MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『さよならくちびる』

2019-06-12 12:37:24 | goo映画レビュー

原題:『さよならくちびる』
監督:塩田明彦
脚本:塩田明彦
撮影:四宮秀俊
出演:小松菜奈/門脇麦/成田凌/篠山輝信/松本まりか/新谷ゆづみ/日髙麻鈴/青柳尊哉
2019年/日本

楽曲の良さだけが頼りの作品について

 ハルはバイト先のクリーニング所で一緒の働いていたレオを誘って「ハルレオ」という音楽ユニットを結成して路上ライブをしていたところをシマに見つかり、ローディとマネージャーを買って出る。
 物語は「ハルレオ」の解散前の全国ラストライブツアーの様子を描くロードムービーで、合間に2人の葛藤などが断片的に挿入されるのだが、例えば、ハルが曲を作るようになるまでの壮絶な人生がどのようなものだったのかなど具体的に描かれることはないために、不仲になった理由もよりを戻した理由もはっきりとはわからず、生々しさは感じられるものの娯楽映画としては観客に不親切ではある。
 それでも本作を観るべきものたらしめているのは本作で使用されているオリジナル曲の良さであり、それに尽きるのかもしれない。
 シマがかつて組んでいたバンド「Kill Himself」のアルバム『Loveless』は存在しないようだが、シマがレオに勧めたピーター・グリーン(Peter Green)の『The End of the Game』は1970年にリリースされた実在するものである。しかし同じインストゥルメンタルアルバムならば『The End of the Game』よりもフランク・ザッパ(Frank Zappa)の『ホット・ラッツ(Hot Rats)』を勧める。


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