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 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『夫のちんぽが入らない』は実話なのか?

2023-07-29 20:30:37 | Weblog

 今頃になってこだまのデビュー作『夫のちんぽが入らない』を読んでみた。「普通」にできない、「当たり前」に生きていけない人たちへのエールという捉え方に文句を言うつもりはなく、実際に同様な苦悩を抱えている人たちには励みとなる作品ではあるのだろうが、読み終えた今でも個人的には「これは本当の話なのだろうか?」という疑問を拭えないでいる。
 確かに文章は上手いし、深刻な私小説というだけでなく、エンタメ小説として読んでも面白いとは思うのだが、例えば、夫との実際の性交渉の場面を引用してみると、

「昨夜と同じ振動が始まった。強く、強く押されている。ぶつかっている。
『うーん、これより先に進まない』
『今どれくらい入っていますか』
『入っていない。当たっているだけ』
『当たって、いるだけ』」(p.43-p.44)

 ジョンソンベビーオイルを使えば半分くらいは入るようなのだが、痛みと出血が伴うらしい。

 精神分析学的には著者と母親の関係によって、愛すべき人間に非道な仕打ちを犯してしまうというコンプレックスが考えられるものの、もしも夫のちんぽだけが入らないというのであるならば、相手によって拒絶できる可能性を秘めた女性の膣において既にこの世に強姦は存在しないはずなのである。強姦されそうになれば入れないように閉めればいいのだから。

 これは決して本作を揶揄したり茶化したりする意図で書くのではないが、膣がダメならば肛門という手立てもなくはない。最初は痛いだろうが、慣れれば快感も芽生えてくるであろうし、もしも子供が欲しければ、人工授精という手段もある。つまり究極を突き詰めていくならば、結果的に「普通」に見えてくることはあるのである。

 夫の指なら入るのだろうかと様々な疑問が湧いてきて、とにかく本作だけでは納得できなかったということだけは記しておきたい。


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