読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

深海のYrr(イール)

2011年05月30日 20時44分30秒 | ■読む
フランク・シェッツィング著、早川書房刊
文庫本三巻で1,600ページにも及ぶ大作です。しかしながら、飽きることなく、興味が持続する稀な著作です。
物語は、世界の各地で原因不明の異変が突然起こり始める。カナダではクジラやオルカが突然人間を襲い、北海では、大陸棚の周辺部にあるメタンハイドレートが崩壊し大津波が発生する。そして・・・。こうした異変に関係する科学者が、やがて対応のために招集され、世界的な異変の原因と対応を検討します。その結果・・・。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/メタンハイドレート
     http://ja.wikipedia.org/wiki/フランク・シェッツィング
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冒頭から重要な人物が、必要な範囲で丁寧に描かれています。SFものにありがちはストーリー重視の書き方ではなく、人の悩みやその生い立ちにも踏み込んで描かれていて、物語に奥行きを感じました。
そして驚くのは、物語の背景となっている科学的知識の豊富さと幅の広さです。正に圧倒的とも言える程で、唖然として読み進んでしまいます。だから話の展開に説得力があり、人間を描く筆致と相俟って、本書の魅力を高めています。映画化の予定もあるそうなので、楽しみが増えました。
評価は5です。

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