『冒険王・横尾忠則』展が兵庫県立美術館で始まりました。
この展覧会のオープニングの日が 横尾さんのお誕生日で 72歳になられましたが若々しく、幅広い活動をされています。
今回の展覧会は 回顧展ではなく タイトル通り『冒険』にこだわって・・・・・
・・・・横尾さんが子供の頃夢中になっていた「冒険物語」を題材にした作品
・・・・表現上の「冒険」
焦点を絞ることで横尾さんの芸術がクローズアップされます。
これは今回の展覧会のポスターにもなっている 小説「海底二万里」に登場するノーチラス号の窓から見た世界『ジュール・ヴェルヌの海』ですが このポスターも横尾さんがデザインしたものです。
【第1章】予感/選択
Y字路シリーズの近作が展示されています。
Y字路・・・岐路。分かれ道。 選択を迫るY字路からは冒険が予感されます。
【第2章】旅の始まり
冒険に向って旅することもありますが 旅そのものが冒険ともいえます。
すでに冒険は始まっていて 今とどれだけ違うところに行くのかも重要です。
横尾さんの作品には乗り物(特に機関車)がよく登場します
【第3章】少年は冒険を好む
冒険物語から題材をとった作品が展示されています。
武蔵と小次郎・・・・・・江戸川乱歩の「少年探偵団」・・・・・山川惣治の「少年王者」・・・・・・・ジュール・ヴェルグの「海底二万里」・・・・・
昔読んだ物語が 横尾さんの自由な発想で描かれていて、楽しく見ごたえがあります。
【第4章】冒険の時代
60~70年代に横尾さんが描いたポスターやレコードジャケットなどの原画がおよそ500点・・・・・・・ 懐かしい人物やまた、ラフスケッチも展示されていて 楽しく見ていけます。
【第5章】創造の冒険
横尾さんの創作の秘密を絵画で見ていきます。
パロディは原画も展示されていて 見比べていくとユーモアたっぷりで気づく楽しさがあります。
【第6章】戦士の休息
冒険の合間にちょっと休憩・・・・・「お湯」ののれんをくぐると 「温泉」と「銭湯」シリーズの作品が展示されています。
【第7章】冒険は終わらない
生と死の人生模様が織りなす最新作を展示しています。
横尾さんが少年時代好きだった冒険物語の主人公 ターザンと怪人二十面相が登場します。
そして 出口を出た通路に 今回も 4台のパソコンが置かれていて 展示されていた8種類の作品の絵を 自宅のパソコンや携帯に送れるサービスがあります。
私はいつもこれを利用しています。
このブログに掲載している横尾さんの作品は これを利用して美術館からメールで送ったものです。
今回の展覧会で 今まで持っていた横尾さんのイメージが変わりました。
自由で大胆で強烈な色彩・・・・・それだけではなく いくつもの作品に何度も使われている題材に気づいたり それが違う意味を持っていたり、また、デザインの繊細な線や形の面白さ。
大胆かと思うと とても繊細だったり・・・・・
個性的だと思って見ていても とても分かりやすかったり・・・・・
何より一番感じたのは 作品から放たれるエネルギーでした。
きっと 横尾さんはいつも冒険の旅に出ているのかもしれません・・・・。
見ごたえのある展覧会でした。
8月24日まで開催されていますので 是非ご覧下さい。
ミュージアムボランティアが次のような活動をしていますので 来館された時はぜひご参加下さい。
●【ミュージアム・ボランティアによるスライド解説会】
横尾忠則展の内容をスライドを使ってわかりやすく解説します。
・レクチャールーム
・会期中 毎週日曜日 11:00~11:15
●【ミュージアム・ボランティアによるガイドツアー】
ミュージアム・ボランティアがコレクション展(常設展)のみどころをご案内します。
・1階展示室/2階展示室/屋外のいずれかで開催
・コレクション展開催中の金・土・日曜日 13:00~13:45