知って得する!トリビアの泉
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  姉と弟が互いに、新刊本を読む競争をしていた。ある時、姉が「素晴らしい本を最近読んだわ」と誇らしげに。本の題名を聞いた弟は、得意げに語った。「その本なら、2週間前に読み終えたよ。感銘したので60冊求めて、友人や子どもに配った」

 アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトと姉の会話である。話題になった本こそ、新渡戸稲造が1900年に英語であらわした『武士道』であった。大統領は、わが子にも、この本を与える時、「耳を傾けるに値する教訓が多いから、熟読しなさい」と語ったという(『新渡戸稲造全集』第1巻)。

 日露戦争の講和への仲介をルーズベルト大統領に期待した日本政府が、大統領と親交のあった金子堅太郎議員を派遣し、その折、大統領に手渡したのが『武士道』だったという。戦争終結への一つの役割を演じたのが、この本だった。

 日露戦争から100年――当時に比べ、本は洪水のように出版されている。しかし、50年後、いや10年後も称賛され、読み継がれるものが、一体どれほどあるだろうか。

 「活字の力」「文字の力」は、実に大きいものがある。優れた書物は、国境を超え、民族や主義主張の違いの壁を超えて、人々の心を打ち、感動を運んでくれる。

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