MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『愛と誠 』 30点

2012-06-24 21:48:19 | goo映画レビュー

愛と誠

2012年/日本

ネタバレ

背筋を凍らせる作品について

総合★☆☆☆☆ 30

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 本作の完成報告会見において、主人公の太賀誠を演じた妻夫木聡が、「脚本を読んで、なかなかふざけた映画だなと思いました。全然『純愛エンターテインメント』じゃないですからね。三池さん、悪ふざけしちゃったな、と思って」とうっかり本音を述べてしまい、これはまずいと思ったのか「でも、面白いんですよ」と付け足しても後の祭だったのであるが、斬新な演出のように見せかけて、交互に映し出される暴力シーンとミュージカルシーンを冒頭とラストのアニメーションで挟み、極力物語ることを排した演出は極めてシステマチックなものであり、三池監督の前作『逆転裁判』(2012年)のレビューで私が危惧していたことが現実味をおびてきた。妻夫木聡の「激しい恋」はまだしも、伊原剛志の「狼少年ケンのテーマ」にはさすがに背筋が寒くなった。
 太賀誠と母親の関係も微妙で、誠は母親に捨てられたことに怨みを抱いているのであるが、誠の幼少時のシーンを見る限りでは、夫の不在でアルコール依存症に陥った母親を誠の方が放棄しているように見えてしまう。
 結果的に本作はヒロインの早乙女愛を演じた武井咲の美しさと勘の良さを満喫するだけのものになっているのであるが、如何せん‘夾雑物’が多すぎる。
 ところで本作をミュージカル映画の大傑作として95点をつけていた評論家がいたのには驚いたが、明確な境界線は引けないとしても明らかに本作を高く評価できる‘昭和世代’と、しらけるだけの‘平成世代’という感性が存在するようだ。


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