原題:『朽ちないサクラ』
監督:原廣利
脚本:我人祥太/山田能龍
撮影:橋本篤志
出演:杉咲花/萩原利久/森田想/坂東巳之助/駿河太郎/遠藤雄弥/和田聴宏/藤田朋子/豊原功補/安⽥顕
2024年/日本
続編の存在で映える本作について
『ミッシング』(𠮷田恵輔監督)においては主人公の森下沙織里が推しのアイドルのライブに行っていた最中に娘の美羽が行方不明になってしまうのであるが、本作は逆に愛知県平井中央署生活安全課がストーカー被害に遭っていた女子大生の被害届の受理を先延ばしにして慰安旅行に行っている最中に女子大生が殺害されてしまったのだから、どうしても間隙を突かれて事件が起こってしまうことは仕方がないのではないかと思った。
ところで主人公の森口泉が神社の端の方に立っている祠にカルト宗教団体のバッジのようなものを見つけるのだが、その唐突感が拭えないものの、柚月裕子の原作の小説は良くて演出は手堅い。しかし手堅過ぎて逆に面白くないと言ってしまうともうただの悪口だな。つまり本作が県警広報広聴課の森口泉のビルドゥングスロマン(成長物語)であるのならば、続編が必要だと思うのである。