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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『中学生円山』

2013-05-18 20:54:30 | goo映画レビュー

原題:『中学生円山』
監督:宮藤官九郎
脚本:宮藤官九郎
撮影:田中一成
出演:草なぎ剛/平岡拓真/遠藤賢司/ヤン・イクチュン/坂井真紀/仲村トオル
2013年/日本

中学生の「妄想」と大人の「考え」

 「考えない大人になるくらいなら、死ぬまで中学生でいるべきだ、そうだろう?」と中学2年生の円山克也に向かって喝破するシングルファーザーの下井辰夫自身は考えているのかどうかが本作の重要なテーマとして観客に訴えかける。そもそも中学生の「妄想」が大人の「考え」に変わるのは何歳からなのか私たちには分からない。例えば、韓流スターのパク・ヒョンホンに対する円山ミズキの恋心や井上のおじいに対する円山あかねの恋心は克也のような「妄想」と比べるならば女性特有の「冷静な判断」の内に入る類のものと言える。「妄想」とは背骨に多少の痛みが走ろうとも止められない、ほとばしるエネルギーが含まれているからだ。
 「届いた?」と克也に尋ねた下井の真意は、口が股間に届いたということではなく、克也が夜中の公園で裸で踊っているところをカメラに収めた動画のDVDのことだった。下井はルールを守らない人たちに対して証拠の動画を撮ったDVDを送ることで大人として「考え」てもらおうとしていたのであるが、大人の「考え」には限界がある。例えば、妻を殺され、幼い子供を一人で育てなければならなくなった元警察官の下井の犯人に対する憎悪は、大人の「考え」で解決するような問題ではないのであるが、果たして中学生のような「妄想」で解決できるのかどうかも怪しい。しかし私たちは底なしの情熱をはらみ笑いを誘う、中学生の「妄想」に唯一の望みを託すしかなく、だから下井は最後に克也に「中学生円山」のマスクを贈ったはずなのである。
 つまり本作は「何故人を殺してはいけないのか?」という問いに対し、「人を殺してはいけない」と断言できる明確な理由はいまのところ存在しないことを明らかにした傑作なのである。


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ブレる日本維新の会

2013-05-18 00:32:36 | Weblog

西村氏が離党届=慰安婦発言、受理せず除名へ―維新(時事通信) - goo ニュース

先日、日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦制度じゃなくても風俗業ってものは必要

だと思いますよ。それは。だから、僕は沖縄の海兵隊、普天間に行った時に司令官の方に、

もっと風俗業活用して欲しいって言ったんですよ。そしたら司令官はもう凍り付いたように

苦笑いになってしまって、『米軍ではオフリミッツだ』と『禁止』っていう風に言っているって

いうんですけどね、そんな建前みたいなこというからおかしくなるんですよと。」という言葉を

忠実に捉え、17日の昼の代議士会で「売春婦はまだうようよいるぞ。大阪の繁華街で

韓国人に『慰安婦』と言ったらいい」と述べ、自らのホームページでは、「国会近くの赤坂と

いう上品な歓楽街にも、現在も韓国人慰安婦・売春婦は大勢いる。韓国は、慰安婦を輸出

しているのかと思うほどだ」と書き込み、建前ではなくて本音を吐いた西村慎吾が却って

除名処分を受けるというのは理不尽だとは思う。西村慎吾こそが日本維新の会の体質

の象徴であるはずなのだから、選挙に勝てないからという理由で信念を曲げるという行為は

日本維新の会らしさを失い、どっちみち選挙には勝てないであろう。


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