原題:『県庁おもてなし課』
監督:三宅喜重
脚本:岡田惠和
出演:錦戸亮/堀北真希/関めぐみ/甲本雅裕/松尾諭/高良健吾/船越英一郎
2013年/日本
PR映画の代償
高知県庁の職員である主人公の掛水史貴が勤務先の県庁に向かうために自転車をこいでいるその横からアルバイトとして県庁で働いている明神多紀が追い越していく。掛水も必死になって多紀の後を追うのだが、県庁に着くまで追いつけなかったシーンは、職員という安定した立場と、不安定なアルバイトという立場の仕事に対する意欲の違いが上手く表現されていたが、それ以外には特別感心するようなショットは無かった。逆に、これほど有能で、おまけに美人である多紀がアルバイトに甘んじなければならない高知県という場所は、だから有能な人間が上京してしまうのではないのかと心配になってしまう。さらに言うならば、高知県の観光振興部の「おもてなし課」は堀北真希をヒロインに起用したことにより、明らかに自ら女性職員の容姿のハードルを上げてしまっていると思う。