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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『あの頃、君を追いかけた』

2018-11-19 00:56:27 | goo映画レビュー

原題:『あの頃、君を追いかけた』
監督:長谷川康夫
脚本:飯田健三郎/谷間月栞
撮影:柴主高秀
出演:山田裕貴/齋藤飛鳥/松本穂香/佐久本宝/國島直希/中田圭祐/遊佐亮介
2018年日本

リメイクに相応しくないスーパーバイザーについて

 主人公の水島浩介の冒頭のモノローグを信じるならば、本作は「東京スカイツリーラインが着工された年」だから2008年ということになる。
 ところがその後2008年の日本が感じられる場面が少なく、校則が異常に厳しい水島たちが通っているような高校が存在しないことはないとしても、水島たちがいつまでも夏用の服装であることが不自然で、センター試験の時期も怪しい。地震のシーンに関しても、台湾版では「921大地震」を想起させリアリティーを持たせているのだが、本作の地震は夜7時過ぎに起こった架空の地震のためにリアルが欠けてしまっているのである。
 台湾映画のリメイクをする理由は、言うまでもなく設定を現代日本に移し替えることで日本人の観客により身近に感じてもらえるようにするためのはずなのだが、多くの点で台湾版の設定を踏襲してしまっているために違和感だけが残る。
 例えば、歌の歌詞ならば日本語を英語などの外国語に翻訳する際に、言葉を変えるだけで「設定」など気にする必要はないだろうが、物語はそういうわけにはいかないはずで、そういう意味ではスーパーバイザーとして秋元康は相応しくなかったのではないだろうか。個人的には齋藤飛鳥にアリストテレスを語らせるシーンは嫌いではないけれども。


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