明
脚本:上田誠
出演:星野源/花澤香菜/神谷浩史/秋山竜次/中井和哉/甲斐田裕子/吉野裕行/新妻聖子
2017年/日本

「詭弁踊り」の元となる「ダンス」について

 まず作画の大胆さに驚くのだが、これは大正ロマンを代表する画家の竹下夢二の作風を想起させる。しかしさらにミニマルに原色を多用する時、これはフランスの画家のアンリ・マティスのフォーヴィスムと呼ばれる油絵とその後の切り絵を想起させるもので、つまり1884年生まれの竹久夢二と1869年生まれのアンリ・マティスとの作風の類似による「同時代性」を感じさせるのである。


『Portrait of the Artist's Wife』(1913年)       『夢二の絵葉書』(1910年)


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『サクラダリセット 前篇』

2017-04-14 00:34:33 | goo映画レビュー

原題:『サクラダリセット 前篇』
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋
撮影:清久素延
出演:野村周平/黒島結菜/平祐奈/健太郎/玉城ティナ/恒松祐里/岡本玲/大石吾朗/加賀まりこ
2017年/日本

「石」を愛せるまでの心境について

 「魔女」と呼ばれる老婆が、春埼美空に問いかけるシーンが興味深い。「魔女」は美空に対して、どれだけ浅井ケイのことを愛しているのか問いただすのであるが、例えば、ケイが両腕を失った場合や、あるいは両足を失った場合、さらには目や耳や口を失った場合、それでも美空はケイを愛せるのか訊ねるのである。もちろん愛せると答える美空に対して、それならば石と化したケイでも愛せるのかと訊ねるのである。なるほど、高齢者が茶の間に石を飾るようになるということはこういう「悟り」のような境地に達したことなのだと納得した次第である。
 学校の教室にしても、「魔女」の部屋にしても妙に壁が目立ち飾り気がないのは、SF映画としては逆に謎を深めて効果的だと思う。


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「Point of Know Return」 Kansas 和訳

2017-04-13 00:53:01 | 洋楽歌詞和訳

Kansas - Point of Know Return

 以前からカンサス(KANSAS)の「帰らざる航海(Point Of Know Return)」の「Know Return」

の部分が「No Return」ではないのか不思議に思っていたのであるが、まずは和訳してみたい。

「Point Of Know Return」 KANSAS 日本語訳

君に十分な給料を払うと言っている船長たちについての噂を聞いたんだ
道を開拓するため今日にでも出発するために船員が必要だと言っていた
「どれくらいかかるんだ?」と言っていたのは君だっただろう?

海はすぐに天候が悪くなるから今が潮時なのは言うまでもない
悪魔たちが監視している場所は勇者たちにとっての海の墓場だと言われている
「どれくらいかかるんだ?」と言っていたのは君だっただろう?
「戻る手がかりになる地点(Point Of Know Return)までどれくらいかかるんだ?」

君の父親は君が必要だと言った
君の母親は君を愛していると言った
君の兄弟たちは君の言葉を繰り返している
「戻る手がかりになる地点までどれくらい遠いんだ?」

今日、海に漂っている、君から僕に宛てたメッセージを見つけた
君がそれを見つけた頃は
その地点はすぐそばにあり君は恐怖におののくだろうと書かれていた
「どれくらいかかるんだ?」と言っていたのは君だっただろう?
「戻る手がかりになる地点までどれくらいかかるんだ?」

 この和訳だけでは分からないと思うが、地球は丸いために、そこは「引き返せない地点

(Point Of No Return)」であると同時に、「戻る手がかりを得られる地点(Point Of Know Return)」

でもあるというレトリックなのである。

KANSASさん『Point of Know Return』の歌詞
ポイントオブノウリターン
words by スティーブフィルロバート
music by スティーブフィルロバート
Performed by カンサス


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『レゴバットマン ザ・ムービー』

2017-04-12 00:35:45 | goo映画レビュー

原題:『The Lego Batman Movie』
監督:クリス・マッケイ
脚本:セス・グラハム=スミス/クリス・マッケーナ/エリック・ソマーズ/ジャレッド・スターン/
    ジョン・ウィッティントン
出演:ウィル・アーネット/ザック・ガリフィアナキス/マイケル・セラ/ロザリオ・ドーソン
2017年/アメリカ・デンマーク・オーストラリア

「レゴ」というツールによって成り立つストーリーについて

 冒頭のタイトルバックのロゴを「イジる」ギャグを見たのは『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』(高松信司監督 2010年)以来ではないだろうか。
 本作の主題はマイケル・ジャクソンの名曲「マン・イン・ザ・ミラー(Man In The Mirror)」の歌詞から引用されている「もしも君が世界をより良い場所にしたいのならば、君自身を見つめて変えるんだ。(If you wanna make the world a better place/Take a look at yourself and then make a change.)」というものである。
 主人公のバットマンは幼い頃に両親を「犯罪横町(Crime Alley)」で亡くした経験から、孤独な戦いを強いられているのだが、他人に対する冷たさは敵であるはずのジョーカーでさえ引くほどのものである。
 そんなバットマンに対してバーバラ・ゴードン(バッドガール)は「本当は仲間を失うことが怖くて他人を拒絶している」と指摘されたバットマンは、心を入れ替えてバーバラと共に、孤児だったディック・グレイソンをロビンとして、更に秘書だったアルフレッド・ペニーワースも仲間に加えて戦っていくことになる。つまり本当の家族ではないが、「疑似家族」でジョーカーたちと相対することになるのであるが、これは「レゴ」だから納得できる大団円であって、やはりバットマンはなるべく犠牲を出したくはないというのが本音であり、そこにバットマンの「美学」を見いだすからいつまでも愛される存在でいられると個人的には思う。


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『ブルーハーツが聴こえる』

2017-04-11 22:10:15 | goo映画レビュー

原題:『ブルーハーツが聴こえる』
監督:飯塚健/下山天/井口昇/清水崇/工藤伸一/李相日
脚本:飯塚健/下山天/鈴木しげき/井口昇/清水崇/石川健太/永瀬正敏/小嶋健作
撮影:山崎裕典/下山天/長野泰隆/ふじもと光明/山田真也/大塚亮
出演:尾野真千子/市原隼人/斎藤工/要潤/優香/永瀬正敏/水原希子/豊川悦司/三浦貴大
2017年/日本

演出方法と好みの問題について

 日本のロックバンド「THE BLUE HEARTS」の楽曲をモチーフに6人の映画監督によるオムニバス形式の作品である。
 最も出来の良い作品を挙げるならば、清水崇監督の「少年の詩」ではないだろうか。母子家庭で鍵っ子の小学校4年生の石川健はテレビドラマの「ボンバー仮面」が好きでよく観ていたのだが、母親の石川ユウコが働いているデパートの屋上にボンバー仮面がやって来ることを知っても観に行こうと思わなかった理由は、ユウコの上司である永野昭司と母親の関係を既に怪しんでいたからだろうか。聖書から引用されたらしい「装飾に頼るな」という言葉を実践するかのように、健はボンバー仮面に扮した永野を飛び蹴りで倒してしまうのである。
 工藤伸一監督の「ジョウネツノバラ」は全くセリフの無い異色作である。恋人を亡くした男が葬儀の最中に恋人の遺体を車イスで運び出し、体を洗った後に冷凍保存を試みる。男は若かった頃の恋人を思い出しながら時間が過ぎるのを待っているのである。そして老人となって死期が近づいてきた男は冷凍保存していた恋人を覆っていた氷を溶かした後に、若い恋人と共に絶命するのである。
 李相日監督の「1001のバイオリン」は福島県の原子力発電所の作業員だった秋山達也を主人公にしている。決して出来が良いとはいえないのだが、「2020年 東京オリンピック」という横断幕に秋山の後輩の安男が小便をひっかけるシーンが全てを物語っているように思う。
 飯塚健監督の「
ハンマー(48億のブルース)」はいつものようにセリフ回しが絶妙に上手いのだが、多少の演出のあざとさは好みの問題かもしれない。
 下山天監督の「人にやさしく」と井口昇監督の「ラブレター」はどちらもSF作品という括りでいいと思うのだが、それぞれの出来の落差が甚だしく、それぞれの予算の都合はあるのだろうが、「ラブレター」の演出は雑過ぎないだろうか。それともこれも好みの問題なのだろうか。


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