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心が叫びたがっているんだ。

2015-09-25 23:55:12 | 感想
長井龍雪監督、岡田麿里脚本によるオリジナル劇場アニメを見てきました。

総評から言うと、まぁまぁでした。
一つ一つのエピソードの繋がりとか終盤にかけて盛り上げるための積み重ねが弱かったです。

二時間あるのでアニメ映画としては長い方だったのですが、設定を詰め込みすぎてそれらを、
消化するのに尺を使ってそれを活かした本編の展開が薄くなった印象です。

ヒロインが子供の頃のトラウマで喋れなくなって、歌にしてなら声が出せるとミュージカルをするようになるのですが。

そういう作品は、歌の練習と登場人物達の心の変化がリンクしているもので、
ヒロインがシナリオを考えているので心境の変化で変更はあるのですが、
メインキャラだけで話が進んでいてサブキャラが殆ど関わってこず、皆で歌の練習をしているという群像劇感がないです。

歌を通じて心を一つにするハートフルサクセスじゃないとすると、ラブストーリーになりますが。

その部分でも気持ちが伝わらないもどかしさとか切なさがあるパートが少なくて、
しかも王道なカップリングにならず、またその結果がわからない造りになっています。

ならこの作品のテーマは何なのかというと、心が叫びたがっているんだというタイトル通り、
本音を言えずもどかしい思いをしているメインキャラ達が本音で話せるようになるというサクセスなんでしょう。

個人的には心根をさらせるようになったその後も欲しかったですが、
そこまでのプロセスにしても、ヒロインがしゃべれないという重い設定に引っ張られすぎたのではないかと思いました。

僕ならヒロインは最後の本音の吐露まで喋らせないです、後は子どもの頃はおしゃべり好きではなく普通の女の子。

子供の頃に好きになった男の子に、おせっかいをしていたらうるさいと言われ喋れなくなって、
男の子は、そんな事でと高校生になってもいぶかしがっていて距離を置いていましたが。
一緒に行事の実行委員会になってしまいどうしても関わりを持たなくてはいけなくなり、
その当時の事や今の心境を話すようになる。

それでも心が叫びたがっているんだというタイトルにそぐわないと思います。

今作では、両親が声の原因なのに両親との関わりが殆ど無くその後もないなら、両親を原因にしなくても良かったのではと思いました。

ヒロインが初めて本音を吐露するシーンも、それまでにちょいちょい喋っているし、
喋り出したと思ったら、言うことも殆どなくて印象の薄いシーンでした。

あのシーンは確実に盛り上げて泣かせにいけるシーンだと思うのですが。

周りと距離を置いていたヒロインが、ミュージカルを通して喋りたいことが増えいく場面で、
卵の殻にひびが入るけどまだしゃべらない、
最終的に主人公と和解し殻が割れた中には本当の自分が居て、
自分たちの気持ちに正直なってそれぞれの好きな相手に告白という流れでも、

大体の本筋を守りつつ焦点のあった流れになっていると思います。

作画は綺麗で、キャラの仕草も良かったですが、
設定やストーリーの展開が惜しい感じでしたが、その分アイディアの湧く作品でした。

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