goo blog サービス終了のお知らせ 

慶喜

心意気
「明日迄の命の気持ちで、人生を!」
「不老不死の気持ちで、知識の習得を!」

『先生、遅かったの叫び』『”エンゼルケア”という欺瞞』

2024年09月12日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

「先生、遅かったあ」という叫び
 ☆在宅医療の看取りでも、″死に目”のトラブルはある
 *筆者は、膵臓がんの末期で住み慣れた家で
 *最期を迎えたいと退院してきた女性を受け持つ
 ☆筆者はご主人に死の状況を説明した
 *自然な形で見送ってあげることが、患者さんにとっては
 *最善であることを徐々に理解してもらっていました
 *血圧が下がりはじめたころから毎日訪問し
 *最後は午前と午後の2回、ようすを見に行く
 ☆「家内の呼吸がおかしくなっています」とご主人から電話
 *ご主人に、下顎呼吸になったら、いつでも連絡するようにと伝えていた
 ☆看護師にも連絡して、別々に車で駆けつける
 *ご主人が、「先生、遅かったぁ」と叫んでその場に泣き崩れた
 *筆者は一礼だけしてその横を通り抜け
 *患者さんが療養していた座敷に向かいました
 *患者さんはすでに心肺停止状態で布団に横たわり
 *周囲をご家族や親戚とおぼしき人々が取り巻いていました
 *白衣姿の私を見ると、 一同は道を開けてくれましたが
 *今ごろ来てと、怒りとも悶えともつかない無言の圧力が伝わる
 *筆者にできることは何もありませんでした
 ☆筆者はおもむろに時計で時間を確認し
 *「ご臨終を確認しました」と、ご主人に告げ、頭を下げた
 ☆死に対して医療は無力です
 *″死に目″に医者がその場にいるかどうかは
 *実際にはほとんど意味がありません
 *下顎呼吸がはじまったらすぐ連絡するように
 *どの家族にも伝えていましたが
 *それでも間に合わないときもあります
 ☆患者さんのご主人には申し訳ないことをしましたが
 *患者さんが生きている間に
 *臨終のときは医者がいてもいなくても、問題ないとまでは
 *説明できなかったのがつらいところでした

⛳”エンゼルケア”という欺瞞
 ☆患者さんが亡くなると、″エンゼルケア”という死後処置が行われる
 *入院患者さんが亡くなったときは、看護師がすべてやってくれる
 *ご遺族のなかには、死後処置を手伝わせてとおっしゃる方もいる
 ☆”エンゼルケア”は、死後硬直は顎からはじまるので
 *口を開いたままにしておくと
 *あとで閉じられなくなるので、綿を詰めたらしっかり閉じさせる
 *どうしても開く場合は、包帯で顎紐のように縛る
 *看護師が髪を硫かし、時間をかけてフアンデーションを塗る
 *看護師が下半身にまわり、腰を持ち上げて
 *看護師が肛門に指を入れて、便を掻き出す
 *下腹部をぐっと押して便を掻き出す
 *全部出し終えてから、陰部をていねいに洗い清め
 *新しいおしめをつけて、最後は用意された白い死に装束を着せる
 ☆汚れ物を片付けている看護師に、筆者は少々戸惑いながら訊ねた
 *「ここまでしなければいけないのかな」
 *筆者を見て、看護師は思いを察し、諭すように答えた

 ☆ご遺体は、ご家族が見る最後の姿です
 *だから、お化粧もできるだけきれいにします
 *便が残っていると、あとで出てくることもあるので
 ☆病院勤務のときには知りませんでしたが
 *看護師は常にこういうことをしているのです
 ☆すべてを終えて、ご遺族を呼び入れたときに
 *整然と片付けられた座敷の布団で
 *患者さんは安らかな死に顔で横たわっていました
 *ご主人・家族や親戚も化粧を施された患者さんを見て、満足そうでした
 ☆看護師がする″エンゼルケア″
 *遺族も世間も、それをする看護師を”天使″と思っているのでしょうか
 *実際は、ご遺体の腹を押して残った便を掻き出しているのに
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』



『先生、遅かったの叫び』『”エンゼルケア”という欺瞞』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『死に目に会う為の処置の意味?』『死に対して医療は無力』

2024年09月11日 | 医療
🌸死に目に会うことの意味

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳死に目に間に合わせるための非道
 ☆日本では死に目に会うこと、重大事と受け止めている人が多い
 *特に親の死に目に会うのは、子として当然の義務
 *最後の親孝行のように言われたりもする
 ☆筆者が在宅医療で診ていた乳がんの女性
 *臨終が近づいたとき、入院の手続きをとった
 *患者さんが最後は病院でと希望していたから
 ☆病院の主治医から患者さんが亡くなったという報告書が届く
 *報告書によると、看護師が午後8時巡回したときさ異常なかったが
 *午後10時に巡回すると、心肺停止の状態になっていた
 ☆看護師はすぐに当直医に連絡
 *当直医は気管内挿管をして、人工呼吸器につなぎ
 *カウンターショックと心臓マッサージで心拍を再開させた
 *その後、ステロイドや強心剤を投与して
 *翌日の午後8時に、無事、家族に見守られて永眠した
 *家族が、死に目に会うことを実現させられたと
 *いささか誇らしげに書いてあった
 ☆家族は喜び感謝したでしょう
 *亡くなった患者さん本人はどうだったでしょうか
 ☆実態を知る私としては、なんという無茶なことをとあきれた

 ①人工呼吸のための気管内挿管
 *口から人差し指ほどのチューブを気管に挿入する
 *意識がない状態でも、反射でむせる
 *歯が折れたりして、場合によっては、口は血だらけになる
 ➁カウンターショック
 *裸の胸に電極を当てて電流を流す
 *往々にして皮膚に火傷を引き起こします
 ③心臓マッサージ
 *肋骨や胸骨を骨折させる危険性が高い
 ☆寿命に従ってせっかく静かに亡くなっていた患者さんに
 *のどに太いチューブを差し込んで、機械で息をさせ
 *火傷を起こす可能性のある、電気ショックを与え
 *肋骨や胸骨がバキバキ折れる心臓マッサージをする
 ☆心臓を無理やり動かしてまで
 *家族が死に目に会えるようにすることが
 *果たして人の道に沿ったものでしょうか

⛳非道な蘇生処置の理由
 ☆患者さんに非道な蘇生処置をした当直医
 ①まだ経験の浅い若い医者か
 ②医療に前向きな信念しか持たない医者か
 ③あとで遺族から非難されることを恐れる保身の医者
 ☆①未熟な医者
 *心肺停止という状況で反射的に教えられた通りの処置を行つたケース
 *経験を積めばそんな無駄で残酷なことはしなくなる可能性があります
 ☆②医療の善なる面のみに目を向ける医者
 *医療の弊害や矛盾、あるいは限界から目を背ける医者です
 *むずかしい状況の患者さんを積極的な治療で救うこともありますが
 *無理な治療で患者さんを苦しめ、逆に命を縮めたりする危険性もある
 *純粋、努力家である反面、己の非はぜったいに認めないタイプ
 ☆保身の医者
 *厄介なケースで、患者さんのためにならないことを知りつつ
 *言わばアリバイ作りのために蘇生処置を行う医者
 *何もしないで静かに看取ると
 *よからぬ噂を立てる人がいるからです
 ☆看護師が巡回したら
 *心肺停止になっていましたなどと告げたら
 *遺族によっては、激昂する人も出かねません

⛳死に対して医療は無力
 ☆世間の人は医療は無力と思っていないので
 *医者はベストを尽くすフリをせぎるを得ない
 ☆それが患者さん本人にとって
 *どれほどの害を与えていることか
 ☆死を受け入れたくない気持ち理解できますが
 *何としても死に目に会うとか
 *最後の最後まで医療に死を押しとどめてもらおうとか思っていると
 ☆死にゆく人を穏やかに見送ることは、とてもむずかしくなる
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




『死に目に会う為の処置の意味?』『死に対して医療は無力』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ウイッチドクター』『ブラックマジック』『人の死に時期』

2024年09月10日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録5

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳呪術医が知る死に時

 ☆医療が十分に行き渡っていないパプアニューギニアの地方
 *ウイッチドクターと呼ばれる呪術医が現場の医療を担っていた
 ☆ウイッチドクターの治療
 *その病気がブラックマジックによるものかを見分ける
 *ブラックマジックは広く信じられている
 *ブラックマジックは、人を呪い殺したり、病気にさせたりする
 ☆例、だれかが破傷風になったとき
 *原因が破傷風菌であることを知らずに
 *彼らは破傷風菌の存在を知った上でそう言う
 *破傷風菌のいるような場所に相手を行かせ
 *そこで怪我をさせるように仕向けたのがブラックマジックだという
 ☆我々だって得体の知れない
 *何かに操られているかのように行動することもある
 *フロイトはそれを無意識、ドーキンスは利己的遺伝子だと言う
 *それを、多くの人は単に”偶然″と呼んでいるだけではなのでは

⛳筆者はウイッチドクターの治療を見学させてもらう
 ☆患者は打撲による肘の痛みがずっと取れない青年
 *青年の肘を診察したあと、ウイッチドクタ先祖伝来の本片を取り出し
 *その上にカップに入れた水を載せ、手振りを加えて水と対話する
 *痛みの原因はブラックマジックによるものではなく
 *悪い血が溜まっているせいだから、それを吸い出せばよいとの診断
 *ドクターは青年の肘に口を当て
 *強烈に皮膚を吸い赤い液体を吐き出しました
 *周囲に集まっていた村人たちが、「おおっ」と声をあげた
 *赤い液は、おそらくそれまで口に含んでいた
 *ビンロウジユの実で色づいた唾液だと思う
 *明日には痛みは消えているはずだとドクターは言う
 *実際、青年は翌朝、痛みが消えたと言う

ウイッチドクターの治療
 ☆まやかしかプラセボ効果高いと思われる
 *患者さんにすれば症状が改善すれば文句はないでしょう
 ☆ウイッチドクターは、さまざまな小道具とパフォーマンスで
 *村人の信頼を勝ち得ていたようでした
 ☆その信頼は、日本人の患者さんが現代医療に寄せる信頼と
 *心理的なメカニズムは同じでは
 *日本の患者さんが聴診器の診察を信じたり
 *作用機序を知らず、ワクチンをありがたがったりするのと大差無い
 ☆筆者は、ウィッチドクターに帰る間際の訊ねた
 *①自分が病気になったら、誰にもらうのですか
 *このあたりにはロクな医者がいないから、病気になったら死ぬまでだ
 *②自分が死ぬときはわかりますか
 *それはわかる。歯が抜け、目が見えなくなって
 *脚が弱って歩けなくなったら、それが死ぬときだ
 ☆ウィッチドクターのなんと自然で当たり前な答え
 *筆者はある種の感動さえ覚えました
 *日本人で歯が抜けたり、目が見えなくなったり
 *脚が弱ったら死ぬときだなどと考える人がいるでしょうか
 *歯が抜ければ入れ歯、白内障になれば人工レンズ
 *脚が弱ったらリハビリと、老いや死をどこまでも拒み続けることに
 *根本的な疑問を突きつけられたような気がしました
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』


                  (ウイッチドクター)
                 (ブラックマジック)
『ウイッチドクター』『ブラックマジック』『人の死に時期』
 (ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『パプアニューギニア・死を受け入れやすい国民性』『先進国医療がもたらす不安』

2024年09月09日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録4

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

パプアニューギニアの終末医療の環境
 ☆ウイーンとは比べものにならない生活環境
 *首都のポートモレスビーでさえ裸足で歩く人が多い
 *ギャングが横行していて、夜間外出禁止令が出ていたり
 *夜中に銃声が聞こえたりという物騒な状況でもありました
 ☆現地の医療事情を調査するため、保健省に問い合わせると
 *事務次官が直々に会ってくれることになった
 *筆者の肩書は一等書記官、先進国ではあり得ない厚遇です
 ☆事務次官に、がんの終末期医療について訊ねると
 *我が国では、がんで亡くなる患者はそれほど多くはない
 *死因の上位は肺炎とマラリアとの答え
 *当時、パプアニューギニアは平均寿命が五十歳代後半
 *日本の状況とはかなりちがっていた

⛳パプアニューギニア「死を受け入れやすい国民性」
 ☆筆者が、ガンの患者の治療を聞くと、次官は穏やかに答えた
 *がんと診断された患者は、入院せずに故郷の村に帰る
 *そこで人生の最後の時間を家族とともにすごす
 ☆先進国に行けば、進んだ治療が受けれること、みんな知っている
 *しかし、外国で治療を受けるというのは
 *経済的にも手続き的にも、自分たちの選択肢ではない点も理解している
 ☆再度次官に聞く
 *進んだ治療を受ければ、助かる見込みがあるじゃないですか
 *筆者は、治療を放棄するような判断が理解できませんでした
 ☆次官はこう言った
 *「我々は比較的、死を受け入れやすい国民性なのです」
 *その答えに私は衝撃を受け、ただ感心するばかりでした
 *どうやつたらそんなふうに達観できるのか
 *日本人はわずかでも助かる見込みがあれば
 *全力でその治療にすがるのではないか
 ☆次官は、パプアニューギニアの医療の遅れ知っている
 *彼の答えは、その問題を改善するより
 *現状を受け入れることに傾いている

⛳進んだ医療がもたらす不安
 ☆イエメン、パブアニューギニアでも感じた事
 *現地の人は日本人よりはるかに不安を感じずに生活している
 ☆現地の日本人は、衛生状態や医療状況が不安で
 *病気になったらどうしよう
 *マラリアなどの風土病に罹ったらどうなるのか
 *常に緊張した顔付きをしていた
 ☆外国人の医者にも不信感があり
 *日本人の医者(筆者)「いてくれるだけで安心」と話す
 *お守りのような存在でもあった
 ☆マラリアなどは、現地の医者のほうがよほど詳しい
 *日本人が恐れるマラリアも、現地の人間は風邪程度に感じている
 *死ぬ原因はほかにも肺炎や下痢、破傷風などがあり
 *都会では交通事故、地方ではワニに襲われるとか
 *ヤシの本から落ちるとか、病気以外にもいろいろあるので
 *特にマラリアを恐れるということもないようでした
 ☆日本を含む先進国の医療と国民生活
 *医療と医学が進んだせいで、発がん物質や放射線の危険
 *認知症やうつ病の心配等、人々を悩ませ
 *自分の健康状態を常に把握しておかなければ
 *いつ手遅れの病気になるかしれないという
 *不安を押しつけられています
 ☆健康で長生きを求める人のニーズに応え
 *テレビや新聞、週刊誌には玉石混滑の医療方法が横溢し
 *あれをしろ、これをするなと人々を振りまわしている
 ☆パプアニューギニアは現在でも平均寿命が65歳前後
 *彼の国の生活状況がよいとは言えませんが
 *先進国では医療が進めば進むほど不安も増える
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




                     (パプアニューギニア)
『パプアニューギニア・死を受け入れやすい国民性』
『先進国医療がもたらす不安』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『オーストリアのがん告知』『ハンガリーの終末期医療』

2024年09月08日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳オーストリアのがん告知
 ☆筆者は、オーストリアの終末期医療について話を聞く
 *医療の先進国であるオーストリア
 *日本の状況とさほどのちがいはありません
 *大いに異なったのは、患者さんへのがん告知
 ☆今でこそ日本でも告知はふつうに行われます
 *当時はまだまだがん告知はタブーでした
 ☆「がんの告知で悲観し、自殺する患者さんはいませんか」と訊ねると
 *「そうならないよう、しつかりと説明をする」との答えでした
 ☆「進行がんで治癒の見込みがないときも話すのですか」と聞くと
 *「もちろんそうだ」と事実を隠さず、ありのままを受け入れる強さ
 *医師の側にも患者さんの側にもあるのだなと感じた
 *結果が悪いときに事実を告げないのなら
 *検査をする意味がないというのは、合理的な判断です
 ☆日本人は合理性より、感情を重んじる
 *それを改めて感じたのは、人間ドック
 *筆者在勤時、ウイーンに人間ドックをする施設がありませんでした
 ☆日本には人間ドックというシステムがあるらしいが
 *どんな検査をするのか、そのメニューを教えてくれ」と言ってきました
 ☆事務長は満面の笑みで教えてくれました
 *日本人はほんとうにありがたいお客だよ
 *何しろ、どこも悪くないのに検査を受けてくれるんだから
 ☆欧米人の合理性では、検査の無駄ということ
 *検査は悪いから受けると理解されている
 *どこも悪くないのに検査を受けて
 *どこも悪くないと判定されるのは当たり前
 ☆人間ドックを受ける日本人
 *症状が出てからでは手遅れになる危険性があると思っている
 *心配や不安はキリがないし
 *いくら熱心に人間ドックを受けていても
 *調べない臓器や病気もある
 *100%安心というわけにはいかない
 ☆日本人、それでも人間ドックを受ける人が多いのは
 *合理性より心配という感情を優先する人が多いからでしょう

ハンガリーの終末期医療(後進国)
 ☆ブダペストの日本大使館から相談が持ち込まれた
 *参事官の秘書ハンガリー人の女性が肺がんになった
 *日本で治療を受けさせられないかという
 ☆送られてきた胸部のⅩ線写真を見ると
 *がんはすでに両側の肺に広がっていたので
 *日本で治療しても治癒はむずかしいと答えぎるを得ませんでした
 ☆参事官は、 ハンガリーの医療事情の悪さを罵る
 *進行したがんの患者は、治療せずに家に帰らせる
 *治療の余地がないからと、患者を見捨てて病院から追い出す
 ☆参事官は続けてこう言いました
 *家に帰らせたあとは、痛みが出たときだけ
 *医者がモルヒネの注射をしに行くそうです
 *当時のハンガリーは、民主化からまだ間もなく、医療も停滞気味でした
 *病院でも高度ながん治療ができず、患者さんを自宅に帰らせていた
 ☆それ、今日本で注目されている在宅医療、在宅での看取りそのもの
 *医療が進みすぎて、患者さんにつらい検査や治療を受けさせ
 *それが無駄だとわかって緩和治療や待機療法を取り入れた
 *日本の医療を、 ハンガリーは遅れていたからこそ先取りしていた
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』

                    映画(フェアウェル)
                         フェアウェル


『オーストリアのがん告知』『ハンガリーの終末期医療』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『イエメンの葬儀』『ウイーンの街死の受け入れ』『デスマスク展示』

2024年09月07日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録2

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳イエメンの死の悼み方
 ☆医務官は世界中の日本大使館に配置されていない
 *医務官のいない大使館や総領事館も多数ある
 *筆者は、担当は北イエメン、南イエメンと、ジェッダの総領事館です
 ☆南イエメンに進出していた日本企業の所長に聞いた話
 *雇っていた五十代のイエメン人の技師が
 *ある日の午後、心臓発作で急死した
 *救急車を呼んだけれど、その場で死亡が確認され
 *遺体は自宅に運ばれました
 *所長は技師が亡くなった場所で、花束を用意して待っていた
 *妻や息子が、技師が倒れたときのことを聞きに来るだろうと思ったので
 *日が暮れてもだれも来ません
 ☆スタッフに問い合わさせると
 *遺体はすでに埋葬され、遺族は葬儀も終えたと知らされました
 *その日の朝、父であり夫である技師を
 *家族はいつもの通り家から送り出したのです
 *それが突然、亡くなってしまった
 *日本人なら、驚き、悲しみ、亡くなったときのことを
 *詳しく知るために、状況を知る人に話を聞こうとするでしょう
 *大事な家族の死を受け入れるために
 *仮通夜をし、通夜、告別式、長い時間をかけてから火葬場に運ぶ
 ☆イエメンの人は思いがけず亡くなった親族を
 *その日のうちに埋葬した
 *「やっばり日本人とはちがいますわ」と、所長は話してくれた
 ☆石油の出ない南イエメンは貧しく
 *海辺のアデンは高温多湿のため、遺体の保存がむずかしいという
 *状況もあったのかもしれません
 ☆イスラム教では亡くなるとすぐに埋葬するのが通例
 ☆サウジアラビアの第二代ファイサル国王が暗殺されたときも
 *突然の訃報にもかかわらず、すぐに埋葬するというので
 *各国の首脳が慌てて弔問に向かったという話も聞きました

⛳ウィーン「死の肖像展」

 ☆オーストリアのウイーンに配属されました
 *医務官は基本的には医療事情の悪い途上国に配置されていますが
 *広域担当として、ロンドン、パリ、ワシントンなどの
 *先進国にもポストがありました
 *ウイーンもその一つ、東欧6ヵ国から患者さんを受け入れた
 *現地の病院では十分な医療が受けられませんでした
 ☆ウィーンは音楽の都
 *公園を散策すれば音楽学生の練習が聞こえ
 *路上でもセミプロの音楽家が見事な演奏を披露していました
 *美術や建築、文学、演劇にも歴史があり
 *さながら街中に芸術があふれているという感じです
 ☆ウイーンの特徴は、街全体が死を拒んでいない
 *人間が死ぬのは当たり前、死は忌み嫌うばかりでなく
 *興味の対象とも捉えられている
 ☆ウィーンの市立博物館で、「死の肖像展」が開催されました
 *死に関するあらゆるものが集められている
 *正面の壁に90個ほどのデスマスクが展示してある
 *ベートーヴェン、 ハイドン、ヨハン・シュトラウス等
 ☆ベートーヴェンのデスマスク
 *彼は肝硬変で亡くなっていますから
 *デスマスクは頼がこけ、目は落ち込んでいた
 *解剖の所見ではかなりの量の腹水もあったとのことです
 ☆ヨハン・シュトラウスのデスマスク
 *顔は全体的に浮腫んで、ワルツの作曲家と思えない風貌
 ☆胸元から象られたマーラー
 *やせ衰えた首を捻じり、切ないポーズで息絶えた状態が写され
 *思わず眉をひそめさせられました
 ☆デスマスクはリアルな死に顔
 *90個ほど、それぞれが死の直後の無力さをたたえていている
 *不気味な静けさを感じさせました
 *どんな偉人も有名人も、死んだらこんな顔になるのかと
 *死の平等性を強く印象づけられた

死に親しむ街ウィーン
 ☆ウイーンの観光案内の本に出ている名所
 *死にまつわる場所は多数ある
 ☆「葬儀博物館」
 *葬儀に関わるあらゆるものが展示されていている
 *さまざまな棺桶を見るだけでも退屈しない
 *映画『アマデウス』にも登場した、使いまわし用の柩もある
 ☆「病理・解剖学博物館」
 *さまざまな病気で亡くなった人の臓器の標本
 *精巧な嘘細工で再現されて展示されている
 *最初の部屋が「性病」の展示で、グロテスクに変形した外性器から
 *梅毒による軟骨炎で鼻がなくなってしまった女性の顔など
 *気の弱い人にはとても勧められない
 ☆埋葬
 *高貴な方の埋葬は簡単ではない
 *ハプスブルク家の皇帝、王妃たちは
 *心臓は銀の壺に入れてアウグステイーナ教会に納められ
 *内臓はシュテフアン大聖堂の地下に保管され
 *遺体はカプツイーナ教会の地下にある納骨堂に安置されている
 ☆カプツイーナ教会の納骨堂
 *女帝マリア・テレジアや息子のヨーゼフ2世
 *悲劇の皇女エリザベートなどの柩を見ることができる
 ☆ウイーンの聖ミヒャエル教会の地下
 *広いカタコンベ(地下墓所)があり
 *当時の服装のままの市民が、ミイラになって多数並んでいる
 ☆ふつうの墓地はまるで公園のように美しい緑に囲まれ
 *花も咲き乱れて、昼休みなどよく散歩に訪れました
 *ウィーンの墓地には有名人が多く埋葬されていた
 ☆ウイーン中央墓地が有名人の墓が多い墓地で有名
 *ベートーヴェン、ブラームス、シューベルト、シュトラウスなど
 *音楽史に燦然と名を刻む作曲家の墓碑が集められています
 *一般市民海外の“死''見聞録2を含め、約3百万人が葬られている
 ☆ウィーンに住んでいると
 *死にまつわる場所があちこちにあって
 *死がタブーでないことが感じられる
 ☆クリスタルで有名なスワロフスキーの本店の玄関の上に
 *クリスタル製の巨大なドクロが飾られていて驚いた
 *店内にも色ちがいの拳大のドクロの置物が売られていました
 *ウィーンは死を嫌っていないのだなと思った次第です
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』



                     (葬儀館)
                          (解剖館)

『イエメンの葬儀』『ウイーンの街死の受け入れ』
『デスマスク展示』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『海外の終末医療の“死''』『アッラーが永遠の魂を保証』『宗教』

2024年09月06日 | 医療
🌸海外の“死''見聞録1

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

人生における偶然
 ☆筆者が海外に行くきっかけとなったのも
 *神戸の病院でがんの終末期医療に取り組んで、悪戦苦闘していた
 *医者が、完治の見込みのない患者さんの治療に
 *熱心に取り組まないことへの反発からでした
 ☆医者は患者さんの命を救ってナンボという側面がある
 *助かる見込みのある患者さんに熱意を傾ける気持ちはわかります
 *治らないと決まった患者さんにも、医療は必要なはずです
 ☆筆者は助かる見込み少ない、患者さんにこそ向き合う必要性を感じて
 *終末期医療を学ぶ気持ちになった
 ☆当時はターミナルケアという言葉も一般的ではなく
 *論文もほとんどなく、教科書や参考書もありませんでした
 *唯一、「日本死の臨床研究会」という組織があって
 *私はそこに入会し、シンポジウムなどを聴きに行きました
 ☆患者さんは当然のことながら
 *病気を治してほしいと望んでいます
 *がんの告知もしていない時代、死の受容はむずかしく
 *筆者は、容態が悪化する患者さんに向き合い、苦しい日々を送っていた
 ☆終末期の患者さんを受け持つと
 *いつ急変してポケットベルが鳴るかもしれず
 *心の休まるときがありませんでした
 *無念の思いで亡くなっていく患者さんを看取りながら
 *筆者は自分の無力と、終末期医療の困難さに
 *ほとんどノイローゼになりかけていた
 ☆以前から海外の生活に憧れる気持ちはありましたが
 *大学で博士課程も終えていない筆者には
 *医局からの留学など端から可能性がありません
 *海外生活など夢物語とあきらめかけていたときに
 *外務省の医務官募集の記事を見つけた

⛳筆者は、外務省の医務官に転職した(サウジアラビアへ赴任)
 ☆外務省も大使館も、筆者にとっては未知の世界でした
 *幸い、欠員状態だったのでスムーズに採用され
 *最初の任地としてサウジアラビアが提示されました
 ☆サウジアラビアについては、殆ど予備知識しかなかった
 *最初単身で赴任し、3ヵ月後に家族を呼び寄せました
 ☆昼間の気温は日向で摂氏50度を超え、湿度も一桁の乾燥
 *祈りの時間には、レストランはじめすべての店が開められ
 ☆女性は外国人も軍の運転を禁じられ
 *外出時はアバヤという黒いベールで顔以外
 *全身を覆わなければならないなどの厳しい決まりもありました

⛳サウジアラビア人外科部長との対話
 ☆サウジアラビアの病院は、オイルマネーの恩恵で
 *建物も設備も超・近代的で
 *日本の大学病院にも引けを取らない充実ぶりでした
 *手術室や集中治療室なども立派で
 *緊急の患者が出ても任せられると感じました
 ☆筆者は海外の終末期医療にも興味を持っていたので
 *自己紹介がてら話を聞かせてもらうようにしていました
 *外科部長が「おまえは大使館なんかで働いているんだ」と聞いてきた
 *日本では外科医で、がんの終末期医療に疲れて
 *現場から逃げ出してきたと答えた
 ☆外科部長は深くうなずき
 *「サウジアラビアでもがんの末期患者の治療に苦慮している」と
 *がん告知の問題、抗がん剤の副作用
 *手術による合併症や延命治療の弊害など
 *サウジアラビアと日本は自然も文化もまるで異なるのに
 *がん患者への治療のむずかしさは同じ
 ☆筆者はアラビア服姿の外科部長に親しみと共感を覚えた
 *筆者は、がんの治療は終末期医療に関し質問した
 *ある時点を超えたら何もしないほうがいい状況になるのに
 *患者さんは最後の最後まで治療を求めてきます
 *そんなとき、医者は何と言えばいいのでしょう
 ☆外科部長は自信満々に答えた
 *そういうときはこう言えばいい。死を恐れるな
 *アッラーが永遠の魂を保証してくれる
 ☆筆者は、外科部長への親しみは一挙に霧散
 *『十戒』でモーセが断ち割った紅海ほどの隔絶を感じた
 ☆宗教のある国は強いなと、彼我の差に愕然とした
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』


『海外の終末医療の“死''』『アッラーが永遠の魂を保証』『宗教』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⑦望ましい看取り⑧在宅看取りの不安⑨筆者の在宅医療での父の死

2024年09月05日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン4

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳⑦望ましい看取り
 ☆在宅で筆者が看取った患者さん、ほぼ例外なく穏やかな最期を迎えた
 *最期を迎えることを受け入れ
 *無意味な医療行為をしないほうが
 *死にゆく当人のためであることを
 *事前に十分、理解していたからだと思われます
 ☆死の直前には点滴も酸素マスクも効果がなく
 *むしろ当人の負担になるだけで
 *当人が楽になったり、寿命が延びたりすることはあり得ない
 *それをわかっているから、静かに見送ることができるのです
 ☆家族の多くは、死にゆく人に何かしてあげたい
 *少しでも死を押しとどめ
 *死の苦しみから救ってあげたいと思います
 *その気持ちはわかりますが
 *点滴や酸素マスクがその助けになるという根拠はどこにもない
 ☆有効な医療行為は
 *痛みを抑える医療用麻薬の投与や
 *呼吸困難に苦しむときにする鎮静剤の投与がある
 *モルヒネをはじめとする医療用麻薬の投与については
 *麻薬は恐い、麻薬中毒になったらどうするのかなどの心配ですが
 *死に向かいつつある人に、麻薬中毒を心配するのはナンセンス
 ☆日本人には辛抱が好きな人が多い
 *辛抱すれば何かいいことがあると思い込んでいる人もいて
 *がんの末期でも麻薬の使用をできるだけ我慢して
 *そのせいで逆に体力を失い
 *死期を早めるケースもあります
 *人生の最後の時間を、辛抱で無駄にするのはもったいない
 ☆大切な家族が亡くなるとき
 *何もしないで見守るのはたいへんつらいことでしょう
 *命を縮めるような致死量を超える鎮痛剤を投与するのはなおさらです
 ☆筆者が看取りをした患者さんの家族が
 *それを受け入れてくれたのは
 *事前にていねいに説明しておいたからだと思います
 ☆最期を迎えるときは点滴などせず
 *乾いて死ぬのがいちばん楽そうなこととか
 *がんの痛みにはできるだけ早く麻薬を使ったほうがいいとか
 *苦痛が強いときには、命を縮める危険を冒してでも
 *意識を取ってあげたほうがよいことなどです
 *心の準備さえできていれば
 *穏やかな看取りができることは、まずまちがいありません

在宅での看取りに対する不安とハードル
 ☆人を看取った経験などない人がほとん
 *最後までうまく世話ができるだろうかとか
 *途中で苦しんだりしないだろうかとか
 *思いがけないことが起きたらどうしようか等
 ☆不安を解消するために、今は在宅医療の主治医や
 *訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなどがいます
 *ケアマネジャーは介護プランの作成のほか
 *コーディネーターとして医療と介護の調整役をして
 *ヘルパーは介護面でのお手伝いをしてくれます
 *心配なことや不安があれば、だれかに相談することができます
 *突発事でも、医療・介護の両面でだれかが対応してくれます
 ☆万一のことを考えすぎると、不安ばかりが増大して
 *在宅での看取りのハードルがどんどん高くなってしまう
 ☆江戸時代とか、昭和のはじめごろでも
 *多くの人が自宅で亡くなっていた
 *かってできていたことが、今逆にできなくなるというのはおかしい
 ☆今は医療と介護の態勢が整っています
 *自宅での看取りは、ある程度の覚悟さえあれば
 *老老介護や独り暮らしの高齢者を含め
 *たいていの家で可能だと思う

⛳⑨死を受け入れることの効用
 ☆私事ながら筆者の父の最期を紹介します
 *父は医者の不養生を地で行く人で、糖尿病でありながら
 *食事療法などはいっさいせず
 *70歳で倒れたときには血糖値が7百を超えていた
 *今度は無謀な長生きを恐れるようになりました
 ☆86歳のときに腰椎の圧迫骨折を起こし
 *食欲をなくして水分もほとんど摂らなくなりました
 *見舞いに来た孫に、「あと、十日ほどで楽になるわ」と言い
 *自ら死を受け入れる気持ちになったようでした
 *父は入院はもちろん、検査や治療も無用と言い
 *「いい人生やったわ。みんな、ありがとう」と笑いながら
 *介護用のベッドで横になっていました
 ☆重症なら病院に連れて行くべきだと言う人もいるかもしれませんが
 *連れて行ったらただでさえ圧迫骨折で痛いのに
 *Ⅹ線検査のために身体をあちこち向けさせられ
 *CTスキャンなども撮られて、「圧迫骨折です」と診断名を告げられ
 *湿布と安静を指示されるだけです
 *家で湿布を貼って安静にしているほうがよほど合理的です
 ☆父の場合は、本人・家族全員が父の死を受け入れていたので
 *穏やかに看取れたのだと思います
 *父の年齢で気持ちが死に向いたなら、受け入れたほうがいいことを
 *家族のみんなが理解していました
 ☆死を受け入れると
 *食事や水分を摂らないからと心配することもなく
 *血尿が出ても検査や治療の必要はなく
 *便秘が続いても浣腸さえしませんでした
 *床づれの予防もしませんし、寝たきりになる心配も不要です
 *苦痛があれば取り除く用意はしていました
 *安静にしているとそれもなかったので
 *ただ静かに父の最期を待っていました
 ☆父の食欲不振の原因は、圧迫骨折による痛みでしたから
 *日時がすぎると徐々に回復してきて
 *少しずつ食べるようになりました
 *とても命をつなげる量ではありませんでしたが
 *必要なカロリーなどはいっさい考えませんでした
 ☆徐々に弱ってきて、圧迫骨折から1年3ヵ月後
 *父は誤嚥性肺炎で87年の生涯を開じました
 *自然に任せていたので、あまり苦しむことなく
 *発症から一日で亡くなりました
 ☆ある程度の年になれば、死を受け入れるほうが上手に死ねます
 *そのためには、どこかで覚悟する必要があります
 *父が比較的、抵抗なくそれを受け入れたのは
 *医者という職業柄、超高齢になって生きることのつらさを
 *熟知していたからでしょう
 ☆仏教や道教的な素養も影響していたかもしれません
 ー足るを知るー
 *筆者が父から受け継いだ上手に死ぬための秘訣です
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




⑦望ましい看取り⑧在宅看取りの不安⑨筆者の在宅医療での父の死
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例

2024年09月04日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン3

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⑤江戸時代のような看取り
 ☆在宅医療は継続的な訪問で、症状がなくても診察に行く
 *高齢、麻痺があったりで、医療機関に行けない患者さんが大半
 *がんの末期で自宅で最期を迎え在宅医療を選ぶ患者さんもいる
 ☆病院や外来で治療を受けている患者さん
 *治りたいと思っていますから
 *当然のことながら治療にこだわる
 ☆がんはある時期を超えると
 *治療しないほうが生活の質を保てるようになる
 *治療の副作用で苦しんだり、体力を落としたりして
 *せっかくの残り時間を有意義にすごせなかったり
 *場合によっては寿命を縮めてしまったりすることがある
 ☆治ることをあきらめていない患者さん
 *この説明をなかなか受け入れてくれない
 *治療をしないということは、死に直結すると考え
 *医者から見捨てられたように感じるからでしょう
 ☆筆者は、治ることにのみ執着して
 *人生の貴重な残り時間を無駄にしてきた患者さんを
 *若いころからイヤというほど見てきた
 ☆自宅で最期を迎えるために在宅医療を選んだ患者さん
 *ある種、達観したところがあります
 *病院で処方された抗がん剤などはやめたほうがいいと言えば
 *素直に応じてくれます
 ☆治療をやめることで
 *副作用で落ちていた食欲が回復し食べる量が増え
 *身体のだるさが消えたとか、よく眠れるようになった人もいる
 ☆治療をしなければがんは進行し
 *人生の最期の日が近づいてきます
 *本人はもちろん、家族にとってもはじめてのことが多いのです
 ☆筆者は何度も死を看取っていますから
 *病院での死に比べて、在宅での死が
 *いかに穏やかかつ自然かということを知っています
 ☆筆者が受け持った肺がんの男性Tさん
 *60歳の後半でしたが、病院での治療があまりに効果がないので
 *最期を自宅で迎える決意をし、退院して、抗がん剤の治療中止した
 *奥さんは、病院にいたほうが安心だったのでしょう
 *筆者は彼女の不安を取り除くため
 *在宅での看取りについて少しずつ説明しました
 *最期が近づくと、食欲がなくなり、次第に水分も摂らなくなりますが
 *それは自然な経過であること
 *点滴などすると却って血液が薄まり、内臓にも負担をかけること
 *酸素マスクなどもほとんど意味がないことなどです
 *Tさんは自宅にもどって、1月半ほどで寝たきりになりました
 *ついに意識を失って昏睡状態になりました
 *連絡を受けて駆けつけるとTさんは下顎呼吸になっていました
 *周囲には、家族が集まり、心配そうに男性を見守っています
 ☆筆者は奥さんに導かれて、Tさんの枕元に座りました
 *下顎呼吸は喘いでいるように見えますが、本人の苦痛がないことは
 *前もって奥さんには説明しておきました
 *家族はみんなTさんの死を受け入れているようす
 ☆筆者は医者としては何の働きもせず
 *ただその場に控えているだけで、江戸時代の看取りのようだなと
 *筆者はあきれながらも、これでいいと納得する気分でいました
 *最後は、研修医時代の先輩の教えに従って
 *十分な時間を取ってから、Tさんの枕元に座り直し
 *瞳孔散大と、呼吸音、及び心音の停止を確認して、臨終を告げました
 *奥さんはじめ、家族はみなさん、落ち着いていました
 *これが在宅での看取りです
 *白い壁に囲まれて、不可避な死に抵抗して
 *さまざまな医療機器が無駄なことをする病院の看取りより
 *はるかに好ましいことはだれの目にも明らかだと思います

⛳⑥在宅での看取りの失敗例
 ☆在宅での看取りも常にうまくいくわけではありません
 *失敗しないコツは、まず本人と家族に
 *前もって十分に納得してもらうことです
 ☆がんの患者さんの場合
 *自分の身体のことをある程度わかっているので
 *本人は病院でつらい検査や治療を受けるより
 *家で穏やかに亡くなりたいと思っている人が少なくありません
 ☆しかし、家族は不安だったり
 *病院での治療をあきらめきれなかったりで、気持ちが揺らいでいます
 *その状態で一方的に話を進めても十分な納得は得られません
 ☆患者さんの死をどの程度受け入れているのか
 *どこに不安があるのかを汲み取り
 *病院での治療は効果が期待できないばかりか
 *本人を苦しめ、残された時間を無駄にする危険性が高いことを説明し
 *自宅でなら自由に暮らせて、自分らしい時間がすごせますよと
 *在宅で最期を迎えることのメリットをお話しします
 ☆ある程度、受け入れが進めば
 *次はいよいよ最期が近づいてきたときのことを説明します
 *最後の段階では、病院での点滴は効果がないだけでなく
 *心臓と腎臓に負担をかけ、患者さんを苦しめるだけです
 *あらかじめそう説明しておきます
 *酸素マスクも同じで、死ぬ前にあんなものを口にかぶせられたら
 *うっとうしいだけで、ほとんど意味はなく
 *単に家族を安心させるためだけのパフォーマンスです
 ☆70代半ばのMさんは、前立腺がんで入院治療を受けていました
 *転移が悪化して、家で最期を迎えるため、退院してきました
 *奥さんには在宅での看取りについて説明しました
 *はじめは不安なようでしたが、徐々に現実を受け入れ
 *熱心にご主人の看病をするようになりました
 *最後の段階になって、誤嚥性肺炎を起こし、呼吸困難になりました
 *聴診器をはずしたくなるほど、強い湿性ラッセル音が聞こえました
 *このまま下顎呼吸に移行して、臨終になる可能性がありました
 ☆筆者ができることは、強い鎮静剤を注射して苦痛を取ることくらい
 *苦痛を取るには、通常量の鎮静剤では意識が消えず
 *致死量に近い、それ以上の鎮静剤を使う必要があるやもしれません
 *それは実質的には安楽死です
 *家族に状況を説明して、決断してもらうことにしました
 ☆このときは息子さんが駆けつけていました
 *奥さんには在宅での看取りのことを十分説明してあったのですが
 *息子さんとは初対面です
 *息子さんは、「早く病院へ連れて行ってください」
 *息子さんとしては、当然の思いかもしれません
 *しかし、それは決して賢明な選択ではないのです
 *筆者はそのことを説明し、奥さんも止めようとしましたが
 *目の前で苦しむ父親を見ている息子さんは、聞く耳を持ちませんでした
 *仕方なく救急車を呼び、Mさんを病院に運んでもらいました
 *2週間後、奥さんからMさんが亡くなったという連絡がありました
 ☆奥さんによると、Mさんは病院到着後
 *肺炎の治療のために胸部Ⅹ線写真やCTスキャンを撮られ
 *血液検査、点滴、喀痰吸引など受けたそうです。
 *「そっとしておいてほしかったんですけど、そうも言えなくて」
 *奥さんはやつれたようすでつぶやきました
 *瀕死のMさんを、レントゲン室に運んで検査台に寝かせたり
 *点滴の針を刺したり、喀痰吸引を繰り返したり
 ☆やっているほうは医療でも、されているほうには拷問です
 *主人は酸素マスクをいやがって、朦朧としながらでも何度も取る
 *看護師さん元通りにして、主人が首を振ってもはずさせてくれない
 ☆病院から見れば論理矛盾です
 *来たからには治療せぎるを得ず
 *治療するためには検査もしなければなりません
 *亡くなる危険性が高いとわかっていながら
 *退院させれば、あとで″遠くの親戚″が現れ
 *「患者を見捨てた、追い出した」等、何を言うかわからない
 *だから酷い処置をした病院も、 一概に批判することはできません
 ☆Mさんが病院で生き延びた2週間弱の日々
 *いったいどんな意味があったのでしょうか
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』



⑤江戸時代のような看取り⑥在宅での看取りの失敗例
『人はどう死ぬのか』ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『③延命治療不要(安楽死・尊厳死)』『④延命治療で助かった人』

2024年09月03日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン2

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

⛳③延命治療はいらないと言う人
 ☆医療は、所詮は人間の営で、神の所業ではない
 ☆病気は自然の現象で、医療で治る病気も増えたが
 *すべての病気が治せるわけではない
 ☆治る病気は治せばいいけれど
 *治らない病気を無理に治そうとすると、悲惨な状況になる
 *これは医療の進歩が原因です
 ☆高度な医療がなかった時代は
 *死を受け入れぎるを得ないので、人は比較的きれいに死んでいた
 ☆医療が進んで、死を押しとどめる治療で。助かる人も増えたが
 *助からない場合は悲惨な延命治療になる
 ☆死を押しとどめる医療
 *いかに悲惨な状況を作り出すかが、徐々に世間に伝えられる
 *無駄な延命治療に対する否定的な印象が広がる
 ☆「私は延命治療を拒否します」という人がいる
 *それで悲惨な状況が避けられると思っていたら大まちがい
 ☆医者ははじめから無駄な延命治療はしない
 *治療をするのは、わずかでも助かる見込みがあるから
 *やるだけやった結果、助からない場合に、悲惨な延命治療になる
 ☆自宅にいれば悲惨な延命治療を受ける心配はありません
 *悲惨な延命治療を受けたくないと言うのであれば
 *助かる見込みがあっても、病院に行かない覚悟が必要です
 ☆好ましい状況を実現するには、尊厳死しかありません
 *悲惨な状況になりかけたら、治療を中止して死なせるのが尊厳死
 *現在、日本では気管チューブを抜く等の尊厳死は合法化されいませんが
 *水面下では行われているようですが、違法なので公にはできません
 *しかし、患者さん本人と家族のためにすることですから
 *当然、許されてしかるべきだと思います
 ☆実際に尊厳死をするとなると
 *家族も医療者も大変なストレスを感じる
 *いつ人工呼吸器をはずすか、強心剤や中心静脈栄養をやめるのか
 *決めるのは、簡単なことではない
 *一人の命が失われるわけですから、決断に迷うのは当然
 ☆尊厳死や治療の中止は、本人のためになること
 *ふだんから死に直面したときのことを考え
 *しっかりと考えておく必要があると思う

⛳④延命治療で助かることもある
 ☆延命治療、筆者はずっと否定的な意見でした、思いが揺らぐ経験をした

 *妻の叔母の夫が、延命治療で命拾いをした
 ☆妻の叔母から筆者に治療の方法の相談がありました
 *がんを完治させるためには手術が必要です
 *その場合は胃を全摘しなければならならず、負担の大きな手術になる
 *叔父は、慢性気管支炎の基礎疾患があり
 *全身麻酔の手術では術後肺炎で命を落とす危険もありました
 ☆手術をしなければ、がんを取り除くことはできませんが
 *今すぐ死ぬことはなく
 *上手に治療すれば二、三年は生きる見込みがありました
 *筆者は手術をせずに抗がん剤も強いものは使わないようにして
 *穏やかにようすを見るのがよいのではと答えました
 ☆叔母もそれがいいと思うと同意しました
 *ある程度、自然に任せるという治療の選択です
 *義理の叔父もそれを受け入れ
 *入院せずに自宅での療養を続けることになりました
 ☆叔母は夫の死を覚悟し、延命治療は受けないと決めました
 *二年半後のある早朝、叔父が突然、吐血したため
 *叔母は動転して救急車を呼んでしまったのです
 *叔父は総合病院に運ばれ、集中治療室での治療がはじまりました
 *病院では、心電計や酸素モニターを装着されて
 *叔父は人工呼吸器につながれ、延命治療のフルセット状態になっていた
 *あんなに延命治療は受けないと言っていたのに
 *救急車を呼んでしまってと、叔母は悔やんでいました
 ☆集中治療室の部長が叔母と私を別室に呼んで、状況を説明してくれた
 *吐血は胃がんからの出血で、胃カメラで止血を試みたけれど
 *出血量が多くて止めることができなかった
 *今は止血剤を点滴で投与しているが
 *それで出血が収まる見込みはほとんどない
 *出血を補うために輸血をしているが、このままではキリがなく
 *貴重な輸血パックを使い続けるわけにもいかない
 *あと三パックで終えることを了承してほしいことなどが告げられた
 ☆ベッドの横に行くと、叔父は鎮静剤が切れてきたのか
 *意識朦朧のまま起き上がろうとした
 *叔父は翌日、意識がもどると自分で気管チューブを抜き
 *激しく咳き込んだものの、自力で呼吸をはじめた
 ☆点滴で投与された止血剤が、奇跡的に効いたようでした
 *それで叔父は徐々に元気を取りもどし、 一般病棟に移ってからは
 *重湯から五分粥、全粥と食事も進み、ついには無事に退院した
 ☆ダメ元のように行われた治療で命が助かった
 *延命治療がうまくいくこともあるのだと
 *喜ぶと同時に大いに戸惑ったのも事実です
 ☆叔父はその後、半年ほど生きて。孫の誕生も見ることができた
 *そして、最後は自宅で、78年の生涯を穏やかに閉じた
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』




『③延命治療不要(安楽死・尊厳死)』『④延命治療で助かった人』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』

2024年09月02日 | 医療
🌸きまざまな死のパターン1

 ☆文字ばかりで恐縮ですが
 *医師側から見た『看取り』の内容なので
 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

医師としてはじめての看取り
 ☆筆者が、はじめて患者さんの死を看取ったのは
 *アルバイトに行っていた当直先の病院
 *勤務していた大学病院では、あまり患者さんは亡くなりません
 *大学病院が治癒の見込みのある患者さんにベッドを確保するため
 *死ぬとわかっている患者さんを積極的に受け入れない
 ☆看取りを経験すると、何となく医者として箔がついたような気がした
 *看取りの場数を踏めば踏むほど、興奮も収まり
 *人の死に対して余裕を持った態度が取れるようになる
 ☆初看取りをしたのは、臨時で頼まれて行った病院
 *「急変です」という看護師の声に私は緊張した
 *自分なりにシミュレーションをしつつ病室に向かう
 *白衣のボタンを留め、看取りの″儀式”を思い浮かべつつ
 *指示された病室をさがすと、そこは個室ではなく大部屋でした
 ☆深刻な面持ちで部屋に入ると
 *ベテランの看護師がベッドの横に控えていて
 *患者さんはすでに下顎呼吸になっていた
 *「ご家族は」と聞くと、看護師が黙って首を振ります
 *カルテを見ると、医療保険は生活保護でした
 *患者さんの女性はがんの末期でしたがまだ六十代半
 ☆「儀式は」と上目遣いに聞くと
 *看護師は「身寄りもないので」と小さく答えました
 *″儀式”は家族の納得のためにするものですから、必要ない
 *筆者は患者さんの胸に聴診器を当てました
 *雑音の交じった弱々しい呼吸音が途切れ途切れに聞こえました
 *心音はすでに途絶えていて、最後の息はほどなく来ました
 ☆「確認してください」看護師に言われて
 *筆者は瞳孔の散大と呼吸停止、心停止を確認し、時間を告げました
 *家族もおらず、″儀式″もなく、筆者は臨終は告げました
 *聞く人も看護師以外にいなく、身寄りもなく、たった一人で
 *見も知らない若造の医者に看取られた、あの患者さんの一生とは
 *あまりに淋しい人生の終わりではないのか
 *いろいろな思いが浮かび、その夜は安眠できませんでした

悲惨な延命治療
 ☆他科研修して、外科にもどって驚いたのは
 *先輩の医師たちが死にゆく患者さんをあまり熱心に治療しないこと
 ☆ある先輩が主治医だった患者さん
 *手術後に重症になり、人工呼吸器をつけていたが、肝機能が落ちてきた
 *先輩は積極的な治療をしなくなった
 *肝機能が落ちても、血漿交換という治療法があります
 *なぜベストを尽くさないのか
 *外科医としての経験の浅い筆者
 *先輩に、義憤のようなものを感じました
 ☆筆者担当の患者さんが、手術後、重症になりました
 *手術操作に落ち度はなかった
 *手術後に原因不明のけいれんが起こり、肺炎を併発した
 *手術後も人工呼吸器をつけたまま術後管理をしていた
 *手術の翌日、肺炎を起こすと呼吸機能が急速に低下しました
 *それは人工呼吸を続けることで凌げます
 *抗生物質の多剤併用等できるかぎりの治療を試みました
 *それでも状況は改善せず、次第に腎機能も低下してきた
 ☆治療方針を決めるカンファレンスで内容を報告すると
 *部長をはじめ、先輩の医師たちは眉をひそめ、むずかしい顔になった
 *治療の中止を勧める雰囲気でした
 *筆者は、腎機能の低下を補うため、人工透析をしたいと副院長に直訴
 *副院長はいい顔をしませんでしたが、許可してくれた
 *透析はポータブルの透析器を病室に持ち込んで
 *透析はじめると、 血液中の老廃物の値が下がり、効果が見られた
 *しかし、肺炎は改善せず、全身状態も徐々に悪化した
 *DICという全身の出血傾向が出る状態になった
 ☆その段階でも、筆者は治療をあきらめず
 *患者さんは、顔もむくんで手術前の面影を失い
 *胃や腸からの出血による下血は、輸血で入れた分出るような状況
 *それでも強心剤と人工呼吸のせいで心臓は止まらず
 *身体は膨れ上がって生きたまま腐っていくような状態になった
 *家族はその間、ずっと不安と絶望に打ちひしがれていたと思う
 ☆手術から2週間あまり、筆者はずっと病院に泊まり込み
 *夜中も寝ずに治療を続けましたが
 *患者さんを救うことはできませんでした
 ☆最初は患者さんを死なせまいと
 *懸命にはじめた術後管理でしたが
 *途中から先輩の医師たちが徹底的な治療をしない意味を
 *徐々に理解しはじめていました
 ☆医療はやりすぎると恐ろしいことになる
 *身をもって体験しました
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』





『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『昏睡』『下顎呼吸』『医者の看取りの作法』

2024年08月31日 | 医療
🌸心にゆとりを持って、死の実際を見る1

⛳死を見る機会
 ☆ふつうの人が人の死を直接見る機会は、多くはない

 *見るとすれば、多くは家族の死で病院で見る
 *家族の死だから、複雑な思いがあったりして、冷静には見られない
 ☆死は忌むべきものという頑強な刷り込みもあり
 *じっくり見たり、ましてや観察などはまず行われない
 ☆自宅での看取りでも
 *医療機器などがなく、場所が見慣れた空間であるというだけで
 *看取る家族の動揺はほとんど変わりがないでしょう
 ☆稀なケースとして、目の前で突然だれかが死ぬこと
 *交通事故や水難事故、飛びこみ自殺などのを目撃
 ☆ 一般の人は平常心で死を見る機会が少ない
 *死を大袈裟に捉え、死者に過剰に反応しがち
 *死が人生の重大事であることはまちがいありませんが
 ☆死は、心にゆとりを持って見れば
 *特別な不幸でも不運でもないことがわかる
 *だれにでも起こり、恐ろしいことでもいやなことでもない
 *ごく当たり前のことだと感じられる、感覚を理解してもらいたい

死の判定で、医者は「死の三徴候」を確認する
 ☆「呼吸停止」「心停止」「瞳孔の散大」
 *3つが揃うと、人は死んだと判定される
 ☆心臓と肺にしても、同時に機能を止めるわけではない
 *心音が聞こえなくなっても、心臓の細胞がすべて機能を停止してない
 *呼吸が止まっても、肺の細胞が死に絶えていない
 ☆心臓・肺の停止は、徐々に機能を停止し
 *細胞レベルでは順に死滅していく
 *最後の細胞が死んだときなどは判定できない

⛳死のポイント・オブ・ノーリターン
 ☆ふつうの死はまず昏睡状態からはじまる
 *完全に意識がなくなって
 *呼びかけにも痛みの刺激にも反応しない状態
 *唸り声やうめき声を発していたり
 *顔を歪めていたりする間は、昏睡とは言わない
 ☆昏睡のときは、エンドルフインやエンケフアリンなど
 *脳内モルヒネが分泌される
 *本人は心地よい状況にあるなどと言われます
 *これは仮説で、確かめようがありません
 ☆昏睡状態になれば、いっさいの表情は消える
 *昏睡に陥ると、間もなく下顎呼吸がはじまる
 *これが死のポイント・オブ・ノーリターンとなる
 *呼吸中枢の機能低下なので、酸素を吸わせても意味がない
 ☆下顎呼吸がはじまると回復の見込みがゼロになる
 *蘇生処置をほどこしても元にもどることはない
 *仮にもどったとしてもすぐまた下顎呼吸になる
 ☆生き物として寿命を迎えている
 *抗わずに穏やかに見守るのが、周囲の人間のとるべき態度
 *下顎呼吸は、数分から1時間前後で終わる
 *やがて最後の一息を吐いて、ご臨終となる

⛳看取りの作法
 ☆看取りのコツ、医者として教えられたこと
 *「慌てず、騒がず、落ち着かず」と伝授された
 *あまり早くに臨終を告げないこととも
 ☆当直の夜、看護師から危篤の連絡を受けて病室に行くと
 *患者さんはたいてい下顎呼吸になっている
 *間隔がだんだん間遠になって、最後の息を吐き終わったとき
 *腕時計で時刻を確認してご臨終ですと、殊勝な顔で一礼する
 ☆この判断が早すぎると、思いがけない最後の一呼吸が起こる
 *すると、家族は「あ―つ、まだ生きてる!」と混乱する
 *下顎呼吸が二度と起こらないと確信してから
 *おもむろに時刻を確認し、臨終を告げる
 *心電図にオマケのスパイクが出てもわからないように
 *スイッチはすぐに切るべしと教えられた
 ☆実際、患者さんは医者が告げる時刻より、少し前に亡くなっている
                       (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『人はどう死ぬのか』





『昏睡』『下顎呼吸』『医者の看取りの作法』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『解離と芸術』『議論しない医学会』『世阿弥の言葉』

2024年08月30日 | 医療
🌸「死の医学」あとがき(最終回)

⛳「死の医学」が着いた場所
 ☆死の探求で、生かす力、細胞や個体の危機の際に発動する
 *「解離」にたどりついた
 ☆「解離は、芸術表現の源でもあった
 *アーティストに「鬼気迫る」ものを感じる人も多いと思う
 *表現者たちは、命を削って表現を生み出しているのでは
 ☆すぐれた芸術にはなんとなく死の匂いがする
 *少し不気味だが、同時に至福を感じ、人は芸術表現に力をもらう

誰かの芸術表現が他の誰かを生かすのは
 ☆脳が自分という個体を生かそうとする経路を刺激してくれるから
 ☆人の生死と向き合う臨床医として
 *魂や死についていつか考えがまとまればと思いつつ
 *これまでは考えることを先送りしてきた
 ☆オリヴァー・サックス先生
 *日常診療から考えてはとのアドバイスをいただいた
 *途方もなく高いハードルだ
 ☆オリヴァーの自伝より、彼が苦しみながら
 *神経疾患や脳の不思議に向き合った軌跡がたどれる

⛳医学界、上下なく自由に発言し議論するような開かれた空気はない
 ☆抑圧されているなどではなく、各層での職務に従順だからだろう
 *トップは自らの専門にこもり
 *ボトムの実働部隊は働き蜂として身の丈をわきまえて口をつぐむ
 ☆そんな中、相模原障害者施設殺傷事件やALS嘱託殺人事件など
 *脳神経内科診療で出会うような人々が犠牲となる事件が起きた
 *人を殺めた側の論理が報じられ
 *一部であっても支持を得ていく中にあって
 ☆生かす側、日本の30万人以上の医者の多くは沈黙した
 *殺めた側の主張は実臨床を反映しておらず
 *数十年遅れていると感じているにもかかわらず
 ☆事件があるたびに、患者さんやご家族方は社会の声を確認し
 *声の大きい側の論理に染まっていく世間に
 *他人事と思えぬ底知れぬ恐怖を感じている

我々実働部隊(医師)が息をひそめていては
 ☆どんな場所にも生かす側の論理は届かない
 *加害者は医療・介護従事の経験者たちだった
 *なにが正解か分からない世界で、彼らもまた苦しんだ形跡がある
 *彼らを罰するだけで類似事件を防げるとは思わない
 ☆今、生死とはなにか
 *欠点だらけの我ら人間に、生きる価値があるのか迷う者たちにも
 *医学がたどり着いた、死生学を伝えなければならない
 ☆演じるとはなにかの問いかけを20年ぶりに行ない
 *答えていただいた観世流能楽師・武田宗典氏に感謝する
 *世阿弥の言説、アンチエイジングに関わると考えている
 *世阿弥自身、あの乱世に80歳まで生きた
                        (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『死の医学』



『解離と芸術』『議論しない医学会』『世阿弥の言葉』
(『死の医学』ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『シュルレアリスム』『シャーマン・ダンサー=解離』『不幸も生きる力にする脳』

2024年08月29日 | 医療
🌸擬死と芸術表現3

⛳詩人とシャーマン
 ☆詩人アンドレ・ブルトンは述べた
 *シュルレアリスム(超現実主義)とは解離症と同様
 *脳神経機構を利用した芸術表現であると
 *これは他の詩人の創作にもあてはまる
 *私自身、詩を書く時は言葉が降りてくるのを待つだけで
 *後からその間のことをよく思いだせない
 *自作の詩に対して私自身が行なえるのは
 *解釈を加えることだけなのだが、とでも楽しい
 ☆文化としての「憑依」や「トランス」
 *地域によって偏りがある
 *インドやアフリカでは疾患としての認識よりも
 *シャーマニズムの一環として捉えられている
 ☆シャーマンの憑依やトランスも疾患としての解離症と同じく
 *心的外傷歴が要因となることから、本質的には同じ現象であり
 *治療対象とすべきとの調査があり、それはある部分では正しいと思う

⛳ダンサーたちを動かす「解離」
 ☆解離を高次脳機能として利用する表現活動には詩のほかに
 *役者たちが役になりきる時の「演技」がある
 ☆文化や宗教儀式でみられる憑依やトランスでは
 *そうした状態をもたらすためにスーフィー舞踊や仏教の踊念仏のように
 *踊りが用いられることは多い
 ☆俳優のみならず、ダンサーたちも表現に解離を利用している
 *ダンサーを対象にしたこの調査では、3割弱に解離が見られた
 ☆解離がこうした時に起きることはこれまであまり認識されておらず
 *健全でポジティブな「フロー体験」のほうが想定されてきた
 ☆フロー体験とは
 *スポーツや芸術活動などに没頭している時に感じる楽しさや喜びの体験
 *しかし、解離とフローはまた別のものなのだ
 ☆観客はダンサーや役者の解離に
 *常人が至らない芸術性への到達を感じ、喝采を浴びせる
 *しかし演者は一人一人虚無の中で、自己を置き去りにして
 *その境地に達しているのだ
 ☆解離を利用しているとすれば
 *演じ続けるのは抗うつ作用がある
 *彼らから演じる機会が奪われたらどうなるだろうか
 ☆観客がいなくとも没頭できる
 *絵画や詩や瞑想などを、利用して日々、健康に過ごしてほしいと思う

不幸をも生きる力にする人間の脳
 ☆一般的に、アーティストには、うつ病や依存症、自殺企図などの
 *精神疾患が多いことが知られている
 *それは「逆境的小児期体験」が多いためだとする論文もある
 ☆虐待やネグレクト、両親離婚後の揉め事などの不幸な生い立ちは
 *逆境的小児期体験のある子どもたちの将来
 *慢性疾患やがんへの罹患率が高く
 *うつ病や自殺企図、依存症や薬物乱用の発症率も高い
 *教育・雇用・収入の面で不利であるなど
 *「人生の末路」を意味するような事柄ばかりである
 ☆解離能力は外傷性解離のような環境要因のみならず
 *素質も関与することは知られている
 ☆解離が表現活動の芸術性を高めるとすると
 *逆境的小児期体験は芸術表現の能力を増強する可能性がある
 *機能不全家族に生まれたり、戦火の只中で産声を上げたり
 *不連にもいじめや虐待に遭い、悲惨な幼少期や思春期を過ごしても
 *それさえも力にする方法を人間の脳が持っている
                        (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『死の医学』






『シュルレアリスム』『シャーマン・ダンサー=解離』
『不幸も生きる力にする脳』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『抗NMDA受容体脳炎』『狐憑き』『進化と解離』『擬死』

2024年08月28日 | 医療
🌸擬死と芸術表現2

21世紀の新発見「抗NMDA受容体脳炎」
 ☆抗NMDA受容体脳炎
 *自己免疫性の抗体が脳のNMDA受容体に結合すると
 *受容体が機能低下を起こし、脳炎ではちょっとした風邪症状から
 *数日後に突然、幻覚・妄想をきたす
 *幻覚期に、神託の幻聴・憑依妄想だったり統合失調症と類似している
 ☆解離症や変換症(無意識のうちの葛藤)と診断される場合もある
 *その後、身体をのけ反らせては
 *床に頭を延々と打ち付けるような反復運動や
 *口をもぐもぐさせたり舌を出す、不随意運動を繰り返すようになる
 ☆症状として、まったく話さなくなったり
 *念仏や祈蒔など、普段用いないような言葉を唱え続けたり
 *言語の異常も伴う
 ☆運動過剰期が数日から数週続いた後
 *血圧や呼吸や体温調節など白律神経の機能制御ができなくなり
 *この時期には呼吸停止による死亡リスクが極めて高い
 *軽症である場合、呼吸停止期に至らず
 *幻覚や異常運動を数ヶ月呈して自然に治るケースもある

「狐憑き」の正体は脳炎だった
 ☆抗NMDA受容体脳炎の幻覚・妄想
 *宗教的な妄想や、狐や悪魔が取り憑いたとする憑依妄想が多い
 ☆ケタミンなどNMDA受容体機能低下薬でも
 *筋緊張充進による反り返りが起こる
 ☆ケタミンを実験動物投与すると
 *完全な無痛状態をもたらす
 *筋肉が硬直して反り返り動かなくなる
 *採血などがスムーズに行なうことができた

進化はなぜ「解離」をもたらしたか
 ☆解離という現象は、自己同一性を瞬時に切り離し
 *新たな自己を始めることができる機能である
 ☆乖離は、無痛となり、身体の筋肉が緊張し硬直する
 *解離性昏迷など完全な解離では受け答えはできないが
 *外界の出来事は把握できる
 *病的な解離の場合は、解離中の記憶は大方失くしてしまう
 *解離という現象を最初に見出したフランスの医師
 *ダーウィンの論理に倣い、解離を進化論的に捉えようとした

「擬死」とは
 ☆強敵と対等に戦う方法を持たない小動物
 *捕食者から逃れる可能性に賭けた最終手段である
 *擬死は今にも捕食されそうという生命の危機に起こされる
 ☆「擬死」は、ヒトでも心的外傷を伴う出来事
 *性暴力や災害時などに擬死反射が起こることが知られている
 *ヒトでの擬死をスコアで数値化し評価した論文では
 *人間での擬死現象、身体的無動、恐怖、解離の三要素が同時に起きてる
 *「外傷誘発性解離」であると結論されている
 ☆ケタミンは麻酔薬としての役目をいったん終えたが
 *近年、次世代の抗うつ薬としての開発が検討されている
 *うつ病による大きな苦痛を乗り越える力として
 *健忘や無痛状態が期待されている
 ☆解離を起こせる能力とは内在性の抗うつ因子で
 *致死的な出来事を乗り越え
 *生存可能性を高める保護因子なのだ
                        (敬称略)
⛳知識の向上目指し、記事を参考に自分のノートとしてブログに記載
⛳出典内容の共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介
 ☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
⛳私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
⛳投資は、自己責任、自己満足、自己判断で
⛳詳細は、出典原書・記事・番組・画像でご確認ください
⛳出典、『死の医学』

                    (狐憑き)
                           (擬死)


『抗NMDA受容体脳炎』『狐憑き』『進化と解離』『擬死』
(ネットより画像引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする