原題:『Shazam!』
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
脚本:ヘンリー・ゲイデン
撮影:マキシム・アレキサンドル
出演:ザッカリー・リーヴァイ/アッシャー・エンジェル/マーク・ストロング/ジャック・ディラン・グレイザー
2019年/アメリカ
「嫉妬」の扱い方について
主人公のシャザムの敵となるドクター・シヴァナは 「Pride(高慢)」「Greed(貪欲)」「Envy(嫉妬)」「Wrath(激怒)」「Lust(肉欲)」「Gluttony(暴食)」「Sloth(怠惰)」の七つの大罪というクリーチャーたちを駆使してシャザムたちを倒そうとするが、何故か「嫉妬」だけがなかなかシヴァナから出てこない。それはかつてシヴァナが魔術師に認めてもらえなかったためにシャザムになれなかった経験があり、シヴァナの「嫉妬」はシャザムに対して盲目になってしまい弱点にもなりえるからであろう。
良く出来ている作品だが、個人的には『デッドプール』(ティム・ミラー監督 2016年)のアクの強いふざけた感じの方が好みではある。
ラモーンズの「アイ・ドント・ワント・トゥ・グロウ・アップ」を和訳しておく。要するにこれが本作の言いたかったことで、思春期の男子の心情を歌わせたらラモーンズの右に出られるロックバンドはいないと思った。
「I Don't Want To Grow Up」 Ramones 日本語訳
夜、ベッドで横になっている時に
僕は成長したくない
どれもが上手くいかないように見える時
僕は成長したくない
絶えず物事が変化している霧の世界で
君はどのように行動すればいいのだろうか?
おかげで僕は犬にでもなれないものかと願ってしまうんだ
誰もが決してなりたくないものに変わっているように見える
生きがいとするものは今日だけなんだ
僕は自分のテレビに穴を開けるつもりだ
僕は成長したくない
救急箱を開けるんだ
僕は成長したくない
僕はそう叫ばなければならない状況に追い込まれたくない
僕は髪の毛を失いたくない
僕は疑惑に取りつかれたくない
僕は優秀なボーイスカウトになりたくない
僕は算数を学ばなければならない状況に追い込まれたくない
僕は多額の現金を持ちたくない
僕は成長したくないんだ
夫婦喧嘩を見る時
僕は成長したくない
2人とも出かけて一晩中飲んだくれているから
僕は成長したくない
僕はむしろ自分の部屋で過ごしたい
外には哀しみと憂鬱以外に何もないから
僕は大通りの古い大きな墓の中で生きたくはないんだ
5時に始まるニュースを見ると
僕は成長したくない
2人が髪を整えて靴を磨くと
僕は成長したくない
僕は故郷に留まって
頭金など払いたくはないし
いつまでも多額のローンを抱えたくない
2人は身を粉にして働いている
僕は箒で掃かれたくない
恋をして結婚して活気づきたい
どうしてあっという間にこんなになったのだろう?
僕は成長したくない
Ramones - "I Don't Wanna Grow Up" - Hey Ho Let's Go Anthology Disc 2