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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『風の電話』

2020-02-19 12:52:26 | goo映画レビュー

原題:『風の電話』
監督:諏訪敦彦
脚本:諏訪敦彦/狗飼恭子
撮影:灰原隆裕
出演:モトーラ世里奈/西島秀俊/三浦友和/渡辺真起子/山本未來/西田敏行
2020年/日本

主人公が「素」であることの意味について

 主人公の17歳の高校生のハルは東日本大震災で家族を失い、今は広島県呉市に住んでいる伯母の広子に引き取られて暮らしているのだが、広子が病に伏して入院したことをきっかけにハルはヒッチハイクで9年振りに岩手県大槌町にあった実家に帰る決心をする。
 要するにロードムービーで、テーマは震災に限らず日本におけるクルド人などの難民問題も扱っているのだが、主人公のハルを演じたモトーラ世里奈はあくまでも「素」のままでドキュメンタリー的な要素を残し、冒頭で平成30年7月に起きた呉市の災害跡地に横になるハルをベテラン俳優陣たちが連携しながら大槌町の家があった跡地で再びハルが横たわるまでをサポートしているように見える。意外と退屈にならないところがすごいと思う。


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『ブラック校則』

2020-02-19 00:55:54 | goo映画レビュー

原題:『ブラック校則』
監督:菅原伸太郎
脚本:此元和津也
撮影:高木風太
出演:佐藤勝利/髙橋海人/モトーラ世理奈/田中樹/箭内夢菜/堀田真由/星田英利/薬師丸ひろ子
2019年/日本

50年後の「いちご白書」について

 ジャニーズ事務所が製作に関わっているという偏見でそれほど期待せずに観に行ったが、他と違い本作が佳作と見なされる理由は、主人公の小野田創楽と月岡中弥を演じた佐藤勝利と髙橋海人の好演もさることながら、お笑いコンビのはらちゃんに見間違えるほどの、ヒロインの町田希央を演じたモトーラ世理奈の強烈なキャラにあり、その風貌に完全に本作を甘い「恋愛映画」にさせない意志を感じさせるからではないだろうか。
 校則を巡る生徒と教師の戦いは2019年の10月14日から28日までの2週間で、中弥は最後の日にバイトで得た18万円で生徒たちにいちごサンドを振る舞うのだが、これは『イチゴ白書』(スチュアート・ハグマン監督 1970年)を意識した演出だと思う。


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