読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

ダブル・トラップ

2022年09月30日 10時00分32秒 | ■読む
大沢在昌著、徳間文庫刊大沢さんの比較的初期の作品です。そのせいか、文章が幾分こなれていないように感じました。また、中弛みの印象もありますが、大沢さんの作品に共通した傾向かもしれません。 主人公は、日本国の非公式の情報組織の諜報員で得体の知れない陰謀に巻き込まれて窮地に陥りながら何とか脱出したものの、何年か後に不吉な陰が忍び寄ってくる、という展開です。現在の熟れた作品とは異なる味わいがあって、これ . . . 本文を読む
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ただ悪より救いたまえ

2022年09月28日 09時31分11秒 | ■見る
2020年公開の韓国映画です。非合法活動を行っていたことが暴露されたことから、その組織に所属していいた主人公は、上司の最後の指示で組織を去ることになったが、追っ手に殺されそうになる。何とか生き延びて暗殺の仕事を生業としているが、日本のヤクザの親分を暗殺する最後の仕事を無事終えた後、とんでもないことに巻き込まれてしまう。命を付け狙われることになったのだ。 また、恋人が子を産み国外で生活していたが、 . . . 本文を読む
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カラシニコフ

2022年09月26日 10時06分16秒 | ■読む
松本仁一著、朝日新聞社刊世界で最も成功した自動小銃であるAK-47は、設計者の名をとってカラシニコフと呼ばれています。本書は、その銃については概略を述べるに留めており、主に、第二次世界大戦後に独立したアフリカ諸国での紛争を深刻にした主因として取り上げています。その惨状が本書の大部分を占めており、読んでいて陰鬱な気分に飲み込まれました。後味の悪い読後感です。 悲惨な現状の取材は危険で困難であったと . . . 本文を読む
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DUNE デューン 砂の惑星

2022年09月24日 11時49分27秒 | ■見る
久方ぶりに、ゲップが出る程の素晴らしい正統派SF映画を見ることが出来て「満足じゃ」。原作(下記リンク2つ目)を読んでいないと思い込んでいましたが、作中、主人公の名前「ポール・アトレイデス」を聞いて、読んだことを思い出しました。恐らく10代で読んだので、半世紀前。まぁ仕方ないことだと思います。それにしても、出演陣、脚本、演出、音楽、CGのすべてが素晴らしく、久し振りに「アゲアゲ」状態になりました。続 . . . 本文を読む
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半席

2022年09月22日 08時55分03秒 | ■読む
青山文平著、新潮社刊青山さんの著作「つまをめとらば」を読んで惹き付けられ、二冊目を手に取りました。本書も「つまをめとらば」と同様、江戸期の習俗や制度を知悉して、物語の舞台と状況を鮮やかに示した上で、主人公を動かしています。本書の主人公は、貧乏御家人の息子ながら、なんとか徒目付に取り立てられて、親子二代の悲願であった、旗本の地位を世襲できる立場になるべく、日々研鑽しています。ところが、捉えどころの無 . . . 本文を読む
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頭取 野崎修平

2022年09月20日 11時35分34秒 | ■見る
WOWOWのテレビドラマ「監査役 野崎修平」の続編です。前作の最後で、頭取になった途端、京極前頭取の密告で破滅に追い込まれた野崎は、銀行を辞します。その後、政府系の再建機関で働く野崎に、立ち行かなくなったおおぞら銀行の頭取就任が要請されます。見方によっては、野崎が破綻させたとも見えるので申し出に戸惑いますが、引き受けることにします。やはり、出社初日から行内には不穏な空気が・・・。更に、京極前頭取の . . . 本文を読む
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ドキュメント秘匿捜査・警視庁公安部外事1課スパイハンターの344日

2022年09月18日 09時00分22秒 | ■読む
竹内明著、講談社刊実際に起こったスパイ事件を、綿密な取材に基づいて描いたドキュメント作品です。 ロシアのスパイが、自衛隊の職員から極秘情報を入手しようと、巧みに接近し籠絡します。その一部始終を監視し、あらゆる困難を排して立件にこぎ着ける公安職員の苦闘を描いています。その主役であるスパイハンター達の過酷で孤独な姿を描いていますが、根底にあるのは、日本が戦後持ち続けている「危機意識の欠如」への問題意 . . . 本文を読む
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ノア精密株式会社 電波時計 カラーハープ

2022年09月16日 09時00分34秒 | その他
前から欲しかったAC電源式の電波時計を購入しました。家の中には過去に買った電波時計があちこちに置いてあり、ほぼどこでも、時間と曜日が確認できます。その理由は、充電式の電池だと、電圧が少しだけ降下しても正常に動かなくなることを知らなかった為に、故障と誤認したことです。 幸い捨てなかったので、あちらこちらで役になっています。しかし・・・。本当は、カラー液晶で鮮やかな表示の電波時計が欲しかった。(AC . . . 本文を読む
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紫禁城 清朝の歴史を歩く

2022年09月14日 09時36分34秒 | ■読む
入江曜子著、岩波新書刊清朝の誕生以降の紫禁城の変遷を、歴代の皇帝及び一族の物語と関連付けて解説しています。建物そのものの解説は不十分で、紫禁城の建築群について、ある程度の知識が無いと理解しづらい一方、人間の行いの解説は、思い入れたっぷりに語られていて、興味深く理解し易いながら、全体の構成はイケテいません。 それでも、清朝の歴史の概略と、権力と搾取の精華として紫禁城を観るという観点で読むと良いのか . . . 本文を読む
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監査役 野崎修平

2022年09月12日 09時59分33秒 | ■見る
同名コミックを原作とする、WOWOWの連続ドラマ、全8話です。 大手都市銀行の「おおぞら銀行」で働く主人公は、かつて部下の不祥事の責任を負い関連会社へ出向となったが、やがて銀行に復帰して下町の支店長として働いている。しかし、業績不振により支店が閉店になるが、どうしたわけか、本店の監査役に異動になった。 銀行は、バブル期のワンマンン経営と、バブル崩壊による膨大な不良債権の処理に苦しんでいる。そう . . . 本文を読む
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背乗り 警視庁公安部外事二課

2022年09月08日 09時17分27秒 | ■読む
竹内明著、講談社刊下記リンクによれば、著者は、TBSテレビ社員として、報道の現場を中心に活躍されたとのことです。たまたま、YouTubeで下記リンク2つ目の動画を見て、関心を持ち、動画の中で紹介していた本作を手に取りました。 取材を通じて得た様々な知識を駆使して、国内で暗躍しているスパイと、スパイが獲得した手先に対する公安警察官の苦闘を描いています。 麻生幾さんの作品でも公安警察を扱った作品が . . . 本文を読む
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奥様は、取り扱い注意

2022年09月06日 08時14分35秒 | ■見る
2021年製作の日本映画です。凄腕の女性工作員が敵の襲撃を受けて記憶を失ってします。彼女を手先として確保したい公安は、夫婦として暮らし彼女を監視する役目を職員に命じる。地方都市で高校教師の身分を得た公安職員は、彼女と所帯を持ちますが、その都市は、メタンハイドレードの開発を巡って、市民の意見が二分している。その背後には、何やら陰謀があるようだ。 日本映画には珍しい、しっかりしたアクション映画で驚き . . . 本文を読む
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つまをめとらば

2022年09月04日 07時55分31秒 | ■読む
青山文平著、文藝春秋刊青山さんの著作を初めて読みました。本書は、江戸時代を舞台とする5編の短編集です。 各作品共に、時代風俗や社会制度などが、無駄なく詳細にさり、そして気なく描かれていて驚きました。また、話の行方が全く読めません。 あれよあれよと読み進めるうちに、意外でありながら当然とも思える結末に至ります。下記リンクによれば、著作数は多くないようですが、本書は実に濃密で手練の作品です。他の著 . . . 本文を読む
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祈りの幕が下りる時

2022年09月02日 10時32分40秒 | ■見る
東野圭吾さんの同名小説を原作とする映画作品です。原作を読んでいませんが、典型的なミステリー作品で、最後まで謎解きの醍醐味を味わえました。無駄のない脚本と出演陣の熱演も見応えがありましたが、特に、ヒロイン浅居博美の少女時代を演じた桜田ひよりさんが素晴らしく説得力がありました。将来が楽しみです。-------------------------○祈りの幕が下りる時------------------- . . . 本文を読む
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