高屋敷の十字路
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
2階の窓から立ち木越しが癪だが
西方の神通川の花火を眺めるたびに
東の夜空を焦がした富山空襲の記憶。
まだ歩けない三歳児の両脇に手を
差し入れ夏の縁側のガラス戸越しに
見せてくれたお袋は引き揚げ2ヶ月。
そんな手触りが懐かしいお袋を
自転車の荷台に載せて町まで走り
映画を観たりした高校生の夏の夜。
ことの運びも作品の内容もまったく
思い出せないのに真っ暗な帰り道で
雷鳴に自転車が転けた記憶が残って。
ハイボールを知ったのも映画でだが
お袋がよく買ってくれた角瓶の夏を
一本箸のマドラーでかき混ぜていた。
車椅子を押しつづけた日々が終わった
ロスタイムのようにあちこち出かけず
胎内みたいに部屋を暗くして映画三昧。
十字路で立ち話し(あるいはワッツニュー)
から
2階の窓から立ち木越しが癪だが
西方の神通川の花火を眺めるたびに
東の夜空を焦がした富山空襲の記憶。
まだ歩けない三歳児の両脇に手を
差し入れ夏の縁側のガラス戸越しに
見せてくれたお袋は引き揚げ2ヶ月。
そんな手触りが懐かしいお袋を
自転車の荷台に載せて町まで走り
映画を観たりした高校生の夏の夜。
ことの運びも作品の内容もまったく
思い出せないのに真っ暗な帰り道で
雷鳴に自転車が転けた記憶が残って。
ハイボールを知ったのも映画でだが
お袋がよく買ってくれた角瓶の夏を
一本箸のマドラーでかき混ぜていた。
車椅子を押しつづけた日々が終わった
ロスタイムのようにあちこち出かけず
胎内みたいに部屋を暗くして映画三昧。