活字の海で、アップップ

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蛇信仰でまだ見ぬ絵画を  挑戦続ける山崎宏

2007-10-24 04:08:48 | 活字の海(新聞記事編)
毎日新聞 10月23日 夕刊 7面 文化と批評欄より

日本画、と聞いて思いつく絵とは、どのようなものだろうか?

私の中では、狩野派の襖絵のイメージに集約されていた。

#もっと軟派なところでは、むか~しに読んだ酒井美和の
 「あの娘におせっかい」の主人公のパートナーが日本画家で、
 作中でも作品を描いていた。
 少女マンガの主要登場人物の職業が日本画家というのは
 かなり珍しく、妙に記憶に残っている。

ま、それはともかく、日本画のイメージは、私の中では上述の
狩野派のイメージなのです。


そもそも、今回の記事に目がいったのは、蛇信仰というキーワード。

ややおどろおどろしい印象のあるその言葉と絵画がどう結びつくのか
気になって、記事を読み進んでみると、そこで紹介されていたのが
日本画家の山崎宏氏であったという流れ。
新聞記事でも「即今」という作品が紹介されていたが、
白黒のためよくイメージが掴めず、ネットで検索してみると…

ちょうどall about JAPANに氏の記事が載っていた。

そこでの紹介文とリンクをたどって作品を観てみてびっくり。

日本画って、こんなに裾野が広いんだ。

ジャンルを確立させるため、画材や手法の縛りはあるにしても、
作家の情念をぶつけて具現化するということが絵画である以上、
こうした作風も含めて日本画であり、其の中で氏が今拘りを
持っている蛇信仰を突き詰めていっているんだ、と実感。

でも、これも僕の認識が全然不足しているいい証拠で、
記事中のインタビューによると、日本画における蛇信仰は、
そもそもモチーフとして重要な位置を占めているらしい。

それを如何に昇華し、自分なりの解釈を加えて新たな絵画を
創造することに挑戦したい、との氏の談話が掲載されていた。


上述のとおり、襖絵のイメージしか日本画に持っていなかった
僕にとっては、いい勉強になりました。

氏は活動拠点が関東らしく、記事中で紹介されていた新作を
発表するギャラリーも鎌倉なので、関西在住の自分としては
簡単に観にいく訳にもいかないが、ちょうど今 
京都国立博物館で開催中の狩野永徳展には行きたくなってきたなあ。


ちなみに蛇信仰も、奥行きが深く、少しネットで調べてみたが
よく分からない。

その姿が男根を想像させること。
何度も脱皮を繰り返すことが転生~命の永続性を感じさせること。
剣や植物のビロウが、よく蛇に見立てられたこと。

などは、感覚的にもよく分かるが、

鏡(かがみ)が蛇の目を象徴していること。
鏡餅も、蛇がとぐろを巻いているところを模していること。
注連縄が、蛇の交尾を模していること。

 ※ いずれも、そうした見立てもある、ということで、
   すべからくという意味ではありません。

については、思いもつかなかった。

毎度のことながら、世の中って奥が深いなあ。



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