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輪るピングドラム。

2012-01-20 21:35:29 | 感想
人は愛される事で生きる意味を知り、

人は愛する事で生きる意味を与えられる。


監督である『幾原邦彦』氏の作品で初めて見たのは『少女革命ウテナ』でした。

その頃、僕はまだ小学6年生かそこらで作品の意味もわからずオープニングのかっこいい感じだけで見ていた、
内容は、お姫様を守るためボーイッシュな女主人公が一騎打ちをして戦う話だっと思う、
その中に同性同士の恋愛感情が描かれていたと思いますが
結局、意味は分からなかったです、ただ良い終わりではなかった気がします。


今作『輪るピングドラム』は、そんな幾原監督の久しぶりの監督作品で、
原案・監督・脚本・シリーズ構成と完全な幾原作品としては初めての作品だ。


内容は親の居ない三人兄弟(兄二人妹一人)が仲睦まじく暮らしていた。
妹は体が弱くでも明るい性格から、兄二人は献身的に接していた、
がある日、突然死んでしまう妹、それを生き返す謎の帽子。
帽子をかぶった妹は帽子に人格を乗っ取られ性格が一転、

そして妹はこう言う、


「きっと何者にもなれないお前たちに告げる、妹を生かしたくばピングドラムを手に入れるのだ、

 生存戦略しましょうか」



作品冒頭は、

妹である高倉 陽毬(たかくら ひまり)を生存させるために奮闘する兄二人 高倉 冠葉(たかくら かんば)と高倉 晶馬(たかくら しょうま)、

そして、おそらくピングドラムを持っている荻野目 苹果(おぎのめ りんご)、

を軸に話が進んでいく。

ピングドラムとは何で、何故妹は蘇生し、高倉家の両親は何処に居るのか、
一話からいくつもの謎を生み出しながらも

ポップにそして変態に展開していく話に、
真面目と笑いの平行線を乱されながら進んでいく。


『少女革命ウテナ』で暗い印象を持っていた僕はこれがフリになって
どんどん暗くなるんだろうなと覚悟していました。

そして予想通り泥沼化していき、その中で明かされるいくつもの"実は"に
その都度、頭の中で整理をして、

気づけば複数の話が展開されていて合わさり一つへと集約していって、

そしてその複数の話は見終わってみれば、最初から最後まで、それは全て愛がテーマだったのだと知った。

最終話最後の少年たちの会話がこの作品の全てなんだと思いました。

奇抜な演出と、複数の設定をうまく織り交ぜる構成
そして強く示されるメッセージ性がこの作品の面白さだと思います。

一見意味が無いような言葉や台詞、演出にちゃんと意味があった事に
見ていていく内に気づきそれがまた何か繋がっている。

作品を見ている間、あれは何だろう、そういう意味だろうなと色々思考を巡らせながら楽しめて
もう一度みてもまた新しい発見があって楽しめる。

それが輪るピングドラムという作品でした。

色々話の展開を書きたいですが作品を見る時に邪推なので
まっさらな気持ちで見て欲しいそんな作品です。

94点。

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