MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『祈りの幕が下りる時』

2018-02-18 20:02:59 | goo映画レビュー

原題:『祈りの幕が下りる時』
監督:福澤克雄
脚本:李正美
撮影:須田昌弘
出演:阿部寛/松嶋菜々子/溝端淳平/田中麗奈/及川光博/伊藤蘭/小日向文世/山崎努
2018年/日本

主人公の殺意の「方向性」について

 シリーズ最高傑作という噂通りに緻密で無駄の無いストーリー展開に加えて、主人公の浅居博美を演じた桜田ひよりから松嶋菜々子に至るまでの熱量の高さを維持した好演には涙なしでは観ることができなかった。
 しかし本作においても一つだけ惜しい部分はあって、父親の浅居忠雄が焼身自殺を試みる際に、かつて焼身で死ぬことなど考えられないと言っていた父親の言葉を思い出した博美が自ら父親を手に掛けた後に父親が暮らしていた掘っ立て小屋に火を放つのであるが、人生を賭けて自分を愛してくれた父親を殺めるほどの強い動機が個人的には感じられなかったのである。それほどの感情を抱えている博美ならば訪ねていった母親の浅居厚子を殺していてもおかしくないからである。しかしこれは映画を観ただけの感想であって、長編小説においてはその点は詳細に描かれているのかもしれない。


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