原題:『Evil Dead』
監督:フェデ・アルバレス
脚本:サム・ライミ/ロド・サヤゲス/ディアブロ・コーディ
撮影:アーロン・モートン
出演:ジェーン・レヴィ/シャイロ・フェルナンデス/ジェシカ・ルーカス/ルー・テイラ・ブッチ
2013年/アメリカ
洗練させることの是非
ホラー映画を本気で怖がって観る観客というのは恐らく若い女性くらいで、それ以外の客層はどのようなテクニックを使って監督が怖がらせようとしているのかと冷静に観ているのだと思う。本作のオリジナルである『死霊のはらわた』(サム・ライミ監督 1981年)を観てしまっている以上、野暮であることは分かっていても比較をしないということはとても難しい。リメイクにはありがちの‘洗練させすぎ’という印象は拭えない。オリジナルではヒッチコックばりのテンポの良さが本作には見当たらず、血の使い方も本作はきれいすぎてヌメるような汚濁な感じが薄いように思う。
薬物依存症の妹のミアをリハビリで更生させるために、ミアの兄のデヴィッドや友人たちが山奥の小屋に籠もる。デヴィッドは母親の死に立ち会うことが出来ず、ミアに全て任せてしまい結果的に妹に薬物に手を染めさせてしまったという後ろめたさがあるようだが、その背景がストーリーを盛り上げるほど緻密ではないように思う。しかし続編で明らかにされるのかもしれず、どうやら本作はアメリカではヒットしているようだから、続編は間違いなく製作されるだろう。