兵庫県立美術館で 『ムンク展』が開催されています。
今日はとっても寒い日。
団体のお客様への ムンク展のスライド解説 (見どころ案内) のボランテイアで美術館へ行きました。
3階のムンク展の入り口ですが、私はこの場所が大好き。
鉄とコンクリートとガラスの空間。
安藤忠雄さんお得意の天井のグリッドがとても綺麗で、直線ばかりの空間です。
見上げると、階段がず~と続き 小さく見える四角い入り口に吸い込まれるように、
「さあ、ここからムンクの世界が始まるよ!」・・・・と誘われているようです。
だから私はいつでも、エレベーターを使わず、3階まで階段を上ります。
・・・しんど~い!
「不安」
ムンクと言えば 「叫び」。
そして 不安や孤独、嫉妬、頽廃・・・・などの強烈な心理描写で有名ですが、 今回は違う切り口の展覧会です。
これまであまり知られてこなかった、装飾芸術家としてもムンクの一面を見ることができます。
ムンクは 自分の中心的な作品群を「生命のフリーズ」と題して アトリエの壁に いろんな組み合わせで作品を掛けて それを1つの大きな壁画と考えました。
フリーズとは ここでは装飾のための帯、横に続いている模様・・・という意味です。
「声/夏の夜」
これは「生命のフリーズ」を構成する作品群のひとつですが このモデルは ムンクの最初の恋人、ミリー・タウローという人妻だと言われています。
ムンクは ミリーの奔放な気まぐれに苦しめられ 失恋しますが、ミリーは「生命のダンス」という作品にも描かれています。
早く母や姉を亡くしたムンクは 女性の愛を求めていたのでしょう・・・でも、求めれば裏切られ・・・・・生涯独身だったそうですが・・・・。
女性の後ろに描かれている 白い細長い筋・・・・・水面に伸びる月光の柱・・・は ムンクが性愛を象徴するものとして よく描かれています。
「吸血鬼」
ムンクの装飾性への関心は建築へと向かいます。
マックス・リンデ邸の「リンデ・フリーズ」
ベルリン小劇場の「ラインハルト・フリーズ」
オスロ大学講堂の「オーラ」
フレイアチョコレート工場の「フレイア・フリーズ」
オスロ市庁舎
・・・といった個人の住宅から公的な建築の壁画へと受け継がれていきます。
「赤い蔦」・・
私は フレイアチョコレート工場・・・・フレイアフリーズの社員食堂に書かれた絵が明るく解放されたように感じられます。
こんな食堂で食べるランチは美味しいだろ~な~・・・と思ったり、
フレイアチョコレート・・・ってどんなチョコだろ~と思ったり・・・・・
「赤と白」
建築の装飾を手がけるようになってからのムンクの絵は それまでの悲観的な雰囲気から 壮大なモニュメント性や生命の賛歌を表現するものに変わっていきます。
それは ヨーロッパを放浪していた孤独な天才画家から ノルエーの国民的な巨匠へと変わっていく過程と似ています。
◆
展覧会場を出たところに 4~5台のパソコンが置かれていて、ムンクの絵を自分のパソコンや携帯に送信することができるサービスがありました。
今までの展覧会ではあまり見られなかったことで、「さすが!兵庫県立美術館!」・・・と嬉しくなりました。
さっそく家のパソコンに 5枚の絵を送信しました。
それが上の5枚の絵です。
兵庫県立美術館 と ムンク展のロゴが入っています。
ここは週末きっと混むでしょうね・・・・・。
13時と14時30分からのスライド解説の合間に カフェでランチ・・・といっても 今日はこのパン1つ。
原稿をチェックしながら、大急ぎです・・・・・・窓の外に見えるのは 私の好きな 山口牧生の「日の鞍」というバナナのような形の彫刻です。
今日は寒いから 日の鞍も冷めたそ~!
13時からは香川県からの団体のお客様、
14時30分からは 桑名からバスで来られた団体のお客様で 名神が雪でとても混んでいたそうです。無事に帰られたでしょうか・・・・。
今日の美術館は 日曜日のように混んでいて賑やかでした。
今日はイベントが山盛りあったそうです。
ムンク展はとても人気があるし
「ムンク愛のレクイエム」という映画の上映
ボランティアによるコレクション展(常設展)ガイドツアー・・・・13時から
中学校の団体鑑賞・・・140~150名以上だったそうです
2つの団体鑑賞・・・香川と桑名から
・・・と、いろいろ・・・・
そして
神戸っ子アートフェスティバル!
私もちょっと覗いてみました。
神戸市の幼稚園から中学校までの子供たちが作った造形作品が3200点も展示されているそうです。
楽しい~
お菓子の紙の容器で作ったロボットです・・・・手がスプーンになっていて、面白いですね~
これは商店街のお店・・・パン屋さんとチョコレート屋さん
楽しいモビール
大きくなった未来の自分を作って 紙で作った大きな木にのせているのでしょうか・・・
この会場には 小さな子供たちがたくさん来ていました。
大きくなっても美術館に来てくれたら嬉しいな♪
神戸っ子アートフェスティバルは27日(日)まで開催されています。
お子さんと一緒に是非ご覧下さい。
神戸っ子アートフェスティバル
1月22日(火)~1月27日(日)
開催時間:10:00~18:00
(但し、1月25・26日は10:00~20:00まで)
ギャラリー棟 3Fギャラリー / 無料
主催:神戸っ子アートフェスティバル実行委員会
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いつも見ていただいてありがとうございます。 |
私も或る美術館で絵画解説ボランティアをしています。
兵庫県立美術館が、阪神大震災の復興シンボルとして建設されたものだとは知りませんでした。
以前ジャコメッティ展で来館しましたが、風格或る建物だと感心したのを覚えています。
来月2度目の来館を楽しみにしています。
ブログに立ち寄っていただいてありがとうございます。
ムンク展は 今までの展覧会と違って心理面だけでなく 装飾芸術家・・・という捉え方をしているので とても観やすいと思いました。
兵庫県立美術館は 来館者には 迷路のよう・・・・と、不評な面もありますが、意味のない階段や行き止まりの廊下など・・・・館自体が芸術のような気がしています。
是非ムンク展楽しんでご覧くださいね。
金、土、日曜日の13時からは コレクション展のミュージアムボランティアの解説ツアーが45分間ありますので こちらも是非参加していただけたら・・・と思います。
これは、今回のムンク展の解説を、展示作品前で行ってもらえるのでしょうか?
今のところ、2月9日(土)か、16日(土)を予定しているのですが、この日もありますか?
ボランティアは 基本的に特別展(今回はムンク展)の解説は行っていません。
ボランティアが行っている 解説の活動はおよそ以下の通りです。
①毎週金、土、日曜日の13時から45分間 コレクション展(年3回入れ替わる常設展)の解説を 会場(1階、2階 屋外のいずれか)の作品を前に行っています。
②毎週(特別展の開催中)日曜日11時から15分間 特別展(ムンク展)のスライド解説をレクチャールームで行っています。
③団体のお客様が予約された日 15分間の特別展(ムンク展)のスライド解説をレクチャールームにて行っています。
ららさんが行かれる 2月9日は ちょうど 学芸員による解説会が16時より レクチャールーム であります(無料)。
ボランティアが行うスライド解説と 同じスライドを使いますので 参加されてはいかがですか。
(レクチャールームは チケット売り場に向かって左側の部屋です。右の部屋は情報センターです)
また、9日、16日とも13時よりボランティアによるコレクション展の解説ツアーがありますので 是非ご参加下さい。 13時より、会場入り口(チケット売り場の前)で始まります。
それに、9日、16日は「美術館の調べ」といって コンサートが14時よりエントランスホールであります。大変混み合うと思いますが時間が合えばご参加下さい。(無料)
展覧会会場や エントランスなど数箇所に ムンク展の解説映像を流しているTVが置かれています。この映像はとてもわかりやすいので 是非ご覧になられることをお奨めします。
ムンク展は人気がありますので 週末は会場が混み合います。
10時開館ですが 早めに来られるか、土曜日は20時閉館ですので遅めかどちらかがいいかと思います。
ご参考になれば・・・・。
どうぞ楽しんでくださいね。
14時からのコンサートも楽しみです。
同行する友人達と相談してスケジュールを決めたいと思います。
御紹介頂いた14時からのコンサートは満席で大変好評だったようです。
私達も14時40分頃になりましたが、展覧終了後に1階のセルフカフェから、美しいピアノ演奏と歌声を漏れ聴かせてもらいました。
大きなガラスから真っ直ぐに落ちる白い雪も美しく、来て良かったと思いました。
ムンクの様なビックネームの画家はまだしも、北欧画家の作品を日本で見る機会が少なく大変残念です。
皆仕事を持っている為、まとまった休暇を捻出することが困難な身ですが、オスロ市はストップオーバーを使ってでも訪問しておきたいと思いました。
Soleilさんから頂いた情報のおかげで、以前よりも美術館をより楽しむことが出来、本当に有難うございました。
楽しんでいただいた様子でよかったです。
美術館も、いろいろと展覧会の企画を考えているようで どうぞまたおいでくださいね。
少しでもお役に立てたようで よかった!
次回、私の解説ツアーに参加していただけたら嬉しいですが・・・・。
私も、頑張らなくては・・・。
気楽に楽しめる美術館がいいですね。
そして ほんとはもっと 観覧料金がお安くなればいいのに~・・と思います。