MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アンダーカレント』

2024-03-16 00:58:04 | goo映画レビュー

原題:『アンダーカレント』
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉/澤井香織
撮影:岩永洋
出演:真木よう子/井浦新/リリー・フランキー/永山瑛太/江口のりこ/中村久美/康すおん/内田理央
2023年/日本

自分自身でもおかしくなかった他人について

 主人公の関口かなえは夫の悟と4年交際して結婚して4年になるのだが、令和6年のある日、突然失踪してしまう。かなえは家業の銭湯「月乃湯」を閉めていたのであるが、常連客に促されてとりあえず再開することにした。そこへ住み込みで雇って欲しいとやって来たのが堀隆之なのであるが、ボイラー整備士などの数種の免許を有しており、明らかにかなえの銭湯とは釣り合わない優秀さなのである。
 毎日100人が自殺し、行方不明者は年間8万5千人いる日本において悟はどこへ行ったのか思案しながらかなえは常連のシングルマザーの藤川美奈の娘のみゆが連れ去られた事件をきっかけに、昔のある出来事を思い出す。小学生の頃、かなえにはさなえという親友がいた。さなえは誘拐されて溺死させられたのであるが、そこにかなえもいたのである。かなえは後ろで髪を結ぶとさなえに似ているとさなえに言われていた。つまりさなえの代わりにかなえが殺されていてもおかしくなかったのである。かなえは交通遺児と聞かされていた悟が山形県出身で彼の父親も二年前まで存命だったことに驚くのだが、自分が悟の立場になってもおかしくはなかったと思い直すのである。
 例えば、かなえが初めて探偵の山崎道夫と喫茶店で対面するシーンにおいて、壁を背にしている山崎からかなえを映す際に、改めてセットを作って撮影しているところなどかなり手間をかけており、個々のショットの的確さに一々感心してしまった。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/anannews/trend/anannews-508790


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