けいこ場から流れる音楽に体が震えた。いつか、こんな曲踊ってみたい。ある創作舞踊家の子ども
のころの経験だ。小さい時の出会いや感動が、その後の人生を決めるきっかけになることがある。
子どもの限りない可能性をどうすれば開いてあげられるか。子ども自身の幸福と、ひいては社会や
世界の未来にかかわる大切な問題だ。教育というと、つい、何か知識を教えようという意識が働く。が、それだけでは可能性の芽を伸ぱすことはできない。
生命科学のサイエンスライター・柳澤、桂子さんは自著『生命の秘密』(岩波書店)の中で、子らに教えるべきふしぎは、「何て不思議なのだろう」という驚き。「なぜだろう」という好奇心。不思議なことを自分で調べる方法であると指摘。そうしたことが身に付けば、一つ一つ知識を教えなくても、子どもは自分で学ぶだろうと述べている。
可能性の芽とは、子どもの中にあるもの。それを伸ばすのは子ども自身である。周囲の大人の役割は、その芽が伸びる環境を整え、芽を伸ばすチャンスに触れさせることではないだろうか。教育とは触発の作業ともいえる。子どもたちが、ワクワクするような感動、新鮮な驚きとたくさん出会えるようにしてあげたい。
| Trackback ( 0 )
|
|