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★狩野永徳展・・・・・・京都国立博物館

2007年11月16日 | ★美術館のボランティア

       

            

「我が家の 『源氏物語図屏風』が狩野永徳展に展示されているから行ってみて・・・」と友人がチケットを送ってくれました。

 

             

                 「檜図屏風」 (部分)

パンフレットの

「京都限定。30日間の奇跡ーその迫力にかなうものなし」

・・・というコピーに心動き 早く行かなくては・・・と思いつつバタバタしていて終了直前になってしまいました。

 

        

        

展覧会に行った友達から、80分待ちだった・・・と聞いていたので 朝早くから 開館の9時30分に合わせて行きました・・・・・でも、もうすでに20分待ち。開館前から並んで待っている方がたくさんいたようです。・・・・すごい人気です。

        

             

狩野永徳・・・というと 「唐獅子図屏風」を思い浮かべるぐらいで あまり興味を持って見たことはなかったんですが 今回の展覧会でそれが変わりました。

狩野正信に始まる狩野派は、二代・元信が画風や工房としてのシステムを確立し、四代・永徳は織田信長や豊臣秀吉ら、時の権力者に愛されて、多くの絵を描き残しました。

わずかな期間で 狩野派は、四百年にも及ぶ御用絵師の家系を築いたのです。
それには 粉本と呼ばれる基本デッサン集を弟子にお手本として与えるなどの狩野派の技法の秘密があったそうです。

祖父の元信から可愛がられ幼い時から狩野派の英才教育を受けた永徳は 天才絵師となり、桃山時代 その永徳を越す絵師がなかなか現れなかったのです。



 

 墨を極める  

          

                       花鳥図襖 (国宝)

この作品・・・・梅の巨木の迫力に圧倒されました。

力強く激しく、そして華やに梅ノ木が描かれ そこに来る鳥たちは細やかで愛らしい。墨絵って こんなに生き生きとしたものだったんだろうか・・・と驚かされました。

墨絵の人物は 頭部などは細い筆で緻密に描かれているのに、着物などは直線的で、太く、勢いのある線で描いています。その違いが面白く、永徳って、大胆で思いっきりのいい人なのかな~と思ったりしました。

 

 時代の息づかいー風俗画 

       

                    「洛中洛外図屏風」 右隻

       

                    「洛中洛外図屏風」  左隻   

         

                    「洛中洛外図屏風」 部分

 「洛中洛外図屏風」 は足利義輝が上杉謙信に贈るために永徳に描かせたものです。  今回メインの作品なのですごい人気で もう黒山の人だかり・・(?)・・大混雑でした。一歩も動く気配がない雰囲気でした。

これは永徳が32歳の時の作品で、 とても緻密に描かれ 晩年には見られない作品です。

人物は2~3cmですが 2000人以上が描かれています。

1年を通して四季が描かれる中で 人々の暮らしを金の雲の間から覗いて見るようで  とても楽しく描かれています。

この金雲って、豪華さも出て、それに これで場面が区切られているので便利だな~と思いました。 
もし、金雲がなければ あと何千人描かないといけなかっただろ・・・・・・・。

細部を NHKの新日曜美術館で見ましたが・・・・冬はお正月の準備をする人々や 飛び跳ねる犬、夏は川で泳ぐ人たち・・・・など・・・楽しいのです。
その細かい部分を見た~いと思うのですが なかなか近づけず、何度もここに戻っては見て やっと冬の場面が見れました。 

一つ一つの場面が生き生きとしていて楽しい。

風俗画ってこんなに面白いものだったとは・・・今まで本当に不勉強でした。 反省!

黒山の人だかりの中で 単眼鏡で見ている方がいて、かしこいな~と感心しました。 
単眼鏡、この作品には必需品ですね。

あ~ この作品、ず~と見ていたかった!



 

 桃山の華ー金碧障屏画  

     

                   「源氏物語図屏風」 狩野一派

 

ありました。 やっと! たどりつきました。

友人家の 「源氏物語図屏風」です。

もう1つの源氏物語図屏風は文化庁所蔵の 永徳筆 なので 作者が狩野一派の方ですね。源氏物語図屏風は 秀吉が智仁親王のために八条宮家を創設し御殿を作った際、永徳一門がその障壁画を描いたそうですが その1つです。 

       

源氏物語の 野分、松風、末摘花 が描かれていて、 繊細な線で緻密に表現された宮中の様子がうかがえます。華麗な平安の物語の世界に浸ってしまいました。

       

光源氏が隠れて覗いているところが面白いですね。

 金雲には型押しのような地模様でしょうか、とても美しい。 女性の面長な顔や着物の色もとても綺麗です。 保存状態がいいんでしょうね。

友人家の作品と思うと とても親近感が出て しばらく眺めてしまいました。

そして、これを保存する彼女の大変さを思うと・・・・う~ん・・・・・でも、素晴らしい!!

 

  壮大なる金碧大画

        

                   「唐獅子図屏風」  (国宝)

最後の部屋に入るなり もう脱帽でした。

縦2m 横4.5mの大迫力。

言葉にできない「感動」がありました。

永徳ってすごいな~と圧倒されてしまいました。

切り取られた、トリミングされた跡があるので 本当はもっと大きな絵だったそうです。

でも、永徳って、秀吉に寵愛され多くの作品を手がけ 地位も名誉も手に入れ 天才と謳われたけれど、本当にこういう絵を描きたかっただろうか・・・と思いました。

48歳で過労でな亡くなったと言われていますが、初期の 大胆で勢いのある筆使いの墨絵を思うと、もし時の権力者に重用されなかったら永徳はどんな絵を描き続けていたんだろうと思いました。

 

今まで日本画はちょっと苦手意識があったのですが、好き嫌いを越えて、「すごい!」 と思える 見ごたえのある特別展でした。

「京都限定。30日間の奇跡ーその迫力にかなうものなし」

・・・・・・これは本当でした。

 

今日は美術館のボランティアの先輩と一緒に観ましたが、いろいろ教えていただけたので とても勉強になりました。

そしてその先輩を喜ばせたのは 出口にあった展覧会予告。

狩野永徳のライバルだった 「長谷川等伯展」が3年後に開催されるそうです。

京都国立美術館も、すごい!

 

 この京都国立美術館や向かいの三十三間堂は 私が20歳のころ通っていた学校の近くで、とても懐かしい場所です。先輩に付き合ってもらって 学校まで散歩しましたが、学校も変わってな~い・・・・・久しぶりで嬉しい~!

 

そんなこんなで疲れ・・・、お腹もすいて・・・ 四条京阪、 南座のすぐ横の にしんそばで有名な 「松葉」へ。

        
にしんそばとにしんそぼろご飯のセット。

        

おそばの下に隠れていた にしんが出てきました。このにしん、おいしい!

このお店は 創業140~150年ほどたつ老舗ですが さすがに美味しかったですね~。

 

             

デザートは先輩おすすめの ぎおんの「鍵善良房」へ。                

               

        

高さ20cm以上ある二段重の中には くずきりが入っています。

        

くずきりは黒蜜を選びました。先輩は白密。

              

 

        

お店のアンティークな家具や置物は素敵で もっとゆっくり見たかったのですがちょっと急いでいて・・・。
長細いお店の奥には蔵があって 落ち着いた雰囲気のいいお店でした。

 

今日の特別展を観て 苦手だなんだと言わず、やはり素晴らしい作品に出会わないといけませんね。 自分で門を狭めていてはダメですね。

今日は 本当に勉強になった一日でした。

 

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