風はまだ肌寒いとはいえ、陽射しはすっかり春のようなここ数日。あわてて畑の畝立てをする。しかし、長らく愛用していた鍬の柄が根元からぽっきり折れてしまった。最近はこうした道具類や機器類が壊れることが目立ってきている。人間も道具類もいよいよ世代交代を迎えてきたということかもしれない。
植え付けを急いでいたので、すぐにホームセンターに向かい、「平鍬」を購入する。本当は隣の地区の鍛冶屋こと鉄工所で注文しようと思っていたところだったが。畑には丈夫な根っ子が残っていたようで本来なら平鍬ではなく、より厚手の鉄板でできている「唐鍬」がよかったが、保有していなかった。
一枚刃がやや厚い平鍬を購入して使ってみる。新しいからスイスイ畝づくりが始まる。なんとなく柄の部分は今まで使っていたものより華奢に見えるがしょうがない。樹の材質までは考慮されていない。できれば。カマツカ・エンジュ・カシ・エノキなどの硬い樹が希望だが、きっとそれは鉄板の刃より高くなってしまうに違いない。
資本の論理は自然の論理より優先されてしまう現実につい押されてしまう。今まで鍬の柄の材質まで表示している商品は見たことがない。忙しすぎる日常の日本はつい目先の効率・価格優先に流されてしまう。そうならないような視座をふだんから鍛えておかないと、とちょっぴり反省しつつなんとか畝を完成させていく。