MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『エルネスト』

2017-10-17 00:44:15 | goo映画レビュー

原題:『ERNEST』
監督:阪本順治
脚本:阪本順治
撮影:儀間眞悟
出演:オダギリジョー/永山絢斗/ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ/アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス
2017年/日本・キューバ

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 本作はフレディ・前村・ウルタード(Freddy Maemura Hurtado)、通称はエルネスト・チェ・ゲバラによってつけられたエルネスト・メディコ(Ernesto Medico)の物語であるが、何故か冒頭はチェ・ゲバラが日本の広島を訪れるエピソードが描かれている。しかしそれは日本にとっては良い話ではあっても主人公であるフレディとは何も関係がない。
 それよりもフレディが1962年に奨学生としてキューバの医学校の国立ハバナ大学へ入学する以前の、共産党員としてのフレディの活動や、フレディの出身国であるボリビアにチェ・ゲバラが入国した経緯を描かなければフレディの母国に対する強い想いが伝わってこない。
 その結果、本作はフレディの片想いや幼なじみの裏切りなど、別にフレディが主人公でなくても描ける「紋切型」の物語に納まってしまい、死をも覚悟したフレディの情熱が感じられないのではあるが、いずれにしてもフレディ・マエムラ・ウルタードという日系人の存在を知ることができただけでも良かったと得心するべきか。例えば、アメリカのカリフォルニア州のソノマ郡サンタローザ市にあったブドウ園を開拓した幕末の薩摩藩留学生の長沢鼎のように。

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