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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

漢検1級 27-③に向けて (番外) 訂正のお知らせ その3

2015年12月23日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>


●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その6」を、すでにトライされた方への訂正等のお知らせです。

●2、3の設問について、内容を若干修正変更しております。 (注)として赤字で示してありますので、恐れ入りますが、ご確認願います。

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その6

2015年12月22日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その6」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
・「夏の特訓」模試20作に比べて、本番のレベルより少しだけ難度高くする程度にしているつもりですが、いかがでしょうか。ご愛読いただいている方々(といってもコメントいただけているのはまだ数人(^^;))からのコメントを拝見するかぎり、大凡、所期の意図どおりとなっていると思うのですが・・・。今、振り返ってみると、夏の特訓は、相当の難度だったと思う・・・。
・私も模試の作成やコメントへの対応などを通じて、一緒に学習しています・・・これが、意外に力がつくんですよねえ・・・。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その6> 制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.飛繳で鳥獣を捕える 
2.衣服の解れを紉緝する   
3.軍旁に、蒹葭翳薈あり 
4.孛然と怒りをあらわにした
5.「狎鬣鱗次」は、「参差交錯」と同様の意味を表す 
6.野にあった者が初めて仕官することを釈褐と云った 
7.一泓の海水 杯中に瀉ぐ
8.布衣屮蹻して、羊を牧す
9.精神、馳鶩し、心気、飛揚す  
10.雁は廱廱として南に遊ぶ
11.読経のときにが打ち鳴らされた
12.擣衣の砧上 払うも還た来る 
13.夫れ、動静軽脱、視聴陝輸なり  
14.は中国・長江に産する淡水魚のことらしい。
15.陂淀を探して渡河する  
16.山果 瑣細多く 羅生して橡栗を雑じう
17.澗戸 寂として人無し 
18.顧瞻して城闕を恋う
19.白苙は生薬の原料になるようだ  
20.逋欠の罪に問われる
21.尉鶲は羽に白斑がある 
22.は海辺に自生している、別名“くぐ”とも呼ばれる多年草である  
23.博文約礼を以てすれば、亦、以ってかざるべし 
24.を回して陶器をつくる  
25.いに覯うこと既に多し
26.酒をめるように飲む
27.車はを交え短兵接す 
28.の草鞋で探す  
29.棘髪を振り乱して舞う
30.鳥のに大蛇が入り込む

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.落葉を
2.香を
3.彼にはトウテンの勢いがある 
4.窮状、御ビンサツください
5.キョウオウはウコンの近縁種で黄色染料に用いられる 
6.彼女はカンカイに務めている公務員だ
7.ホウサンは、うがい薬としても用いられる
8.餅がびる 
9.顔にアザがある 
10.オウトを催す出来事が生じた
11.ヘンピな土地に引っ越した
12.玲ロウとは玉の鳴る音の形容だが、この“ロウ”には真珠に似た美しい石という意味もある 
13.玲ロウたる美声が響く 
14.気骨リョウリョウとした骨柄である
15.金管楽器の音がリョウリョウと響き渡る
*2015.12.23訂正:“拙”問の12.13.を変更しております。すでにトライされた方にはご迷惑をおかけしました<(_ _)>

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.あわてもののことをトチ麺棒という
2.スサを入れて壁土を練る
3.チドリは千鳥とも書く
4.ブリキのおもちゃが今や懐かしい
5.谷の行き詰まりを“せこ”ともサコともいう

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.黒みがかった赤茶色
2.世をのがれてかくれること
3.国庫の財貨。
4.仲買人
5.しりぞけること。のけものにすること。
<語群>
(いんりん、、あんかっしょく、がしょう、ひんせき、いんざん、ほうど、あんしゃしょく、ぞうへい)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.兎起(  )
2.イ.霧鬢(  )
3.ウ.放蕩(  )
4.エ.肥馬(  )
5.オ.背山(  )
6.カ.(  )雀躍
7.キ.(  )半渇
8.ク.(  )赤火
9.ケ.(  )棘矢
10.コ.(  )麗服
<語群>
(けいきゅう、とうこ、はんき、きろう、ふき、こつらく、ふうかん、せいそう、はくと、ふすう)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.食料や水が十分でない
12.災いを取り除くこと。
13.美しく着飾ること
14.一面に軍を展開すること。
15.殺風景なことのたとえ。また、風流心のないことのたとえ。

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.羅漢柏 2.吃逆 3.脚結 4.交喙 5.陰行草 6.蝸螺 7.枸榾 8.山石榴 9.瓢虫 10.虎茄

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.踵門 ― 2.踵る
イ.3.吹嘘 ― 4.嘘く 
ウ.5.哀駘 ― 6.駘い
エ.7.絮語 ― 8.絮い
オ.9.縲絏 ― 10.絏る

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.吻合 2.払暁 3.萱堂 4.謙抑 5.嬰孩
<類義語>
6.閻浮檀金 7.朏明 8.儕輩 9.昵懇 10.香奠
<語群>
(しんこう、まいたん、ききゅう、ちんてい、ていご、こんせき、きょごう、ぞうふ、ちゅうりょ、しまごん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ホウ麻中に生ずれば扶けずして自ら直し
2.マンソウなお除くべからず  
3.タイハク再び円かならず
4.一物あればイチルイを添う  
5.千鈞の弩をもってヨウを潰す  
6.(天下を棄つること、猶、)ヘイシを棄てるが如し
 (注)2015.12.23訂正。「ヘイショウ」→「ヘイシ」へ変更。ただし、本問は1級対象外漢字が含まれております。「ヘイリ」でも同様の意味ですので、「ヘイリを棄てるが如し」で解答してください。
7.高議して及ぶべからざるは、ヒロンの功あるに若かず  
8.海内を制しゲンゲンを子とす  
9.盲人カツバに騎る   
10.ボウを止むるは自修に若くはなし   

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・応和以来世人好んで豊屋(1)シュンウを起し、殆ど山節(2)ソウセツに至る、其の費且つ巨千万、其の住纔かに二三年、古人の造る者居らずと云える、誠なるかな斯の言、と嘲り、自分の(3)ボシに及んで小宅を起せるを、(4)ロウサンの繭を成すが如しと笑い、其の住むこと幾時ぞや、と自ら笑って居る。ロウサンの繭を成せる如し、とは流石に好かった。此の記を為せるは、天元五年の冬、保胤四十八九歳ともおもわれる。
保胤が日本往生極楽記を著わしたのは、此の六条の池亭に在った時であろうと思われる。今存している同書は朝散大夫著作郎慶保胤撰と署名してある、それに拠れば保胤が未だ官を辞せぬ時の撰にかかると考えられるからである。其の書に叙して、保胤みずから、予少きより日に弥陀仏を念じ、行年四十以後、其の志弥々劇しく、口に名号を唱え、心に相好を観じ、行住坐臥、暫くも忘れず、造次顛沛も必ず是に於てす、夫の堂舎塔廟、弥陀の像有り浄土の図ある者は、礼敬せざるなく、道俗男女、極楽に志す有り、往生を願う有る者は、結縁せざる莫し、と云って居るから、四十以後、道心日に募りて已み難く、しかも未だ官を辞さぬ頃、自他の信念勧進のために、往生事実の良験を録して、本朝四十余人の伝をものしたのである。(5)セイカンの池亭の中、仏前唱名の間々に、筆を執って仏菩薩の(ア)引接を承けた善男善女の往迹を物しずかに記した保胤の旦暮(あけくれ)は、如何に塵界を超脱した清浄三昧のものであったろうか。此の往生極楽記は其の序に見える通り、唐の弘法寺の僧の釈迦才の浄土論中に、安楽往生者二十人を記したのに(イ)傚ったものであるが、保胤往生の後、大江匡房は又保胤の往生伝の  (6)センショウを追うて、続本朝往生伝を撰している。・・・
・・・寂心が出家した後を続往生伝には、諸国を経歴して、広く仏事を作した、とのみ記してあるばかりで、何様いうことがあったということは載せていないが、既に柔軟の仏子となった以上は別に何の事も有ろう訳も無い。しかし諸国を経歴したとある其の諸国とは何処何処であったろうかというに、西は播磨、東は三河にまで行ったことは、証があって分明するから、猶遠く西へも東へも行ったかと想われる。其の播磨へ行った時の事である。これは堂塔伽藍を建つることは、(ウ)法の為、仏の為の最善根であるから、寂心も例を追うて、其のため播磨の国に行いて材木勧進をした折と見える。何処の町とも分らぬが、或る処で寂心が偶然ふと見やると、一人の僧形の者が紙の冠を被て陰陽師の風体を学び、物々しげに(エ)祓えするのが眼に入った。もとより陰陽道を以て立っている賀茂の家に生れた寂心であるから、自分は其の道に依らないで儒道文辞の人となり、又其の儒を棄て仏に入って今の身になってはいるものの、陰陽道の如何なるものかの(オ)大凡は知っているのである。陰陽道は歴緯に(カ)法り神鬼を駆ると称して、世俗の為に吉を致し凶を(キ)禳うものである。儒より云えば(7)フゲキの道、仏より云えば(ク)旃陀羅の術である。それが今、かりにも法体して菩提の大道に入り、人天の導師ともならんと心掛けたと見ゆる者が、紙の冠などして、えせわざするを見ては、堪え得らるればこそ、其の時は寂心馬に打乗り威儀かいつくろいて路を打たせていたが、忽ち滾(こぼれ)るように馬から下り、あわてて走り寄って、なにわざし給う(8)ゴボウぞ、と詰り咎めた。ゴボウとは僧に対する称呼である。・・・寂心今は堪えかねて、声をあげて大に泣きて、陰陽師につかみかかれば、陰陽師は心得かねて只呆れに呆れ、祓えをしさして、これは如何に、と云えば、頼みて祓えをさせたる主人も驚き呆れた。寂心は猶も独り感じ泣きて、彼の紙の冠を(ケ)攫み取りて、引き破りて地に(コ)抛ち、(9)レンレンたる涙を止めもあえず、何たるゴボウぞや、尊くも仏弟子となりたまいながら、祓戸の神の忌みたまうとて如来の忌みたまうことを忘れて、世俗に反り、冠などして、無間地獄に陥る業を造りたまうぞ、誠に悲しき(10)イランのことなり、強いて然ることせんとならば、ただここにある寂心を殺したまえ、と云いて泣くことおびただしいので、陰陽師は何としようも無く当惑したが、飽くまで俗物だから、俗にくだけて打明け話に出た。・・・」「連環記」(幸田露伴)

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その6 標準解答>
(一)
1.ひしゃく 2.じんしゅう 3.えいわい 4.ぼつぜん 5こうりょう 6.せっかつ 7.いちおう 8.そうきゃく 9.ちぶ 10.ようよう 11.きん 12.とうい 13.せんしゅ(せんゆ) 14.がい 15.ひてん(あさい淵) 16.しょうりつ(トチやクリの実) 17.かんこ(渓流沿いの建物) 18.こせん 19.はくりゅう 20.ほけん
21.じょうびたき 22.はますげ 23.そむ 24.ろくろ 25.うれ 26.な 27.こしき 28.かね 29.おどろがみ 30.す
(二)
1.焚 2.炷(薫) 3.滔天 4.憫察 5.薑黄 6.官廨 7.硼酸 8.黴 9.痣・黶 10.嘔吐 11.辺鄙 12.琅 13.瓏 14.稜稜(崚崚) 15.喨喨

(三)
1.栃 2.苆 3.鵆 4.錻 5.逧
(四)
1.暗赭色 2.隠淪 3.邦帑 4.牙商 5.擯斥
(五)
問1
1.鶻落 2.風鬟 3.不羈 4.軽裘 5.起楼 6.鳧趨 7.半饑 8.白荼 9.桃弧 10.盛粧
問2
11.キ 12.ケ 13.コ 14.ク 15.オ
(六)
1.あすなろ 2.しゃっくり 3.あゆい 4.いすか 5.ひきよもぎ 6.にな 7.ひいらぎ 8.のぼたん 9.てんとうむし 10.はしりどころ
(七)
1.しょうもん 2.いた 3.すいきょ 4.は(ふ) 5.あいたい 6.みにく 7.じょご 8.くど 9.るいせつ 10.しば 
(八)
1.牴牾 2.昏夕 3.椿庭 4.倨傲 5.耆旧 6.紫磨金 7.昧旦 8.儔侶 9.親狎 10.贈賻
(九)
1.蓬 2.蔓草 3.頽魄 4.一累 5.癰 6.敝履(原典の「ヘイシ」なら「弊蹝」) 7.卑論 8.元元 9.瞎馬 10.謗
(十)
(1)峻宇 (2)藻梲(*故事「梲に藻す」が浮かばないと超難問かも。) (3)暮歯 (4)老蚕 (5)清閑 (6)先蹤 (7)巫覡(8)御房(「御坊」でも可。) (9)漣々 (10)違乱
(ア)いんじょう (イ)なら (ウ)のり (エ)はら (オ)おおよそ (カ)のっと (キ)はら (ク)せんだら (ケ)つか (コ)なげう

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その5

2015年12月20日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その5>  制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.隕石退鷁は陰陽の事にして、吉凶の生ずる所に非ざるなり
2.震百里を驚かすも匕鬯を喪わず 
3.大井川を渡り候て一左右之れあるべく。 
4.秋の虫が、喞嘖と鳴いている 
5.天地震動し日月蔽虧す  
6.爵禄なる者は人臣の轡銜なり 
7.黄檗、春に向かって生ず  
8.一片の孤城、万仞の山 
9.糴糶売買を行う
10.樗散な出来に辟易した
11.衆星 秋旻に羅なる 
12.羌笛 何ぞ須いん 
13.喧鳥は春洲を覆い、雑英は芳甸に満つ  
14.朔気、金柝を伝え、寒光、鉄衣を照らす 
15.百姓阜安にして貞観の遺風あり 
16.官衙に繳進する 
17.飆飆と風が吹きあがる 
18.郤曲の破目に陥る 
19.刺繍などの針仕事のことを「針黹」という 
20.進退狼跋す  
21.は、石鹸や入浴剤に使われる植物だ
22.なかなか、稿どおりには進まない
23.お茶の出しをする 
24.湿気が多くて水草などが生えている低湿地をという
25.腰をかに打った 
26.画工に似顔絵をかいてもらった 
27.ここは、昔、、遊んだ所だ 
28.見事なに感動した 
29.は栴檀の古名である
30.海水が渦となって

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ヒョウタンで鯰を押さえる 
2.奇術にゲンワクされる
3.ゼイチクで吉凶を占う   
4.ラクダに乗って沙漠を旅する 
5.傷口をセンデキする 
6.悪夢にウナされる  
7.古人のソウハクを嘗める 
8.モチゴメで赤飯をつくった 
9.拙い文章のサンジョを行う 
10.蔓延った雑草をサンジョする 
11.その鉄はシュウセイに覆われていた 
12.情緒あるシュウセイの道をそぞろ歩く 
13.全力疾走したので、到頭、コト切れた 
14.カンコとは大陸内部の乾燥地に多く発達する塩分の多いみずうみのことだ 
15.「カンコ苔深くして鳥驚かぬ」という成句がある

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ドジョウ鍋を食する  
2.ヤガて年が明ける
3.緋オドシの鎧を身に着ける 
4.デシグラム単位で測定する
5.エソを蒲鉾の原料に使う

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.魚の乾物、ひうお
2.宿駅・停車場。
3.波や風によってつくられた波状のでこぼとのあと
4.おさないこと
5.知り合いであることの謙譲語   
 <語群>
(ねいけいじ、げきりょ、じょくち、えきたん、ようちゅう、れんこん、ほぎょ、おうけつ)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.落英(  ) 2.イ.零絹(  ) 3.ウ.揺頭(  )  4.エ.悶絶(  )  5.オ.無影(  )
6.カ.(  )麟振 7.キ.(  )無名 8.ク.(  )韋帯  9.ケ.(  )簪折  10.コ.(  )之勇
<語群>
(りょうじょう、むそう、せきちょ、びゃくじ、へいつい、ほんいく、はいび、れいじょう、ぎこう、ひんぷん)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.非常に気力が盛んで強いこと
12.やるからには自信をもって断行しなくてはいけない
13.転げまわってもだえ苦しむこと
14.人に気に入られるようにこびへつらうさま
15.書画の小片。絹や紙のきれはし。

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鹿薬 2.懸鉤子 3.羅漢松 4.勢車 5.扇骨木 6.苦参 7.杠秤 8.虎耳草 9.壁蝨 10.奠稲

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.翊賛 ― 2.翊ける 
イ.3.軒輊 ― 4.軒い  
ウ.5.罨蓋 ― 6.罨う  
エ.7.聊浪 ― 8.聊しむ 
オ.9.磬控 ― 10.磬せる 

(八)次の1~4の対義語、5~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.緒言 2.犀利 3.野衲 4.黄昏 
<類義語>
5.屹立 6.藐躬 7.改革 8.地嘴 9.行厨 10.寐語
<語群>
(りかく、げいか、たんし、しょうじ、ばつご、だせん、せんげん、まいそう、こうかく、ついろ)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ヒャクタンを以て一誠を成す
2.トウソ魚肉の際  
3.キントウの固きも粟に非ざれば守らず
4.ガクキュウ、大鵬を笑う
5.大船を動かすロベソは一尺に足らず
6.命はキンカの露の如し 
7.上、リョを用うれば、下、辞を繁くす 
8.大きいヤカンは沸きが遅い 
9.六親和せずしてコウジあり
10.蓼虫、キサイに徙るを知らず

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・これら両岸の運河にはさまざまな運送船が(1)フクソウしているので、市中川筋の(2)チョウボウの中では、最も活気を帯び、また最も変化に富んだものであろう。
 或日わたくしはいつもの如く中洲の岸から清洲橋を渡りかけた時、向に見える万年橋のほとりには、かつて芭蕉庵の(3)コシと、柾木稲荷の(ア)社とが残っていたが、震災後はどうなったであろうと、ふと思い出すがまま、これを尋ねて見たことがあった。
清洲橋をわたった南側には、浅野セメントの製造場が依然として震災の後もむかしに変らず、かの恐しい建物と煙突とを(4)ソビやかしているが、これとは反対の方向に歩みを運ぶと、窓のない平たい倉庫の立ちつづく間に、一条の小道が曲り込んでいて、洋服に草履をはいた番人が巻煙草を吸いながら歩いている外には殆ど人通りがなく、屋根にあつまる鳩の声が(イ)俄に耳につく。
 この静な道を行くこと一、二町、すぐさま万年橋をわたると、河岸の北側には大川へ突き出たところまで、同じような平たい倉庫と、貧しげな人家が立ちならび、川の眺望を(5)シャダンしているので、狭苦しい道はいよいよせまくなったように思われてくる。わたくしはこの(ウ)湫路の傍に芭蕉庵の(エ)址は神社となって保存せられ、柾木稲荷の(オ)祠はその筋向いに新しい石の華表(とりい)をそびやかしているのを見て、東京の生活はいかにいそがしくなっても、まだまだ伝統的な(カ)好事家の跡を絶つまでには至らないのかと、むしろ意外な思いをなした。
・・・かつてわたくしが籾山庭後君と共に月刊雑誌『文明』なるものを(キ)編輯していた時、A氏は深川夜烏という別号を署して、大久保長屋の事をかいた文を寄せられた。・・・
・・・(6)ユカンバ大久保の屋敷跡。何故ユカンバ大久保と言うのか。それは長慶寺のユカンバと大久保の屋敷と隣接している所から起った名である。露地を入って右側の五軒長屋の二軒目、そこが阿久の家で、即ち私の寄寓する家である。阿久はもと下谷の芸者で、(ク)廃めてから私の世話になって二年の後、型ばかりの式を行って内縁の妻となったのである。右隣りが電話のボタンを(7)コシラえる職人、左隣がブリキ職。ブリキ職の女房は亭主の稼ぎが薄いので、煙突掃除だの、エンヤラコに出たりする。それで五人の子持である。・・・
私の家は二畳に四畳半の二間きりである。四畳半には長火鉢、(8)タンス(9)フタサオと机とが置いてある。それで、阿久と、お袋と、阿久の姉と四人住んでいるのである。その家へある日私の友達を十人ばかり招いて酒宴を催したのである。
先ず縁側に呉座(ござ)を敷いた。四畳半へは毛布を敷いた。そして真中に食卓を(ケ)据えた。長火鉢は台所へ運んで、お袋と姉とは台所へ退却した。そして境界に葭戸を立てた。二畳に阿久がいて、お銚子だの煮物だのを運んだ。(略)さて当日の模様をざっと書いて見ると、酒の良いのを二升、そら豆の塩茄でに胡瓜の香物を酒の肴に、(10)カンピョウの代りに(コ)山葵を入れた海苔巻を出した。・・・」「深川の散歩」(永井荷風)

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その5 標準解答>
(一)
1.たいげき(=水鳥の退飛すること) 2.ひちょう 3.いっそう(=知らせ、たより)  4.しょくさく 5.へいき 6.ひかん 7.おうばく:木の名。キハダ。 8.ばんじん 9.てきちょう 10.ちょさん 11.しゅうびん 12.きょうてき(=西域の羌族の吹く笛) 13.ほうでん(様々な花が香しい田野に満ちている) 14.きんたく(=時刻を告げる銅鑼) 15.ふあん 16.きょうしん 17.ひょうひょう 18.げききょく 19.しんち 20.ろうばつ(=進退がきわまる)
 21.かわらよもぎ 22.したがき 23.ひ 24.くて 25.したた 26.えだくみ 27.しばしば 28.あえ 29.おうち 30.めぐ
(二)
1.瓢箪 2.眩惑(幻惑) 3.筮竹 4.駱駝(駱・駝) 5.洗滌 6.魘 7.糟粕(糟魄) 8.糯(糯米←当て字) 9.刪除 10.芟除 11.銹錆 12.甃砌 13.縡 14.鹹湖 15.諫鼓
(三)
1.鯲 2.軈 3.縅 4.瓰 5.鱛
(四)
1.脯魚 2.駅站 3.漣痕 4.幼沖(漢検2) 5.辱知 
(五)
問1
1.繽紛 2.尺楮 3.擺尾 4.躄地 5.無踪 6.竜驤 7.疑行 8.藜杖 9.瓶墜 10.賁育
問2
11.コ 12.キ 13.エ 14.ウ 15.イ
  
(六)
1.ゆきざさ 2.きいちご 3.いぬまき 4.はずみぐるま 3.かなめもち 6.くらら 7.ちきり・ちぎ・ちぎり・ちぎばかり 8.ゆきのした 9.だに 10.くましね
(七)
1.よくさん 2.たす 3.けんち 4.たか 5.あんがい 6.おお 7.りょうろう 8.たの 9.けいこう 10.は
(八)
1.跋語 2.椎魯 3.猊下 4.昧爽 5.聳峙 6.懦孱 7.釐革 8.岬角 9.箪食 10.譫言
(九)
1.百誕(百のウソで一つの 誠を成し遂げた) 2.刀俎(漢検2) 3.金湯 4.鷽鳩  5.艪臍 6.槿花 7.慮 8.薬缶 9.孝慈(漢検2) 10.葵菜
(十)
(1)輻輳 (2)眺望 (3)古址 (4)聳 (5)遮断 (6)湯灌場 (7)拵 (8)箪笥 (9)二棹 (10)干瓢 
(ア)やしろ (イ)にわか (ウ)しゅうろ (エ)あと (オ)ほこら (カ)こうずか (キ)へんしゅう (ク)や (ケ)す (コ)わさび 

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その4

2015年12月18日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4」の配信です。奮ってご参加くださ(^^)
●“真夏の特訓”と同じように、お一人でもコメントや反応いただけたら次へ進むことにしています👍その方に、ペースを合わせて進みます。なお、人それぞれですから、ゆっくりとご自分のペースで熟されても一向にかまいません・・・が、やる時にやっておかないと、どんどん量が溜まっていきますけど(^^)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その4> 制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.冗談を一咲する 
2.斬截せられて孑遺無し  
3.孚尹の玉がある   
4.鍮石とは鉛と亜鉛の合金である  
5.山あらしのことを巒嵐という 
6.麼虫が大量に発生している 
7.峭覈な性格で損をしている 
8.届満で退任する 
9.嵒齬の山道を行く 
10.絛糸で工芸品をつくる  
11.人品、嶷爾としている  
12.国を治むる者は罪人を孥悪せず   
13.口の短い猟犬のことを歇驕と云う 
14.銀篦を挿頭す  
15.屮稿を認める 
16.蒲稗、 相、因依す     
17.女は懿筐を執り、彼の微行に遵う   
18.鷹隼の撃つを常に恐る 
19.羽林、相、摩戛す  
20.昨夜 閑潭に落花を夢む  
21.天に跼り、地にする
22.王の遺徳を称え、を奉る
23.に霜が降りている
24.日瘧とは、マラリアの間欠熱のことだ
25.は樹皮下に穴をあけて生活する甲虫である 
26.は、和服の前の左右にある半幅の布である 
27.出棺のためが準備された 
28.暮らしは孤独だ
29.身心ともにれた 
30.素紕とは白糸のりのことだ

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.にも晴れにも、漢字の学習を欠かさない
2.全身からやる気がチョウイツしている 
3.ハリネズミは、針鼠とも書く 
4.ルイレキとは頸部リンパ節の病気で頸腺結核ともいわれる 
5.ヘンピな土地に来てしまった 
6.ホウカンとは太皷持ちのことだ 
7.神仏に参詣しておサイセンを上げる時期が近づいてきた
8.古代中国の古体篆字のカト文字はおたまじゃくしの形に似ている 
9.一人旅はキシュウを感じるものだ 
10.「キシュウの妾(しょう)」とは、人妻となることを謙遜する言葉でもある
11.あまりの怒りでウンショクを露わにした 
12.その鉱物のウンショクはまるで虹のようだ 
13.はるか遠くの奥深い、まさにヨウチョウたる地だ 
14.楊貴妃はヨウチョウたる美人だったといわれる
15.ヨウチョウの鉄槌をくだす

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.トテも素敵な言葉だ
2.布が縮まらないようにするシンシ張り。
3.筑波オロシは冬の北西季節風だ
4.シキミの果実は猛毒だ
5.トモの浦は景勝地として知られる

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.わずらわしくやかましいこと
2.物事のはじまり(めばえとひこばえ)
3.女性の細い腰
4.神社の鳥居 
5.入相(いりあい)のかね
<語群>
(ぎひょう、かひょう、こんしょう、ぼうげつ、そよう、はんか、はっしょう、ぼちん)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.区聞(  )  2.イ.翫歳(  )  3.ウ.引縄(  ) 4.エ.伊尹(  )  5.オ.一丘(  )
6.カ.(  )十起  7.キ.(  )動地  8.ク.(  )飫聴 9.ケ.(  )之愛  10.コ.(  )布裙
<語群>
(かんとう、いんてん、かいじつ、けいさい、へいこん、いっき、えんぶん、いちがく、すうけん、ふてい)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.世の中を大変驚かせること
12.聞き飽きること
13.大望のために身を落とすたとえ
14.根こそぎ取り払うこと
15.学問や見識が狭く、偏っていること

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.顋門 2.葉椀 3.海豹 4.行器 5.生皮苧 6.神籬 7.栄蘭 8.吐綬鶏 9.黄楊 10.大口魚

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.簽書 ― 2.簽す   
イ.3.炳焉 ― 4.炳しい 
ウ.5.儡儡 ― 6.儡れる
エ.7.扞弓 ― 8.扞く
オ.9.粲麗 ―10.粲やか

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.騁才 2.孺人 3.暁来 4.髫齔 5.駑鈍
<類義語>
6.酷似 7.齟齬 8.華甲 9.麒麟児 10.霖雨
<語群>
(ていご、そんたいじん、ぼうてつ、ほうすう、ひょくしょう、とうかい、さいり、しょうまい、いんう、かんれき)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.キュウを反して薪を負う
2.臥木はを成し易し
3.陰陽をショウリ
4.ケツを助けて虐をなす    
5.癩者(かったい)のカサうらみ   
6.怒気ある者もヒョウガは咎めず
7.智者はミボウに見る  
8.ソンヨの言
9.終りを慎むこと始めの如くなれば即ちハイジなし 
10.衣は新に若くはなく、人はに若くはなし 

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・菅野に移り住んでわたくしは早くも二度目の春に逢おうとしている。わたくしは今心待ちに梅の(1)ツボミ(ア)綻びるのを待っているのだ。
・・・(2)ヤマゴボウの葉と茎とその実との霜に染められた(3)エンジの色のうつくしさは、去年の秋わたくしの初めて見たものであった。野生の萩や撫子の花も、心して歩けば松の茂った木蔭の笹藪の中にも折々見ることができる。茅葺きの屋根はまだ随処に残っていて、住む人は井戸の水を汲んで米を(イ)磨ぎ物を洗っている。半農半商ともいうべきそういう人々の庭には梅、桃、梨、柿、枇杷の如き果樹が立っている。
・・・市川の町を歩いている時、わたくしは折々四、五十年前、電車も自動車も走っていなかったころの東京の町を思い出すことがある。
 杉、(ウ)柾木、槙などを植えつらねた生垣つづきの小道を、夏の朝早く鰯を売りあるく男の(4)トンキョウな声。さてはまた長雨の晴れた昼すぎにきく竿竹売りや、蝙蝠傘がつくろい直しの声。それらはいずれもわたくしが学生のころ東京の山の手の町で聞き馴れ、そしていつか年と共に忘れ果てた懐しい巷の声である。
 夏から秋へかけての日盛りに、千葉県道に面した商い(エ)舗では砂ほこりを防ぐために、長い(オ)柄杓  (カ)溝の水を汲んで(5)マいていることがあるが、これもまたわたくしには、溝の多かった下谷浅草の町や横町を、風の吹く日、人力車に乗って通り過ぎたころのむかしを思い出させずには置かない。
 東京下町の溝の中には川のながれと同じように、長く都人に記憶されていた名高いものも少くはなかった。菊屋橋のかけられた新堀の流れ。三枚橋のかけられていた御徒町の忍川の如き(キ)溝渠である。
 そのころ人の家をたずね歩むに当って、番地よりも橋の名をたよりにして行く方が、その処を知るにはかえって迷うおそれがなかった。しかしこれら市中の溝渠は大かた大正十二年(6)キガイの震災前後、(7)ガイクの改造されるにつれて、あるいは埋められ、あるいは暗渠となって地中に隠され、旧観を存するものは殆どないようになった。
・・・今年の春、田家にさく梅花を探りに歩いていた時である。わたくしは古木と古碑との様子の何やらいわれがあるらしく、尋常の一里塚ではないような気がしたので、立寄って見ると、正面に「葛羅之井。」側面に「文化九年壬申三月建、本郷村中世話人惣四郎」と(8)ロクされていた。そしてその文字は楷書であるが何となく大田南畝の筆らしく思われたので、傍の溜り水にハンケチを濡し、石の面に選挙侯補者の広告や何かの幾枚となく貼ってあるのを洗い落して見ると、案の定、蜀山人の筆で葛羅の井戸のいわれがしるされていた。
 これは後に知ったことであるが、仮名垣魯文の門人であった野崎左文の地理書に委しく記載されているとおり、下総の国栗原郡勝鹿というところに瓊杵神(ににぎのかみ)という神が祀られ、その土地から甘酒のような泉が湧き、いかなる(9)カンテンにも(ク)涸れたことがないというのである。
 石を囲(めぐ)らした一坪ほどの水溜りは碑文に言う(ケ)醴泉の湧き出た井の名残であろう。しかし今見れば散りつもる落葉の朽ち腐された汚水の溜りに過ぎない。
 碑の立てられた文化九年には南畝は既に六十四歳になっていた。江戸から遠くここに来きたって親しく井の水を掬んだか否か。文献の徴すべきものがあれば好事家の幸である。
 わたくしは戦後人心の赴くところを観るにつけ、たまたま田舎の路傍に残された断碑を見て、その行末を思い、ここにこれを(コ)識した。時にこれ昭和廿二年歳次丁亥(10)ロウゲツの某日である。・・・」「葛飾土産」(永井荷風)

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その4 標準解答>
(一)
1.いっしょう 2.げつい(「けつい」でも可と思われる) 3.ふいん(=玉が光るさま。他に「まことに正しい」という意味もある。) 4.とうせき(漢検2読み) 5.らんらん 6.まちゅう 7.しょうかく 8.かいまん(=任期満了) 9.がんご 10.とうし(=くみいと・くみひものこと) 11.ぎょくじ 12.どお 13.かっきょう(漢検2読み) 14.ぎんぺい 15.そうこう(=草稿) 16.ほはい(ガマやヒエがもたれ合っている) 17.いきょう(=深いかご、*微行=細い道) 18.ようじゅん 19.まかつ(*擦れ合う 羽林:天子の護衛にあたる兵士。兵器がすれあう) 20.かんたん 
21.ぬきあし(さしあし) 22.しのびごと 23.きざはし 24.ひおこり 25.きくいむし 26.おくみ 27.ひつぎぐるま 28.やもめ 29.つか 30.かざ 

(二)
 1.褻 2.漲溢 3.彙・蝟 4.瘰癧5.辺鄙 6.幇間 7.賽銭 8.蝌蚪 9.羇愁 10.箕帚 11.慍色 12.暈色 13.杳窕(漢検2熟語) 14.窈窕 15.膺懲
(三)
1.迚 2.籡 3.颪 4.梻 5.鞆
(四)
1.煩苛 2.萌蘖 3.楚腰 4.華表・花表 5.昏鐘
(五)
問1
1.陬見 2.愒日 3.批根 4.負鼎 5.一壑 6.一饋 7.殷天 8.厭聞 9.甘棠 10.荊釵
問2
11.キ 12.ク 13.エ 14.ウ 15.ア
(六)
1.ひよめき 2.くぼて 3.あざらし 4.ほかい 5.きびそ 6.ひもろぎ 7.たこのき 8.しちめんちょう 9.つげ 10.たら  
(七)
1.せんしょ 2.しる 3.へいえん 4.いちじる 5.らいらい 6.つか 7.かんきゅう 8.ひ 9.さんれい 10.あざ
(八)
1.韜晦 2.尊大人 3.宵昧 4.耄耋 5.犀利 6.逼肖 7.牴牾 8.還暦 9.鳳雛 10.淫雨
(九)
1.裘 2.蠧 3.燮理 4.桀 5.瘡 6.飄瓦 7.未萌 8.巽与 9.敗事 10.故
(十)
(1)蕾・莟 (2)山牛蒡 (3)臙脂 (4)頓狂 (5)撒 (6)癸亥 (7)街衢 (8)勒 (9)旱天 (10)臘月 
(ア)ほころ (イ)と (ウ)まさき (エ)みせ (オ)ひしゃく (カ)どぶ (キ)こうきょ (ク)か (ケ)れいせん (コ)しる 

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その3

2015年12月16日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その3」の配信です。奮ってご参加くださ(^^)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その3>  制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.嬌靨の女児は可愛らしい 
2.諍いの孼芽が芽生える 
3.飛甍、各々、鱗次す     
4.靼蹻を為りて千里を超ゆ 
5.文明なるものは実に武力の胎内より孕産したるものなり
6.一抔の墓田をも有せず
7.辺隷を掠抄し、虔劉して已まず
8.岑崟とした山峰を眺望する
9.君子思うに、応に楽只なるべし
10.夕暉のうちに莫宿する
11.手脚 凍皴して皮肉は死す 
12.杣路で岫虎に出遭う
13.甜菜の根から砂糖をつくる
14.飯を流歠することなかれ
15.嶢嶷の山々が展望できる
16.ちょうざめの事を鱏鰉ということがある
17.弋繳で飛鳥をとらえる
18.齠耋ともに戯れる 
19.舎奠の祭りが行われる
20.茨蓋の庵で暮らす
21.蜑金で鮑などを岩からはがす。
22.麻布はでつくられる 
23.りのために玉を加工する
24.秋の野にがかかる
25.の黄葉が見事だ
26.かな事をして叱責を受けた
27.は強健で良く粗食に耐えるという 
28.多言なれば、、窮す
29.災いが、、起る
30.に耳あり、伏寇、側らにあり

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.アンコウ鍋の美味しい店がある
2.フクイクたる香りが漂う
3.戦いの前に両軍がタイジする
4.ギョウメイを轟かせる
5.ユウスイの地で静かに暮らす
6.犬はキュウカクが鋭い
7.カイセンは皮膚病の一つだ
8.軍旗がヘンポンとひるがえっている
9.袖口をける
10.エンオウを晴らす
11.エンオウが鳴いている
12.悪評フンプンたるものがある
13.諸説フンプンとしている  
14.鹹水をセンゴウして食塩を析出する
15.偉大な先人を敬い、センゴウしてやまない

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ソマ道を歩く
2.クヌギ林を散策する
3.ヌカミソ臭い奴だ
4.駅伝でタスキを渡す
5.ヘクトグラムは一定の重さのことだ

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.賄賂をとる役人。不正の財をむさぼる役人
2.海人(あま)の異称
3.未だ納めていない税金。脱税。
4.他人の手紙をうやまっていう言葉。
5.民話、民間の説話
<語群>
(ほそ、たんこ、はくすいろう、ようかん、みんだん、ぞうり、わいり、しんすいろう)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.一刀(  )  2.イ.牝鶏(  )  3.ウ.霖雨(  ) 4.エ.跼天(  )  5.オ.羊頭(  )
6.カ.(  )臥轍  7.キ.(  )蕭然  8.ク.(  )煮鶴 9.ケ.(  )射影  10.コ.(  )玉釵
<語群>
(せきち、はんえん、ばほ、ぼうと、さんらい、しんめい、がんしゃ、そうせい、ほうでん、ふんきん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.陰険な方法で人に害を与えること
12.みせかけだけは立派で、実質がそれに 伴わないことのたとえ
13.仏像などを彫る態度が敬虔であること
14.女性が権力を振るうこと
15.美しいもののたとえ

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.越橘 2.知母 3.戦捷木 4.匿穴 5.神馬藻 6.水爬虫 7.防已 8.牛筋草 9.苧麻 10.苦竹

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.窕冶 ― イ.2.窕やか
ウ.3.齪齪 ― エ.4.齪む
オ.5.抑閼 ― カ.6.閼ぐ
キ.7.閻妻 ― ク.8.閻しい
ケ.9.軫懐 ― コ.10.軫える

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.野衲 2.愛日 3.耨耕   4.瞥見  5.隠栖
<類義語>
6.深更 7.台鼎 8.有財餓鬼 9.死去 10.供物
<語群>
(らんせき、しゅつろ、ぎょうし、さいほ、りこう、しゅせんりょ、さいてん、げいか、いじつ、ぼっし)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.仁は人のアンタクなり
2.垢塵 玉を汚さず 霊鳳 センを啄まず
3.天下の至柔は、天下の至堅をチテイ
4.命はフウショクの如し 
5.大男のシンガリ  
6.信、トンギョに及ぶ  
7.フジの言も千里に聞こゆ
8.ヘンチョウ、姦を生ず
9.治を以て乱を待ち、静を以てを待つ
10.孤犢は乳に触れ、キョウシは母を罵る

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・(1)チュウインの四十九日が五月五日に済んだ。これまでは宗玄をはじめとして、既西堂、金両堂、天授庵、聴松院、不二庵等の僧侶が(ア)勤行をしていたのである。さて五月六日になったが、まだ殉死する人がぽつぽつある。殉死する本人や親兄弟妻子は言うまでもなく、なんのイ)由縁もないものでも、京都から来るお針医と江戸から下る御上使との接待の用意なんぞはうわの空でしていて、ただ殉死のことばかり思っている。例年簷に(2)フく端午の菖蒲を摘まず、ましてや(3)ハツノボリの祝いをする子のある家も、その子の生まれたことを忘れたようにして、静まり返っている。
 殉死にはいつどうしてきまったともなく、自然に掟が出来ている。どれほど殿様を大切に思えばといって、誰でも勝手に殉死が出来るものではない。泰平の世の江戸参勤のお供、いざ戦争というときの陣中へのお供と同じことで、死天(しで)の山 三途の川のお供をするにもぜひ殿様のお許しを得なくてはならない。その許しもないのに死んでは、それは犬死である。武士は(4)ミョウモンが大切だから、犬死はしない。敵陣に飛び込んで討死をするのは立派ではあるが、軍令にそむいて抜駈(ぬけがけ)をして死んでは功にはならない。それが犬死であると同じことで、お許しのないに殉死しては、これも犬死である。たまにそういう人で犬死にならないのは、(5)チグウを得た君臣の間に黙契があって、お許しはなくてもお許しがあったのと変らぬのである。(6)ブツネハンののちに起った大乗の教えは、仏のお許しはなかったが、(7)カゲンミを通じて知らぬことのない仏は、そういう教えが出て来るものだと知って懸許しておいたものだとしてある。お許しがないのに殉死の出来るのは、金口(こんぐ)で説かれると同じように、大乗の教えを説くようなものであろう。・・・
・・・阿部一族の喜びは非常であった。世間は花咲き鳥歌う春であるのに、不幸にして神仏にも人間にも見放されて、かく(8)ロウキョしている我々である。それを見舞うてやれという夫も夫、その言いつけを守って来てくれる妻も妻、実にありがたい心がけだと、心から感じた。女たちは涙を流して、こうなり果てて死ぬるからは、世の中に誰一人菩提を弔うてくれるものもあるまい、どうぞ思い出したら、一遍の回向をしてもらいたいと頼んだ。子供たちは門外へ一足も出されぬので、ふだん優しくしてくれた柄本の女房を見て、右左から取りすがって、たやすく放して帰さなかった。
 阿部の屋敷へ討手の向う前晩になった。柄本又七郎はつくづく考えた。阿部一族は自分と親しい間柄である。それで後日の咎めもあろうかとは思いながら、女房を見舞いにまでやった。しかしいよいよ明朝は上の討手が阿部家へ来る。これは逆賊を征伐せられるお上の(ウ)軍も同じことである。御沙汰には火の用心をせい、手出しをするなと言ってあるが、武士たるものがこの場合に懐手をして見ていられたものではない。情けは情け、義は義である。おれにはせんようがあると考えた。そこで(エ)更闌けて抜き足をして、後ろ口から薄暗い庭へ出て、阿部家との境の竹垣の結び縄をことごとく切っておいた。それから帰って身支度をして、長押にかけた手槍をおろし、鷹の羽の紋の付いた鞘を払って、夜の明けるのを待っていた。・・・」「阿部一族」(森鴎外)

(B)「・・・嗚呼、此故(このよし)は、我身だに知らざりしを、(オ)怎でか人に知らるべき。わが心はかの合歓といふ木の葉に似て、物触れば縮みて避けんとす。我心は処女に似たり。余が幼き頃より長者の教を守りて、学びの道をたどりしも、仕への道をあゆみしも、皆な勇気ありて能くしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、皆な自ら欺き、人をさへ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、唯ただ(カ)一条にたどりしのみ。余所に心の乱れざりしは、外物を棄てゝ顧みぬ程の勇気ありしにあらず、唯だ外物に恐れて自らわが手足を縛せしのみ。故郷を立ちいづる前にも、我が有為の人物なることを疑はず、又我心の能く耐へんことをも深く信じたりき。嗚呼、彼も一時。舟の横浜を離るるまでは、天晴(あっぱれ)豪傑と思ひし身も、せきあへぬ涙に手巾を濡らしつるを我れ乍ら怪しと思ひしが、これぞなかなかに我本性なりける。此心は生れながらにやありけん、又早く父を失ひて母の手に育てられしによりてや生じけん。
 彼の人々の嘲るはさることなり。されど嫉むはおろかならずや。この弱くふびんなる心を。
 赤く白く面を塗りて、(9)カクゼンたる色の衣を纏ひ、珈琲店(カツフエエ)に坐して客を(キ)延く女を見ては、往きてこれに就かん勇気なく、高き帽を戴き、眼鏡に鼻を挾ませて、普魯西(プロシヤ)にては貴族めきたる鼻音にて物言ふ「レエベマン」を見ては、往きてこれと遊ばん勇気なし。此等の勇気なければ、彼活溌なる同郷の人々と交らんやうもなし。この交際の疎きがために、彼人々は唯余を嘲り、余を嫉むのみならで、又余を猜疑することゝなりぬ。これぞ余が冤罪を身に負ひて、暫時の間に無量の艱難を閲し尽す  (ク)媒なりける。
 或る日の夕暮なりしが、余は獣苑を漫歩して、ウンテル、デン、リンデンを過ぎ、我がモンビシユウ街の(10)キョウキョに帰らんと、クロステル巷の古寺の前に来ぬ。余は彼の燈火(ともしび)の海を渡り来て、この狭く薄暗き巷に入り、楼上の木欄(おばしま)に干したる敷布、襦袢(はだぎ)などまだ取入れぬ人家、頬髭長き猶太(ユダヤ)教徒の翁が戸前に佇みたる居酒屋、一つの梯は直ちに  (ケ)楼に達し、他の梯は(コ)窖住まひの鍛冶が家に通じたる貸家などに向ひて、凹字の形に引籠みて立てられたる、此三百年前の遺跡を望む毎に、心の恍惚となりて暫し佇みしこと幾度なるを知らず。・・・」「舞姫」(森鴎外)

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その3 標準解答>
(一)
1.きょうよう 2.げつが 3.ひぼう 4.たんきゃく(草履のこと) 5.ようさん 6.いっぽう 7.けんりゅう 8.しんぎん 9.らくし 10.ぼしゅく 11.とうしゅん 12.しゅうこ 13.てんさい 14.りゅうせつ 15.ぎょうぎょく 16.じんこう 17.よくしゃく 18.ちょうてつ 19.せきてん 20.しがい
21.あまがね 22.いちび 23.かみかざ 24.きり 25.かしわ 26.おろ 27.らば 28.しばしば 29.しばしば 30.かき
(二)
1.鮟鱇 2.馥郁 3.対峙 4.驍名 5.幽邃 6.嗅覚 7.疥癬 8.翩翻 9.絎 10.冤枉 11.鴛鴦 12.芬芬 13.紛紛 14.煎熬 15.瞻仰
(三)
1.杣 2.椚 3.粏 4.襷 5.瓸
(四)
1.贓吏 2.白水郎(*「蜑戸(たんこ)」は海人の“家”) 3.逋租 4.瑶緘(瑶函、瑶簡)*漢検2記載熟語 5.民譚
(五)
問1
1.三礼 2.晨鳴 3.蒼生 4.蹐地 5.馬脯 6.攀轅 7.茅堵 8.焚琴 9.含沙 10.宝鈿
問2
11.ケ 12.オ 13.ア 14.イ 15.コ
(六)
1.こけもも 2.はなすげ 3.なつめやし 4.くけあな 5.ほんだわら 6.たがめ 7.つづらふじ 8.おひしば 9.からむし 10.まだけ
(七)
1.ようや 2.あで 3.しゅくしゅく・さくさく 4.つつし 5.よくあつ 6.ふさ 7.えんさい 8.みめうるわ 9.しんかい 10.うれ
(八)
1.猊下 2.畏日 3.犂耕 4.凝視 5.出廬 6.闌夕(*漢検2記載熟語) 7.宰輔 8.守銭虜 9.没歯 10.祭奠
(九)
1.安宅 2.羶 3.馳騁 4.風燭 5.殿 6.豚魚 7.附耳 8.偏聴 9.譁 10.驕子
(十)
(1)中陰 (2)葺 (3)初幟 (4)名聞 (5)値遇 (6)仏涅槃 (7)過現未 (8)籠居 (9)赫然 (10)僑居
(ア)ごんぎょう (イ)ゆかり (ウ)いくさ (エ)こうた (オ)いか (カ)ひとすじ (キ)ひ (ク)なかだち (ケ)たかどの (コ)あなぐら

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その2 

2015年12月14日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その2」の配信です。奮ってご参加ください(^^)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その2> 制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.暁妝 手に随いて抹す
2.任務を夬夬として遂行する
3.奈良の吉野には老杉多し 
4.槲葉 山路に落ち 枳花 駅牆に明らかなり
5.女性に対して壼範が示された
6.壑谷に穀物を貯蔵する
7.枳実には芳香がある
8.海上で堽頭の指図にしたがう
9.潦旱により凶歉となる
10.泓澄とした手賀の湖・・・
11.遥々と、遐圻の地まで行きついた
12.鳥や虫の嘶囀が喧しい
13.河岸の淙鑿がすすむ
14.八方ふさがりで洫洫とする
15.亀筮にて允臧を得る
16.囹圄に鉗子が収監されている
17.孔子、覆醢して子路を忍ぶ
18.式閭をもって古の賢人に敬す
19.楞伽教を誦す
20.戦陣の鼓鉦が鳴る 
21.外出したにでも、買い物も済ませる
22.口にせて出まかせを云う
23.汝、瞳焉、新生のの如し
24.糸をって手元に引き寄せる 
25.釘穴の予備穿孔のため鐔鑿を使う
26.腹せに机を蹴飛ばした 
27.衆人よりんでる
28.の紅葉が見事だ
29.捨は老女ものの能の一つだ 
30.れた人材のことを茂才という 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.玉兎のキエイするにより暦定まる 
2.菠薐草をを四買う 
3.コウリョウ、悔いあり
4.即座にやってける 
5.コンロン、棗を呑む 
6.トンとご無沙汰している  
7.ハタと思い当たる 
8.野次馬が鈴りになる 
9.石の多いやせた土地をソネという 
10.政界のカクセイを果敢に成し遂げた 
11.では、社長のごカクセイをよろしくお願いいたします 
12.故人をしのび、イッサンを傾ける 
13.拙著を、イッサンに供します  
14.道理にくらいモウマイな人だ 
15.霧が立ち罩めていて、前方がモウマイな状態だ 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.「シャチこ張る」という言い方がある
2.鐔元が動かないようにハバキで締める
3.イカルガはイカルの別称だ
4.ガロンは体積の単位のひとつだ
5.ヤツは関東地方に多い低湿地のことだ

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.あごがはずれるほど、大口をあけて笑うこと
2.天地のみたまをまつるために築いた所。まつりのにわ。祭場・斎場 
3.逃げ隠れること 
4.遊女におぼれている男。放蕩者。
5.湾曲した眉で、若くして立身する相といわれている。
<語群>
(りゅうろう、がさんび、がび、かいい、とうぼう、ほざん、れいじ、さいじ)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.信口(  ) 2.イ.鑿壁(  ) 3.ウ.痩骨(  ) 4.エ.山藪(  )  5.オ.弁才(  )
6.カ.(  )曲謹 7.キ.(  )跋扈 8.ク.(  )寄命 9.ケ.(  )之年 10.コ.(  )藍摩
<語群>
(そうぎゃ、たくこ、ぞうしつ、むげ、けんしゃ、きゅうがい、とうこう、しょうれん、しおう、ちょうりょう)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.国の大事を信頼してまかせること
12.年老いて官職を辞すること、70歳の称。
13.でまかせをいうこと
14.苦学すること
15.つまらぬことを一所懸命行うこと

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.編木 2.宝蓋草 3.鹿茸 4.野蜀葵 5.陰蝨 6.為体 7.紅南瓜 8.烏樟 9.莫臥児 10.藁蓋

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.俾益 ― 2.俾ける   
イ.3.歇息 ― 4.歇む 
ウ.5.羨溢 ― 6.羨る
エ.7.淬礪 ― 8.淬ぐ
オ.9.憮然 ―10.憮する

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.直諫 2.苗裔 3.老獪 4.強壮 5.静謐
<類義語>
6.風箏 7.輿丁 8.料理 9.生黎 10.曙更
<語群>
(けんそう、えんば、せんじゃく、きょうふ、じゅんぼく、ほうちょう、のうそ、けんしゅ、ひめい、ふうかん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.至貴はケンベンなくして栄える  
2.コウハンは壺飧(こそん)に及ばず
 (注)コウハン:大きなさかずきに盛ったごちそう。壺飧(こそん):一壺の夕食(粗末なぶっかけ飯)。
3.デッすれども緇まず
4.瓶を挈ぐるの智も、シュキを失わず
5.オウテンに沈淪する
6.鶴、キュウコウに鳴き 声 天に聞こゆ
7.にあらず虎にあらず
8.シュウシは則ち百福の由りて興こる所なり
9.孔子にケントツなく、墨子に煖席なし。
10.キキの跼躅は 駑馬の安歩に如かず

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・古より今に至るまで、成敗の跡、禍福の運、人をして思いを潜めしめ歎を発せしむるに足るもの固より多し。されども人の奇を好むや、猶お以て足れりとせず。是に於て才子は才を馳せ、妄人は妄を恣にして、空中に楼閣を築き、夢裏に悲喜を画き、意設(ア)筆綴して、烏有の談を為る。或いは微しく本づくところあり、或いは全く拠るところ無し。小説といい、(1)ハイシといい、戯曲といい、(2)グウゲンというもの即ち是れなり。作者の心おもえらく、奇を極め妙を極むと。豈 図らんや造物の脚色は、(3)キゴの奇より奇にして、狂言の妙より妙に、才子の才も敵する能わざるの巧緻あり、妄人の妄も及ぶ可からざるの警抜あらんとは。吾が言をば信ぜざる者は、試みに看よ建文永楽の事を。
・・・我が古小説家の雄を曲亭主人馬琴と為す。馬琴の作るところ、長篇四五種、八犬伝の雄大、弓張月の壮快、皆江湖の(4)サクサクとして称するところなるが、八犬伝弓張月に比して優るあるも劣らざるものを侠客伝と為す。憾むらくは其の叙するところ、蓋し未だ十の三四を(イ)卒わるに及ばずして、(5)ヒッケン空しく曲亭の(6)ジョウキに遺りて、主人既に逝きて白玉楼の史となり、鹿鳴草舎(はぎのや)の翁これを続けるも、(ウ)亦、功を遂げずして死せるを以て、世其の結構の偉い、(7)リンカンの美を観るに至らずして(エ)已みたり。然れども其の意を立て材を排する所以を考うるに、(オ)楠氏の孤女を仮りて、南朝の為に気を吐かんとする、おのずから是れ一大文章たらずんば已まざるものあるをば推知するに足るあり。惜しい(カ)哉、其の成らざるや。
・・・暴雨卒然として大いに起りぬ。蓬々として始まり、号々として怒り、奔騰狂転せる風は、沛然として至り、澎然として(キ)瀉ぎ、猛打乱撃するの雨と伴なって、乾坤を震撼し、樹石を動盪しぬ。燕王の宮殿堅牢ならざるにあらざるも、風雨の力大にして、高閣の(8)エンガ吹かれて空に飄り、・・・地に堕ちて粉砕したり。大事を挙げんとするに臨みて、これ何の兆ぞ。さすがの燕王も心に之を(ク)悪みて色(ケ)懌ばず、風声雨声、竹折るる声、樹裂くる声、物凄まじき天地を睥睨して、惨として(9)セキゴ無く、王の左右もまた粛として言わず。時に道衍(どうえん)少しも驚かず、あな喜ばしの(10)ショウチョウや、と(コ)白す・・・」「運命」(幸田露伴)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その2 標準解答>
(一)
1.ぎょうしょう・ぎょうそう 2.かいかい 3.ろうさん 4.こくよう(カシワの類の落葉樹の葉) 5.こんぱん 6.がくこく 7.きじつ 8.こうとう(水夫の頭目)9.ろうかん 10.おうちょう 11.かき 12.せいてん 13.そうさく 14.きょくきょく(弱っていること) 15.いんぞう(筮の卦の一。“吉”) 16.けんし 17.ふくかい 18.しょくりょ 19.りょうがきょう 20.こせい(漢検2よみ)
21.おり 22.まか 23.こうし 24.たく・たぐ 25.つばのみ 26.い 27.ぬき 28.かえで 29.おば 30.すぐ
(二)
1.虧盈 2.把 3.亢竜 4.退・除 5.渾崙 6.頓 7.礑 8.生 9.埆 10.廓清 11.鶴声 12.一盞 13.一粲 14.蒙昧 15.濛昧
(三)
1.鯱 2.鎺 3.鵤 4.呏 5.萢
(四)
1.解頤 2.霊畤 3.逋竄 4.劉郎 5.臥蚕眉 
(五)
問1
1.雌黄 2.偸光 3.窮骸 4.蔵疾 5.無礙 6.小廉 7.跳梁 8.託孤 9.懸車 10.僧伽
問2
11.ク 12.ケ 13.ア 14.イ 15.カ 
(六)
1.びんざさら 2.ほとけのざ 3.ふくろづの 4.みつば 5.つぶじらみ 6.ていたらく 7.きんとうが 8.くろもじ 9.モール 10.わろうだ 
(七)
1.ひえき 2.たす 3.けっそく・けつそく 4.やす 5.せんいつ 6.あま 7.さいれい 8.にら 9.ぶぜん 10.がっかり
(八)
1.諷諫 2.曩祖 3.醇朴・純朴・淳朴 4.繊弱・孱弱 5.喧噪・諠譟 6.簷馬 7.轎夫 8.烹調 9.黔首 10.朏明
(九)
1.軒冕 2.觥飯 3.涅 4.守器 5.甕天 6.九皐 7.羆 8.螽斯 9.黔突 10.騏驥
(十)
(1)稗史 (2)寓言 (3)綺語 (4)嘖々 (5)筆硯 (6)浄几(浄机) (7)輪奐 (8)簷瓦 (9)隻語 (10)祥兆
(ア)ひってつ・ひってい (イ)お (ウ)また (エ)や (オ)なんし (カ)かな (キ)そそ (ク)にく (ケ)よろこ (コ)もう

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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その1 

2015年12月13日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

●ちょっと作ってみました。感想、コメントなどをよろしくお願いします。
●前回の夏の特訓の20作よりは難度を下げて、前回の本番27-②よりは若干難度が高いレベルかと思います。
●具体的には、27-②で実際に獲得された点数から▲10~30点ぐらい低くなる想定で作成しています・・・点数に幅があるのは、前作の経験から、基礎力の違いによって各人の変動の幅が違うからです。・・・さて、そうなっているかな?
●コメントなどを踏まえて次回以降の作成を考えたいと思っていますので、よろしくお願いいたします👍
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その1 >  制限時間 60分以内を厳守のこと

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.機を織る擲梭の音が聞こえる
2.燕燕于に飛び、其の羽を差池す 
3.黄禾、羸馬を起たしむ
4.養怡の福 永年を得可し 
5.百骸九竅の中に物あり
6.節目の木、嚙蹄の馬多し
7.繊繊伐(う)たざれば必ず妖孼を成す
8.里山で菌蕈を採集する
9.武力で彼らを攘斥する
10.卑枝、屋椽と成す   
11.職事御精厲の由、抃賀の至りに存じ奉り候
12.を絶ち、欲を棄て、明らかに訴訟を弁ぜよ
13.太陽が曄曄として照る
14.伊勢崎銘仙には、「珍絣」ともいうものがある
15.多事仍仍多言する能わざるなり
16.天下正論の起仆必ず此の一挙に之れあるべき
17.明允篤誠な性格が好まれる
18.鬮定により先鋒を選出する
19.を以て楹と為す
20.汝の美しさを説懌
21.窓轅にりて、轍に臥す
22.井を塞ぎ、竈をらぐ
23.万寿、り無し 
24.首を俛し、耳を
25.キャビアはの卵を塩漬けにしたものだ
26.か、それ会うことあらん 
27.「の宣旨」とは、宮廷内で輦に乗ることを許す宣旨のことである
28.道のに朽ちかけた小屋がある
29.桛鱶とは、シュモクザメの異称である
30.管をり、觚を操る

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.鮭のハララゴがイクラだ
2.「キンシ勲章」の名は、神武天皇東征時に、弓の先に止まった金色のトビに由来しているといわれる。
3.ひしひしと音がヒシメ
4.コウカンな書籍を蔵している   
5.ガイダ、珠を成す
6.モウセンゴケは食虫植物の一つだ
7.その努力がトジに終わることはない
8.豆を煮るにマメガラを燃く
9.アスファルトのことをドレキセイと書く
10.ナマフのもちもちとした食感が堪らない
11.ユダメを用いて強弓を調える
12.神社のネギは神主の下の神職だ
13.ネギの花は擬宝珠に似ている
14.事業に失敗してカサンを傾けてしまった 
15.貴兄のごカサンをお祈りいたします 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ナマズは地震のことをいう、という意味もある
2.キクイタダキは頭頂の中央が黄色いのが特徴だ
3.ゴザを敷いて坐る
4.ナタ豆は通常、「鉈豆・刀豆」と書く
5.「ササラ先穂(さっぽう)」とは、「①サボテンの異称のほか、②財産のすり減ったさま・めちゃくちゃになったさま。」を意味する。

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.炎症または充血などを除去するために患部を温めまたは冷やす療法
2.身体内部に生じる腫物
3.老人と子供のこと
4.馬・牛・豚などの胆石、腸内の結石。ヘイサラバサラ。
5.雄弁家、論客。
<語群>
(えんぽう、ないよう、さとう、せんぎしゃ、ぼうげい、あんぽう、とうさ、、ばくぎしゃ)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア(   )求遠 2.イ(  )成章 3.ウ(  )虎頸  4.エ(  )狗盗 5.オ(  )鴆毒 
6.カ一言(  )  7.キ鹿死(  ) 8.ク嚆矢(  )  9.ケ史魚(  ) 10.コ鏃礪(  )
<語群>
(すいしゅ、らんしょう、えんあん、かつう、ざいじ、ほうおん、そせつ、ちゅつひん、えんがん、ひぜん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.正道は他に求めず自分自身の中に見いだすべきということ
12.仮もがりの葬儀礼を退けてまで主君を諌めること
13.美しい模様を織りなしていること、文才・文藻のあること
14.声をかけてもらったことを忘れずに感謝すること
15.天下の統一がならない、勝敗が決まらない状態

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.胡頽子 2.角鴟 3.栄螺 4.鬼頭魚 5.四照花 6.蕀苑 7.生絹 8.鹿杖 9.花鶏 10.黄槿

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.嵒巒 ― イ.2.嵒しい
ウ.3.標榜 ― エ.4.榜げる
オ.5.馮河 ― カ.6.馮る
キ.7.勦説 ― ク.8.勦る
ケ.9.驪竜 ― コ.10.驪い

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.解纜 2.膏腴 3.称揚 4.可染 5.浄土 
<類義語>
6.摘要 7.騒擾 8.下舂 9.神官 10.吉兆
<語群>
(しょうしき、しど、らんよう、ぼうばん、きゅうちょう、へんぼう、こうぶ、けいりゅう、きょうどう、びょうしゅく)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ケイカを以て須弥を焼く  
2.子孫にチスイの地なし 
3.陰徳有る者は、必ず陽報有り、陰行有る者は、必ずショウメイ有り
4.アマダレは三途の川
5.キョウドウを用いざる者は地の利を得ること能わず
6.コウヨウの何物たるかを知らざるなり
7.命長ければホウライをみる
8.キョウランは翼を交えず
9.ユウチュウに日を窺う
10.ソウチュウ 塵を生ず

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・玄機が女子の形骸を以て、男子の心情を有していたことは、この詩を見ても(1)スイチすることが出来る。しかしその形骸が女子であるから、吉士を(ア)懐うの情がないことはない。ただそれは蔓草が木の幹に(イ)纏い附こうとするような心であって、房帷の欲ではない。玄機は彼があったから、李の聘に応じたのである。此これがなかったから、林亭の夜は索莫であったのである。
 既にして玄機は咸宜観に入った。李が別に臨んで、衣食に窮せぬだけの財を(ウ)餽ったので、玄機は安んじて観内で暮らすことが出来た。趙が道書を授けると、玄機は喜んでこれを読んだ。この女のためには経を講じ史を読むのは、家常の茶飯であるから、道家の言が却ってその新を(エ)趁い奇を求める心を悦ばしめたのである。
 当時道家には中気真術と云うものを行う習いがあった。毎月(2)サクボウの二度、予め三日の(オ)斎をして、所謂四目四鼻孔云々の法を修するのである。玄機は・・・・のがるべからざる規律の下にこれを修すること一年余にして忽然 (3)ゴニュウする所があった。玄機は真に女子になって、李の林亭にいた日に知らなかった事を知った。これが咸通二年の春の事である。
・・・・・
 玄機は共に修行する女道士中のやや文字ある一人と親しくなって、これと寝食を同じゅうし、これに心胸を披瀝した。この女は名を采蘋(さいひん)と云った。ある日玄機が采蘋に書いて遣った詩がある。
・・・・
 采蘋は体が小くて軽率であった。それに年が十六で、もう十九になっている玄機よりは少いので、始終沈重な玄機に制馭せられていた。そして二人で争うと、いつも采蘋が負けて泣いた。そう云う事は日毎にあった。しかし二人は直ちにまた和睦する。女道士仲間では、こう云う風に親しくするのを対食と名づけて、傍から揶揄する。それには(4)セン(5)トも交じっているのである。
 秋になって采蘋は忽ち失踪した。それは趙の所で(6)ソゾウを造っていた旅の工人が、(カ)暇を告げて去ったのと同時であった。・・・
・・・
そのうち三人の関係が少しく紛糾して来た。これまでは玄機の挙措が意に満たぬ時、陳は寡言になったり、または全く口を(キ)噤んでいたりしたのに、今は陳がそう云う時、多く緑翹と語った。その上そう云う時の陳の詞は極めて温和である。玄機はそれを聞く度に胸を刺されるように感じた。
 ある日玄機は女道士仲間に招かれて、某の楼観に往った。書斎を出る時、緑翹にその観の名を教えて置いたのである。さて夕方になって帰ると、緑翹が門に出迎えて云った。「お留守に陳さんがお出なさいました。お出になった先を申しましたら、そうかと云ってお帰りなさいました」と云った。
 玄機は色を変じた。これまで留守の間に陳の来たことは度々あるが、いつも陳は書斎に入って待っていた。それに今日は程近い所にいるのを知っていて、待たずに帰ったと云う。玄機は陳と緑翹との間に何等かの秘密があるらしく感じたのである。
 玄機は黙って書斎に入って、暫く坐して沈思していた。(7)サイギは次第に深くなり、(8)フンコンは次第に盛んになった。門に迎えた緑翹の顔に、常に無い侮蔑の色が見えたようにも思われて来る。温言を以て緑翹を(ク)賺す陳の声が(9)レキレキとして耳に響くようにも思われて来る。
 そこへ緑翹が燈(ともしび)に火を点じて持って来た。何気なく見える女の顔を、玄機は甚だしく陰険なように看取した。玄機は突然起って扉に鎖(じょう)を下した。そして震う声で詰問しはじめた。女はただ「存じません、存じません」と云った。玄機にはそれが甚しく(10)コウカイなように感ぜられた。玄機は床の上に跪いている女を押し倒した。女は(ケ)懾れて目をみはっている。「なぜ白状しないか」と叫んで玄機は女の(コ)吭を扼した。女はただ手足をもがいている。玄機が手を放して見ると、女は死んでいた。・・・」「魚玄機」(森鴎外)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用)その1 標準解答>
(一)
1.てきさ 2.しち 3.こうか 4.ようい(体の養生につとめること) 5.きゅうきょう 6.ごうてい 7.ようげつ 8.きんじん 9.じょうせき 10.おくてん(低い枝を屋根と垂木となす) 11.べんが 12.てつ 13.ようよう 14.ちんほう・ちんぽう 15.じょうじょう 16.きふ 17.めいいん 18.きゅうてい(くじできめる) 19.よく 20.えつえき
21.すが 22.たい 23.かぎ 24.た 25.ちょうざめ 26.いつ 27.てぐるま 28.くま 29.かせぶか 30.と 
(二)
1.鯡 2.金鵄 3.犇 4.浩瀚 5.咳唾 6.毛氈苔 7.徒爾 8.萁 9.土瀝青 10.生麩 11.檠・榜 12.禰宜 13.葱 14.家産 15.加餐
(三)
1.魸・鯰 2.鶎 3.蓙 4.屶 5.簓
(四)
1.罨法 2.内癰 3.旄倪 4.鮓答(鮓荅) 5.僉議者
(五)
問1
1.在邇 2.斐然 3.燕頷 4.鼠窃 5.宴安 6.芳恩 7.誰手 8.濫觴 9.黜殯 10.括羽
問2
11.ア 12.ケ 13.イ 14.カ 15.キ
(六)
1.ぐみ 2.みみずく 3.さざえ 4.しいら 5.やまぼうし 6.いとひめはぎ 7.すずし 8.かせづえ 9.あとり 10.はまぼう
(七)
1.がんらん 2.けわ 3.ひょうぼう 4.かか 5.ひょうが 6.かちわた 7.そうせつ 8.かすめと 9.りりょう(りりゅう) 10.くろ
(八)
1.繋留 2.荒蕪 3.貶謗 4.生色 5.此土 6.攬要 7.洶動 8.旁晩 9.廟祝 10.休徴
(九)
1.蛍火 2.置錐 3.昭名 4.霤 5.嚮導・郷導 6.羔羊 7.蓬莱 8.梟鸞 9.牖中 10.甑中
(十)
(1)推知 (2)朔望 (3)悟入 (4)羨 (5)妬 (6)塑像 (7)猜疑 (8)忿恨(「憤恨」でも可でしょう) (9)歴々 (10)狡獪
(ア)おも (イ)まと (ウ)おく (エ)お (オ)ものいみ (カ)いとま (キ)つぐ (ク)すか (ケ)おそ (コ)のど

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漢検1級 模擬試験問題 補習版その5(漢検準拠・難易度―並―)

2015年09月23日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「模擬試験問題 補習版その5」を配信します。文章題とごく一部の設問を除き、ほとんどの設問を漢検漢字辞典第2版より蒐集しています。
●これで、この夏から約2か月に渡って続けてきた「模擬試験問題」シリーズ(全20回)は一応終了させていただきます。(採用されなかった問題候補については、別途、折々に紹介していく予定です。)
●まだ本番まで1か月ありますが、本番以上の難易度の模試に、酷暑の季節から矻矻と取り組まれてきたチャレンジャーのみなさまに栄冠あらんことを祈念しております。
●なお、誤りなどありましたら、厚かましいお願いで恐縮ですが、また、ご指摘・ご訂正の連絡もいただけたら幸いです👍

<syuusyuu  漢検1級 模擬試験問題 補習版その5(漢検準拠・難易度―並―) >
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.女性の守るべき道や作法についての教えを壼訓という
2.枳句の花には棘がある
3.夾纈で染色している
4.地窖に野菜を蓄える
5.鵠的をねらって弓を放つ
6.蜥蜴とはとかげのことだ
7.敵の侵入を邀撃する
8.奸黠な悪人が跋扈する
9.今茲、自然災害が多い
10.恰幅の良い赭髯の男がいる
11.読書ばかりの書蠹となってはいけない
12.挫衄を経験した
13.打嚔、人の説く有り
14.怒りで顳顬の辺りが痛くなった
15.まるで蛭螾のような小人物だ
16.あの山の皺襞を見ている
17.碪(砧)杵でトントンと敲く音が聞こえる
18.警柝を鳴らして注意喚起する
19.刳磔の刑に処せられた
20.震怛する事件が出来した
21.を容れる 
22.無礼な態度をられた 
23.昔、宮中で「の祭」が行われていた 
24.梭貝は巻貝の一種だ  
25.雲桟とは山中にある高いのことだ
26.を一つにして一緒に暮らす 
27.泉の水をう 
28.知人のを頼まれた
29.く感動した
30.小鰭の美味しい季節になる

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.控えめにキツキツと笑う
2.山がキツキツと高く聳えている
3.カンジキを履いて雪道を行く
4.シコりを残す結果となった
5.不安にられて急いだ
6.恥ずかしくて、ザンキに耐えない
7.人をザンキして罪に陥れる
8.言っちゃ悪いが、人間のカス
9.人家がシッピしている
10.腹を下し、シャリの症状で苦しむ
11.シャリの事情をかんがみる
12.トミクジの僥倖を夢みる
13.賀状に恭賀シンキと認めた
14.風ショウショウとして易水寒し  *ものさびしいさま
15.風雨ショウショウとして荒れる  *はげしいさま

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.イワナを釣りあげた
2.アッパレな行いであった
3.スバシリは鯔の稚魚だ
4.谷の行きづまりをサコという
5.エビで鯛を釣る

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.よい評判を得ようとする気持ち。芸術家などが技巧を見せびらかそうとする気持ち。
2.生まれながらの気質
3.山や川に囲まれた要害の地
4.賑やかな大通り
5.かけ回って集めること、広く集めること
<語群>
(ひんい、こうく、がいく、きひん、きんたい、しょうき、しょうしゅう、けんあい)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   

問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )雪椀 2.イ (  )庸材 3.ウ (  )虎視 4.エ (  )画粥  5.オ (  )素餐 
6.カ 牝牡(  ) 7.キ 影駭(  ) 8.ク 皓歯(  ) 9.ケ 甕裡(  ) 10.コ 澆季(  )
<語群>
(けいけい、ちょれき、だんせい、きょうしん、せつい、ひょうおう、こんだく、がび、ろうどん、りこう)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.物事は外見にとらわれず、その本質を見抜くことが大切
12.見識が狭く世間知らずの人のたとえ
13.ある地位にいて職責を果たさずに無駄に禄をもらっていること
14.役に立たない人やもの
15.貧乏に耐えて勉学に励むこと

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鬼鍼草 2.玉蕈 3.虎茄 4.光参 5.鉤素 6.山石榴 7.蚕簿 8.蚕豆 9.酸塊 10.貲布

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.儳巌 ― 2.儳い  イ.3.孳息 ― 4.孳る  ウ.5.竦企 ― 6.竦だつ
エ.7.詛盟 ― 8.詛う  オ.9.鐫黜 ―10.鐫ける

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10 

<対義語>
1.狷介   2.静謐   3.凝視   4.老獪   5.大量  
<類義語>
6.隠居   7.子孫   8.手紙   9.内訌   10.行厨

<語群>
(げきしょう、いんえい、けんじょう、しつぼく、せんしょう、がんぱく、おうめい、べっけん、おんしゃ、たんし)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.カイケイの恥
2.智愚一視してシンケイを設けず
3.イツヤの覧
4.五寸の鍵、カイコウを制す
5.コショウ鳴らし難し
6.コウギョの泣
7.コウハクを散ずる
8.鐘もシュモクの当たりがら
9.シセキの栄を得る
10.先入、シュとなる

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・純一は著作の邪魔なぞをしてはならないと思つたので、そこそこに暇乞をして、富坂上の下宿屋を出た。そして帰り道に考へた。東京新聞が大村の云ふ小さいクリクを形づくつて、不公平な批評をしてゐたのは、局外から見ても、余り感心出来なかつた。併し兎に角主張があつた。特色があつた。推し測つて見るに、新聞社が路花を(1)スイタイしたことがあるのではあるまいから、路花の思想が自然に全体の調子を支配する様になつて、あの特色は生じたのだらう。そこで社主が代つて、あの調子を社会を(ア)荼毒するものだと認めたとしよう。一般の読者を未丁年者として見る目で、さう認めたのは致し方がない。只驚くのは新聞をアカデミツクにして其弊を除かうとした事である。それでは反動に過ぎない。抑圧だと云つても好い。なぜ思想の自由を或る程度まで許して置いて、そして矯正しようとはしないのだらう。路花の立場から見れば、ここには不平がなくてはならない。この不平は(2)カクとした赤い怒りになつて現れるか、さうでないなら、 (イ)緑青のやうな皮肉になつて現れねばならない。路花はどんな物を書くだらうか。いやいや。矢張いつもの何物に出逢つても屈折しないラヂウム光線のやうな文章で、何もかも自己とは交渉のないやうに書いて、「ああ、わたくしの頭にはなんにもない」なんぞと云ふだらう。今の文壇は、愚痴といふものの外に、力の反応を見ることの出来ない程に(3)イジャクしてゐるのだが、これなら何等の反感をも起さずに済む筈だ。純一はこんな事を考へながら指が谷の町を歩いて帰つた。・・・」((鴎外・「青年」))

(B)「・・・私の言はうとする事が読者に十分の理解を与へ得なくはないかと恐れる。人が人自身を言ひ現はすのは一番容易なことであらねばならぬ。何となれば、それはその人自身が最もよく知り抜いてゐる筈の事柄だから。
 実際は然しさうではない。私達の用ゐてゐる言葉は謂はば(ウ)狼穽のやうなものだ。それは獲物を取るには役立つけれども、私達自身に向つては妨げにこそなれ、役には立たない。或は拡大鏡のやうなものだ。私達はそれによつて身外を見得るけれども、私達自身の顔を見ることは出来ない。或は又精巧な機械 といつてもよい。私達はそれによつて有らゆるものを造り出し得るとしても、遂に私達自身を造り出すことは出来ない。
 言葉は意味を表はす為めに案じ出された。然しそれは当初の目的から段々に堕落した。心の要求が言葉を創つた。然し今は物がそれを占有する。 (エ)吃る事なしには私達は自分の心を語る事が出来ない。恋人の耳にささやかれる言葉はいつでも(4)リュウチョウであるためしがない。心から心に通ふ為めには、何んといふ不完全 な乗り物に私達は乗らねばならぬのだらう。
 のみならず言葉は不従順な(オ)僕である。私達は屢々言葉の為めに裏切られる。私達の発した言葉は私達が針ほどの (5)ゴビュウを犯すや否や、すぐに刃を反へして私達に切つてかかる。私達は自分の言葉故に人の前に高慢となり、卑屈となり、(6)コウチとなり、(7)ロドンとなる。・・・」(有島武郎「惜みなく愛は奪ふ」)

(C)「・・・余は普通基督教徒が論ずるに足らざるものと見做す所の小教派の中にも、(カ)靄然たる君子、淑徳の貴婦人を目撃したり。悪魔よ、汝の説教を(キ)休めよ。若し余にして善悪を区別し、之を選び彼を捨つるの力を有せざりせば、余は他人の奴隷となるべきものなり。心霊の貴重なるはその自立の性にあり。我れ最(い)と小さきものなりと雖も、亦全能者と直接の交通を為し得るものなり。神は法王、監督、牧師、神学者輩の手を経ずして直接に余を教へ給ふなり。
・・・嗚呼真理なる神よ、願くは余をして永久の愛に於て爾と一ならしめよ。余は時々多くの事物に関して読み且つ聞くに(ク)倦めり。余の欲する処、望む処は 悉く爾に於て存するなり。総ての博士等をして黙せしめよ。万物をして爾の前に静かならしめよ。而して爾のみ余に語れよ。・・・然れども若し愛国が真情なれば、真理と真理の神を愛するも亦真情なり。而して完全なる社会に於ては、二者は決して (8)ドウチャクするものにあらず。国の為めに神を愛し神の為めに国を愛し、国民(ケ)挙つて神聖なる愛国者となり得るなり。 
・・・聖書に云はずや、地は神を敬するもの為に造られたりと(ヨブ記十五章十九節)。然るに此最も神を慕ひし者は、最もわづかに此世を楽んで去れり。
 ブラヂル国の砂中に埋もる大金剛石は誰の為めに造られしや。(9)ムコを虐げ真理を蔑視する女帝、女王の頭を飾る為めにか。或は安逸以て貴重なる生命を消費 し、春は花に遊び秋は月に戲れ、此の神聖なる神の工場(God' Task-garden)を以て一つの遊戯場と見做す(コ)懶惰男女の指頭と襟とに光沢を加へん為にか。東台の桜、亀井戸の藤は、(10)コウハク(=お金)の為めに身を汚し天使の形に悪鬼の靈を注入せし妖怪の所有物なるか。誰が為めに富岳は年々荘厳なる白冠を戴くや。誰が為めに富士川の銀線は其麓を縫ふや。・・・」(内村鑑三・「基督信徒のなぐさめ」)
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<syuusyuu  漢検1級 模擬試験問題 補習版その5 標準解答>
(一)
1.こんくん 2.きこう 3.きょうけち 4.ちこう 5.こくてき 6.せきえき 7.ようげき 8.かんかつ 9.こんじ 10.しゃぜん 11.しょと 12.ざじく 13.だてい 14.しょうじゅ 15.しついん 16.しゅうへき 17.ちんしょ 18.けいたく 19.こたく20.しんだつ
21.くちばし(「ことば」でも可と思うが) 22.しか 23.みずのと 24.ひがい 25.かけはし 26.かまど 27.しゃく 28.なこうど 29.いた 30.こはだ
(二)
1.吃吃 2.屹屹 3.檋・橇・蹻 4.凝・痼 5.駆・駈 6.慙愧(慚愧) 7.讒毀 8.滓 9.櫛比 10.瀉痢 11.這裏(裡) 12.富籤(鬮) 13.新禧 14.蕭蕭 15.瀟瀟
(三)
1.鮇 2.遖 3.鯐 4.逧 5.蛯
(四)
1.匠気 2.気稟 3.襟(衿)帯 4.康衢 5.翔集
(五)
問1
1.ア氷甌 2.イ樗櫟 3.ウ狼貪 4.エ断薺 5.オ窃位 6.カ驪黄 7.キ響震 8.ク蛾眉 9.ケ醯鶏 10.コ溷濁
問2
11.カ 12.ケ 13.オ 14.イ 15.エ
(六)
1.せんだんぐさ 2.しめじ 3.はしりどころ 4.きんこ 5.はりす 6.のぼたん 7.まぶし 8.そらまめ 9.すぐり 10.さいみ
(七)
1.ざんがん 2.ふぞろ 3.じそく 4.しげ 5.しょうき 6.つま 7.そめい 8.ちか 9.せんちゅつ 10.しりぞ
(八)
1.温藉 2.喧擾 3.瞥見 4.質朴・質樸 5.鮮少・尠少 6.鴎盟 7.胤裔 8.雁帛 9.鬩牆 10.簞食
(九)
1.会稽 2.畛畦 3.乙夜 4.開闔 5.孤掌 6.皐魚 7.黄白 8.撞木 9.咫尺 10.主
(十)
(1)推戴 (2)赫 (3)萎弱 (4)流暢 (5)誤謬 (6)狡智 (7)魯鈍 (8)撞着 (9)無辜 (10)黄白
(ア)とどく (イ)ろくしょう (ウ)ろうせい (エ)ども (オ)しもべ (カ)あいぜん (キ)や (ク)う (ケ)こぞ (コ)らんだ

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漢検1級 模擬試験問題 補習版その4(漢検準拠・難易度―並―)

2015年09月22日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「模擬試験問題 補習版その4」を配信します。文章題とごく一部の設問を除き、ほとんどの設問を漢検漢字辞典第2版と過去問などから蒐集しています。
●いただいたコメントなどから判断すると、ほぼ、本番並のレベルの難易度のようです・・・たぶん(^^;)
●<その3>に比し、3~4問ぐらい難度高いかも・・・漢検第2版からの新出問題が幾つかあるのと、文章題がやや難しいかもしれません・・・。
●なお、誤りなどありましたら、厚かましいお願いで恐縮ですが、また、ご指摘・ご訂正の連絡もいただけたら幸いです👍

<syuusyuu  漢検1級 模擬試験問題 補習版その4(漢検準拠・難易度―並―) >

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.歃血で盟約を結ぶ
2.笊籬を持って山菜取りに行く
3.小川の水が汎氵疌と音をたてている  *「氵疌」は一級配当漢字で一文字。「氵」+「疌」。
4.蜂蠆の毒に犯さるるが如し
5.人生は白駒のを過ぐるが若し
6.秋になると虫の声が喞喞と聞こえる
7.良耜で土を掘り起こす
8.神前に祭粢を供える
9.として人無きがごとし
10.夏草が茸茸と生い茂る
11.鑷子で小さな綿毛をはさむ
12.寒くなってきたので襯衫を重ねて着る
13.貧窶困阨の甚だしきに驚く
14.肘が垢膩に汚れている
15.正岡子規の著作に獺祭書屋俳話がある
16.瞿然として立ち竦む
17.広袤の大なる場所を貴ぶ
18.体内に瀦溜がみられる
19.坐を照らして光、卓犖たり
20.糶売の場が立つ
21.刀剣の鞘にを用いている
22.しい菊の香りがする
23.が赤く残っている
24.古代、土木工事に钁丁が使役された
25.天子からのれが出された
26.兀兀と
27.草のに横たわる
28.打ち身で膝にができる
29.鳳凰の「凰」は雌ののことだ
30.色々な彩のりを身につける

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.神域をオトクする行為だ
2.タイセイの色鮮やかな山々
3.威権カクシャクたる時となす 
4.白寿を迎えてカクシャクたるものだ
5.雲がアイタイと棚引く
6.キクジン色は山鳩色ともいい、天皇の袍の色で禁色とされた
7.盗人にキクジンを行い、その罪を問いただした
8.骨ソショウ症になってしまった
9.顔にハタケができた
10.綿花三コリを包装する
11.ノビルには葱に似た臭気がある
12.胸中にほんの少しのわだかまり・・・つまり、カイタイが生じた
13.公金をカイタイする
14.キカに遭う
15.直属の上司のキカにある

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.親のシツケがなっていない
2.鍔元が動かないようにハバキを使う
3.ハタハタを鍋の材料に使う
4.トキ色は淡紅色である
5.トチはとちのき科の落葉高木である

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.英雄・豪傑が活躍するたとえ
2.世に尽くすこともなくいたずらに生きながらえること
3.自分の才能や知識を目立たぬように隠すこと
4.人の死のこと 
5.谷あいから湧き出る泉・谷あいの水
<語群>
(いんめつ、かいぞう、かんせん、きょうすい、せんぜん、こしょう、がいかん、ていかん)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )秀麗 2.イ (  )浄土 3.ウ (  )剔抉 4.エ (  )棊処   5.オ (  )孤独  
6.カ 懸崖(  ) 7.キ 被髪(  ) 8.ク 乾端(  ) 9.ケ 胡漢(  ) 10.コ 宝鈿(  )
<語群>
(かんか、ろくば、ときょ、ようきょう、きょうきん、ぎょくさい、ごんぐ、りょうれき、こんげい、はら)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.いたるところに悪人がいることのたとえ 
12.間一髪で危険を回避すること
13.隠れた人材を見つけ出して用いること
14.天地の果てのこと
15.物事に対する考え方や態度が正しく立派であること

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.花鶏 2.槐葉蘋 3.醢汁 4.垣衣 5.甘野老 6.玉鈴花 7.黄鶏 8.七葉樹 9.射翳 10.完骨 

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.衙参 ― 2.衙る   
イ.3.价人 ― 4.价い 
ウ.5.跂行 ― 6.跂う
エ.7.徼循 ― 8.徼る
オ.9.狡憤 ―10.狡う

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.居士 2.愉悦 3.饒舌 4.末裔 5.微醺
<類義語>
6.天聴 7.後宮 8.極意 9.聳峙 10.淵叢
<語群>
(えいぶん、らんすい、のうそ、えきてい、うんのう、かんもく、きつりつ、だいし、おうのう、そうたく)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.千金の子は坐するに堂にスイせず
2.足るを知る者はレイコウも膏粱より旨しとする
3.イッチュウを輸す
4.老牛、トクを舐る
5.エイヨウの餅の皮
6.伽羅の仏にハクを置く
7.餓鬼にオガラ
8.ガトウの側ら、人の鼾睡を容れず
9.キキョクは鸞鳳の棲む所にあらず
10.クンユウは器を同じくせず

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・抽斎が岡西氏徳に生せた三人の子の中、只一人生き残つた次男優善は、少時(1)ホウシ(2)イツラクのために、頗る渋江一家を(ア)困しめたものである。優善には塩田良三と云ふ(3)ユウトウ(4)カハンがあつた。良三はかの蘭軒門下で、指の腹に杖を立てゝ歩いたと云ふ楊庵が、家附の女に生せた嫡子である。
 わたくしは前に優善が父兄と(5)シを異にして、煙草を(6)ノんだと云ふことを言つた。しかし酒は此人の好む所でなかつた。優善も良三も、共に(7)ケンテキの量なくして、あらゆる遊戯に耽つたのである。
 抽斎が座敷牢を造つた時、天保六年(1835)生の優善は二十一歳になつてゐた。そしてその密友たる良三は天保八年生で、十八歳になつてゐた。二人は影の形に従ふ如く、須臾も相離るゝことが無かつた。・・・(鴎外 「渋江抽斎」)
(注)カハン:なかま
 
(B)「・・・思へばそれは寂しい道である。最も無力なる私は私自身にたよる外の何物をも持つてゐない。自己に矛盾し、自己に蹉跌し、自己に困迷する、それに何の不思議があらうぞ。私は時々私自身に対して神のやうに寛大になる。それは時々私の姿が、母を失つた嬰児の如く私の眼に映るからだ。嬰児は何処をあてどもなく匍匐する。その姿は既に十分憐れまれるに足る。嬰児は屢々過つて火に陥る、若しくは水に溺れる。そして僅かにそこから這ひ出ると、べそをかきながら又匍匐を続けて行く。このいたいけな姿を憐れむのを自己に(イ)阿るものとのみ云ひ退けられるものであらうか。(ウ)縦令道徳がそれを自己(8)タンデキと罵らば罵れ、私は自己に対するこの(エ)哀憐の情を失ふに忍びない。孤独な者は自分の(オ)掌を見つめることにすら、熱い涙をさそはれるのではないか。
 思へばそれは(カ)嶮しい道でもある。私の主体とは私自身だと知るのは、私を極度に厳粛にする。他人に対しては与へ得ないきびしい鞭打(むちうち)を与へざるを得ないものは畢竟自身に対してだ。誘惑にかかつたやうに私はそこに導かれる。(9)シモトにはげまされて振ひ立つ私を見るのも、打撲に抵抗し切れなくなつて倒れ伏す私を見るのも、共に私が生きて行く上に、無くてはならぬものであるのを知る。その時に私は勇ましい。私の前には力一杯に生活する私の外には何物をも見ない。私は乗り越え乗り越え、自分の力に押され押されて未見の境界へと険難を侵して進む。そして如何なる生命の威脅にもおびえ まいとする。その時傷の痛みは私に或る甘さを味はせる。然しこの自己緊張の極点には往々にして恐ろしい自己疑惑が私を待ち設けてゐる。遂に私は疲れ果てようとする。私の力がもうこの上には私を動かし得ないと思はれるやうな瞬間が来る。私の唯一つの城廓なる私自身が見る見る廃墟の姿を現はすのを見なければならないのは、私の眼前を暗黒にする。・・・」(有島武郎「惜みなく愛は奪ふ」)

(C)「・・・(キ)砂礫のみが砂礫を知る。金のみが金を知る。これは悲しい事実だ。偽善者なる私の眼には、自ら教会の中の偽善の分子が見え透いてしまつた。こんな事を書き進むのは、殆ど私の堪へ得ないところだ。私は余りに自分を裸にし過ぎる。然しこれを書き抜かないと、私のこの(ク)拙い感想の筆は放(な)げ棄てられなければならない。本当は私も強い人になりたい。そして教会の中に強さが生み出した真の生命の多くを尊く拾ひ上げたい。私は近頃或る尊敬すべき老学者の 感想を読んだが、その中に宗教に身をおいたものが、それを捨てるといふやうなことをするのは、如何にその人の性格の高貴さが足らないかを現はすに過ぎない といふことが強い語調で書かれてゐるのを見た。私はその老学者に深い尊敬を払つてゐるが故に、そして氏の生得の高貴な性格を知つてゐるが故に、その言葉の空しい(ケ)罵詈でないのを感じて私自身の(10)ヒロウを悲しまねばならなかつた。氏が凡ての虚偽と堕落とに飽満した基督旧教の中にありながら、根ざし深く潜在する尊い要素に自分のけだかさを化合させて、(コ)巌のやうに堅く立つその態度は、私を驚かせ羨ませる。私は全くそれと反対なことをしてゐたやうだ。私は自分が(10)ヒロウであるが故に、多くの(10)ヒロウなものを見てしまつた。私はそれを悲しまねばならない。・・・」(有島武郎「惜みなく愛は奪ふ」)
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<syuusyuu  漢検1級 模擬試験問題 補習版その4 標準解答>
(一)
1.そうけつ 2.そうり 3.ほうしょう 4.ほうたい 5.げき 6.しょくしょく 7.りょうし 8.さいし 9.げき 10.じょうじょう 11.じょうし・せっし 12.しんさん 13.こんやく 14.こうじ 15.だっさい 16.くぜん 17.こうぼう 18.ちょりゅう 19.たくらく 20.ちょうばい
21.かいらぎ 22.かぐわ 23.おき 24.くわよほろ・くわよぼろ 25.ふ 26.はたら 27.しとね 28.あざ 29.おおとり 30.かざ 
(二)
1.汚瀆 2.黛青 3.赫灼 4.矍鑠 5.靉靆 6.麴塵 7.鞫訊・鞠訊 8.粗鬆 9.疥 10.梱 11.野蒜 12.芥蔕 13.拐帯 14.奇禍 15.麾下 
(三)
1.躾 2.鎺 3.鰰・鱩 4.鵇 5.栃
(四)
1.虎嘯 2.甎全 3.晦蔵 4.蓋棺 5.澗泉
(五)
問1
1.ア胸襟 2.イ欣求 3.ウ爬羅 4.エ蠹居 5.オ鰥寡 6.カ勒馬 7.キ佯狂 8.ク坤倪 9.ケ陵轢 10.コ玉釵
問2
11.エ 12.カ 13.ウ 14.ク 15.ア
(六)
1.あとり 2.さんしょうも 3.しょっつる 4.しのぶぐさ 5.あまどころ 6.はくうんぼく 7.かしわ 8.とち 9.まぶし 10.せせ(みみせせ)
(七)
1.がさん 2.まい 3.かいじん 4.よ 5.きこう 6.は 7.きょうじゅん 8.めぐ 9.こうふん 10.くる
(八)
1.大姉 2.懊悩 3.緘黙 4.曩祖 5.爛酔 6.叡聞 7.掖廷 8.蘊奥 9.屹立 10.藪沢
(九)
1.垂 2.藜羹 3.一籌 4.犢 5.栄耀 6.箔 7.苧殻 8.臥榻 9.枳棘 10.薫蕕
(十)
(1)放恣 (2)佚楽 (3)遊蕩 (4)夥伴(←漢検第2版にもあり)(5)嗜 (6)喫 (7)涓滴 (8)耽溺 (9)笞 (10)卑陋
(ア)くる (イ)おもね (ウ)たとい (エ)あいれん (オ)てのひら (カ)けわ (キ)しゃれき(原文振りは「しゃれき」。「されき」でも可でしょう。) (ク)つたな (ケ)ばり (コ)いわお

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漢検1級 模擬試験問題 補習版その3(漢検準拠・難易度―並―)

2015年09月19日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「模擬試験問題 補習版その3」を取り急ぎ配信します。文章題とごく一部の設問を除き、ほとんどの設問を漢検漢字辞典第2版より蒐集しています。
●「その4」「その5」もほぼ完成していますが、「その3」の出来具合は如何でしょうか(^^;)トライ結果やコメント次第で、手直しをするかも知れませんので、ぜひ、ご連絡・ご評価をよろしくお願いいたします👍
●本番に向けてまだまだ時間もあり、万全の態勢でない状態でトライされるでしょうから、その分を考慮すると、80%程度(160点程度)の点数獲得でしょうか・・・いや、もう、難易度評価はヤメます(^^;)・・・といいながら、冒頭の記事の中に「・・・難易度ー並ー」と入れちゃってる私・・・(^^)どこかの協会さんみたいに首尾一貫していない?(^^)?
●なお、誤りなどありましたら、厚かましいお願いで恐縮ですが、また、ご指摘・ご訂正の連絡もいただけたら幸いです👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その3(漢検準拠・難易度―並―)>
(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.人から謗嗤を受ける
2.とはおおすっぽんのことだ
3.奚奴とは女の奴隷のことをいう
4.金簪を挿頭す
5.娃鬟が目の前を通り過ぎる
6.猗頓の富を蓄える
7.至る所で欹歟の声が聞こえる
8.子孫のための貽謀がある
9.廟に彝器が供えられている
10.異物を咽下した
11.国境の衛戍に務める
12.碁子麺は美味しい
13.噎鬱として気分がすぐれない
14.仏の功徳を讃える唄頌が聞こえる
15.倭の女王・卑弥呼のもとに塞曹掾史・張政が派遣された
16.水が潺湲と流れる
17.鐘や鼎に款識が刻まれている
18.着物の上に絅裳を纏う
19.峰が岑嵒と聳えている
20.岸のことを圻岸という
21.部下をいて指示を与える
22.大いにを上げる
23.人の弱点を
24.姥との能面
25.、後悔先に立たず
26.目からが出る
27.刃物で切って皮膚にができた
28.レタスがびる
29.分野別の記事をめる
30.伝統の業を

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.衣服のシワが目立つ
2.ザンシに値する行為であった
3.最近、ワラバンシを見かけない
4.キリギリスが草葉の陰で鳴いている
5.シワブいて私語を諌める
6.袴のヒダにアイロンをかける
7.事実と想像をい交ぜにして語る
8.アゲマキ姿の幼い少女がいる
9.イチゴウの隙もない人物だ
10.一本ドッコの博多織
11.イッキクの涙すら無い
12.ウラボンで先祖の霊を迎える
13.水晶の別名をギョクエイという
14.味噌汁にゼンマイを入れる
15.ゼンマイ時計は今や骨董品だ

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.正月にタコを揚げる
2.一ガロンは約4リットルである
3.大工のことをモクという
4.神事にサカキの木を用いる
5.ソマ山から材木をとる

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.小舟のたとえ、一艘の小舟
2.虎や猫の異称
3.急性の発熱性感染症
4.絵をかいたり塗ったりして美しく飾った遊覧船
5.高潮や津波のこと
<語群>
(かいしょう、いと、いちい おと おんびょう きゅうびょう、がほう えがわ)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )向日  2.イ (  )檀金  3.ウ (  )暮塩 4.エ (  )流爛  5.オ (  )縄枢 
6.カ 嫗伏(  ) 7.キ 鬱肉(  ) 8.ク 按図(  )   9.ケ 轍乱(  ) 10.コ 漿酒(  )

<語群>
(よういく、きけい、さくき、おうゆう、かくにく、きび、えんぶ、ろうほ、えんまん、ちょうせい)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.貧しくて粗末な家の形容
12.非常に贅沢なことのたとえ
13.腐った肉や腐ったほじし
14.理論だけの実際には役立たない考えや意見のこと
15.君主や目上の人の徳を仰ぎ慕うこと 

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.黄蜀葵 2.玉柏 3.甘露子 4.葦牙 5.黄瑞香 6.鷸子 7.半銭 8.陰地蕨 9.栄蘭 10.烏臼

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.熨帖 ― 2.熨える   
イ.3.頤養 ― 4.頤う 
ウ.5.于役 ― 6.于く
エ.7.欣懌 ― 8.懌ぶ
オ.9.鬱紆 ―10.紆ぼれる

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.盈月 2.元祖 3.猊下 4.椿庭 5.坦夷  
<類義語>
6.旧跡 7.大笑 8.溢美 9.老生 10.酒杯
<語群>
(いし、けんそ、かいい、けんどう、やのう、かほう、うそう、えいそん、きげつ、うしゃく)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.コウガイ死に赴くは易し
2.ケイガクの欲
3.ガイフウ南よりして彼の棘心を吹く
4.めるなら若木のうち
5.キュウカツを易う
6.歓楽極まりてアイジョウ多し
7.カンセイ、先ず竭く
8.目はゴウモウをみるも睫を見ず
9.葦のズイから天を覗く
10.シボクの信

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・此頃純一は久し振りで一度大石路花を尋ねた。下宿が小石川の富坂上に変つてゐた。純一はまだ何一つ(ア)纏まつた事を始めずにゐるのを恥ぢて、若し行きなり何をしてゐるかと問はれはすまいかと心配して行つたが、そんな事は少しも問はない。   (1)ムシろなんにもしないのが当り前だとでも思つてゐるらしく感ぜられ た。丁度這入つて行つたとき、机の上に一ぱい原稿紙を散らかして、何か書き掛けてゐたらしいので「お邪魔なら又参ります」と云ふと「搆はないよ、 器械的に書いてゐるのだから、いつでも(イ)已めて、いつでも続けられる。重宝な作品だ」と真面目な顔で云つた。そしていつもの詞少なに応答をする癖と丸で変つて、自分の目下の境遇を話して聞せてくれた。それが極端に冷静な調子で、自分はなんの(2)ツウヨウをも感ぜずに、第三者の出来事を話しゐるやうに聞えるのである。純一は直ぐに、その話が今書き掛けてゐる作品と密接の関係を有してゐるのだといふことを悟つた。話しながら、事柄の経過の糸筋を整理してゐるらしいのである。話してゐる相手が誰でも搆はないらしいのである。・・・」(鴎外・「青年」)

(B)「・・・路花の書いてゐる東京新聞は、初め社会の下層を読者にして、平易な事を平易な文で書いてゐた小新聞に起つて、次第に品位を高めたものであつた。記者と共に調子は幾度も変つた。(ウ)併し近年のやうに、文芸方面に向つて真面目に活動したことはなかつた。それは所謂自然主義の唯一の機関と云つても好いやうになつてからの事である。ところが社主が亡くなつて、新聞は遺産として、親から子の手に渡つた。これまでの新聞の発展は、社主が意識して遂げさせた発展ではなかつた。思想の新しい記者が偶然這入る。学生やなんぞのやうな若い読者が偶然殖える。記者は知らず識らず多数の新しい読者に迎合するやうになる。かういふ交互の作用がいつか自然主義の機関を成就させたのであつた。それを(エ)故の社主は放任してゐたのである。新聞は新しい社主の手に渡つた。少壮政治家の鉄のやうな腕が意識ある意志によつて (オ)揮はれた。社中のものの話に聞けば、あの背の低い、肥満した体を巴里為立てのフロツクコオトに包んで、鋭い目の周囲に横着さうな微笑を湛へた新社主誉田(3)ダンシャクは、欧羅巴の某大国のCorps diplomatique(コオル ヂプロマチツク)で鍛へて来た社交的(4)ギリョウ(5)タクマしうして、或る夜一代の名士を華族会館の食堂に羅致したのである。今後は賛助員の名の下に、社会のあらゆる方面の記事を東京新聞に寄せることになつたといふ、この名士とはどんな人々であつたか。帝国大学の総ての分科の第一流の教授連がその過半を占めてゐたのである。新聞はこれから académique になるだらう。社会の出来事は、謂はば永遠の形の下に見た(6)チョウカン図になつて、新聞を飾るだらう。同じ問題でも、今まで焼芋の皮の燻ぶる、縁の焦げた火鉢の傍で考へた事が発表せられた代りに、こん度は温室で咲かせた熱帯の花の蔭から、雪を(7)ガラス越しに見る窓の下で考へた事 が発表せられるだらう。それは結構である。そんな新聞もあつても好い。併し社員の中で只一人華族会館のシヤンパニエエの杯を(カ)嘗めなかつた路花はどうしても車の第三輪になるのである。それなのに「見てゐ給へ、今に僕なんぞの新聞は華族新聞になるんだ」と、平気な顔をして云つてゐる。・・・」(鴎外・「青年」)

(C)「・・・此時下から上がつて来る女学生が一人、大村に会釈をした。俯向けて歩いてゐた、廂の乱れ髪を、(キ)一寸横に傾けて、稲妻のやうに早い、鋭い(8)イチベツの下に、二人の容貌、態度、性格をまで見たかと思はれる位であつた。
大村は角帽を脱いで答礼をした。
純一は只女学生だなと思つた。手に持つてゐる、中身は書物らしい紫の包みの外には、喉の下と手首とを、リボンで(ク)括つたシヤツや、袴の(9)スミレイロが目に留まつたに過ぎない。実際女学生は余り人と変つた風はしてゐなかつた。着物は新大島、羽織はそれより少し粗い飛白である。袴の下に巻いてゐた、藤紫地に赤や(10)モエギで摸様の出してある、友禅縮緬の袴下の帯は、純一には見えなかつた。シヤツの上に(ケ)襲ねた襦袢の白衿には、大ぶ(コ)膩垢が附いてゐたが、かう云ふ反対の方面も、純一には見えなかつた。・・・ 併し純一の目に強い印象を与へたのは、琥珀色の薄皮の底に、表情筋が透いて見えるやうなこの女の顔と、いかにも鋭敏らしい目なざしとであつた。・・・」(鴎外・「青年」)
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< syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その3  標準解答>
(一)
1.ぼうし 2.ごうぎょ 3.けいど 4.きんしん(「キンかん」は音訓) 5.あいかん 6.いとん 7.いよ 8.いぼう 9.いき 10.えんか(えんげ) 11.えいじゅ 12.きしめん 13.えつうつ 14.ばいしょう 15.えんし 16.せんかん・せんえん 17.かんし 18.けいしょう 19.しんがん 20.きがん
21.さしまね 22.かちどき 23.あげつら 24.じょう 25.ああ 26.なみだ 27.きず 28.しな 29.あつ 30.なら 
(二)
1.皺・皴・襞 2.慙死 3.藁半紙 4.蛬・螽・螽斯 5.咳 6.襞 7.綯 8.丫・総角・丱 9.一毫 10.独鈷 11.一掬 12.盂蘭盆 13.玉瑛 14.薇(紫萁) 15.発条
(三)
1.凧 2.呏 3.杢 4.榊 5.杣
(四)
1.一葦 2.於菟 3.瘟病 4.画舫 5.海嘯
(五)
問1
1.ア葵傾 2.イ閻浮 3.ウ朝齏 4.エ衍曼 5.オ甕牖 6.カ孕鬻 7.キ漏脯 8.ク索驥 9.ケ旗靡  10.コ霍肉
問2
11.オ 12.コ 13.キ 14.ク 15.ア
(六)
1.とろろあおい 2.まんねんすぎ 3.ちょろぎ 4.あしかび 5.みつまた 6.つぶり 7.きなか 8.はなわらび 9.たこのき 10.なんきんはぜ
(七)
1.うっちょう 2.おさ 3.いよう 4.やしな 5.うえき 6.ゆ 7.きんえき 8.よろこ 9.うつう 10.むす
(八)
1.虧月 2.裔孫 3.野衲 4.萱堂 5.険阻・嶮岨 6.遺址 7.解頤 8.過褒 9.迂叟 10.羽爵
(九)
1.慷慨 2.渓壑・谿壑 3.凱風 4.矯 5.裘葛 6.哀情 7.甘井 8.毫毛 9.髄 10.徙木
(十)
(1)寧 (2)痛癢(痛痒)(3)男爵 (4)伎倆 (5)逞 (6)鳥瞰 (7)硝子 (8)一瞥 (9)菫色 (10)萌葱
(ア)まと (イ)や (ウ)しか (エ)もと (オ)ふる (カ)な (キ)ちょっと (ク)くく (ケ)かさ (コ)あぶらあか

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漢検1級 模擬試験問題 補習版その2(ほぼ漢検に準拠)

2015年09月15日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その2>を配信します。
●90%程度は、ほぼ、漢検漢字辞典第2版に準拠していますが、
 ①過去問はほとんどなく、いわゆる新出問題が多いこと
 ②(六)の熟字・当て字はほとんどが同辞典本文中のものであり、現実にはあり得ない出題の仕方と思われること
 ③(五)の四字熟語や(八)の対義語・類義語も、漢検四字熟語辞典には無いものや、ちょっとひねった問題が多いこと
などから、難易度は高いと思われます・・・<その1>も同様の難易度だったと思われます・・・前回は難易度判断を誤り、失礼しました。
●本番まで、まだまだ時間はあります(^^)どうぞ、訓練のつもりでトライしてみてください。
 
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その2(ほぼ漢検に準拠)>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.靦汗の至りである 
2.のろじかが麕集する
3.貧窶の民を救う
4.甌窶に松柏は育たず
5.神輿の屋根に蕨拳が見られる
6.宮廷の儀式に兀子が用いられた
7.窓櫺から曙光が射し込む 
8.汗取りのため、汗衫を着す
9.孱弱な体つきの人だ
10.但州は但馬国の別称である
11.青衿とは学生や書生のことを意味する言葉だ
12.心、労して怛怛たり
13.黐黏で鳥をつかまえる
14.朕兆未萌の自己なるがゆえに現成の透脱なり
15.因習を簸却する 
16.氈城に帷幕を垂れる 
17.和兌とは和らぎよろこぶという意味だ 
18.殷闍を出づれば 女あり荼の如し・・・
19.悉曇には完全に成し遂げるという意味がある 
20.漢の時代、大司農の下に「斡官」を置いた
21.「食った報い」だ
22.人の家をひそかにる  
23.草木がえる 
24.大豆をいて粉状にする 
25.は昔の戦艦だ 
26.諸侯の盟主をと言った 
27.に水が溜まっている  
28.い仕打ちを受けた 
29.粗悪な銑銭が出回っている 
30.をひもとく 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.徹夜仕事で心身ともにヒハイした 
2.人心をセンワクする
3.ザンゼンとして頭角を現す
4.食べ物のことで争うなど、ハシタない
5.かの芸者がキョウメイを馳せる
6.うわごと、たわごとの事をゲイゴという
7.ランプを柱にケンチョする
8.空襲後、燼余の民のキュウジュツを行う
9.ノッペラボウな顔つきの人だ
10.ホウショを贈り便宜を図ってもらう
11.ケンデンを耕して文筆生活を送る
12.世にケンデンされる成果を上げる
13.亡父、亡母のことをコウヒという
14.ごコウヒをいただき忝く存じます
15.茅屋の友人をコウヒして外遊に誘う

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ハラカが献上される
2.ヤガて冬が来る
3.タスキ掛けで働く 
4.イリを調節して水を抜く
5.ニオの浮巣

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.人の事業を助成すること
2.書物を日にさらして虫干しすること
3.あさはかなこと。浅薄。物事を深く考えず思慮に欠けること。
4.雑草の生い茂った草むら、荒れ果てた地。
5.よい便り、喜ばしい知らせ
<語群>
(きっちょう、きっそう、すいこく、きゅうえん、ふせん、そうらい、さいしょ、かんしょ)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )急接  2.イ (  )蕭瑟 3.ウ (  )夜行 4.エ (  )無塵  5.オ (  )之才  
6.カ 心下(  )  7.キ 意気(  ) 8.ク 雁字(  ) 9.ケ 魴魚(  ) 10.コ 玄冬(  )
<語群>
(おうさ、ひこう、かいほう、そせつ、おうそう、ていび、たんぺい、ちゅうてん、こうろう、べっせん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.水深く山けわしく静謐なさま 
12.みぞおちが硬くなりつかえる症状
13.危険な行動のたとえ
14.漢詩文の字句を修飾すること
15.空は一点の曇りなく、平原も塵ひとつない様子。

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.知更雀 2.正東風 3.牛皮消 4.生皮苧 5.風巻 6.単寧 7.端白 8. 奠稲 9.鐙靼 10.淋滲

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.佗負 ― 2.佗う 
イ.3.櫟釜 ― 4.櫟る
ウ.5.校讐 ― 6.讐す
エ.7.裴回 ― 8.裴る
オ.9.擯介 ―10.擯く 

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.斎食 2.耄耋 3.夕餉 4.安閑 5.優婆塞
<類義語>
6.紙幣 7.譫言 8.無作法 9.黴雨 10.瞳矇
<語群>
(ばいりん、ごんじじょ、ちょしょう、とうまい、しし、びご、ちょうさん、むじょう、ちょうしん、ひじ)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.テッショを磨く 
2.病はショウユに加わる
3.フセツの教誨 
4.フケイ短しといえども之をつがば即ち憂えん 
5.後生畏るべし、来者い難し 
6.コウショクを壮んにする
7.神はネギのはからい
8.白き骨は父の恩、シシムラは母の恩
9.コカツを呑む  (注)意気盛んなことを称する言葉。
10.コリを掻く

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・(ア)曩に王路易第十五の時若くは王路易第十六在位の初年に於て、宰相大臣たる者仮に身を数十百年の後に置き同心協力して一々旧規の(1)ロウを除き(イ)易ふるに新図の美を以てせば、王路易第十六の末年に至りては唯一歩を進めて民主平等の制に入るのみにて足らんのみ。・・・」(中江兆民「三酔人経綸問答」)

(B)「・・・抽斎歿後の第二十年は明治十一年(1878)である。・・・山田脩は此年九月二日に、母五百に招致せられて浜松に来た。是より先五百は脩の喘息を気遣つてゐたが、脩が矢島優と共に『魁新聞』の記者となるに及んで、その保に寄する書に(2)ボウインの語あるを見て、大いにその健康を害せんを(ウ)惧れ、急に命じて浜松に来らしめた。しかし五百は独り脩の身体のためにのみ憂へたのでは無い。その新聞記者の悪徳に化せられむことをも慮つたのである。
(注)ボウイン:朝酒のこと
・・・抽斎歿後の第二十一年は明治十二年(1879)である。十月十五日保は学問修行のため職を辞し、二十八日に(3)テイキョせられた。これは慶応義塾に入つて英語を学ばむがためである。是より先保は深く英語を窮めむと欲して、未だ其志を遂げずにゐた。師範学校に入つたのも、其業を卒へて教員となつたのも、皆学資給せざるがために、已むことを得ずして為したのである。既にして保は慶応義塾の学風を(4)ソクブンし、(エ)頗る福沢諭吉に傾倒した。明治九年に国学者阿波の人某が、福沢の著す所の『学問の すゝめ』を駁して、書中の「日本は蕞爾(さいじ=極小)たる小国である」の句を以て祖国を(オ)辱むるものとなすを見るに及んで、福沢に代つて一文を草し、民間雑誌に投じた。民間雑誌は福沢の経営する所の日刊新聞で、今の『時事新報』の前身である。福沢は保の文を采録し、手書(= 親書)して保に謝した。 保は此より福沢に識られて、これに(5)テキジュウせんと欲する念が(カ)愈 切になつたのである。・・・」
(注)テキジュウ:たよって行ってしたがうこと。
・・・抽斎没後の第二十四年は明治十五年(1882)である。一月二日に友武田準平が(6)セキカクに殺された・・・準平は身に十四箇所の(キ)創を負つて、庭の檜の下に(ク)殪れた。檜は老木であつたが、前年の暮、十二月二十八日の夜、風の無いに折れ た。準平はそれを見て、新年を過してから薪に挽かせようと云つてゐたのである。家人は檜が(7)シンをなしたなどゝ云つた。引廻の男は誰であつた か、又何故に準平を殺したか、終に知ることが出来なかつた。」(鴎外・渋江抽斎)

(C)「・・・(8)チュウセキの日わたくしは鹿嶋屋清兵衛さんの逸事に本づいて、「百物語」を著した。文中わたくしの鹿嶋屋を斥す詞に、やや(9)ロンサンに類するものがあった時、一の批評家がわたくしの「僭越」を責めた。その詳なることは今わたくしの記憶に存せぬが、彼批評家には必ずや文集があるべく、これを(ケ)繙いたら、百物語評を検出することもまた容易であろう。
 鹿嶋屋は「大尽」である。寒生のわたくしがその境界を窺い知ることを得ぬのは、(コ)乞丐が帝王の(10)キンドを忖度することを得ぬと同じである。是においてや僭越の誚が生ずる。人生の評価は千殊万別である。父が北千住に居った時、家に一婢があった。肥白にして愛想好く、挙止もまた都雅であった。然るにこの婢の言う所は、一々わたくし共兄弟姉妹の耳を驚かした。」(鴎外・「細木香以」)
(注)大尽(ダイジン):遊里などで豪遊する客。 肥白(ヒハク):色白で太っていること。 ロンサン:人物に対する評語。

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その2(ほぼ漢検に準拠) 標準解答>
(一)
1.てんかん 2.くんしゅう 3.ひんく 4.おうろう 5.けつけん(けっけん) 6.ごし(ごっし) 7.そうれい 8.かんさん 9.せんじゃく 10.たんしゅう 11.せいきん 12.だつだつ 13.ちでん 14.ちんちょう 15.はきゃく 16.せんぜい(軍営、陣地の意)  17.わえつ 18.いんと(原典は「闉闍」だが「殷」で代替した。 「闍」:うてな。二階になった城門。また、城の外ぐるわの門の上につくった、ものみ台。城の外ぐるわの内側にあるまち) 19.しったん 20.かんかん(均輸(=物価調整)を主る官)
 
21.しし 22.ぬすみみ 23.めば 24.ひ 25.いくさぶね 26.はたがしら 27.たらい 28.むご 29.ずくぜに 30.ふまき
(二)
1.疲憊 2.煽惑 3.嶄然 4.端 5.嬌名 6.囈語 7.懸吊 8.救恤 9.野篦坊 10.苞苴 11.硯田 12.喧伝 13.考妣 14.高庇 15.叩扉
(三)
1.鰚 2.軈 3.襷 4.圦 5.鳰
(四)
1.推轂 2.曬書(晒書) 3.膚浅 4.草萊 5.吉左右
(五)
問1
1.ア 短兵 2.イ 泓崢 3.ウ 懐宝 4.エ 曠朗 5.オ 襪線 6.カ痞硬 7.キ 沖天 8.ク 鶯梭(雁の空中を飛ぶ列を文字に見立て、鶯の樹間を飛びかうさまを織機の梭(ひ)にたとえていう) 9.ケ 赬尾(魚のあかい尾。魚が疲れると尾があかくなるということから) 10.コ素雪 
問2
11.イ 12.カ 13.ウ 14.ク 15.エ
(六)
1.こまどり 2.まこち 3.いけま 4.きびそ 5.しまき 6.タンニン 7.つまじろ 8.くましね 9.みずお 10.つつげ
(七)
1.たふ 2.にな 3.れきふ 4.こす 5.こうしゅう 6.くらべただ 7.はいかい 8.たちもとお 9.ひんかい 10.みちび
(八)
1.非時 2.髫齔 3.朝餐 4.孜孜(孳孳) 5.近事女 6.楮鈔 7.寐語 8.亡状 9.梅霖 10.檮昧
(九)
1.鉄杵 2.少愈 3.不屑 4.鳧脛 5.誣 6.行色 7.禰宜 8.肉叢 9.胡羯 10.垢離
(十)
(1)陋 (2)卯飲 (3)聴許 (4)仄聞 (5)適従 (6)刺客 (7)讖 (8)疇昔 (9)論讃(「論賛」でも可か) (10)襟度
(ア)さき (イ)か (ウ)おそ (エ)すこぶ (オ)はずかし (カ)いよいよ (キ)きず (ク)たお (ケ)ひもと (コ)きっかい(こじき)

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漢検1級 模擬試験問題 補習版その1(ほぼ漢検に準拠)

2015年09月12日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その1>を配信します。
●90%程度は、ほぼ、漢検漢字辞典第2版に準拠していると思いますので、初チャレンジの方は160点以上は獲得してほしいものです・・・未達成でも、まだ時間はありますけどね(^^)リピーターの方はぜひ満点をめざしてください(^^)
●チャレンジ結果や感想などのコメントをお寄せいただければ、大変ありがたいです。その内容などを踏まえて、<補習版その2>を配信したいと考えています。

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その1(ほぼ漢検に準拠)>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.豈、屯蹇のために性真を失わんや 
2.餌を錯(お)き、扱綸
3.将に大門を塞砌し僅かに方隙を留める
4.、美好なり
5.柘火とは「やまぐわ」の燧火のことである
6.酒色に湛湎
7.溺器とは清器とか溲瓶のことである。
8.灼艾、痛を分かつ
9.近畿凶歉打ち続く 
10.大いに矧笑
11.兌利な刃物を使う
12.雨、祁祁として興る
13.禰祖に赴き、戦勝を祈願する
14.篦梳とはすきぐしのことをいう
15.彼の君子の女、我、見ずして我が心、苑結
16.馬楝を使い版画を仕上げる  
17.日が暮れてから莫宿する
18.京師より某州に至る南北を綰轂する
19.税を繳納する
20.牛馬が犇散と走る 
21.志をめて行動する 
22.くて読みにくい
23.朕位を
24.きな威勢を保つ
25.瀕海とは海にっている所という意味だ
26.に閉じ込められた
27.口をつけてる 
28.山科の石田の小野の柞原 見つつか君が山道越ゆらん
29.酸実が山地で自生している
30.人の日記をひそかにみる 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.松塊(まつほど)はブクリョウの古名で薬用のきのこの一種だ 
2.トシシはネナシカズラの種子で漢方で強壮剤として用いられる 
3.わずかなことを咎めだてすることをコジリ咎めという
4.トウ蓆は夏の敷物だ 
5.陰暦六月のことをトンゲツという 
6.使い古しのボロを纏う 
7.非難のキッサキを向ける
8.ホオバの下駄を履く 
9.金属製品をロウセツする
10.珠玉がサンサンと鳴る
11.雨がサンサと降る
12.連続作業にケンエンの感をもつ
13.何が不満か、ケンエンとせぬ顔つきをしている
14.物価がトウホンする 
15.石碑のトウホンをつくる 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.オオボラの卵巣から鱲をつくる 
2.オオヅツを据えて敵を迎え撃つ 
3.トテも大事な話だ 
4.草ムシりに精を出す 
5.スイ臓癌が見つかった 

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.非常にねたみ深く無慈悲なこと
2.美しさが抜きんでていること・きらびやかで美しいこと
3.こなみじんになること。転じて、身を粉にして働くこと
4.みどり色の山、みどり色の連山
5.祈願の成就したお礼のため神仏にお参りすること
<語群>
(ざんにん、えいけん、せいふん、ふんさい、すいらん、さいにん、ほうさい、さいせん)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )定罪
2.イ (  )丹漆
3.ウ (  )近裏
4.エ (  )亢進
5.オ (  )雲譎
6.カ 頭会(  )
7.キ 茅堵(  )
8.ク 瓶墜(  )
9.ケ 附贅(  )
10.コ 浮雲(  )
<語群>
(しんき、べんぺき、えいじつ、ゆうあく、しんせつ、きれん、しょうぜん、けんゆう、げんしん、はき)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.頭数を数えて、貪るように重く税を取ること
12.男女が離れて二度と合えないこと
13.人を処断する際の罪刑決定の仕方。
14.心臓の鼓動が早くはげしくなること
15.悪人が政権を握って世の中が暗くなることのたとえ

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.外持 2.魚条 3.御哭 4.魚蝨 5.五月蠅 6.屍櫃 7.水分 8.敵娼 9.纏頭 10.蟇子

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.縦臾 ― 2.臾める    
イ.3.辜負 ― 4.辜く 
ウ.5.佗髪 ― 6.佗す
エ.7.崔錯 ― 8.崔わる
オ.9.煎迫 ― 10.煎る

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.黄昏 2.天瑞 3.魯鈍 4.泰然 5.頑健
<類義語>
6.漁師 7.三更 8.寝台 9.永劫 10.民間
<語群>
(るいじゃく、こし、きょうきょう、へいや、えいご、しょうとう、じんでんごう、ちふ、ろうほ、ちめい)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.サンプの養
2.枉なれば即ち直し、なれば即ち盈つ
3.ハクシュウの操 
4.デイリに土塊を洗う 
5.山葵とジョウルリは泣いて誉める
6.ショウショウの憂え 
7.ユウジン、余地あり 
8.セイネン 重ねて来たらず 
9.ソウトツ 未だ黔まず 
10.流星光底 チョウダを逸す

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・十一月十一日 晴れ渡りて風無し、午後日高氏来談、終日執筆、夕餉の後壺中庵を訪ふ。空曇りて(ア)暴かに暖し、雨にやならむと気遣はれしが暖風を幸ひお歌を伴ひ虎の門より自働車に乗り(1)トリの市に赴く、車は丸の内を抜け小伝馬町を過ぎ新堀端より菊屋橋に出ず、入谷町のあたりにて通行留な り、新開の電車道を歩むこと二三町、大鳥神社の(イ)幟 高張(ウ)挑灯を見る、此の辺の地曾て浅草の裏田圃にて東方には郭の裏手を望み西の方には根岸入谷の燈火を樹間に見たりし処なり、今は蓑輪行の電車道となれり、(2)ソウソウの感禁ずべからず、鷲神社に(3)サイせんとせしが群集潮の如く境内に入ること能はず、中途より路地を迂回して廓内揚屋町に入り、群集に押されて大門に出でたれば千束町を歩み浅草公園に出でぬ、途次猿之助の(4)タクシを過ぐ、今猶閑地となれり、銘酒屋の立ち続きし路地は尽く芸者家町となる、是浅草組合新見番に属するものなりといふ、仲店の玩具店伊勢勘にて熊手を購ひ雷門にて自働車に乗らむとする時(5)シュウウ(エ)沛然として(オ)灑ぎ来れり、群集狼狽芋を洗ふが如し、壺中庵に帰れば正に十一時なり、茶を喫して家に帰る、陰雲既に四散し明月(6)コウコウとして昼の如し・・・」(「摘々録 断腸亭日乗」永井荷風の日記)

(B)「・・・当時県吏の権勢は盛なものであつた。成善が東京に入つた直後に、まだ浦和県出仕の典獄であつた優善を訪ふと、優善は等外一等出仕宮本半蔵に駕籠 (7)イッチョウを宰領させて成善を県の界に迎へた。成善がその駕籠に乗つて、戸田の渡しに掛かると、渡船場の役人が土下座をした。
 優善が庶務局詰になつた頃の事である。或日優善は宴会を催して、前年に自分が供をした今戸橋の湊屋の抱芸者を始とし、山谷堀で顔を識つた芸者を漏なく招いた。そして酒(カ)闌なる時「己(おれ)はお前方の供をして、大ぶ世話になつたことがあるが、今日は己もお客だぞ」と云つた。大丈夫(=男子)志を得たと云ふ(8)ガイがあつたさうである。
・・・又野村は後明治六年五月二十一日に此職にゐて歿したので、長門の士参事白根多助が一時県務を(9)セッコウした。・・・」(鴎外・渋江抽斎)

(C)「・・・猶ほ一言せんに仏蘭西をして前に英国の鑑戒無からしめば其宰相大臣は深く咎むるに足らずして、僕の論は迂に非ざれば刻なり、唯其れ烱然たる鑑戒有りて猶ほ鑑戒することを知らず、前車覆へりて後車進めり、是れ当時仏蘭西の宰相大臣は好んで奇禍を後人に遺せりしと謂ふ可し。夫の進化神を妨阻(=妨害)したる魔敵なりと謂ふ可し、王路易を(キ)擠陥したる罪人なりと謂ふ可し・・・
・・・洋学紳士更に一杯をのみほして又云ひけるは、「所謂 車は流水の如く馬は(10)ユウリョウの如く、高帽を被むり濶袍を穿ち、(ク)大逵(ケ)通衢の中、男女雑沓の群を(コ)貫串し飛過して顧眄せず。」(中江兆民「三酔人経綸問答」)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その1(ほぼ漢検に準拠) 標準解答>
(一)
1.ちゅんけん 2.そうりん(釣糸をひく・垂れる意) 3.そくせい(はめふさぐ意) 4.おう 5.しゃか 6.ちんめん 7.にょうき・じょうき 8.しゃくがい(兄弟友愛の厚い喩え。故事。)  9.きょうけん 10.しんしょう(歯ぐきを出して大笑いする意。「矧」は、ここでは「はぐき」の意。) 11.えいり 12.きき(「しずかに、おもむろに」という意味) 13.でいそ 14.へいそ 15.うつけつ(心結ぼれること (苑=鬱)) 16.ばれん 17.ぼしゅく(遅くなってから宿る意) 18.わんこく(要所を控制(牽制)する意) 19.きょうのう(「いぐるみ=シャク」以外の読みは「キョウ」) 20.ほんさん
21.さだ 22.くら 23.ゆず 24.おお 25.そ 26.ひとや 27.すす 28.ははそはら 29.ずみ 30.ぬすみ 
(二)
1.茯苓 2.菟糸子 3.鐺 4.籐 5.遯月 6.褸・襤・縷・襤褸 7.鋩(鋒、鉾、芒) 8.朴歯 9.鑞接 10.珊珊 11.潸潸 12.倦厭 13.慊焉 14.騰奔 15.搨本
(三)
1.鮱 2.熕 3.迚 4.毟・挘 5.膵
(四)
1.猜忍 2.英絢 3.齏粉 4.翠巒 5.報賽(祭) 
(五)
問1
1.ア原心 2.イ黝堊 3.ウ鞭辟 4.エ心悸 5.オ波詭 6.カ箕斂 7.キ蕭然 8.ク簪折 9.ケ懸疣 10.コ翳日 
問2
11.カ 12.ク 13.ア 14.エ 15.コ
(六)
1.ほまち 2.すわやり 3.みね 4.ちょう 5.さばえ 6.からひつ 7.みくまり 8.あいかた 9.はな 10.ぶゆ
(七)
1.しょうゆ 2.すす 3.こふ 4.そむ 5.たはつ 6.みだ 7.さいさく 8.まじ 9.せんぱく 10.せま
(八)
1.遅明 2.地符 3.穎悟(英悟) 4.兢兢 5.羸弱 6.罟師 7.丙夜 8.牀榻(床榻) 9.塵点劫 10.壟畝(隴畝)
(九)
1.三釜 2.窪 3.柏舟 4.泥裡・泥裏 5.浄瑠璃 6.蕭牆 7.遊刃(游刃) 8.盛年 9.竈突 10.長蛇
(十)
(1)酉 (2)桑滄 (3)賽 (4)宅址 (5)驟雨 (6)皎皎(皎々) (7) 一挺(原文は「一挺」。「一梃」「一丁」でも可と思われる) (8)概 (9)摂行 (10)游竜
(ア)にわ (イ)のぼり (ウ)ちょうちん (エ)はいぜん (オ)そそ (カ)たけなわ (キ)せいかん (ク)たいき(だいき) (ケ)つうく (コ)かんかん

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漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第15回

2015年09月09日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第15回)です。一応、今回の配信をもって、最終回とします。チャレンジいただいた方々、ありがとうございました。
●1級配当漢字をメインに、①耳慣れない・目慣れない音読み熟語、②27-①の文章題に倣って発想・連想力がつくような語句 などを中心に出題いたしましたので、レベル的には若干難度高かったかと思いますが、15回分の模試で押さえるべき内容をほぼ網羅できたのではないかと考えています。
●折々にコメント頂いた方々へは心から厚く御礼申し上げます。自らの励みになるとともに、復習・学習にも大いに役立ちました。ありがとうございました。
●みなさまの27-②の“高得点での”(^^)合格を願ってやみません・・・。
●なお、このシリーズは一応終了しますが、漢検漢字辞典第2版に、“相当”準拠した、「模擬試験問題」(総仕上げ版?追試版?)の作成を検討しています・・・主として、15回もお付き合いいただいた方々への御礼も込めて(^^)。乞う、ご期待・・・ナンチャッテ(^^)

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第15回>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.抛售は、字のごとく、まさに「投げ売り」という意味だ 
2.恰恰と鳥が鳴いている 
3.カブトガニ(鱟)の背の骨は風があると帆のように上がることから、鱟帆という
4.面貌、臉嫩なり
5.時雨、霑せず。春苗、萎悴す 
6.逗撓し、進むを得ず 
7.古代中国の地理書である「山海経」に鮨魚の事が載っている 
8.黼帷は、斧の形をぬいとりしたとばりのことをいう 
9.飽食し噫欠を漏らす  
10.罪人が亨醢に処せられる 
11.獲物を捕えた虎が烋烋としている
12.萃蔡とはくさむらのことである 
13.喉に物がつまり饐死した 
14.扁舟一櫂、何処に帰る 
15.齠耋、ともに戯れる
16.鏈絛で繋がれる 
17.その為人、懿劭なり 
18.その金石を敲拉する 
19.柬邀して饗す 
20.鷲像纛幡は、鷲の像を描いた、即位礼・朝賀などに立てる威儀の旗である
21.笞でつ 
22.失踪者の踪(蹤)がわからない 
23.乗桴とはに乗ることだ  
24.笏を帯にむ 
25.で物がはっきりと見えない
26.聒聒(カツカツ)とは騒がしい意味のほか「か」という意味もある
27.礼を厚くして人を
28.筵を敷きねる 
29.かな時間で仕事を仕上げた
30.しに諫める、これを譎諫という 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.得意そうに鼻をウゴメかす
2.飯盒でご飯をたくことを飯盒スイサンという
3.ナギ節は「投節(なげぶし)」の古名である 
4.ホウロウ引きの鍋で煮る 
5.濁世の汚埃をセンゼイする
6.エンジ色の着衣とは珍しい
7.今年の干支はテイチュウである
8.ホウレンソウといったらポパイだ 
9.人生ヘキトウ、一個の事あり 
10.新しい物をアガナい求めた 
11.服役して罪をアガナった 
12.キケンで人を嚇す    
13.キケン紳士たちが集まる
14.彼はキンランの友だ  
15.キンラン緞子の織物だ 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.魚を獲るためにエリを仕掛けた 
2.話の辻ツマを合わせる 
3.ナタで木を伐る
4.武者がホロを負って出陣する
5.ヤナを仕掛けて魚を獲る

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.あわておどろくこと。うろたえること。めんくらうこと。
2.生前に自ら設ける墓。寿蔵。生墳。
3.俗世のならわし
4.かりもがり
5.うすぎぬとあやおり。高級な衣服。
<語群>
(きょうがく、さくがく、だいじょうえ、ひんれん、ぞくとう、せいこう、らりょう、りんず)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア (  )累洽 2.イ (  )野肴 3.ウ (  )放言 4.エ (  )起鳳  5.オ (  )雀躍
6.カ 投瓜(  ) 7.キ 雪萼(  ) 8.ク 魯魚(  ) 9.ケ 連璧(  ) 10.コ 竜頭(  )
<語群>
(とくけい、ふすう、そうは、とうこう、そんじょう、がいし、てっとう、ひりん、げきしゅ、ちょうき)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.風流を楽しむ船のこと
12.田舎の酒やごちそう
13.才能が特別すぐれていること
14.わずかな贈り物で多くの返礼を得ること
15.光明を重ねて広く恩恵が行き渡ること 

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.顚蕀 2.蔓荊 3.匿穴 4.新発意  5.牛縻  6.蕀苑 7.粗榧 8.神巫 9.紫荊 10.黄槿

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
(注)3.と5.の熟語の読みは同じです。4.と6.の読みの違いを理解するために出題しているものです。
ア.1.屏語 -イ.2.屏ける 
ウ.3.倥偬 -エ.4.倥しい
オ.5.倥偬 -カ.6.偬しい
キ.7.匡飭 -ク.8.飭す 
ケ.9.吮墨 ―コ.10.吮める

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.掉尾  2.少壮  3.隠栖  4.駿馬  5.狭隘  
<類義語>
6.儔侶  7.絶筆  8.渇望  9.仄日 10.民草
<語群>
(かくりん、ろうもう、どたい、らっき、そうぼう、かいかつ、しゅつろ、すいぜん、へきとう、せいはい)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.シンゲンは美ならず。美言はシンならず
2.セイハクを子孫に遺す
3.カイロクの災い   (注)火事・火災のこと。
4.ショウを聞いて日となす
5.ゼンビョウまた耳に逆らう
6.サイカンを揮う 
7.ビンガラは卵の中にありて声 衆鳥に勝る 
8.衝風の末力、コウフウを漂わす能わず
9.を編む   (注)苦学勉励すること
10.馬を相してこれをソウに失し、士を相してこれを貧に失す

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・仏国に至りては一世紀の前、一衣(1)タイスイの外、現に英吉利に於て惨烈の禍有りしを見ながら恬然として悟らず、区々として姑息(ア)苟偸の策を恃み歳月を(イ)玩愒し一時を(2)コトし、禍乱の症徴已に発するに及んでも猶且つ疾を諱みて名医に依頼すること無く、或は依遅猶予して民心を(ウ)猜はしめ或は抵忤(=抵抗)触冒して民情を激せしめ其末や無前の奇禍を蒸出し(3)コウケツ都邑に氾濫し一国を挙げ変じて屠場と為らしむるに至りたるは、果して夫の進化神の罪なる乎、将進化宗僧侶の罪なる乎。
・・・王路易(=仏・ルイ王のこと)は則ち悠々然として議院に臨み、其冠を脱し其剣を(エ)釈きロベスピエール以下の人士を(オ)一揖し温和の顔色にて微笑して曰はん、『公等 之を勉めよ、我も亦民籍に入りて国の為に力を(カ)効さん』と。因て妻子を携へ州郡沃饒の地を択び山水明媚の(4)ショウを卜し多く美田宅を買ひ 優遊以て身を終へて、高踏勇退の美名をも後世に施すことを得たらんのみ。・・・」(中江兆民「三酔人経綸問答」)

(B)「・・・是(この)人や経世の才を抱き治民の志を持し天子をたすけて(5)ビョウロウに趨るの宰相なる乎、天姿機敏にして善く時を覘ひ勢を料り賤買して(6)キハンし、以て(7)トウシュの富を致せる者耶(か)、将た文芸の美学術の巧、(キ)素よりセルワンテスを奴(やつこ)としパスカルを(ク)僕とする奇傑の人士なる耶、皆然らざるなり。・・・
・・・是人や其遠祖某甲(=ある人)嘗て旗を(ケ)搴り将を斬るの功有りしが為に爵位を授け(8)サイチを賜ひ、(9)カチュウ(=子孫)連綿として今日に至り、 既に才識無く亦学術無きも祖先の朽骨時々光を墓中より放ち其(10)ヒインを被むり、無作無業にして坐ながら禄秩の豊なるを(コ)享け醇酒を飲み脆肉をくらひ優游として日を送る所謂貴族と号する一種特別の物体なり。」(中江兆民「三酔人経綸問答」)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第15回 標準解答>
(一)
1.ほうしゅう 2.こうこう 3.こうはん・ごうはん (大漢和は「コウ」音のみ) 4.けんどん 5.いすい 6.とうどう 7.げいぎょ 8.ふい・ほい 9.あいけん 10.ほうかい 11.こうこう 12.すいさい 13.えつし 14.いっとう 15.ちょうてつ 16.れんとう 17.いしょう 18.こうろう 19.かんよう 20.じゅぞうとうばん
21.う 22.ゆくえ 23.いかだ 24.さしはさ 25.かすみめ 26.おろ 27.まね 28.つら 29.わず 30.とおまわ 
(二)
1.蠢 2.炊爨 3.梛 4.琺瑯(琺琅) 5.蟬蛻 6.臙脂 7.丁丑 8.法蓮草・鳳蓮草・菠薐草 9.劈頭 10.購 11.贖 12.鬼臉 13.貴顕 14.金蘭 15.金襴
(三)
1.魞 2.褄 3.屶 4.袰 5.簗
(四)
1.錯愕 2.生壙 3.俗套 4.殯斂 5.羅綾
(五)
問1
1.ア重熙 2.イ邨醸 3.ウ跌蕩 4.エ騰蛟 5.オ鳧趨 6.カ得瓊 7.キ霜葩 8.ク亥豕 9.ケ賁臨 10.コ鷁首 
問2
11.コ 12.イ 13.エ 14.カ 15.ア 
(六)
1.くさすぎかずら 2.はまごう 3.くけあな 4.しんぼち・しんぼっち・しぼち 5.はなづら 6.いとひめはぎ 7.いぬがや 8.いちこ 9.はなずおう 10.はまぼう 
(七)
1.へいご 2.しりぞ 3.こうそう 4.いそが 5.こうそう 6.せわ 7.きょうちょく 8.ただ 9.せんぼく 10.な 
(八)
1.劈頭  2.老耄  3.出廬  4.駑駘  5.開豁 6.儕輩  7.獲麟  8.垂涎  9.落暉 10.蒼氓・草莽
(九)
1.信言 2.清白 3.回禄 4.鐘 5.善苗 6.彩管 7.頻伽羅 8.鴻風 9.蒲 10.痩
(十)
1.帯水 2.糊塗 3.膏血 4.勝 5.廟廊 6.貴販 7.陶朱 8.采地 9.華胄 10.庇蔭
(ア)こうとう (イ)がんかい (ウ)うたが (エ)と (オ)いちゆう (カ)いた (キ)もと (ク)しもべ (ケ)と (コ)う

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漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第14回

2015年09月06日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第14回)です。難易度は前回と同程度(これまでよりも若干易しい)と思いますが、どうでしょうか。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いずれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第14回>
<訂正>(09071954)(一)5.の解答を追加。

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.饐瓜を食して嘔吐した 
2.胡乱な人物と嬰遘する 
3.俶詭殊瑰、耳の未だ嘗て聞かざる所・・・
4.戎狄は荐居して貨を貴ぶ 
5.酷くも拉殺された 
6.螽斯の羽、揖揖たり
7.杓端に両星あり、句圜15星あり、杓に面す 
8.噎鬱として気が晴れない 
9.摶心、受検勉強に努める 
10.精神、馳鶩し、心気、飛揚す 
11.両髻、丫丫として面粉光る  
12.皁纛を掲げて出陣する 
13.茹薇とは菜食の事なり 
14.胡戎の羯羶が臭う 
15.徒に餔歠するのみ  
16.讐釁に乗じて南極を席捲せんとす
17.帑廩を民に開放する 
18.頒斌とした状態で渾沌きわまりない
19.擘攫とは「つんざきつかむ」意味である 
20.思い、蹇産として釈けず 
21.漢字同好のがいる 
22.梅の花がしい
23.扶持をる 
24.本心は噯気にもださない
25.作問に手りが生じた 
26.両髀の間をという 
27.興奮のと化した 
28.月は28宿をる 
29.白兎、薬をく 
30.棒を斜違いに組む

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.危ないところで身をカワした 
2.ニギやかな街並みを散策する 
3.ミノを雨具に使用する 
4.鳴り物入りでハヤす 
5.ゴボウとこんにゃくで料理を作る 
6.キョウガクの出来事が起きた 
7.怠けていて師匠よりイッカツをくらう 
8.おかめソバを食す 
9.オカメそばを食す 
10.ラセン状の階段を登る
11.話にオヒレをつける 
12.コンニャクで石垣を築く
13.稀なること麟角ホウシのごとし
14.偉い人からホウシを賜る 
15.神仏をホウシする 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.良いニオいがする 
2.カマスに穀物を入れる
3.畳の縁がウン繝錦だ
4.ヌカミソが腐る  
5.フィートは長さの単位だ 

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.誤って書き入れられた文
2.髪をそったまるい頭。坊主頭
3.命令をいつわること。
4.本箱
5.人の善行をあらわしあきらかにすること。
<語群>
(ろちょう、きょうめい、さくぶん、せいけん、しょきゅう、しょか、えんぶん、えんろ)
 
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.(  )同契  2.イ.(  )暮来  3.ウ.(  )戴白 4.エ.(  )棄薪   5.オ.(  )暮塩 
6.カ.糶糴(  )  7.キ.悶絶(  )  8.ク.肉袒(  ) 9.ケ.揺頭(  )   10.コ.結草(  )
<語群>
(はいび、びゃくじ、すいちょう、ちょうせい、ふんゆ、がんかん、けんよう、ぜいし、しんきょ、れんさん)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.報恩のこと。
12.母と子の気持ちが通じ合うこと 
13.人に気に入られるようにこびへつらうさま
14.郷里が同じであること。仲が良いこと。
15.極貧のたとえ 

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.虎耳草 2.海豹 3.黄楊 4.蘭草 5.胡蜂 6.春告鳥 7.冬青 8.朱欒 9.匿路 10.酸模 

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.蹲踞 ― 2.踞る   
イ.3.蠱惑 ― 4.蠱す 
ウ.5.臚伝 ― 6.臚える
エ.7.無聊 ― 8.聊しむ
オ.9.攣曲 ―10.攣まる

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.善良  2.巨大  3.僥倖  4.婉曲  5.齟齬 
<類義語>
6.高峻  7.涵養  8.逸品  9.昵懇 10.美醜
<語群>
(ふんごう、きゅうぎょく、とうや、ちょくせつ、ゆうぶつ、きか、しんこう、わいしょう、けんし、あくらつ)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.肉腐りて虫を生じ、魚枯れてを生ず
2.ウドンゲの花 待ちたる心地
3.バンジョウヤの童(わらわ)
4.カンショウ千丈の節
5.海はスイロウを譲らず、以て其の大をなす 
6.姑の前の見せオゴケ
7.ショウを見て不善を為さば、即ち、福至らず
8.禍(わざわい)はセンセンより生ず
9.餓鬼にオガラ
10.人にゴウオクなく気に進退あり

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云ふことを記憶してゐる。どうして年をはつきり覚えてゐるかと云ふと、其頃僕は東京大学の鉄門の真向ひにあった、上条と云ふ下宿屋に、此話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでゐたからである。・・・上条に下宿してゐるものは大抵医科大学の学生ばかりで、其外は大学の附属病院に通ふ患者なんぞであつた。大抵どの下宿屋にも特別に幅を利かせてゐる客があるもので、さう云ふ客は第一金廻りが好く、(1)コギが利いてゐて、お上さんが箱火鉢を控へて据わつてゐる前の廊下を通るときは、きつと声を掛ける。時々は其箱火鉢の向側にしやがんで、世間話の一つもする。部屋で酒盛をして、わざわざ肴を拵へさせたり何かして、お上さんに面倒を見させ、我儘をするやうでゐて、実は帳場に得の附くやうにする。先づざつとかう云ふ(ア)性の男が尊敬を受け、それに乗じて威福を(イ)擅にすると云ふのが常である。然るに上条で幅を利かせてゐる、僕の壁隣の男は頗る趣を殊にしてゐた。・・・此男は岡田と云ふ学生で、僕より一学年若いのだから、兎に角もう卒業に手が届いてゐた。
・・・岡田が古本屋を覗くのは、今の(ウ)詞で云へば、文学趣味があるからであつた。(エ)併しまだ新しい小説や脚本は出てゐぬし、抒情詩では子規の俳句や、鉄 幹の歌の生れぬ先であつたから、誰でも唐紙に(オ)摺つた花月新誌や白紙に摺つた桂林一枝のやうな雑誌を読んで、槐南、夢香なんぞの香奩体(コウレンタイ)の詩を最も気の利いた物だと思ふ位の事であつた。・・・
・・・僕は人附合ひの余り好くない性であつたから、学校の構内で好く逢ふ人にでも、用事がなくては話をしない。同じ下宿屋にゐる学生なんぞには、帽を脱いで礼をするやうなことも少かつた。それが岡田と少し心安くなつたのは、古本屋が(カ)媒をしたのである。僕の散歩に歩く道筋は、岡田のやうに極まつてはゐなかつたが、脚が達者で縦横に本郷から下谷、神田を掛けて歩いて、古本屋があれば足を止めて見る。さう云ふ時に、度々岡田と店先で落ち合ふ。「好く古本屋で出くはすぢやないか」と云ふやうな事を、どつちからか言ひ出したのが、親しげに物を言つた始である。・・・」(森鴎外・雁)

(B)「・・・五月十七日。曇りて寒し。午後東光閣書房主人来談。夜森先生の『渋江抽斎伝』を読み覚えず深更に至る。先生の文この伝記に至り更に一新機軸を出せるものゝ如し。叙事細 密、気魄(2)ユウケイなるのみに非らず、文致高達(3)ソウコ にして一字一句含蓄の妙あり。言文一致の文体もこゝに至つて品致自ら具備し、始めて古文と(4)ケッコウすることを得べし。
六月朔。松莚大伍の両子と風月堂にて晩餐をなし、銀座を歩みて京橋鴻の巣酒亭に憩ふ。主人奥田氏現代文士画家の(5)ボクジョウ数冊を示さる。帰途大伍子と再び銀座を歩む。」(「摘々録 断腸亭日乗」永井荷風の日記)

(C)「英王査理(チヤールズ)第一の時、仏王路易(ルイ)第十六の時、宰相大臣政柄を(キ)秉る者眼を(6)カツ(カッ)し胸を洞(トウ=開く)し早く時勢を察し予め世運を(ク)料り夫の進化神の為に道路を(ケ)掃滌することを知りしならば、何ぞ必ずしも禍乱を(7)ジョウシュツするに至らん。顧(おも)ふに英国の事は其以前に於て(8)カンカイする所無くして(9)ヒッキョウ創始に属せしが故に、(10)セイコウを執る者予め備えを為すことを省知せずして(コ)敗衄の禍を取りたるも猶ほ頗る恕す可き者あり。・・・」(中江兆民「三酔人経綸問答」)
(注)カンカイ:いましめとすべきし手本。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第14回 標準解答>
(一)
1.いか 2.えいこう 3.てきき 4.せんきょ 5.ろうさつ・らさつ 6.しゅうしゅう 7.こうえん 8.えつうつ 9.せんしん 10.ちぶ 11.ああ 12.そうとう 13.じょび 14.かつせん 15.ほせつ 16.しゅうきん 17.どりん 18.はんひん 19.はくかく 20.けんさん
21.なかま 22.かんば 23.むさぼ 24.おくび 25.ぬか 26.また 27.るつぼ 28.めぐ 29.つ 30.はすか 
(二)
1.躱 2.賑 3.蓑・簑 4.囃 5.牛蒡 6.驚愕 7.一喝 8.蕎麦 9.阿亀 10.螺旋 11.尾鰭 12.蒟蒻・菎蒻 13.鳳嘴 14.褒詞 15.奉祀
(三)
1.匂 2.叺 3.繧 4.粏 5.呎
(四)
1.衍文 2.円顱 3.矯命 4.書笈 5.旌顕
(五)
問1
1.ア.枌楡 2.イ.晨去 3.ウ.垂髫 4.エ.噬指 5.オ.朝齏 6.カ.斂散 7.キ.躄地 8.ク.牽羊 9.ケ.擺尾 10.コ.啣環(銜環)
問2
11.コ 12.エ 13.ケ 14.ア 15.オ
(六)
1.ゆきのした 2.あざらし 3.つげ 4.ふじばかま 5.すずめばち 6.ウグイス 7.そよご 8.ザボン 9.くけじ 10.すいば
(七)
 1.そんきょ 2.うずくま 3.こわく 4.まどわ 5.ろでん 6.つた 7.ぶりょう 8.たの 9れんきょく 10.かが
(八)
1.悪辣 2.矮小 3.奇禍 4.直截 5.吻合 6.岌嶷 7.陶冶 8.尤物 9.親狎 10.妍蚩 
(九)
1.蠹 2.優曇華 3.番匠屋 4.寒松 5.水潦 6.麻小笥 7.祥 8.繊繊 9.苧殻 10.剛臆 
(十)
1.小気 2.雄勁 3.蒼古 4.頡頏 5.墨帖 6.豁 7.醸出 8.鑑戒 9.畢竟 10.政綱
(ア)たち (イ)ほしいまま (ウ)ことば (エ)しか (オ)す (カ)なかだち (キ)と (ク)はか (ケ)そうでき (コ)はいじく

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漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第13回

2015年09月03日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第13回)です。前回よりも10点程度は易化していると思います。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第13回>
<訂正>(09071950)(七)ウ.3.「僥侫」→「倖佞」に修正。

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.蔀屋に重霄を望む 
2.屯営で亨爨を行う 
3.海上の波が蕩汨としている
4.塙覈たる助言を得た 
5.芸耨により草を刈る 
6.辮線襖を着す
7.菫荼とは、「鳥兜と苦菜」のことをいう
8.草原に驢騾が群れている
9.車上の罘罔で禽獣をとらえる
10.心、怛傷すること、憺憺たり 
11.君の恵は群孽にふさがる  
12.腆愧赧顔す 
13.魚が餒敗している
14.宋人に善く、不亀手の薬を為る者あり 
15.その書、彬蔚の美あり 
16.祭礼でくじの拈鬮が行われる 
17.秉枹し軍鼓を鳴らす 
18.飛翰し騁藻
19.兵馬が駢進
20.中国の伝説上の生物で竜が生んだ九匹の子に、饕餮と贔屓がいる。
21.の花が咲いている  
22.書冊をいてならべる 
23.何物かが眼違いを過ぎる
24.柴を立てて川をぐ 
25.しい馨りがする  
26.とは門の両側の厚い堅板のことだ
27.君命しがたし 
28.最近はら、漢字の学習ばかりしている
29.扶揺万里の風をつ 
30.ごはんをめておむすびをつくる

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.母性本能をクスグられた 
2.無礼をタシナめられた  
3.ビタ銭を選ぶ 
4.やまあらしはゲッシ類に属する
5.大きなイビキをかく 
6.ノミシラミ、馬の尿する枕もと 
7.ジクジたる結果に終わった 
8.現にもムビにも忘れない 
9.訳も分からず、棒でチョウチャクされた 
10.ソクインの心は仁の端なり 
11.ヒョウカンにして果断な男だ
12.一向にウダツが上がらない 
13.だるような暑さがつづく 
14.ケタイが悪い 
15.ケタイの心が生じる 

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.壁の下地にするコマイは木舞とも書く  
2.生と死のハザマにいる    
3.スサを入れて壁土を練る 
4.瀬戸内の夕ナギが懐かしい
5.カズノコを祝儀に用いる

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.評判の高いこと・名声がさかんに世に広まること 
2.よりどころとなる模範。また、証拠。亀鑑
3.世間・ちまたのうわさ。世評
4.老巧で名望のある大学者
5.大きなはかりごと。鴻図
<語群>
(ふと、そだい、ひと、こうぎ、しゅくせき、きけい、よぼう、せきじん)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.簪纓(  ) 2.イ.無根(  ) 3.ウ.霧鬢(  ) 4.エ.吹影(  )  5.オ.青鞋(  )
6.カ.(  )除根 7.キ.(  )斂衣 8.ク.(  )杏林 9.ケ.(  )疾言 10.コ.(  )切磋
<語群>
(じょうひ、そうしゅ、ふべつ、ふうかん、しんしん、むてい、ろうじん、せんそう、きっせい、しれい)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.学問や品性を励み修養して大成を期すること
12.医者に対する敬称
13.無駄な努力。遣り甲斐のないことの喩え
14.官に仕えている人
15.貧しい生活のたとえ

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.聒聒児 2.竹柏 3.鹿杖 4.縮縫 5.花楸樹 6.枸榾 7.甘蕉 8.虎杖 9.江籬 10.木蓮子

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.須臾 ― イ.2.臾く 
ウ.3.倖佞 ― エ.4.倖う 
オ.5.僥倖 ― カ.6.僥める
キ.7.孅介 ― ク.8.孅かい
ケ.9.揖譲 ― コ.10.揖る

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>  
1.狷介 2.怯懦 3.恢復 4.懶惰 5.過疎  
<類義語>
6.結納 7.細微 8.尽瘁 9.冀求 10.大家
<語群>
(ようま、しょき、うんしゃ、りかん、ちゅうみつ、きょこう、ていしん、へいれい、ごうき、かっきん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.雀角ソガの争
2.烏は鳥中のソウシン
3.ホンメイに罷る
4.キョウショウの寿
5.徳は不祥に勝ち、仁はヒャッカを除く
6.カンゾウの丸のみ
7.生れぬ先のムツキ定め
8.犠を畏れてヘイを辞す。
9.琴柱に膠してシツを鼓す 
10.善を作せば之に百祥を降し、不善を作せば之にヒャクオウを降す

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・まだ大学医学部が下谷にある時の事であつた。灰色の瓦を(1)シックイで塗り込んで、碁盤の目のやうにした壁の所々に、腕の太さの木を堅に並べて嵌めた 窓の明いてゐる、藤堂屋敷の門長屋が寄宿舎になつてゐて、学生はその中で、ちと気の毒な申分だが、野獣のやうな生活をしてゐた。勿論今はあんな窓を見ようと思つたつて、(ア)僅かに丸の内の (イ)櫓に残つてゐる位のもので、上野の動物園で獅子や虎を飼つて置く檻の格子なんぞは、あれよりは(ウ)迥かに華奢に出来てゐる。寄宿舎には小使がゐた。それを学生は外使(そとづかひ)に使ふことが出来た。白木綿の (エ)兵古帯に、小倉袴を穿いた学生の買物は、大抵極まつてゐる。所謂「(2)ヨウカン」と「金米糖」とである。(2)ヨウカンと云ふのは焼芋、金米糖と云ふのははじけ豆であつたと云ふことも、文明史上の参考に書き残して置く価値があるかも知れない。小使は一度の使賃として二銭貰ふことになつてゐた。この小使の一人に末造と云ふのがゐた。外のは鬚の栗の殻のやうに伸びた中に、口があんごり開いてゐるのに、此男はいつも綺麗に剃 つた鬚の痕の青い中に、脣が堅く結ばれてゐた。小倉服も外のは汚れてゐるのに、此男のはさつぱりしてゐて、どうかすると(3)トウザンか何かを着て前掛をしてゐるのを見ることがあつた。・・・」(森鴎外・雁)

(B)「・・・抽斎の著述は概ね是の如きに過ぎない。致仕した後に、力を述作に (オ)肆にしようと期してゐたのに、不幸にして(4)エキレイのために命を(カ)隕とし、(キ)曾て内に蓄ふる所のものが、遂に外に顕るゝに及ばずして已んだのである。
 わたくしは此に抽斎の修養に就いて、少しく記述して置きたい。考証家の立脚地から観れば、経籍は批評の対象である。在来の文を取つて   (5)コンロンに承認すべきものでは無い。是に於て考証家の末輩には、破壊を以て校勘の目的となし、(ク)毫もビエテエ(敬虔)の迹を存せざるに至るものもある。支那に於ける考証学亡国論の如きは、固より人文進化の道を(ケ)蔽塞すべき(6)ロウケンであるが、考証学者中に往々修養の無い人物を出だしたと云ふ暗黒面は、其存在を否定 すべきものではあるまい・・・」
「・・・学資は弘前藩から送つて来る五人扶持の中三人扶持を売つて弁ずることが出来た。当時の相揚で一箇月金二両三分二朱と四百六十七文であつた。書籍は英文の ものは初より新に買ふことを期してゐたが、漢書は弘前から抽斎の(7)シュタクボンを送つて貰ふことにした。然るに此書籍を積んだ舟が、航海中七月九日に暴風に遭つて 覆つて、抽斎の曾て蒐集した古刊本等の大都分が(8)カイジャクの有に帰した。・・・」(森鴎外・渋江抽斎)
(注)カイジャクの有に帰した:海の藻屑と消えた

(C)「・・・大正十二年三月廿四日。 三年来飼馴らしたる青き(コ)鸚哥を籠のまゝ初瀬浪子の家に送る。余近日西京(=京都)に遊ばむとするに付、(9)ショウキンの始末をいかゞせむと思ひ煩ひゐたりしに、ふと芝居にて波子に逢ひ、其家には既に文鳥かなりやなど飼へりとの事に、予が鸚哥を贈りしなり。正午酒井晴次君来談。山形ホテルにて食事を与にす。
・・・三月廿六日。松筵君と共に羽衣会の舞踊を観る。拙劣にて興味(10)サクゼンたり。・・・四月二十日。晴れしが風猶冷なり。本年の春ほど気候不順なる時節は罕なるべし。宿痾よからず。深更雨。・・・」「摘々録 断腸亭日乗」(永井荷風の日記)

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第13回 標準解答>
(一)
1.ほうおく 2.ほうさん 3.とうこつ 4.かくかく 5.うんどう 6.べんせんおう 7.きんと 8.ろら 9.ふもう 10.だつしょう・だっしょう 11.ぐんげつ 12.てんき 13.だいはい 14.ふきんしゅ(「ふきしゅ」でも〇かも。) 15.ひんうつ 16.ねんきゅう 17.へいふ 18.ていそう 19.へんしん 20.ひき 
21.からたち 22.ひら 23.まなか 24.ふさ 25.かぐわ 26.ほうだて 27.もだ 28.もっぱ 29.う 30.まる
(二)
1.擽 2.窘 3.鐚 4.齧歯 5.嚊・鼾 6.蚤蝨 7.忸怩 8.夢寐 9.打擲 10.惻隠 11.剽悍・慓悍 12.梲・卯建 13.茹 14.卦体 15.懈怠
(三)
1.榀 2.硲 3.苆 4.凪 5.鯑 
(四)
1.籍甚・藉甚 2.亀鏡(きけい)←「ききょう」とも読む。 3.巷議 4.宿碩 5.丕図 
(五)
問1
1.縉紳 2.無蔕 3.風鬟 4.鏤塵 5.布韈 6.翦草 7.簇酒 8.橘井 9.攘臂 10.砥礪
問2
11.コ 12.ク 13.エ 14.ア 15.キ
(六)
1.くつわむし 2.なぎ 3.かせづえ 4.いせ 5.ななかまど 6.ひいらぎ 7.バナナ 8.いたどり 9.おごのり 10.いたび 
(七)
1.しゅゆ 2.しばら 3.こうねい 4.へつら 5.ぎょうこう 6.もと 7.せんかい 8.こま 9.ゆうじょう 10.ゆず・へりくだ
(八)
1.蘊藉 2.剛毅 3.罹患 4.恪勤 5.稠密 6.聘礼 7.幺麼 8.挺身 9.庶幾  10.鉅(巨)公
(九)
1.鼠牙 2.曾参 3.奔命 4.喬松 5.百禍 6.甘草 7.襁褓 8.聘 9.瑟 10.百殃 
(十)
1.漆喰 2.羊羹 3.唐桟 4.疫癘 5.渾侖(「崙」でも可か) 6.陋見 7.手沢本 8.海若 9.小禽 10.索然
(ア)わず (イ)やぐら (ウ)はる (エ)へこおび (オ)ほしいまま (カ)お (キ)かつ (ク)ごう (ケ)へいそく (コ)いんこ

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