米作りは農家にとって基本的な柱でもあるが、最近はどんどん機械化が広がり、いまや無人のコンバインさえ登場している。コンバイン1台あれば、収穫・脱穀・選別もでき、はざ掛けもやらないで済む。わが家は形式的には農家だが、事実上家庭菜園もどきを演じている。したがって、米は近所の若い農家から玄米を購入している。
そんな今、隣の地域で「はざ掛け」をしっかりやっている田んぼがあった。この光景はどんどん少なくはなっている。地域によっては、「はぜ掛け」「はさ掛け」「はで掛け」「稲掛け」とか呼称もいろいろだ。この地域では両端には三脚の木で安定させている。地域によっては一本直立の場合もある。イネはぎゅうぎゅうに詰めて隙間ができないようにしている。隙間があるとイネの束が落下してしまうことがあるという。
稲束の掛け方は左右から始めて、最後に真ん中に掛けないとバランスが崩れてしまう。知り合いによれば、稲木が折れたり、強風で飛ばされたり、天候に左右されたりなど失敗も多いという。それでも、天日干しのはざ掛けにこだわるのは、二週間かけてゆっくり天日と自然風で乾燥させて米の粒も割れないようにしている。はぜ掛けの上の先端にはビニールを被せて根元からの水分がかからないようにしている。
そんなとき、昨日近所から「田んぼに転がっているわらを持っていってもいいよ。処分に困ってもいるんだ」と聞いて、さっそくきょうの午後もらいに行く。稲の束はバインダーという機械で刈り取った稲をひもで束にするらしい。これを人力でやるのはかなり大変だ。いただいた稲わらは約200束くらいもあったようだ。昨年も車で往復していただいてきたので、ずいぶん助かった。野菜だけでなく庭木にも応用できるのでとてもありがたい。