原題:『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
監督:三木聡
脚本:三木聡
撮影:相馬大輔
出演:阿部サダヲ/吉岡里帆/千葉雄大/麻生久美子/小峠英二/片山友希/中村優子/岩松了
2018年/日本
何を描いているのか全然わかんねぇ映画について
三木聡の監督作品なのでそれほど期待はしていなかったが、豪華俳優陣を使っている割には破天荒なストーリーが想像していたほど弾けていなかった。
そもそも前提として驚異の歌声を持つシンと声が小さすぎるストリートミュージシャンの明日葉ふうかというキャラ設定が弱いと思う。声が大きいにしろ小さいにしろマイクを通せば同じだからである。映画にするならばいっそうのこと音が割れるほど大声にするべきだし、声が聞こえないほど小さくするべきなのである。
車が絡むシーンももたついていると思う。例えば、シンに追われたふうかが左側からタクシーに乗って右側のドアから降りた瞬間に後続の車に轢かれて持っていたギターが壊れてしまうのであるが、ここのシーンが上手く描けていないし、釜山に行った後に、警察に捕まったシンを追いかけてパトカーの窓越しに走りながらシンとキスをするふうかのシーンもグダグダで、キャラに見合ったソリッドさが感じられなかった。
結局、ラストで刑務所内を制止も聞かずに走り出し、所員に撃たれて絶命するシンの意図も汲み取れなかった。