(2017年4月5日 毎日新聞朝刊)
パン屋「郷愛不足」で和菓子屋に 道徳の教科書検定
【道徳教科書検定】「パン屋→和菓子屋」などと文科省が書き換え指示? 誤解が広がった理由とは…
アクティブラーニングや小学校での英語必須化も 新学習指導要領について
例えば、東京書籍が出版する小学校4年生の道徳の教科書に掲載される予定だった
「しょうぼうだんのおじさん」という題材のタイトルを、おじさんからおじいさんに修正したのは、
感謝する対象として指導要領がうたう「高齢者」を含めるためらしいのだが、”おじいさん”の
消防団というのが救う側も救われる側も不安でならなくなると思うのは私だけだろうか?
あるいは同じ東京書籍の小学校1年生の道徳の教科書に掲載される予定だった
「にちようびのさんぽみち」という教材で登場する「パン屋」を「和菓子屋」に修正された理由は、
「パン屋がダメというわけではなく、教科書全体で指導要領にある『我が国や郷土の文化と生活に
親しみ、愛着をもつ』という点が足りないため」と説明している。学研教育みらいが小学校1年生の
道徳の教科書に掲載される予定だった「大すき、わたしたちの町」と題して町を探検する題材で、
アスレチックの遊具で遊ぶ公園を、和楽器を売る店に差し替えられたのも同様の理由で出版社が
差し替えたらしいのだが、しかしそれならばそもそも小学生から英語など学ばせるべきではなく、
英語を教える時間を全て国語に費やすべきなのである。このように文部科学省の教育改革はいつも
ブレているから、結局、日本人はいまだに英語が喋れず、道徳は崩壊しているのである。