ちょっとユーチューブを見ていたら野口五郎さんと加山雄三さんが対談した動画が出ていた。
野口五郎さんは芸能生活50年という。
加山雄三さんの蒼い星屑という歌の話題になった。
野口五郎さんは加山雄三さんはクラシックの影響を受けていると思うと前置きして、この歌の次のような部分を一気に無伴奏で歌った。
「風よ伝えてよあの娘に 遠く離れていようと 僕の思いは変わらない どうぞ泣かないで」と。
無伴奏なのに極めて正確な音程。
そして五郎さんは言った。
「この部分で結局言いたいことは どうぞ泣かないで、だけだと思うんです。それをこれだけ長いフレーズでずっと持ちこたえるところがすごいと思うんです」と。
ああ、素晴らしい指摘、と僕は思った。言いたいことは どうぞ泣かないでだけ、というちょっと笑いが入っているところがなお素晴らしい。加山雄三さんもまんざらでもなさそうにうなずいていた。「僕は子供の頃、加山さんがあこがれだったんですよ。この部分は本当にすごいと思って子供の頃聴いてました」と五郎さんは言った。
本当にいろんな浮き沈みがあってもこの道50年でやってきた人は違うなとしみじみと思った。
加山さんという先輩に対する尊敬とあこがれの気持ちを本当に真心で語られるところが五郎さんの人柄だなと思った。
※五郎さんが歌った部分で言いたいことはどうぞなかないでとのことだったけれど、改めて書き言葉で表現してみると言いたいことは僕の思いは変わらないであるようにも思えてくる。
もちろんセンテンスの構成は僕の思いは変わらないから泣かないでという論理になっているのでどうぞ泣かないでという結論の部分を言いたいこととしてもいいわけだけれど。
言いたいことが2つもあるのは岩谷時子さんの作詞が素晴らしいことによると思う。
言いたいことが2つもあると言うよりは、僕の思いは変わらない どうぞ泣かないで と最後に泣かないでをダメ押しするところがいかにも時子さんらしい。
君といつまでもの中で
僕は死ぬまで君を離さないぞと言ってから いいだろう とダメ押しするのと同じパターン。本当に岩谷時子さんはすごい気迫の人だなと思う。
五郎さんの発言は意味がわかりやすいように少し改めています。
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