ウッデイクン残日録   日残りて昏るるに今だ遠し   

歳だからという固定観念を捨て、残りの人生、やりたいことをやりたい

人を見る目

2019-07-14 | 世相感

2008.10  カナデイアンロッキー  

総研大学の学長 長谷川真理子教授の書いていた新聞の記事で
「人を見る目(暗黙知)」を読み我が意を得た思いがしたので。

曰く、人を判断する目というものは数値化しにくいものがある。
これを判断する材料をいろいろ数値化するのが最近の傾向だが、
細かく数値化して、人間の判断力が出てこないものにすること
への違和感を、教育の成果として人の成長度合いを評価する立場
から述べておられた。

私の現役時代、部下の成績評価を人事部の作った評価表に従って
数値化し、自分の感覚と数値のずれがでてくるでてくることが多く
数値の調整にいつも頭を悩まし、ばかばかしさを感じて、嫌な
作業だったことを思い出した。
確かに勤務評定からえこひいきを排除する方法として人事部が採用
していることは理解するが、総研大学として学生の成長評価をする
尺度として、国へ提出する評価表に同じような悩みを持っている
のだろうと思われる。
長谷川教授は最後に、人間が信頼されていないと嘆かれていた。

教授はこの考の前段で、日本文化にあった「人と自然の共存」が
目の前の金銭的に明確な数値効果の前に失われて、今日の荒れた
里山になったことを嘆いておられた。

理屈だけを振り回す官僚に国民は何もできないのだろうかな。