先月末、和宮様がウォーキングしたとき、キンラン・ギンランを発見したという。さらにそのそばで、ギンリョウソウも十数本見つけたという。その現場を教えてもらいカメラを構えた。しかし、興奮のあまりか、ピントが定かではない。
というのも、ギンランを見るのは初めてだったからだ。キンランは何回か見たことがあるし、近所の藪でも確認していた。キンラン・ギンランは春に開花する代表的な里山の植物だ。それが近年、次々と絶滅に向かっている。
和宮様によれば、キンランはすでに花が落ちてしまったそうだ。近所のキンランの開花はなかなか確認できなかった。そこは、雑木林ではなく路上の落葉の上だったので栄養源が豊富ではなかったのだろうか。ギンランはキンランよりやや遅めに半開の花を見せてくれるというが、その通りだった。
いっぽう、そのキンラン・ギンラン生育場所の近くは「ギンリョウソウ」の群生地でもあった。同じく、菌根菌から栄養を貰う寄生植物だ。日本ではその風貌から「ユウレイソウ」と言われるが、中国では「水晶蘭」と呼ばれているという。「本人」からすれば、「水晶」と呼ばれたほうが嬉しいに違いない。
このギンリョウソウがツツジ科であるというのが、わからない。どうも外観からは結びつかない。それに、このギンリョウソウの種を食べてまき散らしてくれるのが、ゴキブリだという。もちろん、森にすむ「モリチャバネゴキブリ」ではあるが、これも驚きだ。
車が通過するその近くでキンラン・ギンラン、そしてギンリョウソウが見られるとはすばらしい。毎年、道路清掃の一環として周辺が草刈りされているからでもある。草刈がされなくなった森はどんどんさびれていくばかりだ。つまり、このキンラン・ギンランやギンリョウソウは、人間との適度な共生関係を結んでいるのだ。その関係を人間は破ると絶滅危惧種に指定せざるを得ないという現実にあるということでもある。