Soleilの庭あそび・・布あそび♪

日々の庭作りや陶芸、キルトなど・・・my favorite room

★兵庫県立美術館 『シャガール展 色彩の詩人』

2008年09月28日 | ★美術館のボランティア


今日も見ていただいてありがとうございます♪

 

兵庫県立美術館では 9月6日から 「シャガール展 色彩の詩人」が始まっています。

      

シャガールの初期の集大成といわれる壁画の大作 「ユダヤ劇場」全7点をはじめ 初期から晩年にわたる絵画や版画 タペストリーなど約150点を展示しています。

休日は来館者が多くて シャガールの人気が伺えます。

          

シャガール展の会場は 3階ですが 右にあるエレベーターを使わずに私はいつも階段で3階へ。

安藤忠雄建築の 天井のグリッドや手すりの鉄 ガラス 打ちっぱなしのコンクリート・・・・・無機質で冷たい印象のこの空間ですが 私はとても気に入っています。

下から見上げる会場への小さな入り口が これから始まる「何か」を予感させて いつもここで自分ひとりワクワクしています。

 

シャガールは ロシアのヴィテブスクという街のユダヤ人の家庭に生まれ 9人兄弟の長兄で 幼い頃はユダヤ教社会の中で育ちます。

そのシャガールが ユダヤ教では禁止されている「絵を描くこと」を職業とした その長い生涯を作品でたどっていきます。

シャガールは98歳で亡くなるまで いろんな手法で1万点以上の作品を残したそうです。

パリの時代の作品は少ないのですが 版画も多く 最後のタペストリーも見ごたえがあります。

        
                    「二つの顔を持つ花嫁」

これは シャガールが40歳の時に描かれた作品で 白いベールの花嫁は 二つの横顔をみせています。

左手には花束を持ち 婚礼を祝うために町の音楽家たちが集まって ユダヤの音楽を奏でています。

右手には扇子が握られ 花嫁は もう一つの違う世界・・・・・・西ヨーロッパ社会・・・を見ています。

ロシアを飛び出し パリへと渡ったシャガールが生涯持ち続けた故郷への思い 苦悩や悲哀を表現しているようです。

 

シャガールの絵を観ていくうえで切り離せないのが ユダヤ教社会 ユダヤ文化です。

勉強しない私にはとても難しくて・・・・・ そこで・・・・

美術館で9月28日に記念講演 「シャガールはなぜ7本指なのか?-ユダヤ文化論から見たマルク・シャガールの世界ー」
大阪大学・関西大学講師、ロシア文学・東方ユダヤ文化論専攻の角 伸明先生の講演があったので参加しました。

         

ミュージアムホルで 定員250名ですが立ち見が出るほど盛況でした。

シャガールの1枚の絵を見る時 ユダヤ教の厳しい教え、そしてユダヤ社会の習慣や言語・・・・ などから一つ一つ謎を紐解いて 「ふ~ん・・・・・」とその深い意味を知っていく・・・・「ふ~ん・・・・・」と。

絵は自分の感じるままに観ていけばいい・・という思いと、

これほどの深い知識で探っていく面白さと・・・本当にいろんな見方があるんだな~と思います。

パリに飛び出し 西欧社会の服を着て西欧社会の生活をしても シャガールの心は故郷ヴィテブスクへの思いで溢れていて・・・・・・

キリスト教文明は受け入れたけれども ユダヤへの愛着は持ち続け それをずっと表現し続けたシャガールのルーツのようなものを感じました。

ユダヤ人という重い宿命を背負いながら こころの葛藤と戦いながら あの美しい色彩の ファンタジーな世界を作り上げたんですね。

今日 時間をオーバーして2時間近くあった講演を聞きながら 「絵を観る」ことの深さを感じました・・・・・・難し~~いけれど楽しいですね。

もっと勉強しなければ・・・・・とこの瞬間は思うんですが・・・・・

とても面白い楽しい講演でした。

兵庫県立美術館では シャガール展期間中 今日のようにいろんなイベントがあります。

シャガール展は 10月15日(水)まで開催しています。

休館日 月曜日
10:00~18:00(入場は17:30まで)
※特別展会期中の金曜日と土曜日は夜間開館
10:00~20:00(入場は19:30まで)

〒651-0073
神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号[HAT神戸内]
TEL:078(262)0901
e-mail:museum_@artm.pref.hyogo.jp

 

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『モディリアーニ展』 と 『塩田千春 精神の呼吸 展』

2008年09月05日 | ★美術館のボランティア


今日も見ていただいてありがとうございます♪ 

       

大阪国際美術館で開催されている『モディリアーニ展』に行きました。

    

大阪中之島にある 国立国際美術館です。

ガラスとスチールでできた とってもユニークな建物・・・・・羽のようにも見えるし、レーダーのようにも見えるし・・・・・この入り口を入ると地下に広がる美術館です。

               

地価1階から見上げると ガラスを通して溢れるような光が地下3階まで届きます。

    

ロビーに置かれた「ヘンリー・ムーア」の『ナイフ・エッジ』

正面からは ぽってり量感のある作品ですが 横から見ると薄くて平らで刃物の先のように切れそうな感じがすることから 「ナイフ・エッジ」というタイトルがつけられたそうです。

でも、題名からくる ナイフ・・・という冷たい感じがなくて 柔らかでゆったりしていて生命感を感じさせます。

これは売店横の カーブした壁に展示されている「高松次郎」の『影』です。

高松次郎の「影」シリーズは 兵庫県立美術館にも収蔵されていて 興味ある作品です。

実際の人物がいなくて影だけで 見るものに連想させる・・・・4人の男女・・?・・何をしてるんだろう・・・・・空想が広がる面白い作品ですが 

こんなに巨大な作品を 『作品です!』・・・という感じで展示していなくて何気さがいいな~・・・・・と思いました。

          

地下3階のモディリアーニ展は さすがに混んでいました。

2006年に兵庫県立美術館で開催された『エコール・ド・パリ展』で ほんの少しモディリアーニについて調べていたので モディリアーニの作品を見ているとそれが蘇ってきました。

エコール・ド・パリの代表的な画家のモディリアーニが描く ほっそりした顔 長い首、瞳のないうつろな目・・・・・・

・・・・簡素で素朴な表現が アフリカなどの民族芸術のプリミティブ(原始的な)な表現の影響を受けていた・・・という所にポイントをおいた展覧会でした。

でも・・・・・

やっぱりモディリアーニといえば とってもハンサム・・・・・そして・・・

貧困、飲酒、病気・・・で苦しみ、モディリアーニが亡くなった翌日に 妻のジャンヌが飛び降り自殺した・・・という

しかもジャンヌはまだ21歳でモディリアーニの赤ちゃんを身ごもっていた・・・・という

悲劇的な生涯をまず思い出してしまう 強烈な画家ですね。

 

   

    

でも、今回モディリアーニ展より面白かったのが 地下2階の 『塩田千春 精神の呼吸』という展覧会でした。

このパンフレットの 「大陸を越えて」という作品は 広いフロア一面に 赤い糸でくくられた靴が置かれています・・・・・・2000足ほどあるそうです・・・・

今回の展覧会のために日本国中から1年半かけて集めた それぞれにエピソードがある履き古した靴だそうです・・・・

そしてその赤い糸は1点に集められていて 

それは 赤い糸という絆でみんな結ばれているようであり 

その靴を履いていた人の生活 生きた時間 過去の記憶を繋げているようでもあり・・・・

もうその光景にびっくりしてしまいました。

        

 

そして高さ4~5mから吊られた 巨大な手を取り合った洋服・・・「皮膚からの記憶」

そして何より圧巻だったのは 「眠っている間に」という作品です。

広いフロアーに何十個というベッドが置かれていて その会場にくもの巣を張るように ベッドの周囲を そしてベッドとベッドを黒い毛糸で覆っています。

もう会場全体が 黒い毛糸で埋め尽くされ トンネルのようになったその間を通っていくと まるで自分が その黒い繭の中に入っていて  ベッドから起きて また違うベッドに移っていくような・・・・・奇妙な世界に入り込んだ気になりました。

照明も効果的でした。

こんなインスタレーション(場所や空間全体を作品として体験させる芸術)は初めてでした。

楽しい!

ワクワクして 黒い繭・・・くもの巣・・・の間を何度も行ったり来たりしてしまいました。

始めは この黒い毛糸は何だろう・・・・・・

黒い糸は人間の精神で 眠っている間に自由にどこまでもの浮遊している・・・・ということだろうか・・・・

黒い糸は宇宙で みんなどこかで繋がっている・・・束縛されている・・・・・ということだろうか・・・・

な~んて思いましたが 

そんなことより ただただ面白い。

そして、この黒い毛糸を張っていく作業の大変さを思うと気が遠くなりました。

・・・・それに 黒い毛糸はどのぐらい使ったんだろ~・・・・展覧会後 巻き取っていくのも大変・・・?

こんな強烈な作品を作る 塩田千春・・・いう女性に興味がわきました。


 

           

はぁ~~見終わった後はいつも疲れます。

いつものように 石鍋シェフでおなじみの美術館の中のレストラン「クイーン・アリスアクア」でランチです。

           

 『モディリアーニ展』記念コース (2500円)がありました。

前菜 + メイン料理 + デザート + コーヒーorハーブティ + パン2種で
前菜からすべてプリフィックスでお好みのものを選ぶことができます。

           

前菜は 白身魚、海老、帆立貝の健康サラダ、ベトナム風

・・・・フライした春巻きの皮にサラダが入っていて パリパリした食感と サラダがよく合っていました。

           

           

           

メインは 仔羊背肉のグリエ フライドポテト添え

レンズ豆が添えてあって このお肉は美味!

           

デザートは アリス風カスタードプリン。

           

友人は フルーツのスープ仕立て、ヨーグルト・アイスクリーム添え

カシスとヨーグルトのアイスがさっぱりと美味しいデザートでした。

 

この塩田千春さんの展覧会は ふ~ん・・・・なるほど・・・・

・・・・と、納得する展覧会という感じではなくて

赤い糸・・・黒い糸・・・・・を見て

何か感じる!・・・・

何か面白い!・・・・という・・・・・

お勧めの展覧会です。

 

 

2008年 7月1日[火] - 9月15日[月・祝]
国立国際美術館(大阪・中之島)
〒530-0005 大阪府大阪市北区 中之島4-2-55
06-6447-4680 (代表)

国立国際美術館は国内外の現代美術を中心としているので ピカソや カンディンスキー、 私の好きな フランク・ステラや 舟越保武の「原の城」 舟越桂の「銀の扉に触れる」など 何度も観たい作品がたくさんあります。

 

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★横尾忠則さんの公開制作を見学しました!

2008年08月22日 | ★美術館のボランティア


今日も見ていただいてありがとうございます♪

            

今日は なかなか参加できないでいるミュージアムボランテイアのお仕事の日です。

鳥取から来られた団体のお客様に 『冒険王・横尾忠則展』のスライド解説をするために 兵庫県立美術館へ行きました。

 

無事解説を終えた後 19日から22日まで横尾忠則さんの公開制作がアトリエで行われているので見学しました。

 

                                

            

会場のアトリエ1です。

       

今回の特別展にも展示されている「Y字路シリーズ」の作品を制作されています。

            

横尾さんが制作されているのを どなたでも見学することができるので 多くの方が参加されていました。

                                  

横尾さんは

椅子に坐って じっと絵を見つめられたり・・・・

決心したように立って ササーと絵の具を塗っていかれたり・・・・

                   

細い筆で細やかに色をおかれたり・・・・・

                                    

これはY字路を見つめる猫を描かれているところです。

白い猫の写真を見ながら キャンバスに細い筆で描いていかれます。

                  

              

そばの机には 絵の具や 写真や資料がいっぱい置かれていました。

             

写真は全体を写したのもや クローズアップしたものなど・・・・・

絵の具は同じ色なのか 似た色合いが揃っているのか・・・・たくさん並べられています。

 

11時じごろから昼食の休憩をはさんで 4時ごろまで制作されているのを見学できます。

             

キャンバスの前に置かれた一つの椅子。

主人公がいなくなったこの空間・・・・・お芝居の幕が降りたような静けさ。

 

             

その椅子の周りには・・・・・

                       

絵の具や筆や写真が 主人公を待っているようです。

 

            

横尾さんが制作されている様子は エントランスホールのTVでもライブで見ることができました。

 

横尾さんは 今回の展覧会のオープニングの日がお誕生日で 72歳になられたそうです。

でも・・・・「お若い!」

背筋が伸びて エネルギーが溢れています。

今回の特別展の作品から感じられる少年の心を ず~と持ち続けてられる感じがします。

作品の大胆さから 製作も大胆なのかな~・・・?と思っていましたが

静かなBGMの流れる中 寡黙に自分の世界にひたって、ゆったりじっくり制作されていました。

物音が立てられない張り詰めた緊張感のある空間でした。

初めての経験でしたが 芸術家のオーラを感じました。

             

今回のように 兵庫県立美術館では 多彩なイベントが催されています。

『冒険王・横尾忠則展』は8月24日で終わり 9月6日からは『シャガール展』が始まります。

イベントも盛りだくさんですから またチェックしてみたくださいね。

 

 

 

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★『冒険王・横尾忠則』展

2008年06月29日 | ★美術館のボランティア

 今日も見ていただいてありがとうございます♪          

              

                 

『冒険王・横尾忠則』展が兵庫県立美術館で始まりました。

この展覧会のオープニングの日が 横尾さんのお誕生日で 72歳になられましたが若々しく、幅広い活動をされています。

                                

今回の展覧会は 回顧展ではなく タイトル通り『冒険』にこだわって・・・・・

・・・・横尾さんが子供の頃夢中になっていた「冒険物語」を題材にした作品

・・・・表現上の「冒険」

焦点を絞ることで横尾さんの芸術がクローズアップされます。

            

これは今回の展覧会のポスターにもなっている 小説「海底二万里」に登場するノーチラス号の窓から見た世界『ジュール・ヴェルヌの海』ですが このポスターも横尾さんがデザインしたものです。

 

【第1章】予感/選択

Y字路シリーズの近作が展示されています。

Y字路・・・岐路。分かれ道。 選択を迫るY字路からは冒険が予感されます。

     

 

【第2章】旅の始まり

冒険に向って旅することもありますが 旅そのものが冒険ともいえます。

すでに冒険は始まっていて 今とどれだけ違うところに行くのかも重要です。

横尾さんの作品には乗り物(特に機関車)がよく登場します

             

 

【第3章】少年は冒険を好む

冒険物語から題材をとった作品が展示されています。

武蔵と小次郎・・・・・・江戸川乱歩の「少年探偵団」・・・・・山川惣治の「少年王者」・・・・・・・ジュール・ヴェルグの「海底二万里」・・・・・

昔読んだ物語が 横尾さんの自由な発想で描かれていて、楽しく見ごたえがあります。

                       

【第4章】冒険の時代

60~70年代に横尾さんが描いたポスターやレコードジャケットなどの原画がおよそ500点・・・・・・・ 懐かしい人物やまた、ラフスケッチも展示されていて 楽しく見ていけます。

                            

【第5章】創造の冒険

横尾さんの創作の秘密を絵画で見ていきます。

パロディは原画も展示されていて 見比べていくとユーモアたっぷりで気づく楽しさがあります。

                      

【第6章】戦士の休息

冒険の合間にちょっと休憩・・・・・「お湯」ののれんをくぐると 「温泉」と「銭湯」シリーズの作品が展示されています。

                        

【第7章】冒険は終わらない

生と死の人生模様が織りなす最新作を展示しています。

横尾さんが少年時代好きだった冒険物語の主人公 ターザンと怪人二十面相が登場します。

                      

 

そして 出口を出た通路に 今回も 4台のパソコンが置かれていて 展示されていた8種類の作品の絵を 自宅のパソコンや携帯に送れるサービスがあります。

                            

私はいつもこれを利用しています。

このブログに掲載している横尾さんの作品は これを利用して美術館からメールで送ったものです。

                  

今回の展覧会で 今まで持っていた横尾さんのイメージが変わりました。

自由で大胆で強烈な色彩・・・・・それだけではなく いくつもの作品に何度も使われている題材に気づいたり それが違う意味を持っていたり、また、デザインの繊細な線や形の面白さ。 

大胆かと思うと とても繊細だったり・・・・・

個性的だと思って見ていても とても分かりやすかったり・・・・・

何より一番感じたのは 作品から放たれるエネルギーでした。

きっと 横尾さんはいつも冒険の旅に出ているのかもしれません・・・・。

 

見ごたえのある展覧会でした。

8月24日まで開催されていますので 是非ご覧下さい。

 

ミュージアムボランティアが次のような活動をしていますので 来館された時はぜひご参加下さい。

●【ミュージアム・ボランティアによるスライド解説会】
 横尾忠則展の内容をスライドを使ってわかりやすく解説します。

     ・レクチャールーム
     ・会期中 毎週日曜日  11:00~11:15

 

●【ミュージアム・ボランティアによるガイドツアー】
  ミュージアム・ボランティアがコレクション展(常設展)のみどころをご案内します。

     ・1階展示室/2階展示室/屋外のいずれかで開催
     ・コレクション展開催中の金・土・日曜日  13:00~13:45

 

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★美術館のボランティア・・・・ガイドツアー

2008年06月15日 | ★美術館のボランティア

          
                                 兵庫県立美術館   海のテラスと大階段

今日は兵庫県立美術館の解説ボランティアをしている私が ガイドツアーをする日でした。

美術館の屋外の彫刻や安藤忠雄さん設計の建物を お客様に解説して巡るツアー(45分間)です。

(館内のコレクション展(常設展)の1階や2階を巡るツアーもあります)

普段なかなか勉強できない私は この日のために一週間猛勉強の毎日。・・・ほんと、大げさ!

(・・・・・それでブログが更新できず・・・)

でも、作品の一つ一つを詳しく調べたいと思っても インターネットや関係書籍でも分からないことがたくさんあります。

そんな時  ボランティアの先輩方に伺いますが とても頼りになります。

 

                
        円形テラス 通称「美術館のおへそ」・・・・地下駐車場への階段です

 

何かを尋ねても いつもそれ以上のことを教えていただけるので 先輩たちの情報量にはただただ感心してしまいます。

教えてもらって 思い違いをしていたことが分かった時や 又、作品を別の角度から見れた時などは嬉しくなってしまいます。

ガイドツアーの原稿作りをしながら 作品の見方が変わっていく自分に気が付きます。

学生の時は 退屈だった勉強が 今はおもしろい!

・・・・・目的がはっきりしているからでしょうか・・・・

 

 

        
          壁を切り取った額縁 ・・・・毎日違った風景画が見れます

 安藤忠雄さん設計の美術館は 巨大な迷路・・・と言われていますが 見どころがいっぱいです。

屋外に置かれた彫刻も 一つ一つ見ていくと楽しくて 私は外を巡るのが大好きなのですが それを・・・・  言葉を選び お客様の反応を見ながら 伝えたいことを簡潔に正確にどう伝えればいいか・・・・・本当に勉強の連続です。

でもでも・・・・今日はなんとか無事に終わりました~! 

よかった! ホッ!

 

今まで忙しくてなかなか美術館に行けない時 ボランティアを続けるのが難しいかな~・・・と挫折しそうな時でも、先輩に励ましてもらえたので続けてこれた私です。

いい先輩に恵まれて幸せです。

感謝感謝です!

 

 

屋外の彫刻・・・・・

                  
                 セザール 「エッフェル塔ー板状」

 

          
                  ヘンリー・ムーア 「ゴスラーの戦士」

 

                  
                    新宮晋 「はるかなるリズム」

 

          
                    山口牧生 「日の鞍」

 

                  
            ジョージ・リッキー 「上を向いた2本の線ー30フィート」

                

                  
               ナウム・ガボ  「構成された頭部 №2」

          
                     屋外のエレベーター 

   
このエレベーターは 1階から3階の山のデッキへ行けますが 壁や天井のライトの色が 青、黄色、白・・・・・と変わってとっても綺麗!
乗った途端 幻想の世界です。・・・私はこのエレエーターが大好き。

 

兵庫県立美術館の解説ボランティアは次のような活動をしていますので 美術館にいらした時は是非ご参加下さい。

●【ミュージアム・ボランティアによるガイドツアー】
  ミュージアム・ボランティアがコレクション展(常設展)のみどころをご案内します。

     ・1階展示室/2階展示室/屋外のいずれかで開催
     ・コレクション展開催中の金・土・日曜日  13:00~13:45

 

●【ミュージアム・ボランティアによるスライド解説会】
 特別展の内容をスライドを使ってわかりやすく解説します。

     ・レクチャールーム
     ・特別展会期中毎週日曜日  11:00~11:15

 

6月27日(金)からは 特別展 『冒険王 横尾忠則』展が始まります。

お時間があれば是非お越し下さい。

 

・・・・・私は・・・・・・

『冒険王 横尾忠則』展のスライド解説の原稿を 早く自分用に作りなおさなけば・・・・・

勉強は続く・・・・・

 

 

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★たんけん!はっけん!美術館!

2008年03月28日 | ★美術館のボランティア

           

美術館にも春が来ていました!

桜もチラホラ。

今日は美術館のボランティアで、広島からと、中部地方からの団体のお客様に ムンク展のスライド解説をしました。

 

                  

木蓮は満開。

            

3月に咲く木蓮は 別れの花のイメージがあります。

「♪~も~くれんの花が 青空に咲いた~   お~おおきくな~れよ さよ~なら み~んな~♪・・・」という歌がありましたよ。

 

           

美術館を設計した安藤忠雄さんお気に入りの大きな3つの庇。その向こうには 淡青い優しい空・・・そして雲はゆ~くり動いて・・・・

                 

時計の針のような作品 ジョージ・リッキーの『上を向いた2本の線ー30フィート』も、春の空に向ってゆ~たり動いて・・・・・

時間がゆ~くり動いている感じがします。

 

           

兵庫県立美術館では 2008年のコレクション展Ⅰ(常設展)が3月22日から始まっています。

今回は特集 こどものための美術館鑑賞術 『たんけん!はっけん!美術館!』が開催されています。

           

これが楽しい企画です!

最初の展示室では 絵が描けたり、絵本が読めたり、パズルができたり・・・・楽しいこと、不思議なことがいっぱい!

              

           

『犬も歩ケバ』という作品。

木で制作されていて(見ると金属のように見えるのですが・・・木です) 壁から抜け出てきて スタスタ・・・スタスタ・・・・・また壁に入っていく犬。

犬も歩ケバ、壁をツキヌケル!

たのしい!

この犬を連れて散歩したら 私も壁に入っていけるかも・・・・と想像しながら見てしまいました。

 

版画の横の壁には こんなコメントが書かれています。

 

                  

絵の横や 壁のコーナーに楽しいコメントが・・・。

イメージを膨らませながら作品を鑑賞できます。

子供たちは

丸いラグの上で 絵本を見たり・・・ 

お母さんと一緒にパズルをしたり・・・

お父さんと、一緒に机に坐って絵のセリフを書いたり・・・・

していましたよ。

           

 

私は何度も行ったり・・・来たり・・・・行ったり・・・来たり・・・・子供と同じくらい楽しんでいました。

作者が誰か・・・、絵の背景にある意味・・・、どうして描かれたか・・・・とか 難しいことをな~んにも考えずに ただただ「おもしろいな~」 「いいな~」と見るのが好きです。

でも、絵に込められた ちょっとしたヒントや、ちょっとしたエピソードを知ると また違った見方ができて 楽しくなる! 知りたくなる! 見たくなる!

だから 子供が ふう~と絵に引き込まれるように見入っている姿を見ると嬉しくなります。

春休み、お子さんと一緒に美術館へ!・・・というのはいかがですか?

西の入口にある桜が 迎えてくれますよ!

 

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★美術館のボランテイア・・・『ムンク展』・・・今日は賑やかな日!

2008年01月25日 | ★美術館のボランティア

         

兵庫県立美術館で 『ムンク展』が開催されています。

 

          

今日はとっても寒い日。

団体のお客様への ムンク展のスライド解説 (見どころ案内) のボランテイアで美術館へ行きました。

                       

               

               

3階のムンク展の入り口ですが、私はこの場所が大好き。

鉄とコンクリートとガラスの空間。

安藤忠雄さんお得意の天井のグリッドがとても綺麗で、直線ばかりの空間です。

見上げると、階段がず~と続き 小さく見える四角い入り口に吸い込まれるように、

「さあ、ここからムンクの世界が始まるよ!」・・・・と誘われているようです。

だから私はいつでも、エレベーターを使わず、3階まで階段を上ります。

・・・しんど~い!

                
                        「不安」

ムンクと言えば 「叫び」。

そして 不安や孤独、嫉妬、頽廃・・・・などの強烈な心理描写で有名ですが、 今回は違う切り口の展覧会です。

これまであまり知られてこなかった、装飾芸術家としてもムンクの一面を見ることができます。

ムンクは 自分の中心的な作品群を「生命のフリーズ」と題して アトリエの壁に いろんな組み合わせで作品を掛けて それを1つの大きな壁画と考えました。

フリーズとは ここでは装飾のための帯、横に続いている模様・・・という意味です。

 

          
                      「声/夏の夜」

これは「生命のフリーズ」を構成する作品群のひとつですが このモデルは ムンクの最初の恋人、ミリー・タウローという人妻だと言われています。

ムンクは ミリーの奔放な気まぐれに苦しめられ 失恋しますが、ミリーは「生命のダンス」という作品にも描かれています。

早く母や姉を亡くしたムンクは 女性の愛を求めていたのでしょう・・・でも、求めれば裏切られ・・・・・生涯独身だったそうですが・・・・。

女性の後ろに描かれている 白い細長い筋・・・・・水面に伸びる月光の柱・・・は ムンクが性愛を象徴するものとして よく描かれています。 

 

          
                         「吸血鬼」

ムンクの装飾性への関心は建築へと向かいます。

マックス・リンデ邸の「リンデ・フリーズ」 
ベルリン小劇場の「ラインハルト・フリーズ」 
オスロ大学講堂の「オーラ」 
フレイアチョコレート工場の「フレイア・フリーズ」
オスロ市庁舎

・・・といった個人の住宅から公的な建築の壁画へと受け継がれていきます。

 

                 
                        「赤い蔦」・・

私は フレイアチョコレート工場・・・・フレイアフリーズの社員食堂に書かれた絵が明るく解放されたように感じられます。068
 
                        

          

 

 

 

こんな食堂で食べるランチは美味しいだろ~な~・・・と思ったり、

フレイアチョコレート・・・ってどんなチョコだろ~と思ったり・・・・・

 

          
                          「赤と白」

建築の装飾を手がけるようになってからのムンクの絵は それまでの悲観的な雰囲気から 壮大なモニュメント性や生命の賛歌を表現するものに変わっていきます。

それは ヨーロッパを放浪していた孤独な天才画家から ノルエーの国民的な巨匠へと変わっていく過程と似ています。

                       ◆

展覧会場を出たところに 4~5台のパソコンが置かれていて、ムンクの絵を自分のパソコンや携帯に送信することができるサービスがありました。

今までの展覧会ではあまり見られなかったことで、「さすが!兵庫県立美術館!」・・・と嬉しくなりました。

さっそく家のパソコンに 5枚の絵を送信しました。

それが上の5枚の絵です。

兵庫県立美術館 と ムンク展のロゴが入っています。

ここは週末きっと混むでしょうね・・・・・。

                

          

13時と14時30分からのスライド解説の合間に カフェでランチ・・・といっても 今日はこのパン1つ。

原稿をチェックしながら、大急ぎです・・・・・・窓の外に見えるのは 私の好きな 山口牧生の「日の鞍」というバナナのような形の彫刻です。

今日は寒いから 日の鞍も冷めたそ~!

 

13時からは香川県からの団体のお客様、

14時30分からは 桑名からバスで来られた団体のお客様で 名神が雪でとても混んでいたそうです。無事に帰られたでしょうか・・・・。

 

今日の美術館は 日曜日のように混んでいて賑やかでした。

今日はイベントが山盛りあったそうです。

ムンク展はとても人気があるし 

「ムンク愛のレクイエム」という映画の上映

ボランティアによるコレクション展(常設展)ガイドツアー・・・・13時から

中学校の団体鑑賞・・・140~150名以上だったそうです

2つの団体鑑賞・・・香川と桑名から

・・・と、いろいろ・・・・

そして

神戸っ子アートフェスティバル!


私もちょっと覗いてみました。

        

神戸市の幼稚園から中学校までの子供たちが作った造形作品が3200点も展示されているそうです。

               

                     楽しい~

 

        

お菓子の紙の容器で作ったロボットです・・・・手がスプーンになっていて、面白いですね~

        

これは商店街のお店・・・パン屋さんとチョコレート屋さん

          

                        楽しいモビール

              

大きくなった未来の自分を作って 紙で作った大きな木にのせているのでしょうか・・・

          

 

                

この会場には 小さな子供たちがたくさん来ていました。

大きくなっても美術館に来てくれたら嬉しいな♪

神戸っ子アートフェスティバルは27日(日)まで開催されています。

お子さんと一緒に是非ご覧下さい。

 

 

 神戸っ子アートフェスティバル

1月22日(火)~1月27日(日)
開催時間:10:00~18:00
(但し、1月25・26日は10:00~20:00まで)
ギャラリー棟 3Fギャラリー / 無料
主催:神戸っ子アートフェスティバル実行委員会

 

 

 

 

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★狩野永徳展・・・・・・京都国立博物館

2007年11月16日 | ★美術館のボランティア

       

            

「我が家の 『源氏物語図屏風』が狩野永徳展に展示されているから行ってみて・・・」と友人がチケットを送ってくれました。

 

             

                 「檜図屏風」 (部分)

パンフレットの

「京都限定。30日間の奇跡ーその迫力にかなうものなし」

・・・というコピーに心動き 早く行かなくては・・・と思いつつバタバタしていて終了直前になってしまいました。

 

        

        

展覧会に行った友達から、80分待ちだった・・・と聞いていたので 朝早くから 開館の9時30分に合わせて行きました・・・・・でも、もうすでに20分待ち。開館前から並んで待っている方がたくさんいたようです。・・・・すごい人気です。

        

             

狩野永徳・・・というと 「唐獅子図屏風」を思い浮かべるぐらいで あまり興味を持って見たことはなかったんですが 今回の展覧会でそれが変わりました。

狩野正信に始まる狩野派は、二代・元信が画風や工房としてのシステムを確立し、四代・永徳は織田信長や豊臣秀吉ら、時の権力者に愛されて、多くの絵を描き残しました。

わずかな期間で 狩野派は、四百年にも及ぶ御用絵師の家系を築いたのです。
それには 粉本と呼ばれる基本デッサン集を弟子にお手本として与えるなどの狩野派の技法の秘密があったそうです。

祖父の元信から可愛がられ幼い時から狩野派の英才教育を受けた永徳は 天才絵師となり、桃山時代 その永徳を越す絵師がなかなか現れなかったのです。



 

 墨を極める  

          

                       花鳥図襖 (国宝)

この作品・・・・梅の巨木の迫力に圧倒されました。

力強く激しく、そして華やに梅ノ木が描かれ そこに来る鳥たちは細やかで愛らしい。墨絵って こんなに生き生きとしたものだったんだろうか・・・と驚かされました。

墨絵の人物は 頭部などは細い筆で緻密に描かれているのに、着物などは直線的で、太く、勢いのある線で描いています。その違いが面白く、永徳って、大胆で思いっきりのいい人なのかな~と思ったりしました。

 

 時代の息づかいー風俗画 

       

                    「洛中洛外図屏風」 右隻

       

                    「洛中洛外図屏風」  左隻   

         

                    「洛中洛外図屏風」 部分

 「洛中洛外図屏風」 は足利義輝が上杉謙信に贈るために永徳に描かせたものです。  今回メインの作品なのですごい人気で もう黒山の人だかり・・(?)・・大混雑でした。一歩も動く気配がない雰囲気でした。

これは永徳が32歳の時の作品で、 とても緻密に描かれ 晩年には見られない作品です。

人物は2~3cmですが 2000人以上が描かれています。

1年を通して四季が描かれる中で 人々の暮らしを金の雲の間から覗いて見るようで  とても楽しく描かれています。

この金雲って、豪華さも出て、それに これで場面が区切られているので便利だな~と思いました。 
もし、金雲がなければ あと何千人描かないといけなかっただろ・・・・・・・。

細部を NHKの新日曜美術館で見ましたが・・・・冬はお正月の準備をする人々や 飛び跳ねる犬、夏は川で泳ぐ人たち・・・・など・・・楽しいのです。
その細かい部分を見た~いと思うのですが なかなか近づけず、何度もここに戻っては見て やっと冬の場面が見れました。 

一つ一つの場面が生き生きとしていて楽しい。

風俗画ってこんなに面白いものだったとは・・・今まで本当に不勉強でした。 反省!

黒山の人だかりの中で 単眼鏡で見ている方がいて、かしこいな~と感心しました。 
単眼鏡、この作品には必需品ですね。

あ~ この作品、ず~と見ていたかった!



 

 桃山の華ー金碧障屏画  

     

                   「源氏物語図屏風」 狩野一派

 

ありました。 やっと! たどりつきました。

友人家の 「源氏物語図屏風」です。

もう1つの源氏物語図屏風は文化庁所蔵の 永徳筆 なので 作者が狩野一派の方ですね。源氏物語図屏風は 秀吉が智仁親王のために八条宮家を創設し御殿を作った際、永徳一門がその障壁画を描いたそうですが その1つです。 

       

源氏物語の 野分、松風、末摘花 が描かれていて、 繊細な線で緻密に表現された宮中の様子がうかがえます。華麗な平安の物語の世界に浸ってしまいました。

       

光源氏が隠れて覗いているところが面白いですね。

 金雲には型押しのような地模様でしょうか、とても美しい。 女性の面長な顔や着物の色もとても綺麗です。 保存状態がいいんでしょうね。

友人家の作品と思うと とても親近感が出て しばらく眺めてしまいました。

そして、これを保存する彼女の大変さを思うと・・・・う~ん・・・・・でも、素晴らしい!!

 

  壮大なる金碧大画

        

                   「唐獅子図屏風」  (国宝)

最後の部屋に入るなり もう脱帽でした。

縦2m 横4.5mの大迫力。

言葉にできない「感動」がありました。

永徳ってすごいな~と圧倒されてしまいました。

切り取られた、トリミングされた跡があるので 本当はもっと大きな絵だったそうです。

でも、永徳って、秀吉に寵愛され多くの作品を手がけ 地位も名誉も手に入れ 天才と謳われたけれど、本当にこういう絵を描きたかっただろうか・・・と思いました。

48歳で過労でな亡くなったと言われていますが、初期の 大胆で勢いのある筆使いの墨絵を思うと、もし時の権力者に重用されなかったら永徳はどんな絵を描き続けていたんだろうと思いました。

 

今まで日本画はちょっと苦手意識があったのですが、好き嫌いを越えて、「すごい!」 と思える 見ごたえのある特別展でした。

「京都限定。30日間の奇跡ーその迫力にかなうものなし」

・・・・・・これは本当でした。

 

今日は美術館のボランティアの先輩と一緒に観ましたが、いろいろ教えていただけたので とても勉強になりました。

そしてその先輩を喜ばせたのは 出口にあった展覧会予告。

狩野永徳のライバルだった 「長谷川等伯展」が3年後に開催されるそうです。

京都国立美術館も、すごい!

 

 この京都国立美術館や向かいの三十三間堂は 私が20歳のころ通っていた学校の近くで、とても懐かしい場所です。先輩に付き合ってもらって 学校まで散歩しましたが、学校も変わってな~い・・・・・久しぶりで嬉しい~!

 

そんなこんなで疲れ・・・、お腹もすいて・・・ 四条京阪、 南座のすぐ横の にしんそばで有名な 「松葉」へ。

        
にしんそばとにしんそぼろご飯のセット。

        

おそばの下に隠れていた にしんが出てきました。このにしん、おいしい!

このお店は 創業140~150年ほどたつ老舗ですが さすがに美味しかったですね~。

 

             

デザートは先輩おすすめの ぎおんの「鍵善良房」へ。                

               

        

高さ20cm以上ある二段重の中には くずきりが入っています。

        

くずきりは黒蜜を選びました。先輩は白密。

              

 

        

お店のアンティークな家具や置物は素敵で もっとゆっくり見たかったのですがちょっと急いでいて・・・。
長細いお店の奥には蔵があって 落ち着いた雰囲気のいいお店でした。

 

今日の特別展を観て 苦手だなんだと言わず、やはり素晴らしい作品に出会わないといけませんね。 自分で門を狭めていてはダメですね。

今日は 本当に勉強になった一日でした。

 

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★美術館のボランティア

2007年11月13日 | ★美術館のボランティア

                

今日は 兵庫県立美術館に 兵庫県内の私立S中学校1年生約240名が美術館鑑賞ツアーに訪れました。

ミュージアムボランティアの解説班と子供班が案内します。普段なかなかお手伝いできないのですが  少しでもお役に立てば・・・と行ってきました。・・・子供好きですし・・・!

もう美術館のツタも 紅葉してきました。

        

今、特別展は「河口龍夫展ー見えないものと見えるものー」が開催されています。

神戸出身の河口龍夫(1940- )は、種子や電流や光、銅や鉛などの素材を用いて、普段は隠れている事物の本質や可能性、そして目に見えない「関係」を美術の力によって提示しています。

今回の展示でも、エネルギー、熱、時間など私たちが日常目で見ることのできないものを作品を通して感じさせてくれます。

・・・・・と、書いてありますが、あんまり難しいことを考えないで、まずは見てみました。

それぞれの素材の関係性があるので説明しにくいのですが・・・・・・でも、楽しいのです。

              

「関係ー浮遊する蓮の船」の部屋では 部屋の中央の高いところに 蓮(上の写真の蓮)がいっぱい入った船が浮かんでいて、また部屋の四方の壁の高いところに 蓮が数え切れないぐらい挿してあります。
部屋に入るなり そのインスタレーションに圧倒されてしまいました。
綺麗な蓮の世界!  
たまたま私1人だったので、どっぷりのその空間に浸れて、「あ~、私は今、水の中にいるんだ~」と、水の底から蓮を見上げて不思議な感覚を味わっていました。

また、出口の廊下では、蜂が乗った小さな飛行機(?)、と、数え切れないぐらいの数の 大きな羽のついた種坊が 一つ一つ天井から吊り下げられていて だんだん高く遠くへ飛んでいく展示がありました。
種坊が好きなところへ飛んで行く、未来を夢見て飛んで行く、遠くへ遠くへ・・・・・蜂はどうして飛行機に乗っているのかな?・・・・種坊を見守っているのか、一緒に行きたいのか・・・・・・・
思わず「楽し~~!」とつぶやいていました。

解説ボランティアであればその関係性や、作者の意図を勉強しないといけないのですが、私は、「たのし~~」・・・でその日は終わってしまいました。

もっと知れば もっと違う見方ができると思います。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

さて、今日は、生徒たち240名が展示室1階2階、そして屋外・・・と、12グループに分かれて美術館中を動きます。 いつものことながらすごいな~と思います。

私は 美術館の建物と屋外の彫刻の解説をすることになりました。

解説ボランティア4名が屋外担当で それぞれ中学1年生20名をつれて屋外をぐる~と一周。
それを3回まわります。

 

安藤忠雄さん設計の美術館は見どころがいっぱいです。

   

いつも思うことですが、子供たちが美術館に来て、何か1つでも楽しい・・と思うことがあればいいな~と思います。 

今日も、作品の紹介をしながら、 「美術館って、難しいところじゃないんだよ」・・・・・と伝えたい・・・・・いつも思います。

子供が小さな時から親しめる美術館があれば素晴らしいですね!

 

 

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○フィラデルフィア美術館展・・・・そして岡崎疎水と茶庭②

2007年09月10日 | ★美術館のボランティア

         

美術館の帰り 岡崎の琵琶湖疎水がとっても綺麗でした。
水面に 空と雲と木々が映って ひとつの作品のようでした・・・・・・美術館の帰りは いつも 見るものが芸術に見えてくる・・・・・まあ 「茶庭」に行くまでですが・・・。

・・・・と、そこに こんな鳥が・・・・・

            
アオサギ?

アオサギも美しい・・・・そして 輝く空と雲が映っている・・それも美しい・・・・・
・・・・・・まだ 気持ちは美術館モード。

 アオサギは疎水に沿ってふわっふわっと歩いていく。

       

何かを探してるのか 誰かを呼んでるのか・・・。

隣に外人の女性が来て一緒に見入っていました。

What is this ?

I don't know.  But   beautiful.

                 

後姿に哀愁が・・・・・・まだまだ  美術館モード

どうしたいんだろう・・・・・なんだか見届けないと 「茶庭」に行けない。

でも、友達はもうしびれを切らしている・・・

        

気持ちが通じたのか・・・・・さ~~と飛び立っていきました。

さあ! 「茶庭」へ行こう!

・・・すると 今度は カモが疎水を泳いでいました。

        

ス~イスイ・・・・・・ス~イスイ・・・・

        

34度の京都は暑い・・・・・・カモはス~イスイ・・・涼しそう!

        

疎水の中の 緑の藻がとても綺麗です。

        

2羽になり ス~イスイ・・・ス~イスイ・・・

        

3羽にもなって ス~イスイ・・・ス~イスイ・・・ス~イスイ・・・・

 

さあ~、もう「茶庭」に行こう!

     「茶庭」・・・サテイ・・・というスフレのお店です。
料亭「六盛」 が経営するお店で 六盛の裏側にあり 美術館からは北西方向に10分ほどで行けます。

                 

京都に来ると必ず3時のお茶はココに来ます。
それがもう15年以上続いています。

そのころ 「サティ」のジムノペディが好きでよく聞いていたので・・・・ 「サティ」と「サテイ」・・・・・う~ん 似てる。

・・・それで「サティ」に行こう!  「サティ」ニ行こう!・・・と言ってたのでした。

店構えは和風ですが 中に入ると アールヌーボーっぽい鏡が壁一面にあってモダンです。・・・でも、もう15年以上も前からこのままですから綺麗ですね。

                 
今日はどのスフレにする・・・・・?と友達と話しながら 必ず二人とも「バニラスフレ」に行き着いてしまいます。

ふくれてる・・・ふくれてる・・・・

そのふくれてる真ん中を スプーンでグサリ!

そこにソースをかけて・・・・

バニラビーンズがたっぷりのソース・・・・・

グチャグチャっとして・・・

あ~やっぱり一番美味しい!

美術館モードでいっぱいの頭がとろけていく~。

 

 

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○フィラデルフィア美術館展・・・・そして岡崎疎水①

2007年09月09日 | ★美術館のボランティア

        

京都市美術館の「フィラデルフィア美術館展」は物凄いボリュームでした。
よくこれだけの作品が揃ったことと、これだけの作品を貸し出したフィラデルフィア美術館はすごいな~と思いました。

   ルノアール 「ルグラン嬢の肖像」 ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪ルグラン嬢の肖像≫


フィラデルフィア美術館が所蔵するコレクションの中から、ルノワール、ドガ、マネやモネなど印象派とマティスやピカソら20世紀の名画およそ80点を展示していました。

音声ガイドが 元宝塚歌劇団の檀れいさんだったので 一緒に行った友人は大喜び。 美しい声のガイドでゆったり回れました。

 

 私の大好きな 「オキーフ」が出品されているので見る前からワクワクでした。                        

   ジョージア・オキーフ 
                           「ピンクの地の上の2本のカラ・リリー」
                              ( Two Calla Lilies  on  Pink )

オキーフは写真にも興味があって クローズアップしたり、トリミングしたりする写真の特性を絵に取り入れて描いています。 
たとえば蘭のめしべやおしべや中心部分を切り取って描いたり 花の花芯をクローズアップして描いたり ・・・・時にそうした表現がエロチックだと批判されますが・・・・・ でも、その絵の微妙な色合いがまた素敵なのです。

このカラーのように 白でも、柔らかい白 硬い白 ・・・そして微妙な影や、花びらの質感。本当によく花を見ているんだ・・・花をよく知っているんだと感心します。 バックのフワッとして輝いたピンク色と 白の大きな曲線の花の取り合わせに 女性ならではの柔らかな感性を感じます。

我が家の玄関には今、オキーフの白い蘭の花のポスターを掛けていますが この絵はもう20年ほど前から私のお気に入りです。・・・ちょっと変色しているかも・・・・

 

そして私が釘づけになったのが ルノアールでした。

   ルノアール 「大きな浴女」  大きな浴女 ルノワール

今まで見たルノアールの中で 一番輝いた肌をした女性の絵でした。
もう画面全体が 明るいというより 黄金・・・という雰囲気です。
黄色と、茶色とほんの少し緑で描かれたぼんやりしたバックに溶け込むように ふんわりと衣服や麦藁帽子が描かれ そこに しなやかで豊かな明るい肌の女性。 長い髪の毛も 茶色の濃淡で柔らかく描かれています。 
豊かな幸せな時間が流れているようです。

2つ手前に展示されていた初期の作品の 「ルグラン嬢の肖像」<ポスターの絵です)とはがらりと変わっていて面白いし 展示されているルノアールの4点は見ごたえがありました。

 

そしてこの2章の「印象派」部屋は両サイドに 有名なすごい作品がこともなげに展示されているのに フッと気がつき、そして興奮しました。

                   ・・・・・・・・

   
      モディリアニ         セザンヌ「風景 オーヴェール」
     「ポーランドの女の肖像」

オーギュスティーヌ・ルーラン夫人と乳児マルセルの肖像  ゴッホ
               「オーギュスティーヌ・ルーラン夫人と乳児マルセルの肖像」

 

 ルソー「陽気な道化たち」   

 

   ドガ「14歳の小さな踊り子」

ドガの絵で踊り子は有名ですが 彫刻は始めて見て驚きました。
創られた時は色づけしたロウで肉付けされ、リボンで結ばれた本物の髪の毛と服とチュチュとシルクのバレエシューズをはかせてガラスケースに入れられていたそうです。   
どんなだったんでしょう。
この作品には シルクシフォンのようなチュチュが着せられています。

 

メアリー・カサット 「母の抱擁」 

母と娘が画面いっぱいに描かれていて、バックが草むらなのか、木陰なのか 緑の濃淡でシンプルなだけにより二人の親密さや愛情が伝わってきます。

 

この、ペンシルベニア出身のメアリー・カサット という女性は 19世紀後半 フィラデルフィアの実業家たちに  フランスの貧しいけれど才能ある画家の作品を買ってくれるように働きかけていました。 

 そしてしばらくすると 印象派の作品を収集することが アメリカの実業家の間で ステイタスとなっていきます。 
メアリー・カサットもまた、裕福な家に生まれたので 印象派の作品を収集していました。

そしてのちには メアリー・カサットが予想したとおり フィラデルフィア市民のコレクションは美術館に寄贈されることになっていきます。
メアリー・カサットという女性はすごい人ですね。

 フィラデルフィア美術館の作品の多くは  こうした個人コレクターから寄贈されたものだと知って驚きました。

美術品は一人だけのものではなく 多くの人が見るべきだ・・・地元を愛する心と 寛容な精神・・・・アメリカ人気質・・・というんでしょうか、感心してしまいました。

収蔵品が25万点という 質、量ともに充実した素晴らしい美術館は まさにアメリカ国民に支えられてきたのでしょうか。

この美術館は アメリカの富と繁栄の象徴なのですね。

来週 ニューヨークに行きますが メトロポリタン美術館や MOMAを見るのが楽しみです。
アメリカの『力』を感じるでしょうね。
 
 
・・・・見終わって あ~とため息が出るほど脱力しました。
ドッと疲れて とっても集中して見てたんだと我ながら驚きました
 
あ~つかれた!

さあ! 「茶庭」に行こう!

 

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○美術館のボランティア・・・・・『巨匠と出会う名画展』

2007年09月05日 | ★美術館のボランティア

                                                                          
巨匠と出会う名画展 神戸

 

 

    兵庫県立美術館では 今、

『川村記念美術館所蔵巨匠と出会う名画展』が開催されています。

 印象派からアメリカの現代美術まで 有名な芸術家の作品 およそ65点が展示されています。

 

                                   

                   

川村記念美術館は 大日本インキ化学工業株式会社とその関連企業が集めた美術品を中心に1990年に開館した私立の美術館です。 
千葉県佐倉市にあって、自然の残る緑豊かな、9万坪という広大な敷地の中にあって、そのコレクションは質の高いものですが  建物、庭、作品が一体となってとても素晴らしい美術館だそうです。           


     川村記念美術館

多くの人が一度は訪れたい美術館の1つですから 関西でそのコレクションが見れるのはめったとないチャンスです。

 

[第1章 レンブラントの部屋]

 レンブラントの『広つば帽を被った男』   レンブラント・ファン・レイン 広つば帽を被った男 1635年

17世紀海洋貿易で発展したオランダで 肖像画の名手として有名になったレンブラントですが 光と影の劇的な効果で新しい時代の息吹きが感じられます。
「光の画家」と呼ばれましたレンブラントの人物画は髪の毛1本1本まで繊細に描かれていて それでいて華やかで とてもドラマチックです。
レンブラントの作品は日本には3点しかないそうですので必見ですね。

[第2章 モダンアートの幕開け]
印象派から始まる ヨーロッパの近代美術の新しい時代の歴史をたどります。

クロード・モネ 睡蓮 1907年  モネが晩年に描いた 『睡蓮』

モネが描いた睡蓮は200点あまりといわれています。
水面に映った光や雲、水草、花や木の陰・・・・・・年を追うごとに変化して 晩年の睡蓮は オランジェリー美術館で見た睡蓮とはまた違う色合いです。

     ルノワールの『水浴する女』  

「私は皮膚が好きだ。若い健康な女性の皮膚が好きだ」とルノワールは言って 明るく輝く女性を描きました。柔らかな雰囲気の女性、明るい色彩、・・・・画面全体が生き生きとしていて 見ていて幸せな気持ちになります。


 

  マティスの『肘掛け椅子の裸婦』

絨毯やテーブルクロス、カーテン、花・・・・・と、喧嘩しそうな色の組み合わせに見えますが、それはマティスが試行錯誤しながらいきついた色彩。自然の模倣ではない独特の鮮やかな色彩を求めたそうです。


 

       ピカソの『シルヴェット』    

ピカソはシルヴェットをモデルに 40点余りの作品を描いたそうですが 裸体はこれ1点です。シルヴェットには恋人がいて 彼の立会いの下でないと絵がかけなかったそうですから 顔から下はピカソの想像のようです。
それにしても綺麗な横顔ですね。

 

ルノアール、ボナール、マティス、ピカソ、ブラック・・・と5人の画家が描いた裸婦が並べて展示されているので興味深く見比べれます。

 

  シャガールの『ダビデ王の夢』

大きな作品です。寄り添う恋人たち、パリの町並み、・・・・・シャガール独特の青と赤の世界です。中央の黄色がとても綺麗です。この絵を描いた時 シャガールは78歳。すごいパワーと感性に驚きます。

藤田嗣治の『アンナ・ド・ノアイユの肖像』   
    
藤田独特の肌、服のレースや花柄の繊細さなど とても美しいですね。依頼主からの注文が多くて 未完の作品だそうですが 描かれているノアイユ伯爵夫人は いろんな画家に肖像画を依頼したそうで、・・・でもどれも気に入らずキャンセルしたそうです。

[第3章 前衛の時代]

第1次世界大戦のころ ヨーロッパでダダやシュルレアリスムなど 前衛芸術の運動が起こりますが、その前衛的な作品が展示されています。

ルネ・マグリットの『冒険の衣服』や ジャン・アルプの『臍の上の二つの思想』など18点が展示されています。

個人的には ジャン・デュビュッフェの『チョコレート氏』(Mr,Chocolate) が 絵の具の質感をチョコレートにした感じで それを引っ掻いてかかれたような絵が楽しく見れました。ミルクチョコとビターチョコの中に人間が見え隠れしています。

[第4章 抽象美術の黄金期]

アメリカがヨーロッパに変わって 経済や政治だけでなく 美術においても世界の中心的な役割を果たすようになってきた時代の 戦後アメリカ美術を中心とした作品を展示されています。

  モーリス・ルイスの『ギメル』

大きな作品です。サイズ的にも大きいのですが 大画面で包み込まれるような大きさを感じます。奥行き感や物語性はなく、ただただ ゆったりとしてしまいます。

 

[第5章 ポップアートとフランク・ステラ]

1960年代以降のアメリカ美術を展示しています。

   
    フランクステラの『タンパ』              『恐れ知らずの愚か者』

1960年代以降アメリカ美術を代表する巨匠となったステラの作品です。
個人的には ミニマルアートのさきがけとなった ブラックペインティングの『トムリンソン・コート・パーク』という ただただ真っ黒なエナメル塗料でストライプを描いた作品が面白いな~と思います。ステラがアルバイトで使っていた2.5インチ(6cmちょっと)の刷毛でその絵を描いたそうで、その刷毛の幅のストライプを描いて わずかに塗り残された画面の白がストライプを分けています。

 

[第6章 日本海画の流れ]

期間によって 展示される作品が変わりますが 9月13日までは長沢盧雪(ろせつ)の『牧童図』と 橋本関雪の『木蘭』という屏風の作品が展示されています。

橋本関雪の『木蘭』は 木蘭という女性が年老いた父に変わって 男装して戦争に行き手柄を立てる・・・という中国の古い物語を題材に描かれたものです。

林の中で佇む木蘭や馬に乗っている従者が描かれていますが なんともいえない静かな雰囲気で 青の色がとても綺麗に出ています。

 

・・・・・・・・この展覧会は ガイドブックに出てくる有名な芸術家の作品ばかりで 美術の教科書のような展覧会です。
この展覧会にお越しいただいた団体の方に 解説ボランティアが15分ほどスライドを使って見どころ案内をしています。(要予約)

私は福山市から来られた NHK福山放送局 福山文化センターの およそ60名の方にご案内をしました。 展覧会を楽しく見ていただくためのきっかけとなれば嬉しい限りです。

また、会期中 毎週日曜日11時より15分間 レクチャールームにて  ミュージアムボランティアによる見どころ案内がありますので ご来館の時は是非ご参加下さい。

そして、また、コレクション展(常設展)のミュージアムボランティアによるガイドツアーも 会期中の 毎週 金・土・日 の13時より45分間 1F,2F 屋外のいずれかで実施いていますので ぜひご参加下さい。

 

 

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〇美術館のボランティア2

2007年07月10日 | ★美術館のボランティア

             
                    「ダミアン神父」

今日は久々に美術館の解説ボランティアをしました。
ある中学校の1年生約250名の見学があるので  普段なかなか参加できない私は 少しでもお手伝いできればと参加しました。 

250名の生徒が12グループに分かれて コレクション展(常設展)1F、 2F 、屋外・・・と回り、解説ボランティアの説明する絵画、版画、彫刻などの作品を見て回ります。20~25名のボランティアが一人1~2作品を12回解説します。
私は 大好きな舟越保武の作品「ダミアン神父」を担当しました。

ハワイでハンセン病が流行った時 誰も近づこうとしなかった 患者たちが隔離された島、モロカイ島へ 自ら進んでその世話に赴いたダミアン神父。
その頃はまだ 病気の原因も治療法も分からず 粗末な小屋に水も食物も薬もなく、島ではただ死を待つようにして患者が暮らしていたそうですが ダミアン神父は、水源地を探し、教会や家を建て、患者の生活を向上させるために献身的に尽くしたと言われています。自らもハンセン病に罹りながらも 患者のために生涯を捧げたその深い信仰心と博愛の精神・・・そのダミアン神父を 敬虔なカトリック信者であった舟越保武が 残された一枚の神父の写真を見て深く感動して作った作品です。

・・・・とても難しい話の解説になりがちですが 熱心に聴いてくれた子供たちに感謝します。
やはり今日も 解説ボランティアの先輩方は 子供たちの興味や反応を見ながら 言葉を選んで 端的にわかりやすく要点を絞って解説されます。 フ~!さすが! 私はまだまだ・・・・です。

12回解説するので 2時間近く ずっとしゃべりっぱなしでしたが 子供たちのお行儀のよさや熱心さで 何だかとても楽しい時間でした。

これだけの大人数が動くので 全体の動きも心配されましたが 思っていたほども混乱もなく スムーズに館内を見学できたようで 兵庫県立美術館の学芸員やスタッフの方々の事前の計画とキャリアの豊富さはさすが・・・と感心しました。

今日見学してくれた子供たちの中で 一人でも多くの子供が 美術館ってちょっと面白い・・・また行ってみたい・・・と思ってくれたらいいな~・・・・と願っています。

 

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〇美術館のボランティア 1

2007年02月03日 | ★美術館のボランティア

   
      鴨居玲「蛾」                        舟越保武 「ダミアン神父」

今日は兵庫県立美術館へ。
寒い一日 六甲山は粉砂糖をふったようになっていました。
美術館で 解説ボランティアをしていますが勉強不足で3年たってもまだ新人。
時々団体のお客様へのスライド解説をさせていただいています。
今日は先輩ボランティアの お客様へのコレクション展(常設展)の解説がありました。
今回のコレクション展には 私の好きな 鴨居玲や舟越保武の作品が展示されています。
鴨居玲の「赤色」は何度見ても引き込まれます。2mあるダミアン神父の作品の前では、その作品の持つ深い意味を思いながら ダミアン神父の顔にじっと見入ってしまいます。
解説は 作品への自分の思いを語るのではなく まず事実を正確に伝えること・・・・なので作品一つ一つを自分なりに調べ解釈しないといけません。先輩ボランティア達のその深さは半端ではありません。先輩方は、それぞれ自分の資料を作り、それに訂正と追加を繰り返しながら ひとつの作品にたくさんの引出しを作っていかれます。そして解説のたった「一言」がその引出しから生まれます。
私も先輩の解説を聞いてもっと勉強しなければ・・・といつも思うのですが・・・。


兵庫県立美術館は、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして安藤忠雄さんの設計で建てられました。ですから建物としてもとても見ごたえのあるものです。
コレクション展期間中 毎週 金、土、日曜日の13時から45分間、
1階、2階、屋外、・・とその日により変わりますが ミュージアム・ボランティアがコレクション展のみどころをご案内しますので みなさんもぜひご来館下さい。

今日2Fの展示室で マネの「ベルト・モリゾ」のエッチングが展示されているのを見つけました。。
オルセー美術館展のポスターの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」で、12×8cmの小さな版画ですが とても素敵でした。
美術館に行くと いつも自分の中に新しい何かが吹き込まれるみたいで とても豊かな気持ちのいい時間が流れます。
・・・で、勉強のためにもっと通わないといけないのですが・・・自宅から1時間半ほどかかるので思うようにはいきません。 
でも、くじけそうなところを、先輩や同期の仲間が引っ張ってくれるので何とか続けていけてる私です。・・・ いつもありがとうございます!

 

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