goo blog サービス終了のお知らせ 

漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その4 >

2016年12月23日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●ごく一部の問題を除いて、ほとんど新出問題ばかりなので、むっずかしい“実力試験問題”のようです。漢検レベルから20~30点ぐらいは、低くなると思いますので、訓練用にお使いください。
●ただし、漢検2辞典からそれほど外すことのないようにしているので、お役には立つかと思います(音読み問題・文章題以外は、ほとんど漢検2掲載熟語、および、その熟語から派生している問題としています。)
●今回、<その3>より易化していると思う・・・「語選択」やや難  「対・類」やや難 「故事成語」やや難・・・ぐらいか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)音読みは基本的には<漢検2>および<大字源>の読みにしています。他の読み方もあるかも知れませんので、解答以外の読みもあるようでしたらお知らせいただけると有り難いです。

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その4>

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30

1.浮食奇民、山海の貨を擅斡す 
2.苣荀を采り采り、食采とす 
3.難解な古文書に塙解を施す   
4.賊徒をし、凱旋する 
5.廟宇に妖釁生ず  
6.和琴を弾奏する 
7.師僧から弟子が鉗鎚を受ける 
8.祭儀を洒如として執り行う 
9.摺奏を挈げて朝堂に登る 
10.水中にを仕掛ける 
11.邦国、殄瘁
12.虎の尾を履むこと、愬愬たり   
13.熨斗して裙褶と成す 
14.幽居恬泊、憂いを忘る 
15.胡狄、顚狽、頓躓す 
16.盟約を倍奸す  
17.宝祚を継ぎ天下に臨莅す 
18.巷間に紛呶充満す 
19.賁星、渤海に墜す
20.見事な彪駮のある虎皮だ 
21.手のが痛くて堪らない    
22.竹製のでごみや木の葉をさらう 
23.すでに廿を数えた  
24.大嘗会で神前に白酒をそなえる 
25.髭をで抜き取った 
26.どこにでも敏耳の人間はいるものだ 
27.んで殺すことを掖殺(エキサツ)という 
28.はクワ科の常緑高木である 
29.大いにを上げる 
30.梭貝は巻貝の一種だ   

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.実力の片鱗をカイマ見る思いだ 
2.神仏にぎ事をする  
3.今、仕事が終わったバカりだ  
4.川の流れをく  
5.柿や葡萄などのショウカが美味しい季節だ  
6.山で樵夫のアイダイが聞こえてきた 
7.夏の夕刻のヒグラシの鳴き声は何故か寂しい 
8.不合格の結果通知をハライせに破り捨てる 
9.ユウエンは、げじともいわれる節足動物だ
10.牛がイナナき、馬が吼える 
11.コクタンは家具などに珍重される材だ
12.何ともコスい奴だ
13.斯界のキシュクと仰がれる大物だ 
14.生前の徳によりシゴウを賜った 
15.学問に深く通じているコウガクの士だ  
16.志士はコウガクに在るを忘れず     
17.桑麻が一面にジョウチョウしている 
18.ジョウチョウな文章なので、わかりづらい 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19.シンシ張りは伸子張りとも書く
20.足袋のコハゼがはずれている

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.心を改めること
2.山が険しく奥深いさま 
3.同じようにしたい、なりたいと思うこと
4.職務を果たさないで俸給をむさぼるたとえ。
5.心がのびのびして物事にこだわらないさま、ほしいままにするさま
<語群>
(りょうじ、ざんかん、ほせつ、たしょく、せんい、りょうろう、こうぼ、こうひん)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )堂堂  ( 2 )春草  ( 3 )臆測  ( 4 )狗盗  ( 5 )同契 
目濡( 6 )  協心( 7 )  石室( 8 )  宴安( 9 )  桃李( 10 ) 
<語群>
(じせん、ちとう、しま、きんき、ちんどく、せいけい、そせつ、ふんゆ、りくりょく、せいき)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.賢い人はその才能を隠して人に見せびらかさないことのたとえ。
2.文化程度の低い野蛮人のような為政者
3.危険や災難が差し迫っていることの喩え
4.理解することが非常にむずかしいこと
5.仮もがりの葬儀礼を退けてまで主君を諌めること
<四字熟語群>
涸轍鮒魚  史魚黜殯  夏鑪冬扇  栄諧伉儷  運水搬柴  韻鏡十年  大貉小貉  良賈深蔵)

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.海豹 2.皁莢 3.媒鳥 4.瘧草 5.栄螺 6.金鉗 7細瓮 8.催合 9.翹揺 10.蟇股

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.狎玩 - 2.狎る 
イ.3.拆封 - 4.拆く 
ウ.5.狡憤 - 6.狡う 
エ.7.疇徳 - 8.疇いる
オ.9.藉口 - 10.藉ける 

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.犀利 2.微醺 3.遅明 4.饒舌 5.太牢
6.詔勅 7.餞別 8.紙鳶 9.階梯 10.燭台
<語群>
(せきいん、ふうそう、れいし、とうけい、じんそう、ごうすい、ついどん、せきいつ、しんばつ、かんもく)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.難に遭い、能くフンを解く  
2.百川、海にチョウす  
3.味わいをせず  
4.キョウハの桐梓、人、苟も之を生ぜんと欲すれば、皆之を養ふ所以のものを知る
5.命長ければホウライを見る 
6.ヨクをもって楹となす 
7.田をケイして牛を奪わる 
8.泰山のリュウ、石を穿つ 
9.政はホロの如し  
10.カカツの親   

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)
「プリニウスいわく、サルマタエ人、長旅せんと思わば、出立前一日その馬に断食せしめまた水を少なく飲ます、しかすると一日に百五十マイル走り続け得と。滝川一益北条勢と戦い負けた時炎天ゆえ馬渇せしに、河水を飲ませて乗りしに走りア.僵れ、飲ませなんだ馬は命を全うしたというに似ている。して見ると我輩も飲まぬ方がよいかしらん。『神異経』に、〈大宛宛丘の良馬日に千里を行き、日中に至りて血を汗す〉とはいかがわしいが、チュクチー人など、シャーマーン(方士)となる修業至ってむつかしく、時として苦しみの余り、イ.衄や血の汗を出すという(チャプリカの『西伯利原住人アボリジナル・サイベリア』一七九―一八〇頁)。あるいはいわく、衄を塗りて血汗に擬するのだと。『本草綱目』に、馬ウ.杜衡を食えば善く走り、稲を食えば足重し、鼠糞食えば腹脹る・・・
・・・
 馬の食物にも、種々流儀の異なったのがある。タヴェルニエーの『印度紀行』に、ウンチミッタ辺で毎朝蝋のごとき粗製の黒砂糖と麦粉と牛酪(バター)を練り合せて泥丸となし、馬にエ.嚥ましめ、その後口を洗い歯を潔めやると見え、サウシの『随得手録コンモンプレース・ブック』二には、麪麭(パン)で馬を飼った数例を挙ぐ。『馬鳴(めみょう)菩薩伝』にいわく、昔北天竺の小月氏国王、中天竺をオ.伐ちて三億金を求む。中天王わが国に一億金すらなしというと、小月氏王いわく、汝が国内に、仏が持った鉢と、弁才勝れた比丘とあり、この二大宝を二億金の代りに我に寄こせと、中天王惜しんで与えそうもなきを見、かの比丘説法して、世教は多難なる故、王は一国のみを化す、これに引き替え、仏道は四海に1.グズウすべく、我は四海の法王たるべき身分だから何処へ往ったからって親疎の別を存せずというを聴いて王感服し、鉢と比丘を渡ししもうた。それを伴れて使が小月氏国へ還ると、国の諸臣議すらく、仏鉢は直(まこと)に貴く王これを崇むるはもっともだが、かのカ.木菟入こそ怪しからぬ、あんなありふれた坊主を一億金代りに受け取ったは大勘違いでなかろうかと。王はもとよりかの比丘が無類の偉人で、弁才能く人間外の物をすら感ぜしむるを知ったから、諸群惑をいかにもして悟らせようと考えて、七疋の馬を五日間餓えしめ、六日目にあまねく内外の2.シャモンと異学の徒を集め、かの比丘を3.ショウじて説法せしめると、一同開悟せぬはなかった。さて説法所の前に七つの馬を繋ぎ、馬は浮流草を嗜(この)めばとて浮流草を与えしも、馬ただ涙を垂れて法を聴くのみ、少しも草を食う意なき様子、天下すなわちその不世出の比丘たるを知り、馬がその恩を解したから馬鳴菩薩と号(なづ)け、北天竺に仏法を弘めたと。浮流草は詳らかならぬが水流に浮かみ、特に馬が嗜み食う藻などであろう。ホンダワラ一名神馬草、神功皇后征韓の船中キ.秣に事欠き、この海藻を採って馬に飼うた故名づくと(『下学集』下)。『能登名跡志』またこの藻もて義経が馬に飼うたてふ、4.リデンを載す。」「十二支考 馬に関する民俗と伝説 伝説二」(南方熊楠))
(B)
「上野広小路は火事の少い所で、松源の焼けたことは記憶にないから、今もその座鋪ざしきがあるかも知れない。どこか静かな、小さい一間をと誂えて置いたので、南向の玄関から上がって、真っ直に廊下を少し歩いてから、左へ這入る六畳の間に、末造は案内せられた。
 印5.バンテンを着た男が、渋紙の大きな日覆いを巻いている最中であった。
「どうも暮れてしまいますまでは夕日が入れますので」と、案内をした女中が説明をして置いて下がった。真偽の分からぬ肉筆の浮世絵の軸物を掛けて、一輪6.ザしに山梔の花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻した。
 二階と違って、その頃からずっと後に、殺風景にも競馬の7.ラチにせられて、それから再び8.ソウソウク.閲して、自転車の競走場になった、あの池の縁の往来から見込まれぬようにと、切角の不忍の池に向いた座敷の外は籠塀で囲んである。塀と家との間には、帯のように狭く長い地面があるきりなので、固より庭と云う程の物は作られない。末造の据わっている所からは、二三本寄せて植えた梧桐の、油雑巾で拭いたような幹が見えている。それから春日燈籠が一つ見える。その外には飛び飛びに立っている、小さい側栢(ひのき)があるばかりである。暫く照り続けて、広小路は往来の人の足許から、白い土烟りが立つのに、この塀の内は打水をした苔が青々としている。
・・・
一体お玉の持っている悔しいと云う概念には、世を怨み人を恨む意味が甚だ薄い。強いて何物をか怨む意味があるとするなら、それは我身の運命を怨むのだとでも云おうか。自分が何の悪い事もしていぬのに、余所から迫害を受けなくてはならぬようになる。それを苦痛として感ずる。悔しいとはこの苦痛を斥(さ)すのである。自分が人に騙されて棄てられたと思った時、お玉は始めて悔しいと云った。それからたったこの間妾と云うものにならなくてはならぬ事になった時、又悔しいを繰り返した。今はそれが只妾と云うだけでなくて、人の嫌う高利貸の妾でさえあったと知って、きのうきょう「時間」の歯で咬まれて角がつぶれ、「あきらめ」の水で洗われて色の褪めた「悔しさ」が、再びはっきりした輪廓、強い色彩をして、お玉の心の目に現われた。お玉が胸に9.ウッケツしている物の本体は、強いて条理を立てて見れば先ずこんな物ででもあろうか。
 暫くするとお玉は起って押入を開けて、象皮賽(ぞうひまがい)の鞄から、自分で縫った白10.カナキンの前掛を出して腰に結んで、深い溜息を衝いて台所へ出た。同じ前掛でも、絹のはこの女の為に、一種の晴着になっていて、台所へ出る時には掛けぬことにしてある。かれは湯帷子にさえケ.領垢の附くのを厭って、鬢やコ.髱の障る襟の所へ、手拭いを折り掛けて置く位である。
 お玉はこの時もう余程落ち着いていた。あきらめはこの女の最も多く経験している心的作用で、かれの精神はこの方角へなら、油をさした機関のように、滑らかに働く習慣になっている。」 「雁」(森鴎外)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その4 標準解答>
(一)
1.せんかん・せんあつ *大字源は両読み *「もっぱらつかさどる、独占する、擅管」 *「斡(つかさど)る」 *漢検2“カン”読みでの意味分けとなっている・・・熟語掲載ナシ。 2.きょじゅん=草の名(ちさ) 3.かくかい=的確な解釈 4.がんらん:乱を定める、乱敵に勝つ 5.ようきん *災いのきざし 6.わごん 7.けんつい (意味:広辞苑・大辞林など参照) 8.せんじょ 9.しょうそう *機密を要するもので直接上奏する書類 10.しん *ふしづけ、ふし 11.てんすい (詩経)つかれくるしむ、痛み疲れて滅びる 12.さくさく *恐れるさま、驚き恐れるさま 13.くんしゅう *衣服の折り込みのひだ 14.てんぱく *欲が少なくあっさりしているさま 15.とんち *つまずく、転じて、苦しい状態に陥る 16.はいかん *そむきおかす 17.りんり *支配者の地位につく 18.ふんどう *かまびすしい、がやがやののしる 「呶(ド、ドウ)」:“ド”は慣用読み。「呶呶(ドド・ドウドウ)」「喧呶(ケンド)」は“ド”読みあり。“フンド”でも可かどうか不詳。 19.ほんせい *ほうきぼし。彗星。「賁」は“はしる”意。 20.ひょうはく・ひゅうはく *虎の皮の斑紋
21.あかぎれ 22.さらい 23.にじゅう 24.しろき 25.けぬき 26.とみみ 27.わきばさ(む) 28.あこう 29.かちどき 30.ひがい
(二)
1.垣間 2.祈(ぎ事) 3.許(り)4.塞(く)・堰(く) 5.漿果 6.欸乃 *(大見出し)欸乃(あいだい・あいない):①船頭のかけ声。また、櫓(ろ)のきしむ音。②舟歌。③きこりの歌。 7.蜩・茅蜩 8.腹癒(せ) 9.蚰蜒 10.嘶(く) 11.黒檀 12.狡(い) 13.耆宿 14.諡号 15.鴻学 16.溝壑 17.条暢 18.冗長 19.籡 20.鞐
(三)
1.洗胃(せんい):胃袋を洗い清める。転じて、心を改める。*「飲灰洗胃」からでも発想したいところ・・・。
2.嶄嵌(ざんかん):山が険しく奥深いさま 
3.傚慕(こうぼ):同じようにしたい、なりたいと思うこと
4.餔啜(ほせつ):①食べたりすすったりする。飲食。②職務を果たさないで俸給をむさぼるたとえ。
5.聊浪(りょうろう):①気ままにふるまうさま、気ままにぶらつくさま ②心がのびのびして物事にこだわらないさま、ほしいままにするさま
(四)
問1
1.旌旗 2.池塘 3.揣摩 4.鼠窃 5.枌楡 6.耳染 7.戮力 8.金匱 9鴆毒・酖毒 10.成蹊
*目濡耳染(もくじゅじせん):見たり聞いたりするうち、自然に能力がつくこと 「濡染」(漢検2)
問2
1.りょうこ 2.たいばく 3.こてつ 4.いんきょう 5.ちゅつひん
*大貉小貉(たいばくしょうばく):文化程度の低い野蛮人のような為政者
(五)
1.あざらし 2.さいかち 3.おとり 4.えやみぐさ 5.さざえ 6.かなばし 7.ささべ 8.もやい 9.げんげ 10.かえるまた 
(六)
1.こうがん 2.あなど(る) 3.たくふう 4.ひら(く) 5.こうふん 6.くる(う) 7.ちゅうとく 8.むく(いる) 9.しゃこう 10.かこつ(ける)
(七)
1.椎鈍 2.轟酔 3.夕陰 4.緘黙 5.糲粢
6.尺一 7.贐送 8.風箏 9.津筏 10.灯檠
(八)
1.紛 *「解紛」=糸のもつれを解く。転じて、世の乱れを治める。「難に遭い、能く、紛を解く」(左思)
2.朝 3.二 
4.拱把(漢検2掲載熟語) *ひと抱え、ひと握りの桐や梓 (孟子)
5.蓬莱 6.杙 
7.蹊 「蹊田奪牛」:他人の田地に牛を連れて入り、その罰として牛をとられてしまう。罪の割に刑が重いたとえ。
8.霤 9.蒲盧・蒲蘆 
10.瓜葛 長くつるを伸ばした枝や葉が絡み合っている瓜や葛の ような、親戚のつながりのたとえ。
(九)
1.弘通 2.沙門 3.請 4.俚伝 *民間伝承、民俗のこと 5.絆纏(半纏・袢纏) 6.挿 7.埒 8.滄桑(広辞苑では「桑滄」も同義としている) 9.鬱結 10.金巾
ア.たお イ.はなぢ ウ.かんあおい エ.の オ.う カ.ずくにゅう キ.まぐさ ク.けみ ケ.えりあか コ.たぼ
👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その3 >

2016年12月20日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●ごく一部の問題を除いて、ほとんど新出問題ばかりなので、むっずかしい“実力試験問題”のようです。漢検レベルから20~30点ぐらいは、低くなると思いますので、訓練用にお使いください。
●ただし、漢検2辞典からそれほど外すことのないようにしているので、お役には立つかと思います(音読み問題・文章題以外は、ほとんど漢検2掲載熟語、および、その熟語から派生している問題としています。)
●今回、<その2>より難問多いと思う・・・「語選択」難 「四字熟語」やや難 「対・類」難×難 「故事成語」やや難・・・という感じかも。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)音読みは基本的には<漢検2>および<大字源>の読みにしています。他の読み方もあるかも知れませんので、解答以外の読みもあるようでしたらお知らせいただけると有り難いです。

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その3>

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30

1.促轡により駑馬を疾行させる 
2.離恨の思いに哽饐する 
3.辺塞にて戎夷を栞奠す 
4.卉然として草木が萌え出る 
5.妖蠱な姿態に幻惑された 
6.竹筴を用いて炭火をつかむ  
7.便娟として雪が舞い飛ぶ  
8.この厳しい寒さに洒然として驚く  
9.湫阨の地に謫居せらる 
10.流言蜚語が巷に漬浸する  
11.賊徒、萃然と翕合す  
12.披顔、倩倩を争い、逸足、駸駸を競う 
13.其の条肄を伐る 
14.春の耕作の前、游畋す  
15.胡狄、顚狽、頓躓す 
16.掖庭に稗販の有るを見る  
17.月明に蕎麦の花、雪の如し
18.燔炙、芬芬とす 
19.皎皎たる白駒、賁然として集まる 
20.京洛にて鑾蹕に遭遇する 
21.な行為に耽る        
22.このは美味しい 
23.が鳴く季節になった 
24.圧制のを逃れる
25.白糸で縁をる 
26.縁を丁寧にる 
27.朴歯の下駄を履く
28.昔、宮中で「の祭」が行われていた
29.知人のを頼まれた 
30.梻も香気あるがからは天然の香料が得られる 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.老眼のため、目がカスむ 
2.他人と会うのがケウトい 
3.鳥獣おどしのがしが、転じて“案山子”となった   
4.暴力団同士が縄張りをめぐってハリアっている  
5.モクシュクは肥料・牧草となる“うまごやし”のことである 
6.今度の作品はジョウジョウの出来ばえだ  
7.体を切り裂くという、残酷なコタクの刑罰が実施された 
8.ビンロウジュの生い茂る熱帯林を行く 
9.俯瞰するに、ムリョ数千人の人出だ 
10.野卑な言葉をロレツする 
11.負けん気が頭をモタげてきた 
12.カノトトリの年は変事が多い 
13.試合は最後までモツれた 
14.ゲンガク的なブログにしないように気をつける 
15.煉瓦積みや壁などの仕上げにコウデイを用いる 
16.勝ち負けにコウデイすることなく戦う  
17.墨と蠟燭を全部で三チョウ、調達した  
18.紙に包んだ散薬を五チョウ、購入した  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19.この寒さはトテも我慢できない 
20.ハタハタは醢汁鍋の材料だ 

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.最も重要な人物。棟梁。柱石。
2.ひぐれ、日暮れまで職務に精を出すこと
3.す(酢)のこと
4.土地が高いところにあってうち開けている
5.花が乱れるさま、また、ばらばらに乱れ散るさま
<語群>
(すうせき、けいしょう、けいかい、えいとう、ふんぴ、こうしょう、せきれい、かんしょく)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )向日 ( 2 )蹐地 ( 3 )跋扈 ( 4 )夜遊 ( 5 )之患 
尺一( 6 ) 勇気( 7 ) 終南( 8 ) 亮遺( 9 ) 歓喜( 10 ) 
<語群>
(りんりん、きょくてん、ちょうりょう、しょうけい、きんかく、きけい、ちゅうえき、へいしょく、べんぶ、しょうしょ)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.兄弟友愛の厚いたとえ
2.喪服の種類(三年の喪と一年の喪に用いるもの)
3.身近にある物を、わざわざ他に求めるおろかさのこと
4.かたくなで道理に暗く、鈍いこと
5.世にもまれな名医
<四字熟語群>
耆婆扁鵲  軽佻浮薄  右顧左眄  騎驢覓驢   冥頑不霊  斬衰斉衰  載籍浩瀚  灼艾分痛)

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.豪猪 2.行器 3.馬陸 4.羅漢柏 5.角鴟 6.胡頽子 7.紅菰 8.桔槹 9.芽子 10.苦菜

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.甄陶 - 2.甄る 
イ.3.屯困 - 4.屯む  
ウ.5.蹇滞 - 6.蹇まる 
エ.7.羂結 - 8.羂る  
オ.9.晤言 - 10.晤う  

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.慟哭 2.肥饒 3.贔屓 4.称揚 5.抽苗    
6.頽陽 7.錯乱 8.端緒 9.梧右 10.粗朶
<語群>
(けんぼく、しんさい、こうしょう、こうはく、そうおう、けいぎ、けつかつ、へいこう、へんぼう、げつが)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.ジョウキョも木を断ち、水滴も石を穿つ
2.ドウコウを招(つ)ぐ
3.シンニョウを掛ける
4.メイメイの志無き者は昭昭の明なし
5.スイより行
6.椒花落つるときショウエン起こる
7.寝るにせず  
8.イッスイの寒燈、眼を照らして明らかなり  
9.千里の差、ゴウタンより興る 
10.後生畏るべし、来者い難し  

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)
「さきに『淮南子』の塞翁の馬の譚は支那特有のものらしいと述べ置いた。その後種々調べても支那外の国にかかる譚あるを見当てぬが、支那自身においては『淮南子』より三百年ほど前似たものが行われていた。それは『列子』の説符第八に、三代続いて仁義を行った宋人方の黒牛が白いア.犢を生んだので、孔子に問うと吉祥と答えその犢もて神を祭らしめたが、ほどなくその人盲となった。その後その牛また白い犢を生み、孔子に問うと、相変らず吉祥と答えまた祭らしめると、一年してその人の子も盲となり、これでは孔子の予言も当てにならぬと思いいる内、楚軍宋を囲み宋人従軍して多く死す。しかるに彼の父子のみ揃うて盲の故を以て徴兵を免れ、さて戦い済んで二人ながらたちまち眼が開いたから、前に不吉と惟うた事も孔子が言った通り吉祥と知れたとあって、林希逸は〈この章塞翁馬を得て馬を失うと意同じ〉と評した。人間万事塞翁の馬という代りに、宋人の牛といっても可なりだ。漢の王充の『論衡』六にもこの話出づ。これから屁の話の続きだ。
 ローラン・ダーヴィユーまた述べたは、かつてアラビヤのある港で、一水夫が灰一俵かたぐるとて一つ取り外すと、聴衆一同無上の不浄に汚されたごとく争うて海に入るを睹た。またアラビヤ人集まった処で一人ローランに仏人能く屁を怺えるの徳ありやと問うた。無理に怺えてはすこぶる身を害すれど、イ.放って人に聞かしむるを極めて無礼とす、しかしそれがため終身醜名を負うような事なしと答うると、斉しく一同逃げ去った。問いを発した本人は暫く茫然自失の様子、さて一語を出さず突然起って奔りおわり爾後見た事なしと。ロ氏のこの談で察すると、当時仏人は音さえ立てずば放って悔いなんだらしい。いかさま屁の事は臭きより後にする道理で、予はこの方とんと不得手故詳しく調べ置かなんだが、ロ氏に後るるおよそ百年ジュフールの説に、古ローマ人は盛礼と祭典の集会においてのみ屁を制禁したが、その他の場所また殊に食時これを放るを少しも咎めず、ただしアプレウスの書に無花果の一種能く屁放らしむるを婦女避けて食わずとあれば、婦女はなるべくウ.扣え慎んだらしいとあって、古ローマ人は放屁に関して吾輩と全く別の考えを懐いたのだと断じ居る。されば他事はともあれ、屁の慎みは今の欧人が昔よりも改進したのだ。予が学び知るところまた自ら経験せるところを以てすれば、屁とか1.シャクりとかいうものはこれをエ.恣にすれば所を嫌わず続出し、これを忍べば習い性となって決して暴かに出て来るものでない。故アーネスト・ハートなどは、人と語る中ややもすれば句切り同然に放っていたが、それは廉将軍の三遺失に等しく、甚く2.オイボれたのだ。今日満足な欧人で音さえ立てずば放捨御免など主唱する者なく、上流また真面目な人はその話さえせぬ。却説(さて)一昨年岡崎邦輔君の紹介である人が予に尋ねられたは、何とかいう鉄道は鬼門に向いて敷設され居るとて一向乗客少ない。鬼門など全く開けた世に言うべき事でない理由を弁じて衆妄を排し、かの鉄道の繁栄する方法がありそうなものというような事だった。因って予岡崎君に返事した大要は、マックズーガル説に、人間は訳が判ったからって物を怖れぬに限らぬ。自分は動物園の鉄圏堅くてなかなか猛獣が出で来るべきにあらずと知悉すれど、虎がこっちへ飛び掛りて咆ゆるごとに怖ろしくてわが身の寒きを覚えるを制し得なんだ事ありとあったと記憶する。それと等しく鬼門の3.タタりなど凡衆にとって有無ともに確証を認めぬながら、君子は有るを慮おもんぱかり無しを慮らず、用心に越した事なしてふ了簡がほとんど天性となり居るところへ以て、4.ソチョウの弁でその妄を説いたって容易に利く事でなかろう。かつそれ風を移し俗を易えるは社会の上層から始め、下これに倣うてようやく事成る。
・・・」(「十二支考 馬に関する民俗と伝説 伝説二」(南方熊楠))

(B)
「さてついでに申し置くは壮時随分諸邦を歩いた時の事と思おぼし召せ。ある邦の元首5.タイゼン(注)の公報に、その詳細を極めんとの用意が過ぎて、下気出る時の様子までも載せあった。昔は帝堯が己に譲位すべしと聞いて潁川(えいせん)に耳を洗うた変物あり、近くは屁を聞いて海に入り、屁を聞かせじと砂にオ.賺し込む頑民あり、さまでになくとも高貴の方の下気など誰一人あるべき事と期待もせねば、聴きたがりもせず。それを公報に載せて職に尽くせしと誇るは、羊をカ.攘んだ父を訴えた6.チョッキュウ者同然だ。かかる無用の事を聞かせて異種殊俗の民に侮慢の念を生ぜしめ、鼎の軽重を問わるるの緒を啓いた例少なからず。かく言うものの、賺し屁の放り元同然日本における屁の故事を詳らかにせねど、天正十三年千葉新介が小姓に弑せられたは屁を咎めしに由り、風来の書いた物に遊女が放屁を恥じて自殺せんとするを、通人ども堅く口外せぬと誓書を与えて止めたと見れば、大昔から日本人は古ローマ人のごとく屁を7.カンカせず、海に入り砂に埋むるまでなくとも、むしろアラビヤ人流に厳しく忌んだらしい。これすなわち本邦固有の美風だから、吉凶にかかわって日時を転(かえ)るの旧慣を絶つとも、下気は泄出の様子までも公報する外国風を採るなどの事なきを望むと、かく答えた予の書牘を読んで、誠に万事西洋模倣の今日よいところへ気が付かれたと、昨春田辺へ来られた節まのあたり挨拶あり。それも決して座成り的のものでないと見え、何処かへ代議士が集った席でも話出て感心しきりだったと、中村啓次郎氏から承った。三十年ほど前予米国にあって、同類の学生を催し飲酒度なく、これを非難せしとて岡崎氏等を悪口してやまなんだが、氏の寛懐なる、二十一年来この片田舎に8.ギョカを友とし居る予を問われたが嬉しさに、覚えずかく長く書いたのだ。その頃故エドウィン・アーノルドが東京に9.ライグウし、種々筆した内に「初め冗談中頃義理よ、今じゃ互いの実と実」てふ10.ドドイツを賞めて訳出した。その鑑識に驚いて予が小沢という人に話し、小沢また岡崎氏に向って受け売りすると、恋愛の実境はそんな言ではキ.悉し得ない、すべて少年はク.縹緻を重んじ中年は意気を尚ぶ、その半老以後に及んではその事疎にして情 転たケ.熾んに、日暮れ道遠しの事多し、ただ身分(しんぶん)の健否を問うのみと言われた由。この語コ.洵に神に通ずで、人間のみかは畜類について察するも、齢の加わるに随って心情の移り変るかくのごとき例甚だ多し。その移り変るを上進と見んか堕落と言わんかちょっと分りにくいが、邦俗二十の後家は立ちて、三十の後家は立たぬといい、若くて清貞の聞え高く老後汚名を流せし者諸国の史筆を絶たぬは、皆岡崎氏の説通りの訳に基づくらしく、在英中高名のある学者に語ると、日本にも偉い人がある、今日欧州で婦女の徳行を論ずる者も、大抵その通りの標準に拠って酌量を加えいるが、いまだ岡崎氏ごとく手短く定則的に確言した者あるを聞かぬと感心された。三十二、三でかく観察力に富みいた岡崎氏が、政治の代りに学問に懸り続けられたなら、一方ならずわが邦の学術を進めたはずだ。かの学者は著書すこぶる多いが居常至って多忙で、予が一々所拠を明らかにして告げた事も多くは予の言として記しある。大戦争始まってより音信ないが、もしその書中に右の岡崎氏の言を予の言のごとく書きあったなら、見る人予は単に氏の言を吹聴したに過ぎぬと知られよ。」(「十二支考 馬に関する民俗と伝説 伝説二」(南方熊楠))
(注)タイゼン:病気が次第に重くなること。殊に、帝王の病気が重くなること。
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その3 標準解答>
(一)
1.そくひ:手綱をしぼって馬の足を速める 2.こうえつ:むせびなく、涙にむせぶ (他に、“食べ物がのどに詰まる”意もある) 3.かんてん(=平定)(弊ブログ:*栞正=刊正 栞奠=平定 竣栞 不栞・・・などの熟語あり。) 4.きぜん:盛んなさま、勃然 5.ようこ:人をまどわすほどあでやかなこと 6.ちくきょう:竹のはし 7.べんえん・べんけん:①美しくなまめかしい ②舞うさま ③雪が軽く飛ぶさま 8.そんぜん 9.しゅうあい・しょうあい:狭くて低い 10.ししん 11.すいぜん:集まるさま 12.せんせん:麗しいさま 13.じょうい:切ったところから、また芽が生じて伸びた枝。 14.ゆうでん:狩り・狩猟のこと 15.てんばい:つまずきうろたえる 16.はいはん:小商人、裨販 17.きょうばく 18.はんしゃ:やきにく。あぶり肉。 19.ひぜん:あやのあるさま、光彩のあるさま 20.らんひつ *天子の行列
21.みだら △よこしま(ちょっと読みとして妥当か疑問) 22.あまざけ 23.ほととぎす 24.くびき 25.かざ(る) 26.かが(る) 27.ほおば 28.みずのと 29.なこうど 30.じんこう
(二)
1.翳 2.気疎(い) 3.嗅(がし) 4.抗(っている)(注)「張合う」でも許容されそう。 5.苜蓿 6.上乗 (注)漢検2「上上」と「上乗」、ともに大見出し項目で使い分けしているようだ・・・「上上」でも可かどうかは不詳。 7.刳磔 8.檳榔樹 9.無慮 10.臚列 11.擡(げてきた) 12.辛酉 13.縺(れた) 14.衒学 15.膠泥 16.拘泥 17.梃(「丁」も可。) 18.貼 19.迚 20.鱩・鰰
(三)
1.楹棟(えいとう):はしらとむなぎ。転じて、最も重要な人物。棟梁。柱石。
2.旰昃(かんしょく):ひぐれ、日暮れまで職務に精を出すこと
3.醯醬(けいしょう):す(酢)のこと *「醯漿(けいしょう)」は“しおから、ししびしお”(大字源)
4.高敞(こうしょう):土地が高いところにあってうち開けている
5.紛披(ふんぴ):①花が乱れるさま ②ばらばらに乱れ散るさま ③多いさま ④落ち着いてゆったりしているさま
(四)
問1
1.葵傾 2.跼天 3.跳梁 4.秉燭 5.肘腋 6.詔書 7.凛凛 8.捷径 9.巾幗 10.抃舞 
*きけいこうじつ:君主や目上の人の徳をあおぎ慕うこと
*ちゅうえきのかん(うれい):身近なところで起きた災い
*せきいつしょうしょ:古代中国の天子の詔のこと
問2
1.しゃくがい 2.しさい 3.べきろ 4.めいがん 5.ぎば
*灼艾分痛(しゃくがいぶんつう):兄弟友愛の厚いたとえ(故事あり)
*斬衰斉衰(ざんさいしさい):喪服の種類(三年の喪と一年の喪に用いるもの)
(五)
1.やあまらし 2.ほかい 3.やすで 4.あすなろ 5.みみずく 6.ぐみ 7.べにたけ 8.はねつるべ 9.はぎ 10.のげし
(六)
1.けんとう 2.つく(る) 3.ちゅんこん 4.なや(む) 5.けんたい 6.と(まる) *「とど(まる)」訓はナシ。 7.けんけつ  8.くく(る) 9.ごげん   10.あ(う)
(七)
1.哄笑 2.磽薄 3.秉公 4.貶謗 5.挿秧
6.傾羲 7.頡滑(けつかつ・けつこつ) 8.孼芽・櫱芽 9.硯北(研北) 10.薪柴
(八)
1.縄鋸 2.堂構:父の事業を子が継ぐ。堂構=父祖の徳業。子が父祖の業を継ぐ楽しみを「堂構の楽しみ」という。 3.之繞 *シンニュウとも読む。 4.冥冥 5.推:推察ばかりで実際に行わなければ本当のことはわからない  6.瘴煙 7.尸 8.一穂:一つの穂。稲や矛、筆・灯火、煙など細長いもの一つ。(木戸孝允(桂小五郎)の漢詩の一部から)  9.毫端:毛の先。極めて微細なもののたとえ。 10.誣:(意味からしたら「詆」でも可かもしれないが、原典は「誣」。)
(九)
1.噦 2.耄 *原文は「耄」だが、「老耄(れる)」でも許容されそう。 3.祟 4.蘇張 5.大漸 6.直躬 7.寛仮 *「看過」でも良さそうだが、原文は「寛仮」。 8.魚蝦 9.来寓 10.都々逸(都々一)
ア.こうし イ.ひ(って) ウ.ひか(え) エ.ほしいまま オ.すか(し) カ.ぬす(んだ) キ.つく(し) ク.きりょう ケ.さか(ん) コ.まこと
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お知らせ:漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その3 >配信

2016年12月20日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●この後、すぐ、「漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その3 >」を配信します。
●28ー3向け模擬試験問題、他の記事に比べてダントツの閲覧数です。即効性ありますからね、大いに学習してください。

●なにしろ、“タダ”ですからね、タダ、無料・・・私も経験上、ブログ上の模試・・・こんな有り難いものはなかったです。チャレンジ当時はそれほど多くはありませんでしたけど・・・私の場合、「漢字戦場~ブレイズム漢字講座ブログ~」さんの模試で鍛えさせてもらいました。

●今は、模擬試験問題を提供してくれているブログも増えていますね・・・。弊ブログのほか、
 「漢検1級模擬試験倉庫」・・・現在24模試
 「漢検1級リピーター『猫姐(ねこねえ)』が行く」・・・現在16模試
 「漢字戦場~ブレイズム漢字講座ブログ~」・・・現在17模試
 *その他のブログでもいくつかありますが、10模試を超えるブログは私の知る限り、以上のブログでしょうか・・・。

●上記3つのブログ模試と弊ブログの模試を合わせると、今は、なんと100を超える模試がネット上にあることになります。これらを「過去問」ととらえると、なんと、30年分以上の過去問ということになります!!・・・何度も言うようですが、“タダ”ですよ、“タダ”・・・活用しない手はないと思います。・・・市販の問題集を幾つも買うよりも、断然、質・量ともに優れていて良いと思いますけどねえ・・・

👍👍👍 🐒 👍👍👍





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その2 >

2016年12月19日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●ごく一部の問題を除いて、ほとんど新出問題ばかりなので、むっずかしい“実力試験問題”のようです。漢検レベルから30~40点ぐらいは、低くなると思いますので、訓練用にお使いください。
●ただし、漢検2辞典からそれほど外すことのないようにしているので、お役には立つかと思います(音読み問題・文章題以外は、ほとんど漢検2掲載熟語、および、その熟語から派生している問題としています。)
●<その1>に比べたら、少しは易化していると思うのだが・・・どうかな?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)音読みは基本的には<漢検2>および<大字源>の読みにしています。他の読み方もあるかも知れませんので、解答以外の読みもあるようでしたらお知らせいただけると有り難いです。

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その2>
(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.其の娃娃をあやす 
2.春態、紛として猗儺たり 
3.あまりの悲しみに咽咽とする  
4.撃缶で拍子をとる 
5.翕翼して飛び去る能わず 
6.人生を筴筮で占う 
7.先人の技術を倣傚する 
8.蕭艾を相手とせず 
9.層榻を踏み台に攀登す 
10.肥碩な偉丈夫と邂逅した 
11.臣下の藻梲は僭越な驕りである  
12.草木鬯茂し、銅駝荊棘たり  
13.四野、畛畷無数なり
14.棚を作るに框檔を用いる 
15.衆庶の胸詈は主上に届かず 
16.讒言により黜剝を受けた
17.西施、西湖にて潘沐す 
18.長幼、士女、頒斌として交集す 
19.典論を畢覧する 
20.畋猟のため罘罕を携行す 
21.会場は興奮のとなった     
22.見を多くして殆うきをく 
23.この醴をめる  
24.実に十寸もある大馬だった 
25.を神に捧げる 
26.反嘴鴫は旅鳥として渡来する 
27.かな心で人と接する 
28.かべのように切り立った岩山のを登る
29.非難のを向ける
30.しい菊の香りがする    

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.この洋菓子はなんともマロやかな風味がする 
2.そんな処置ではテヌルいぞ 
3.ナリフり構わず逃げ出した  
4.キリの良いところでやめる  
5.恋すて我名はマダキ立ちにけり人知れずこそ思い初めしか
6.コンソンの次の世代を仍孫という
7.表着はスオウの織物だった  
8.軍中にコホンの士あり 
9.ベイエンの資は必要不可欠だ 
10.孤立無援でロカイがない 
11.寝苦しくて悪夢にウナされる 
12.イシに甘んじて使われる 
13.都から遠く離れたヒリに隠棲する  
14.口には出さず、ヒリの陽秋に徹する 
15.カンゼンとして笑う       
16.彼はカンゼンするところが無い  
17.先人の遺業をカイコウする 
18.30年ぶりに旧友とカイコウした 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19.オオボラは鯔の成長したものである 
20.穀物をカマスに入れて運ぶ 

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.人として守るべき不変の法
2.①学問や知識に広く通じる。②あまねく行き渡る
3.自由で愉快なさま
4.よこしまな官吏、国をむしばむ官吏
5.継ぎはぎした布団。転じて、先人の文章を継ぎはぎしてつくった文。
<語群>
(ごけん、のうひ、がいこう、しつかん、いけん、くくぜん、しょうしょうこ、はいし)
 
(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   

問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。(20) 2×10
( 1 )点呼  ( 2 )虎視  ( 3 )狼貪  ( 4 )之学  ( 5 )五典 
膠柱( 6 )  因果( 7 )  鞠躬( 8 )  彫虫( 9 )  狂言( 10 ) 
<語群>
(りょうじょう、てきめん、ようこん、てんこく、じんすい、かんえつ、きしょう、さんぷん、きご、こしつ)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.ともに利益を得るたとえ 
2.様子をうかがい、これにならって真似をすること
3.混雑しているさま
4.好きになればどんなことも気にならなくなるという喩え
5.困難を乗り越えて遠路を行くこと

<四字熟語群>
蓼虫忘辛 涸轍鮒魚 肩摩轂撃  苛斂誅求  造次顚沛  百舎重繭  涸沢之蛇  窺伺傚慕

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.香蕈 2.大口魚 3.郁子 4.懸鉤子 5.沢瀉 6.飛白 7.寒蟬 8.知更鳥 9.牛皮消 10.怪鴟

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.歙肩 - 2.歙める 
イ.3.鞏固 - 4.鞏い 
ウ.5.荏弱 - 6.荏らか 
エ.7.建水 - 8.建す 
オ.9.捲勇 - 10.捲む 

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.独奏 2.晏起 3.誠実 4.吻合 5.騰貴 
6.仙掖 7.満座 8.朶雲 9.歌稿 10.獄門
<語群>
(しゅくこう、しえん、ようかん、けつかつ、さんらく、かんしゅ、えいそう、まんがく、かんりんいん、ていご)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.キンチョウ百を数えると雖も一鶴に如かず
2.戦陣の間には、サギを厭わず
3.志合えば胡越もコンテイなり
4.ヒカンを急にする者は千里の御に非ず
5.ジュウリョの慶
6.ロウライを待ちて自ら悔ゆること莫れ
7.蟷螂が隆車に向ってチョウヒを頼む
8.マンランの言を為す
9.能なき者は、飽食して敖遊し、汎としてフケイの舟のごとく、虚にして敖游する者なり  
10.蝨、コンチュウに処る 

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)
「学者や富豪に奸人多きに引きかえ、下民は常に命運の薄きを嘆くより、したがって信心によって諦めを啓かんとする念深く、何の道義論哲学説を知らぬながらに、姦通すれば漁利空し、虚言すれば神罰立ちどころに至ると心得、ために不義に陥らぬこと、あたかも百二十一代の至尊の御名を暗誦せずとも、誰も彼も皇室を敬するを忘れず、皇族の1.ホウタイア.睨めば眼が潰るると心得て、五歳の2.チョウシンも不敬を行なわぬに同じ。むつかしき理窟入らずに世が治まるほど結構なることなく、分に応じてその施設あるは欧米また然り。フィンランド、ノルウェーなどには、今も地方に吹いたら飛ぶような木の皮で作った紙製〔ママ〕の礼拝堂あり。雪中に一週に一度この堂に人を集め、世界の3.シンブンを報じ、さて郵便物の配布まで済ませおる。老若男女打ち集い歓喜限りなし。別に何たるむつかしき説法あるにあらず。英国なども、漁村には漁夫イ.水手相応の手軽き礼拝堂あり。これにウ.詣る輩むつかしき作法はなく、ただ命の洗濯をするまでなり。はなはだしきは、コーンウォール州に、他州人の破船多くて獲物多からんことを祈り、立てた寺院すらあるなり。それは過度ならんも、漁夫より漁神を奪い、猟夫より山神を奪い、その祀を滅するは4.チドウの要に合わず。いわんや、山神も海神もいずれもわが皇祖の御一族たるにおいてをや。神威を滅するは、取りも直さず、皇威に及ぼすところありと知るべし。
・・・
むかしは熊野の5.ナギは全国に聞こえ渡れる名木で、その葉をいかに強く牽くも切れず、夫に離れぬ守りに日本中の婦女が便宜してその葉を求め鏡の裏に保存し、また武士の6.キンチョウ同様に女人はこのナギの葉を引きて誓言せり。定家卿が後鳥羽上皇に随い熊野に詣りし時の歌にも、「千早振る熊野の宮のなぎの葉を変はらぬ千代のエ.例にぞ折る」とあり。しかるに濫伐や移栽のために三山に今は全滅し、ようやく那智社境内に小さきもの一本あり。いろいろ穿鑿せしに、西牟婁郡の鳥巣という浦の社地小丘林中におびただしく自生せり。これも合祀されたから、早晩全滅ならん。すなわち熊野の名物が絶えおわるなり。オガタマノキは、神道に古く因縁深き木なるが、九州に自生ありというが、その他に大木あるは紀州の社地のみなり。合祀のため著しく減ぜり。ツグノキ、バクチノキなどは半熱帯地の木で、田辺付近の神林にのみ多かりしが、合祀のため今わずかに一、二株を存す。熊野の名産ナンカクラン、ガンゼキランその他希珍の托生蘭類も多く合祀で絶える。ワンジュ、キシュウスゲなど世界有数の珍なるも、合祀で全滅せんとするをわずかに有志の注意で止めおる。タニワタリ、カラタチバナ、マツバランなど多様の園芸植物の原産も合祀で多く絶えんとす。 」(「神社合祀に関する意見」(南方熊楠))
(B)
「・・・さて智馬と同類ながらオ.譚が大層誇大されたのが、仏経にしばしば出る馬宝の話だ。転輪聖王世に出でて四天下を統一する時、七つの宝自ずから現われその所有となる。七宝とはまず女宝とて、カ.膚艶に辞潔く妙相奇挺きてい黒白短なく、肥痩所を得、才色双絶で志性金剛石ほど堅い上に、何でも夫の意の向うままになり、多く男子を産み、種姓劣らず、好んで善人を愛し、夫が余女と娯しむ時も妬まぬ、この五つの徳あり。また多言せず、邪見せず、夫の不在に心を動かさぬ、三つの大勝あり。さて夫が死ねば同時に死んでしまうそうだから、後家にして他人へかかる美婦を取らるる心配も入らぬ重宝千万の女だ。それから珠宝、輪宝、象宝、馬宝、主兵宝、長者宝という順序だが、女宝の講釈ほどありがたからぬから一々弁ぜず、馬宝だけの説明を為さんに、これは諸経に紺青色の馬というが、『大薩遮尼乾子受記経』にのみ白馬として居る。日に7.エンブダイ洲を三度キ.匝って疲れず王の念うままになって毎(いつ)もその意に称うという(『正法念処経』二、『法集経』一)。『修行本起経』に紺馬宝は珠の8.タテガミを具うとあるもこれだ。紺青色の馬はあり得べからぬようだが、これはもと欧亜諸国に広く行わるる白馬を尊ぶ風から出たらしい。白馬が尊ばるる理由は、多般だがその一を述べると、明の張芹の『備辺録』に、兵部尚書斉泰の白馬極めて駿とし、靖難の役この馬人の目に立つとて墨を塗って遁げたが、馬の汗で墨が脱(お)ちて露顕し捕われたとある通り、白馬は至って人眼を惹く。したがって軍中白馬を忌む。しかるにまた強いと定評ある輩がこれに乗ると、同じく敵の眼に付きやすくて戦わぬ内に退いてしまう。『英雄記』曰く、公孫瓚(こうそんさん)辺警を聞くごとに、すなわち色をク.厲しくし気を作して、讎に赴くがごとし、かつて白馬に乗り、また白馬数十匹をケ.揀び、騎射の士を選ぶ、号(な)づけて白馬義従と為す、以て左右翼と為して、胡甚だこれを畏る。『常山紀談』に、勇士中村新兵衛、平生敵に識れ渡りいた9.ショウジョウヒの羽織と唐冠の10.カブトを人に与えて後 戦いに臨み、敵多く殺したが、これまで彼の羽織と兜を見れば戦わずに遁げた敵勢が、中村を認めずこれを殺してしまった。敵を殺すの多きを以て勝つにあらず、威を輝かし気を奪い勢いをコ.撓ますの理を暁るべしと出づ。この理に由って白馬は王者猛将の標識に誂え向きの物ゆえ、いやしくも馬ある国には必ず白馬を尊ぶ。」(「十二支考 馬に関する民俗と伝説 伝説一」(南方熊楠))
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その2 標準解答>
(一)
1.あいあい:①あかんぼう ②人形 2.あだ(=婀娜) 3.えつえつ:むせびなくさま (参考:鼓の音、咽咽たり えつえつ:鼓の音の調子) 4.げきふ 5.きゅうよく *翼をすぼめる 6.さくぜい *めどぎ 7.ほうこう:まねる、模倣する 8.しょうがい *よもぎ。雑草。転じて、卑しい人。小人のたとえ。 9.そうとう *腰掛けを重ねて踏み台にしたもの 10.ひせき *太って大きい。肥大。 11.そうせつ 12.ちょうも *伸び茂る 13.しんてつ *田間のあぜみち 14.きょうとう *木の枠。区分けのためにつける横木。 15.きょうり *心の中でののしる 16.ちゅつはく *退けて官職をはぎとる 17.はんもく *米のとぎじるで髪を洗うこと 18.はんぴん *まじりあう、いりまじる 19.ひつらん *すべてみる   20.ふかん *うさぎあみととりあみ 
21.るつぼ 22.のぞ(く) 23.な(める) 24.とき 25.ぬさ・みてぐら 26.そりはししぎ 27.ゆた(か) 28.がけ 29.きっさき(*他に、鋒、鉾、芒) 30.かぐわ(しい)
(二)
1.円 2.手緩(い) 3.形振(り) 4.限(✕切り) 5.夙 6.昆孫 7.蘇芳・蘇方・蘇枋(×素袍・素襖は直垂の一。) 8.虎賁 9.米塩 10.艪櫂(櫓櫂) 11.魘(される) 12.頤使・頤指 13.鄙俚 14.皮裏 15.莞然 16.間然 17.恢弘・恢宏 18.邂逅 19.鮱 20.叺
(三)
1.彝憲 2.該洽 3.栩栩然 4.蝨官 5.衲被(のうひ・どうひ)
(四)
問1
1.簡閲 2.竜驤 3.羊很 4.記誦 5.三墳 *さんぷんごてん:太古の書物の名。略して墳典。類)「八索九丘」 6.鼓瑟 7.覿面 8.尽瘁 9.篆刻 10.綺語
問2
1.こたく 2.こうぼ 3.こくげき 4.りょうちゅう 5.ちょうけん
*涸沢之蛇(こたくのへび):ともに利益を得るたとえ 
*窺伺傚慕(きしこうぼ):様子をうかがい、これにならって真似をすること
(五)
1.しいたけ 2.たら 3.むべ 4.きいちご 5.おもだか 6.かすり 7.つくつくぼうし 8.こまどり 9.いけま 10.よたか
(六)
1.きょうけん(きゅうけん(注))  2.すぼ(める) (注)漢検2読みフリなし。調べた範囲では“すぼめる”意での”きょうけん”読みは大字源しか無し。他の漢和辞典は「肩をそびやかす」意で、「きゅうけん」読み。問題として稍不適当だったかもしれない・・・「きゅうけんーすぼ(める)」でも✕にはならないかもしれない。ただし、「歙」に「そびやかす」訓はナシ。
3.きょうこ 4.かた(い) 5.じんじゃく 6.やわ(らか) 7.けんすい 8.くつがえ(す) 9.けんゆう 10.いさ(む) *漢検2訓にはナシ(意味欄にある。現行訓はあり。 準1熟語)
(七)
1.縵楽 2.夙興 3.桀黠 4.牴牾 5.惨落 6.翰林院 7.四筵 8.瑶函(瑶緘・瑶簡) 9.詠草 10.竿首
(八)
1.禽鳥 3.詐偽 3.昆弟 4.轡銜 5.充閭 6.老来 7.長臂 8.孟浪 9.不繋 10.褌中
(九)
1.芳体 2.髫齔 3.新聞 4.治道 5.梛(竹柏) 6.金打 7.閻浮提  8.鬣 9.猩猩緋 10.兜
ア.にら(めば) イ.かこ ウ.いた(る)・まい(る) エ.ためし オ.はなし・ものがたり カ.はだえ(「はだ」でも可だろう) キ.めぐ(って) ク.はげ(しく) ケ.えら(び) コ.たわ(ます)

👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級28-3に向けて <syuusyuu 模擬試験問題その1 >

2016年12月18日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●むっずかしい“実力試験問題”を作ろうとしたけど、漢検2辞典からそれほど外すことのないようにしたので、結局、「模擬試験問題」としても十分通用する内容となったみたい・・・トライしてみてください。音読み問題・文章題以外は、ほとんど漢検2掲載熟語、および、その熟語から派生しているものばかりです。
●難問は人によって違うでしょうが、私から見て、5~10問ぐらいが難問の部類に入ると予想しています。難度は28-1レベルぐらいでしょうか・・・よくわからない(苦笑)
●コメントお待ちしています・・・残り4回分も出来ていますが、コメント内容次第で、修正なども考えたいと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)音読みは基本的には<漢検2>および<大字源>の読みにしています。他の読み方もあるかも知れませんので、解答以外の読みもあるようでしたらお知らせいただけると有り難いです。
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その1>

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.歩人、旗槍を齪落す 
2.咽哺の世を謳歌する 
3.忸行に義なし  
4.紛紅の顋頷、春寒し 
5.妻女、妾に吃醋す        
6.轡筴用いずして馬に乗る如し 
7.肥料を撒きに挈畚していく 
8.蜀都、偃衍とす 
9.事態は縒綜し混沌としている 
10.紫闥より雲輅現る 
11.山上より断簡を屑播せん 
12.三尺の梲杖を手にもつ  
13.海内に疇咨し、俊茂を挙げよ  
14.河水、瀰瀰たり  
15.橦橦と太鼓の音が鳴り響く 
16.凶賊が熾肆として跳梁跋扈する  
17.改元し、氛翳を掃う 
18.功名を槃盂に著す 
19.緋鳥鴨が跋剌と飛び立つ 
20.不腆ながら疋帛を餞別とす 
21.彼は誠にかな好人物だ     
22.目をってよく見る 
23.朞年とはりした年で満1か年のことだ 
24.鹿茸とは鹿ののことだ 
25.一日再びなりがたし
26.その戦闘でを立てた  
27.の若芽は食用として珍重される 
28.君主、りの愛妾だ   
29.湿原を蛇行する小水に沿ってり行く
30.刀の柄をで包む   

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.前途はアンタンとしている 
2.障子がヒゾって開け閉てに苦労した 
3.ゴワゴワの敷布では寝心地が悪い 
4.ちょうど手がいたところだ  
5.印鑑のツマミを持つ 
6.タイシャ色はJISの色彩規格では「くすんだ黄赤」としている  
7.双袖 リョウショウとして涙乾かず 
8.酒をもう一度カモす 
9.フンテイすると、人がうわさしているというのはよく言われる諺だ 
10.心ははるかヨウチョウの境に誘われる  
11.魚や肉を入れて煮たよせなべ料理をゴコウセイという 
12.上官の怒りに触れてヘイソクする 
13.ヘイソクを神に捧げる  
14.同じ形容の文辞をジョウヨウする 
15.大事なことができず、ジョウヨウに追われる 
16.屍をコウケツに埋める 
17.黎元のコウケツを搾る 
18.コウケツ染めで染色する
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
19.カケスは樫の実を好んで食べる 
20.ガロンは液体の体積の単位だ 

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.なめしがわとあぶら。転じて、柔軟なもの。転じて、世俗に迎合する卑劣な態度や人物のたとえ
2.高くけわしいさま、高大なさま
3.かがまるさま、物にしばられたように伸びないさま
4.意志を厳しくする。心を怠けないようにする。
5.かいを揃えて船出の用意をする
<語群>
(ぎょうぎょう、らいかい、こくい、かんい、ぎしゅう、きょうきょう、いし、じゅじゃく)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )游魚 ( 2 )藍縷 ( 3 )濫觴 ( 4 )素餐 ( 5 )触藩 
錦繡( 6 ) 断鶴( 7 ) 繁文( 8 ) 罵詈( 9 ) 蓋瓦( 10 )
<語群>
(ぞくふ、ひつろ、こうし、じょくれい、きゅうせん、ていよう、ふてい、しんかん、ざんぼう、しい)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.平民の衣服。貧しい者の服装。
2.世にもまれな優れた人物のたとえ
3.苦学すること
4.地形のけわしいさま
5.災難を未然に防ぐ
<四字熟語群>
(竜蟠虎踞 零絹尺楮 吐哺握髪 一気呵成 鳳毛麟角 曲突徙薪 鑿壁偸光 韋帯布衣 )

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.縹緻 2.金漆 3.胡蘿蔔 4.葉椀 5.軍鶏 6.肌理 7.斑雪 8.面瘡 9.扇骨木 10.鷹居

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.駕軼 - 2.駕ぐ 
イ.3.騫衣 - 4.騫げる 
ウ.5.踟躇 - 6.踟る  
エ.7.抖去 - 8.抖う  
オ.9.樛結 - 10.樛わる 

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.顕妣 2.旱魃 3.契合 4.謙抑 5.長生  
<類義語>
6.内郤 7.好逑 8.舂炊 9.国手 10.黄白
<語群>
(きんげき、けんこう、しんさん、らつびゅう、いんつう、ようこん、りんろう、いはく、ゆせん、しゅくれい)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.カイが回らぬ 
2.一貧一富乃ちコウタイを知る 
3.君子はキョウにして争わず、群にして党せず。
4.シンコン燕蝠の争い 
5.麻糸は直く、ホウセンは曲がれり
6.百足ゴコウの違い
7.巧言コウの如きは顔の厚きなり
8.ヒホウ風に乗ず
9.今、天下、ヨウキュウの厄に遭う  
10.寧ろ 燕雀とともに翔けるもコウコクに随いて飛ばず  

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「第一、神社合祀で敬神思想を高めたりとは、政府当局が地方官公吏の書上(かきあげ)にア.瞞されおるの至りなり。電車鉄道の便利なく、人力車すら多く通ぜざる紀州鄙地の山岳1.チョウジョウ、平沙渺茫たる処にありては、到底遠路の神社にイ.詣づること成らず。故に古来最寄りの地点に2.シンメイウ.勧請し、社を建て、エ.産土神として朝夕参り、3.サクボウには、必ず村中ことごとく参り、もって神恩を謝し、聖徳を仰ぐ。『菅原伝授鑑』という戯曲三段目に、白太夫なる百姓オ.老爺が七十の賀に、三人の媳(よめ)集い来て料理を調うる間に、七十二銅と嫁に貰える三本の扇を持ち、末広子供の生い先、氏神へ頼んだり見せたりせんとて、いまだその社を知らざる一人の媳を伴い参詣するところあり。田舎には合祀前どの地にも、かかる質樸にして和気靄々たる良風俗あり。平生4.ノウソウで多忙なるも、祭日ごとに嫁も里へ帰りて老父を5.セイし、婆は三升樽を携えて孫を抱きに媳の在所へ往きしなり。かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車を駆(は)せて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒カ.麪包を咬んで身の不運を嘆(かこ)つと6.ショウジョウなり。かくてキ.大字ごとに存する神社は大いに社交をも助け、平生頼みたりし用談も祭日に方つき、ク.麁闊なりし輩も和熟親睦せしなり。只今のごとく産土神が往復山道一里乃至五里、はなはだしきは十里も歩まねば詣で得ずとあっては、老少婦女や貧人は、神を拝し、敬神の実を挙げ得ず。

 第二に、神社合祀は民の和融を妨ぐ。例せば、日高郡御坊町へ、前年その近傍の漁夫が命より貴ぶケ.夷子社を合併せしより、漁夫大いに怒り、一昨夏祭日に他大字民と市街戦を演じ、警吏等の力及ばず、ついに主魁九名の入監を見るに及び、所の者ことごとく合祀の余弊に懲り果てたり。わが邦人宗教信仰の念に乏しと口癖に言うも、実際合祀を濫用して私利を計る官公吏や、不埒千万にも神社を潰して大悦する神職は知らず、下層の民ことに漁夫らは信心はなはだ堅固なる者にて、言わば兵士に信心家多きごとく、日夜板一枚の命懸けの仕事する者どもゆえ、朝夕身の安全を蛭子えびす命に祷り、漁に打ち立つ時獲物あるごとに必ずこれに拝詣しコ.報賽し、海に人落ち込みし時は必ずその人の罪を7.フツジョし、不成功なるごとに罪を懺悔して8.カイカし、9.ソンポウ絶えざるなり。しかるに海幸(うみさち)を守る蛭子社を数町乃至一、二里も陸地内に合併されては、事あるごとに祈願し得ず、兵卒が将校を亡いしごとく歎きおり、ために合祀の行なわれたる漁村にはいろいろの10.インシが代わりて行なわれており、姦人の乗じて私利を営むところとなる。これ角を直さんとして牛を殺せるなり。 」(「神社合祀に関する意見」南方熊楠)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 その1 標準解答>
(一)
1.さくらく:きちんと整える 2.えんぽ *飲み食いする、太平なさま 3.じゅうこう=慣習、常行。 同)狃 4.さいがん:あご、おとがいのこと 5.きっそ(大字源):嫉妬する 6.ひさく=たづなとむち 7.けつぼん:もっこをたずさえる 8.えんえん:混雑する 9.さくそう 10.うんろ:天子の車 
11.せっぱ:まきちらして捨てる 12.たつじょう:つえ 13.ちゅうし *疇(だれ)か(我がために)諮れという意味のようだ 14.びび:*①水の流れるさま ②水の深く満ちるさま ③盛大なさま 15.とうとう 16.しし:勢いが強くほしいままにふるまう 17.ふんえい:悪い気。不吉の気。 18.ばんう:たらいと鉢。大字源は“バンウ”。ハン(漢音)でも可かもしれないが、漢検2では「(類)盤」となっているので、“バン”と読むのが無難か。19.はつらつ:①魚のぴちぴち跳ねる音のさま ②鳥の飛び立つ音のさま。ばたばた。(新漢語林も“ハツラツ”。意味もほぼ同じ。)20.ひつはく *一匹の絹の織り物
21.まど(か)(意味②おだやかなさま) 22.こす(って) 23.ひとまわ(り)24.ふくろづの 25.あした 26.いさお *他に「閥」「功」「勲」「績」。 27.ぬなわ・じゅんさい 28.おきにい(り) 29.めぐ(り) 30.かいらぎ
(二)
1.暗澹 2.乾反る・干反る 3.強強 4.空く 5.鈕 6.代赭 7.竜鍾 *この場合は、涙を流すさま  他に、「竜鍾 ①年老いて疲れ病むさま ②失意のさま ③行きなやむさま ④強健なさま ⑤竹の名」 8.醱(醗) ×醸す 9.噴嚔 10.杳窕 11.五侯鯖 12.屏息 13.幣束 14.畳用 15.冗用 16.壙穴 17.膏血18.纐纈 *“コウケチ”とも読む。広辞苑では「交纈」とも表記あり。 19.鵥 20.呏 
(三)
1.韋脂(いし):なめしがわとあぶら。転じて、柔軟なもの。転じて、世俗に迎合する卑劣な態度や人物のたとえ(大字源) *「なめしがわとあぶら」を入れなかったら超難問になるところだが、やめた・・・(自分も解答できそうにない)。
2.磊嵬(らいかい):高くけわしいさま、高大なさま *「ぎょうぎょう」は「きょうきょう」のダミ―のつもりでしたが、「嶢嶢」の熟語もあり。2.の解答は「嶢嶢」でも可だと思います。⇦有り難いコメントを受け、補筆。
 cf:磊塊=多くの岩が積み重なっているさま、胸中に積み重なった不平・・・
3.鞏鞏(きょうきょう):かがまるさま、物にしばられたように伸びないさま・・・これは超難問では?
4.剋意(こくい):意志を厳しくする。心を怠けないようにする。鋭意。 「刻意」でも可か。
5.艤楫(ぎしゅう):かいを揃えて船出の用意をする(=艤棹(ギトウ)) ✕「艤舟」:出船の用意をする (漢字源) 大字源は「船を整備して岸に向かうこと。ふなよそおい。」・・・これも難問かも。
(四)
問1
1.釜底 2.篳路 3.嚆矢 4.尸位 5.羝羊 
6.心肝 7.続鳧 8.縟礼 9.讒謗 10.級甎
問2
1.いたい 2.ほうもう 3.さくへき 4.こきょ 5.ししん
(五)
1.きりょう 2.こしあぶら 3.にんじん 4.くぼて 5.しゃも 6.きめ 7.はだれゆき・はだらゆき 8.おもくさ 9.かなめもち 10.たかすえ
(六)
1.がいつ 2.しの(ぐ) 3.けんい 4.かか(げる) 5.ちちょ 6.たちもとお(る) 7.とうきょ 8.ふる(う) 9.きゅうけつ  10.まつ(わる) *他に、樛木―樛(ま)がる 樛流―樛(めぐ)る
(七)
1.顕考 2.霖潦 3.剌謬 4.踰僭 5.夭昏  
6.釁隙 7.淑儷 8.薪爨 9.医伯 10銀子・員子
(八)
1.櫂:金回りが悪い、暮らしが立ち行かない、貧乏であることの形容。 
2.交態:(出典「史記」)貧乏になったり金持ちになったりすると、世間の交際の実情がよくわかる 
3.矜 4.晨昏 5.蓬箭 6.蜈蚣 7.簧 8.飛蓬 
9.(超難問)陽九  陽九・陽九の厄:陰陽家が割り出したわざわい、災難、災禍の説。世界、この世の終わりを意味する。漢検2掲載あり。 
10.黄鵠:阮籍の「詠懐」より。 *「黄鵠」(漢検2掲載あり:大字源―大鳥の名。黄色を帯びた白鳥。)
(九)
1.重畳 2.神明 3.朔望 4.農桑 5.省 6.霄壌 7.祓除 8.改過 9.尊奉 10.淫祀
ア.だま(され) イ.もう(づる) ウ.かんじょう エ.うぶすながみ オ.ろうや カ.パン(「めんぽう」でも可だろう) キ.おおあざ ク.そかつ ケ.えびす コ.ほうさい 
👍👍👍 🐒 👍👍👍

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-2用) 上級者用(その3)

2016年10月14日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●<漢検1級 28ー②に向けて (漢検2準拠)>シリーズは終了済み。
●<漢検1級 28ー②に向けて 分野別問題(高得点者向け>シリーズも終了。

●“上級者向け”の総仕上げとしての<28-2用 模擬試験問題>、今回が最終です。 本試験のご健闘をお祈りします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用) 上級者用その3 > *時間は60分以内厳守でトライしてみてください*
(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.刺撃をもって運甓の戯れにかへる 
2.至る所で欹歟の声が聞こえる 
3.罩汕で魚をとらえる  
4.擲骰し、勝つ者を直とす
5.戦陣の鼓鉦が鳴る 
6.投笏し致仕す  
7.卅万の衆、蝟集す
8.子孫のための貽謀がある
9.筆覘で筆先をやわらげる 
10.眼前に碚磊を見る
11.霹靂閃電、怕驚す 
12.巧みに人を簧惑する
13.溺器を使って用を足す
14.心、労して怛怛たり
15.瓠落として容れる所なし  
16.城の僻倪より俯瞰する 
17.任務を夬夬として遂行する
18.山に枹櫟あり 
19.槲葉 山路に落ち 枳花 駅牆に明らかなり 
20.帑廩を民に開放する
21.糸をって手元に引き寄せる 
22.そこはくて狭い湿地帯だ 
23.口をつけてった 
24.忝くも、恩をに受ける 
25.柴を立てて川をいだ 
26.春になって多くのが萌え出した   
27.壁に保存した形がに似ていることから、檔案という 
28.料理をに盛る
29.粗悪な銑銭が出回っている 
30.をひもとく 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.シシビシオの造り方を教わる   
2.弦楽器のクゴは百済琴ともいう 
3.その名画のシンガンを見極める 
4.物価がトウホンする 
5.石碑のトウホンをつくる 
6.天災に人心キョウキョウとしている  
7.キョウキョウたる望月、黄金のごとし 
8.ヤモリに“エンテイ”という字を用いる 
9.ダムのことをエンテイという 
10.あの腰のクビれが魅力的だ  
11.自らクビれ果てた
12.古人のソウハクを嘗める 
13.善か悪か、そのソウハクを明らかにする 
14.情緒あるシュウセイの道をそぞろ歩く 
15.破廉恥なことをしでかし、シュウセイを蒙った
16.ケンエンたる美女の舞を観る 
17.連続作業にケンエンの感をもつ 
18.何が不満か、ケンエンとせぬ顔つきをしている  
19.低湿地のことをヤツという 
20.ハヤが泳いでいる 

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.しばられて自由がきかないことのたとえ。
2.才徳をかくすこととあらわすこと
3.大きな不幸。父母の喪。
4.あらまし、大略。また、利益を独り占めすること
5.真心に感じること、通じ合うこと  

<語群>
(ここう、たいこ、けんじょ、せいち、かんぷ、ひんぷ、れきば、きせつ)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。 (20) 2×10
( 1 )疾言 ( 2 )伉儷  ( 3 )万里  ( 4 )大悟 ( 5 )之性
嫗伏( 6 ) 一言( 7 ) 蠹居( 8 ) 重熙( 9 ) 窃位( 10 )

<語群>
(るいこう、ほうおん、きょうけい、ほうしょう、じょうひ、えいかい、こうぜん、よういく、きしょ、そさん)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.戦場で兵士が父母を思う心・なげき
2.名を好んで実を好まないたとえ
3.戦いに出て二度と戻らない決意をすること
4.やるからには自信をもって断行しなくてはいけない
5.輔佐役・重臣のこと

<四字熟語群>
( 疑行無名 鴇羽之嗟 葉公之竜 蟋蟀居壁 塞井夷竈 因循苟且 断鶴続鳧 股肱心膂

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.栄蘭 2.烏臼  3.光参 4.馬蹄草 5.黒菜 6.連枝草 7.花鶏 8.石蚕 9.羊乳 10.鼴鼠

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.蠱惑 ―2.蠱す  イ.3.湛湎 -4.湛む ウ.5.崔錯 ―6.崔わる
エ.7.擯介 ―8.擯く  オ.9.駮議 ―10.駮す

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.仕官 2.微醺 3.狷介 4.犀利 5.夕餉
<類義語>
6.傲慢 7.憤怒 8.吾曹 9.夾紵 10.尋承

<語群>
(らんすい、はんえん、ちょうさん、ついろ、かんしつ、きょうどう、おんしゃ、かはん、きょうきょう、そんしょく)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.シュウを挙げ子を挙ぐ 
2.ソショク・菜羹と雖も必ず祭る  
3.聡明特達、今古をロウトウす 
4.法制は必ず行いワリュウすべからず  
5.ヘンチの労 
6.キョウコウは、性を伐つの斧なり 
7.孤犢は乳に触れ、キョウシは母を罵る 
8.盲人カツバに騎る   
9.チョウゼンとして吾に四肢形体有るを忘る  
10.ボウシ 背にあり  

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・「さらば行こう。後れ馳せに北の方へ行こう」とア.拱いたる手を振りほどいて、六尺二寸の躯をゆらりと起す。
「行くか?」とはギニヴィアの半ば疑える言葉である。疑える中には、今更ながら別れの惜まるる心地さえほのめいている。
「行く」といい放って、つかつかと戸口にかかる幕を半ば掲げたが、やがてするりと1.クビスイ.回らして、女の前に、白き手を執りて、発熱かと怪しまるるほどのあつき唇を、冷やかに柔らかき甲の上につけた。暁の露しげき百合の花弁をひたふるに吸える心地である。ランスロットは後をも見ずして石階を馳け降りる。
 やがて三たび馬の2.イナナく音がして中庭の石の上に堅き蹄が鳴るとき、ギニヴィアは高殿を下りて、騎士の出づべき門の真上なる窓に倚りて、かの人の出づるを遅しと待つ。黒き馬の鼻面が下に見ゆるとき、身を半ば投げだして、行く人のために白き絹の尺ばかりなるを振る。頭に戴ける金冠の、美しき髪を滑りてか、からりと馬の鼻を掠めて砕くるばかりに石の上に落つる。
 槍の穂先に冠をかけて、窓近く差し出したる時、ランスロットとギニヴィアの視線がはたと行き合う。「忌まわしき冠よ」と女は受けとりながらいう。「さらば」と男は馬の太腹をける。白き兜と挿毛(さしげ)のさとウ.靡くあとに、残るは漠々たる塵のみ。 ・・・」

「二 鏡
 ありのままなる浮世を見ず、鏡に写る浮世のみを見るシャロットの女は高き台の中に只一人住む。活ける世を鏡の裡にのみ知る者に、面を合わす友のあるべき由なし。
 春恋し、春恋しと囀る鳥の数々に、耳側だてて木の葉は隠れの翼の色を見んと思えば、窓に向わずして壁に切り込む鏡に向う。鮮やかに写る羽の色に日の色さえもそのままである。
・・・旅商人の脊に負える包みの中には赤きリボンのあるか、白き下着のあるか、珊瑚、3.メノウ、水晶、真珠のあるか、包める中を照らさねば、中にあるものは鏡には写らず。写らねばシャロットの女の眸には映ぜぬ。
 古き幾世を照らして、今の世にシャロットにありとある物を照らす。悉く照らして択ぶ所なければシャロットの女の眼に映るものもまた限りなく多い。ただ影なれば写りては消え、消えては写る。鏡のうちに永く停まる事は天に懸る日といえどもエ.難い。活ける世の影なればかく果敢なきか、あるいは活ける世が影なるかとシャロットの女は折々疑う事がある。明らさまに見ぬ世なれば影ともまこととも断じがたい。影なれば果敢なき姿を鏡にのみ見て不足はなかろう。影ならずば?――時にはむらむらと起る一念に窓際に馳けよりて思うさま鏡の外なる世を見んと思い立つ事もある。シャロットの女の窓より眼を放つときはシャロットの女に呪いのかかる時である。シャロットの女は鏡の限る天地のうちに4.キョクセキせねばならぬ。一重隔て、二重隔てて、広き世界を四角に切るとも、自滅の期を寸時も早めてはならぬ。
・・・
 去れどありのままなる世は罪に濁ると聞く。住みオ.倦めば山にカ.遯るる心安さもあるべし。鏡の裏なる狭き宇宙の小さければとて、憂き事の降りかかる十字のキ.街に立ちて、行き交う人に気を配る辛さはあらず。何者か因果の波を一たび起してより、5.バンケイの乱れは永劫を極めて尽きざるを、渦捲く中に頭をも、手をも、足をも6.サラわれて、行くわれの果ては知らず。かかる人を賢しといわば、高き台に一人を住み古りて、しろかねの白き光りの、表とも裏とも分ちがたきあたりに、幻の世を尺に縮めて、あらん命を土さえ踏まで過すは阿呆の極みであろう。わが見るは動く世ならず、動く世を動かぬ物の助けにて、よそながら窺う世なり。活殺生死の乾坤を定裏に拈出して、五彩の色相を静中に描く世なり。かく観ずればこの女の運命もあながちに嘆くべきにあらぬを、シャロットの女は何に心を躁がして窓の外なる下界を見んとする。」
・・・
 鏡の長さは五尺に足らぬ。ク.黒鉄の黒きを磨いて本来の白きに帰すマーリンの術になるとか。魔法に名を得し彼のいう。――鏡の表に霧こめて、秋の日の上れども晴れぬ心地なるは不吉の兆なり。曇る鑑の霧を含みて、7.フヨウに滴る音を聴くとき、対(むか)える人の身の上に危うき事あり。・・・シャロットの女が幾年月の久しき間この鏡に向えるかは知らぬ。朝に向い夕べに向い、日に向い月に向いて、ケ.厭くちょう事のあるをさえ忘れたるシャロットの女の眼には、霧立つ事も、露置く事もあらざれば、まして裂けんとする虞ありとは夢にだも知らず。8.タンゼンとして音なき秋の水に臨むが如く、コ.瑩朗たる面を過ぐる森羅の影の、9.ヒンプンとして去るあとは、太古の色なき境をまのあたりに現わす。無限上に徹する大空を10.イ固めて、打てば音ある五尺の裏に圧し集めたるを――シャロットの女は夜ごと日ごとに見る。」「薤露行」(夏目漱石)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用 上級者用その3) 標準解答>
(一)
1.うんぺき 2.いよ 3.とうさん(魚とりかごと掬いあみ) 4.てきとう 5.こせい(漢検2読み) 6.とうこつ 7.そうまん
8.いぼう 9.ひってん(広辞苑:水の入った容器のこと) 10.はいらい 11.はきょう 12.こうわく 13.じょうき・にょうき
14.だつだつ 15.かくらく 16.へいげい(*ひめがきの場合は「ヘイ」音(漢検2)) 17.かいかい 18.ほうれき(*小楢(こなら)のことらしい) 19.こくよう 20.どりん
21.たく(たぐ) 22.ひく(い) 23.すす 24.みだり(に) 25.ふさ 26.め 27.かまち 28.さら 29.ずくぜに 30.ふまき
(二)
1.肉醬・醤・醢 2.箜篌 3.真贋 4.騰奔 5.搨本 6.恟恟 7.皎皎 8.蝘蜓 9.堰堤 10.括 11.縊 12.糟粕(糟魄) 13.皁白 14.甃砌 15.醜声 16.妍艶 17.倦厭 18.慊焉 19.萢 20.鰙(✕鮠) 
(三)
1.櫪馬 2.巻舒 3.大故 (*他に、①大事。大きな災害。②大悪事。悪逆。大罪。) 4.辜較 (*あらまし、大略。また、利益を独り占めすること *漢検2熟語。ただし、意味説明ナシ・訓ナシ) 5.感孚
(四)
問1
1.攘臂 2.栄諧 3.鵬霄 4.恍然 5.薑桂 6.孕鬻 7.芳恩 8.棊処 9.累洽 10.素餐
問2
1.ほうう 2.しょうこう 3.いそう 4.ぎこう 5.しんりょ
(五)
1.たこのき 2.なんきんはぜ 3.きんこ 4.かきどおし 5.くろめ 6.うまごやし 7.あとり 8.いさごむし 9.つるにんじん 10.もぐら
(六)
1.こわく 2.まどわ(す) 3.ちんめん 4.しず(む) 5.さいさく 6.まじ(わる) 7.ひんかい 8.みちび(く) 9.はくぎ・ばくぎ 10.といただ(す)
(七)
1.遜職 2.爛酔 3.温藉 4.椎魯 5.朝餐
6.驕矜 7.攀縁 8.夥伴 9.乾漆 10.嚮導
(八)
1.讐 2.蔬食 3.籠罩 4.窪隆(くぼみと盛り上がり) 5.胼胝 6.徼幸 7.驕子 8.瞎馬 9.輒然 10.芒刺
(九)
1.踵(跟・踝) 2.嘶 3.瑪瑙 4.跼蹐 5.万頃 6.攫 7.芙蓉 8.湛然 9.繽紛 10.鋳

ア.こまね(こまぬ) イ.めぐ ウ.なび エ.かた オ.う カ.のが キ.ちまた ク.くろがね ケ.あ コ.えいろう

👍👍👍 🐒 👍👍👍



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-2用) 上級者用(その2)

2016年10月13日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●<漢検1級 28ー②に向けて (漢検2準拠)>シリーズは終了済み。
●<漢検1級 28ー②に向けて 分野別問題(高得点者向け>シリーズも終了。

●今回から、“上級者向け”の総仕上げとして、<28-2用 模擬試験問題>を提供します。(その1)~(その3)の計3回を予定。
●難度は28-1のレベルよりも高い(▲10点~▲20点ぐらい)と思いますので、もう、この時期、初合格を目ざす方や170点台ぐらいをめざしている方にはお薦めできません。“恐いもの見たさ”でトライする場合は自己責任でお願いします(^^;)
●とはいえ、
 ①過去問(過去10年分ぐらい)を十分咀嚼している ②漢検2辞典を一応隈なく学習している ③弊ブログ記事も相当読みこなしている場合、それほど難しくはないかもしれません・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用) 上級者用その2 > *時間は60分以内厳守でトライしてみてください*
(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.甌窶に松柏は育たず
2.朔風、颯灑として草木を吹き散らす
3.国力を殫竭
4.憂懾を深める  
5.稜威に祗畏す 
6.茅屋のことを篳牖ともいう 
7.王済は剔嬲して休むを得ず
8.歇驕と云う猟犬がいる 
9.我が心、苑結す   
10.逗撓し、進むを得ず
11.祭礼でくじの拈鬮が行われる 
12.娃鬟が目の前を通り過ぎる
13.祟悪起る 
14.書を籀読する 
15.小川の水が汎氵疌と音をたてている 
16.之がために誄讚を為り、其の懿徳を昭らかにす
17.飽食し噫欠を漏らす  
18.徒に歠飲するのみである
19.鏈絛で繋がれる 
20.3月上巳、禊飲
21.来る東京五輪の干支は、庚子である
22.我が父祖、名を海内に
23.弦で指を傷つけないようにを用いる 
24.を吹き鳴らす 
25.ろな説明を加える
26.えた野菜を食した 
27.尉鶲は羽に白斑がある
28.縢をい、蹻を履く 
29.竹で編まれたで船を曳く
30.食事中のちは宜しくない

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.“じぇじぇじぇ”の流行った2013年はキシの年であった 
2.ホオの木材は細工がしやすい 
3.魚をとるあみをモジアミにした 
4.カンゼンとした笑みをうかべる
5.コウジカビは味噌の製造に利用される
6.春ける季節となった 
7.顔一面にみごとなシュシがある 
8.愚かにもシュシの利を争っている 
9.花にもが入ることがある    
10.どうしてもに落ちないことがある 
11.カッコウは夏に日本に飛来する 
12.一人住まいにカッコウな貸家だ 
13.驚きのカンセイが上がる 
14.佞人のカンセイにはまる 
15.ケンデンを耕して文筆生活を送る
16.世にケンデンされる成果を上げる
17.鹹水をセンゴウして食塩を析出する 
18.先人を敬い、センゴウしてやまない 
19.ヌカミソが腐る 
20.スバシリは鯔の稚魚だ 
 
(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.おそれあわてること  
2.つとめる。はげむ
3.人に恥をかかせそしる  
4.世間・ちまたのうわさ。世評   
5.英雄・豪傑が活躍するたとえ

<語群>
(こうぎ、こしょう、こうきょ、そうこう、がいせつ、しゅうてい、さいれい、しれい)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。(20) 2×10
( 1 )暮塩 ( 2 )縄枢 ( 3 )托生 ( 4 )麗服 ( 5 )狗盗
百舎( 6 ) 目使( 7 ) 亮遺( 8 ) 烏兔( 9 )  拾遺( 10 )

<語群>
(いれい、ちょうけん、おうゆう、ちょうせい、そうそう、いちれん、そせつ、せいそう、ほけつ、きんかく)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.遠くにいる友人を思う情が切なこと
2.俗世間の雑念妄想を断ち切ること
3.役に立たない人やもの
4.水深く山けわしく静謐なさま 
5.君主や目上の人の徳を仰ぎ慕うこと 

<四字熟語群>
泓崢蕭瑟 葵傾向日 渭樹江雲 樗櫟庸材 石室金匱 截断衆流 因果覿面 異類無礙

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.野芝麻 2.葉椀 3.商陸 4.七葉樹 5.半銭 6.陰地蕨 7.鐙靼 8.宝蓋草 9.弭巻 10.天蛾

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.哀駘 ―2.駘い  イ.3.抒溷 ―4.抒む  ウ.5.倖佞 ―6.倖う 
エ.7.遉邏 ―8.遉る  オ.9.和兌 -10.兌ぶ  

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.絶巓 2.耄耋 3.吻合 4.黄昏 5.汚穢
<類義語>
6.彽回 7.揮毫 8.高臥 9.災厄 10..裹足

<語群>
(せんぴつ、きゅうおう、ちめい、どうかん、しご、がんせい、さんし、しい、てんきゃく、けつじょう)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.シスイの学 
2.酒醴を作るとせば爾はこれキクゲツなり   
3.赳赳たる武夫は公侯のコウキュウ 
4.ケンエイ相望む  
5.キカクの勢い 
6.イッテツを経れば一知を長ず  
7.山に猛獣あればレイカクこれがために採られず  
8.インに備わるのみ 
9.ケイハ綉葉の春日に遊ぶ 
10.ヨクをもって楹となす   

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・機微のア.邃きを照らす鏡は、女の有てる凡てのうちにて、尤も明かなるものという。苦しきに堪えかねて、われとわが頭を抑えたるギニヴィアを打ち守る人の心は、飛ぶ鳥の影の1.トきが如くに女の胸にひらめき渡る。苦しみは払い落す蜘蛛の巣と消えてイ.剰すは嬉しき人の情ばかりである。「かくてあらば」と女は危うき間に際どく擦り込む石火の楽しみを、長(とこしえ)に続けかしと念じて両頬に笑みを滴らす。

「かくてあらん」と男は始めより思い極めた態である。
「されど」と少時して女はまた口を開く。「かくてあらんため――北の方なる試合に行き給え。けさ立てる人々の蹄の痕を追い懸けて病癒えぬと申し給え。この頃の蔭口、二人をつつむ疑いの雲を晴し給え」
「さほどに人が怖くて恋がなろか」と男は乱るる髪を広き額に払って、わざとながらからからと笑う。高き室の静かなる中に、常ならず快からぬ響が伝わる。笑えるははたとやめて「このウ.帳の風なきに動くそうな」と室の入口まで歩を移してことさらに厚き幕を揺り動かして見る。あやしき響は収まって2.ジャクマクエ.故に帰る。
「宵(よ)べ見し夢の――夢の中なる響の名残か」と女の顔には3.タチマ4.コウ落ちて、冠の星はきらきらと震う。男も何事か心オ.躁ぐ様にて、ゆうべ見しという夢を、女に物語らする。

「薔薇咲く日なり。白き薔薇と、赤き薔薇と、黄なる薔薇の間に臥したるは君とわれのみ。楽しき日は落ちて、楽しき夕幕の薄明りの、尽くる限りはあらじと思う。その時に戴けるはこの冠なり」と指を挙げて眉間をさす。冠の底を二重にめぐる一疋の蛇は黄金の鱗を細かに身に刻んで、5.モタげたる頭には青玉の眼を6.ハめてある。
「わが冠の肉に喰くい入るばかり焼けて、頭の上に衣擦る如き音を聞くとき、この黄金の蛇はわが髪をカ.繞りて動き出す。頭は君の方へ、尾はわが胸のあたりに。波の如くに延びるよと見る間に、君とわれはキ.腥き縄にて、断つべくもあらぬまでに纏わるる。中四尺を隔てて近寄るに力なく、離るるに術なし。たとい忌まわしきク.絆なりとも、この縄の切れて二人離れ離れにおらんよりはとは、その時苦しきわが胸の奥なる心遣りなりき。囓まるるとも7.サさるるとも、口縄の朽ち果つるまでかくてあらんと思い定めたるに、あら悲し。薔薇の花の紅なるが、めらめらと燃え出だして、繋げる蛇を焼かんとす。しばらくして君とわれの間にあまれるケ.一尋余りは、真中より青き烟を吐いて金の鱗の色変り行くと思えば、あやしき臭いを立ててふすと切れたり。身も魂もこれ限り消えて失せよと念ずる耳元に、何者かからからと笑う声して夢は醒めたり。醒めたるあとにもなお耳を襲う声はありて、今聞ける君が笑も、宵(よべ)の名残かと骨を8.ユるがす」と落ち付かぬ眼を長き睫の裏に隠してランスロットの気色を窺う。七十五度の闘技に、馬の脊を滑るは無論、9.アブミさえはずせる事なき勇士も、この夢を10.クしとのみは思わず。快からぬ眉根は自ずからコ.逼りて、結べる口の奥には歯さえ喰い締(しば)るならん。」「薤露行」(夏目漱石)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用 上級者用その2) 標準解答>
(一)
1.おうろう 2.さっさい 3.たんけつ 4.ゆうしょう 5.しい 6.ひつゆう 7.てきじょう 8.かっきょう(漢検2読み:口の短い猟犬) 9.うつけつ(心結ぼれること (苑=鬱)) 10.とうどう 11.ねんきゅう 12.あいかん 13.すいあく 14.ちゅうどく 15.ほうしょう(「氵疌」は一級配当漢字で一文字。「氵」+「疌」) 16.るいさん 17.あいけん 18.せついん 19.れんとう 20.けいいん
21.かのえね 22.し 23.ゆがけ 24.あしぶえ 25.ねんご 26.あ 27.じょうびたき 28.にな 29.たけなわ 30.したう
(二)
1.癸巳 2.朴 3.綟網 4.莞然 5.麹黴 6.長・闌 7.鬚髭 8.銖錙 9.斑 10.腑 11.郭公 12.恰好 13.喚声 14.陥穽 15.硯田 16.喧伝 17.煎熬 18.瞻仰 19.粏 20.鯐
(三)
1.惶遽 2.淬励(「砥礪」もOK) 3.醜詆(漢検2熟語)*人の悪口をいう 4.巷議 5.虎嘯
(四)
問1
1.朝齏 2.甕牖 3.一蓮 4.盛粧 *“せいしょう”とも読む 5.鼠窃 6.重繭 7.頤令 8.巾幗 9.匆匆 10.補闕
問2
1.いじゅ 2.しゅる 3.ちょれき 4.おうそう 5.きけい
(五)
1.おどりこそう 2.くぼて 3.やまごぼう 4.とち 5.きなか 6.はなわらび 7.みずお 8.ほとけのざ 9.はずまき 10.すずめが
(六)
1.あいたい 2.みにく(い)3.じょこん 4.く(む) 5.こうねい 6.へつら(う) 7.ていら 8.さぐ(る) 9.わえつ 10.よろこ(ぶ)
(七)
1.山趾 2.童丱 3.枝梧 4.遅明 5.潔浄
6.徙倚 7.染筆 8.巌棲・巌栖 9.咎殃 10.纏脚
(八)
1.泗水 2.麴櫱 3.好仇 4.軒楹 5.掎角 6.一跌(文章題27-3 佐久間象山) 7.藜霍 8.員 9.瓊葩 10.杙
(九)
1.疾 2.寂寞 3.忽 4.紅 5.擡 6.嵌 7.螫 8.撼 9.鐙 10.奇

ア.ふか(「おくぶか」でも可か) イ.あま ウ.とばり エ.もと オ.さわ カ.めぐ キ.なまぐさ ク.きずな ケ.ひとひろ コ.せま
👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-2用) 上級者用(その1)

2016年10月12日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●<漢検1級 28ー②に向けて (漢検2準拠)>シリーズは終了済み。
●<漢検1級 28ー②に向けて 分野別問題(高得点者向け>シリーズも終了。

●今回から、“上級者向け”の総仕上げとして、<28-2用 模擬試験問題>を提供します。(その1)~(その3)の計3回を予定。
●難度は28-1のレベルよりも高い(▲10点~▲20点ぐらい)と思いますので、もう、この時期、初合格を目ざす方や170点台ぐらいをめざしている方にはお薦めできません。“恐いもの見たさ”でトライする場合は自己責任でお願いします(^^;)
●とはいえ、
 ①過去問(過去10年分ぐらい)を十分咀嚼している ②漢検2辞典を一応隈なく学習している ③弊ブログ記事も相当読みこなしている場合、それほど難しくはないかもしれません・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用) 上級者用その1 > *時間は60分以内厳守でトライしてみてください*
(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.屯営で亨爨を行う
2.諄諄翕翕として徐に人と与に言う者は、衆を失うなり。
3.巉嶮を聿越する 
4.卑枝、屋椽と成す   
5.谺然として山中の壑が開ける 
6.癰を嗽吮
7.牀簟に臥す 
8.狐裘尨茸たり
9.互いに攻訐する様にては宜しからざる
10.嬌靨、愛すべし 
11.君子の徳を脩むるは笄丱に始まる 
12.筲箍が弛緩する 
13.小舟が湍滝に遭い、翻弄される
14.若兵を戳心す 
15.湿地帯で芹茆を採取する  
16.大きな酒がめを罍罌という 
17.一泓の海水 杯中に瀉ぐ
18.殷の紂王、その人、俶奇なり
19.一抔の墓田をも有せず
20.山果 瑣細多く 羅生して橡栗を雑じう 
21.軍が野営のため草原にまる
22.刀剣の鞘にを用いている 
23.水に空が彿かに映っている
24.印鑑のを持つ 
25.かな態度で人を許し受け入れる  
26.己の意思をめて行動する 
27.諸侯の盟主をと言った 
28.大姦の去ること、の斯にぬくがごとし
29.るな、今度の試験は手強いぞ
30.る老人が増えている 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.息子をカタる詐欺が頻発している
2.カケヒから落ちる水音には風情がある 
3.ユダメを用いて強弓を調える 
4.柿の渋を抜いてサワし柿をつくる
5.シャクヤクたる姿をした美人だ
6.顔面のケンコツに皹が入った  
7.ヨウエンな地へ派遣される 
8.味噌汁にゼンマイを入れる 
9.政界のカクセイをはかる 
10.光明カクシャクとして輝く 
11.ひな壇にヒモウセンを敷く 
12.文章のテニヲハが合わない  
13.寒さで手足がカジカむ  
14.シワブいて私語を諌める  
15.垣の柘植をセンテイしてもらう 
16.茶道センテイという手引書がある 
17.皇后のイシが伝えられた 
18.イシに甘んじて使われる 
19.樵のことをソマびとともいう
20.シボリ染めは染色法の一つだ  

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.美しさが抜きんでていること、きらびやかで美しいこと
2.知恵があり、さとりのはやいこと。利発。    
3.痛ましさで心をかきむしられること
4.宝としてまつること
5.意味をおしひろめて詳しく説くこと、また、その説いたもの 
<語群>
(さいし、ほうし、せいそく、えいけん、けいご、けいがん、えんぎ、まんせつ)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )塵中 ( 2 )濫觴 ( 3 )十年 ( 4 )時晦 ( 5 )藍縷
蓋瓦( 6 ) 晏嬰( 7 ) 波詭( 8 ) 影駭( 9 ) 山藪( 10 ) 

<語群>
(きょうしん、こきゅう、ひつろ、いんきょう、こうし、ぞうしつ、なんこう、うんけつ、きゅうせん、じゅんよう)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.わずかな知識・小知
2.おごり高ぶらない人のたとえ
3.漢詩文の字句を修飾すること
4.報恩のこと
5.好きになればどんなことも気にならなくなるという喩え
<四字熟語群>
蓼虫忘辛 挈瓶之知 史魚黜殯 馮異大樹 運水搬柴 雁字鶯梭 橘井杏林 結草啣環

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.斑葉 2.縮縫 3.鹿薬 4.牛皮凍 5.単寧 6.紅南瓜 7.媒鳥 8.柳葉菜 9.厳器 10.杜夫魚

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.撕破 ― 2.撕く  イ.3.踵武 ― 4.踵ぐ  ウ.5.蕭疎 ― 6.蕭しい 
エ.7.慫兢 ― 8.慫く  オ.9.羂結 ― 10.羂る 

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.齟齬 2.慟哭 3.泰然 4.鰥夫 5.嵎谷
<類義語>
6.玉蟾 7.詔勅 8.賁来 9.黄砂 10.屹立

<語群>
(そうふ、ようだい、ばいえい、しょうりん、ふんごう、しょうじ、ようこく、きょうきょう、こうしょう、せいこう)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.イハク修まらず
2.コウロウを経る
3.コウヨウの何物たるかを知らざるなり
4.舜は民をケントウせず
5.カンキョウを煩わす 
6.ダテイ人の説く有り
7.竜にあらずコウにあらず
8.ジンチュウの奇は松茸に若くは莫し 
9.クソも余をくらわざる
10.トウソ魚肉の際  

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「世に伝うるマロリーの『アーサー物語』は簡浄素樸という点において珍重すべき書物ではあるが古代のものだから一部の小説として見ると散漫のア.譏りは免がれぬ。まして材をその一局部に取って纏まったものを書こうとすると到底万事原著による訳には行かぬ。従ってこの篇の如きも作者の随意に事実を前後したり、場合を創造したり、性格を書き直したりしてかなり小説に近いものに改めてしもうた。主意はこんな事が面白いから書いて見ようというので、マロリーが面白いからマロリーを紹介しようというのではない。そのつもりで読まれん事を希望する。
 実をいうとマロリーの写したランスロットは或る点において車夫の如く、ギニヴィアは車夫の情婦のような感じがある。この一点だけでも書き直す必要は充分あると思う。テニソンの『アイジルス』は優麗都雅の点において古今の雄篇たるのみならず性格の描写においても十九世紀の人間を古代の舞台に躍らせるようなかきぶりであるから、かかる短篇を草するには大いに参考すべき長詩であるはいうまでもない。元来なら記憶を新たにするため一応読み返すはずであるが、読むと1.メイメイのうちに真似がしたくなるからやめた。」
「一 夢
 百、二百、簇がる騎士は数をつくして北の方なる試合へと急げば、石に古りたるカメロットの館には、ただ王妃ギニヴィアの長く牽く衣の裾の響きのみ残る。
 薄紅の一枚をむざとばかりに肩より投げ懸けて、白き二の腕さえ明らさまなるに、イ.裳のみは軽く2.サバく珠の履をつつみて、なお余りあるを後ろざまに石階の二級に垂れて登る。登り詰めたるウ.階の正面には大いなる花をエ.鈍色の奥に織り込める戸帳が、人なきをかこち顔なる様にてそよとも動かぬ。ギニヴィアは幕の前に耳押し付けて一重向うに何事をか聴く。聴きおわりたる横顔をまた真向うに反して石段の下を鋭どき眼にて窺う。濃やかに3.フを流したる大理石の上は、ここかしこに白き薔薇が暗きを洩れて和らかき香りを放つ。君見よと宵に贈れる花輪のいつオ.摧けたる名残りか。しばらくはわが足に纏わる絹の音にさえ心置ける人の、何の思案か、屹と立ち直りて、繊き手の動くと見れば、深き幕の波を描いて、カ.眩き光り矢の如く向い側なる室の中よりギニヴィアの頭に戴ける冠を照らす。輝けるは眉間に中たる金剛石ぞ。」

「・・・「今日のみの縁とは? 墓にキ.堰かるるあの世までもク.渝わらじ」と男は黒き瞳を返して女の顔をじっと見る。
「さればこそ」と女は右の手を高く挙げて広げたる掌を竪にランスロットに向ける。手頸を纏う黄金の腕輪がきらりと輝くときランスロットの瞳はわれ知らず動いた。「さればこそ!」と女は繰り返す。「薔薇の香に酔える病を、病と許せるは我ら二人のみ。このカメロットに集まる騎士は、五本の指を五十度繰り返えすとも数えがたきに、一人として北に行かぬランスロットの病を疑わぬはなし。束の間に危うきを貪りて、長き逢瀬の淵と変らば……」といいながら挙げたる手をはたと落す。かの腕輪は再びきらめいて、玉と玉と撃てる音か、4.カツゼンと瞬時の響きを起す。
「命は長き賜物ぞ、恋は命よりも長き賜物ぞ。心安かれ」と男はさすがに大胆である。
 女は両手を延ばして、戴ける冠を左右より抑えて「この冠よ、この冠よ。わが額の焼ける事は」という。願う事の叶わばこの黄金、この珠玉の飾りを脱いで窓より下に投げ付けて見ばやといえる様である。白き腕のすらりと絹をすべりて、抑えたる冠の光の下には、渦を巻く髪の毛の、珠の輪には抑えがたくて、頬のあたりに靡きつつ洩れかかる。肩にあつまる薄紅の衣の袖は、胸を過ぎてより豊かなる5.ヒダを描がいて、裾は強けれどもケ.剛からざる線を三筋ほど床の上まで引く。ランスロットはただ6.ヨウチョウとして眺めている。前後を7.セツダンして、過去未来を失念したる間にただギニヴィアの形のみがありありと見える。」

「・・・ シャロットの野に麦刈る男、麦打つ女の歌にやあらん、谷を渡り水を渡りて、幽かなる音の高き台に他界の声の如く糸と細りて響く時、シャロットの女は傾けたる耳を掩うてまた鏡に向う。河のあなたに8.ケブる柳の、果ては空とも野とも覚束なき間より洩れ出づる悲しき調べと思えばなるべし。
 シャロットの路行く人もまた悉くシャロットの女の鏡に写る。あるときは赤き帽の首打ち振りて馬追うさまも見ゆる。あるときは白き髯の寛き衣を纏いて、長き杖の先に小さき瓢を9.ククしつけながら行く巡礼姿も見える。又あるときは頭よりただ一枚と思わるる真白の上衣被りて、眼口も手足も確と分ちかねたるが、けたたましげにコ.鉦打ち鳴らして過ぎるも見ゆる。これは10.ライをやむ人の前世の業を自ら世に告ぐる、むごき仕打ちなりとシャロットの女は知るすべもあらぬ。」「薤露行」(夏目漱石)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-2用) 上級者用その1 標準解答>
(一)
1.ほうさん 2.きゅうきゅう 3.いつえつ 4.おくてん 5.かぜん 6.そうせん 7.しょうてん 8.ぼうじょう 9.こうけつ 10.きょうよう 11.けいかん 12.そうこ・しょうこ(めしびつのたが) 13.たんろう 14.たくしん 15.きんぼう 16.らいおう 17.いちおう 18.てきき 19.いっぽう 20.しょうりつ(トチやクリの実)
21.とど 22.かいらぎ 23.ほの 24.つまみ(“とって”もOKかも) 25.ゆた 26.さだ *蔽(さだ)める=判断する 27.はたがしら 28.けづめ 29.ぬか 30.たちもとお
(二)
1.騙 2.筧 3.榜・檠 4.醂 5.綽約 6.顴骨 7.遥遠 8.薇(紫萁) 9.廓清 10.赫灼 11.緋毛氈 12.弖爾乎波(弖爾遠波) 13.悴 14.咳 15.剪定 16.筌蹄 17.懿旨 18.頤使(頤指) 19.杣 20.纐(✕纈)
(三)
1.英絢 2.慧悟 *漢検2あり:「聡明慧悟」 (参考)警悟(けいご):さといこと。のみこみの早いこと。かしこいこと。 3.悽惻 *広辞苑では「かなしみいたむこと」。漢検2:大見出し:心がひどくいたみ、悲しむこと。 4.葆祠(ほうし) *漢検2辞典では意味説明なし 5.衍義
(四)
問1
1.軟紅 2.嚆矢 3.韻鏡 4.遵養 5.篳路 6.級甎 7.狐裘 8.雲譎 9.響震 10.蔵疾 
問2
1.けつべい・けっぺい 2.ふうい 3.おうさ 4.がんかん 5.りょうちゅう
(五)
1.いさは 2.いせ 3.ゆきざさ 4.へくそかずら 5.タンニン 6.きんとうが 7.おとり 8.あかばな 9.からくしげ 10.かくぶつ
(六)
1.しは 2.さ(く) 3.しょうぶ 4.つ(ぐ) 5.しょうそ 6.ものさび(しい) 7.しょうきょう 8.おどろ(く)*漢検2熟語 9.けんけつ 10.くく(る)
(七)
1.吻合 2.哄笑 3.兢兢 4.孀婦 5.暘谷(注) 
6.瑶台 7.制誥 8.照臨 9.霾翳 10.聳峙
(注)2019.10.4修正 :当初の設問の「5.嵎夷」を「5.嵎谷」に変更しております。(当初の設問だと、「嵎夷」=「暘谷」となり、対義語の設問にもかからわず、類義語としての解答となってしまうため。したがって、標準解答に合わせるように、「嵎谷⇔暘谷」となるように修正しました。) 」
(八)
1.帷薄 2.劫臈 3.羔羊 4.甄陶 5.緩頬 6.打嚔 7.蛟 8.蕈中 9.狗鼠 10.刀俎(漢検2)
(九)
1.冥々 2.捌 3.斑 4.戛然 5.襞 6.窈窕 7.截断 8.烟(煙) 9.括 10.癩
ア.そし イ.もすそ・も ウ.きざはし エ.にびいろ オ.くだ カ.まばゆ キ.せ ク.か ケ.かた コ.かね
👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

訂正のお知らせ:「模擬試験問題(28-①用) その3 (一)10.“瞳瞳“(✕)」

2016年08月29日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●先人から貴重なご連絡をいただきました。
●模擬試験問題(28-①用) その3 (一) 10の「瞳瞳と朝日が昇る」 ➪ 「瞳瞳」は、(日へんの)「曈曈」の誤りと思われます。
●同問題の記事は訂正補筆しておきました。

●「瞳瞳」・・・漢検2掲載の“大見出し”熟語からの出題でしたが、先人からのご連絡では、漢検側の“誤植”である由。
●とりあえず、「漢字ペデイア」を検索したら、まさに、この「瞳瞳」はカット?されていて?、掲載されてはいませんでした。

*一応、念のため、後日、他の漢和辞典等にも当ってみるつもりですが、ご指摘のとおりで間違いはないと思います。

以上、取り急ぎ、お知らせいたします。本・模擬試験問題を学習、復習されている方々には、大変、ご迷惑をおかけいたしました。お詫びいたします。

・・・って、なんで、漢字ペデイアにも、こういう一言ぐらい、無いんだろう(ーー) 辞典として販売しているぐらいだから、その影響度は当ブログの比ではないと思うのだが・・・もしかしたら、そういう訂正通知などがどこかに提示されてたり連絡があったりしてたのかな?・・・私は知らないが。

👍👍👍 🐒 👍👍👍


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その8

2016年06月05日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その8」の配信です。28-①向け模擬試験問題はこれが最終です。なお、残りの問題候補などは、散発的に記事にしていくかもしれません・・・。
●事前の<お知らせ>で申し上げたとおり、文章題を除き、ほとんどすべて、漢検漢字辞典に掲載されている内容からの出題です。
●本番前のチェックと今後の弱点補強のための学習などにお役に立てば幸いです。みなさんの初合格、あるいは高得点での合格を願っております👍
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その8>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.羊の梳毛をおこなう
2.関西で白玉の善哉を食す
3.犂然としておそれおののく
4.鑰匙で錠を開ける
5.魍魅は山川の精であるといわれる
6.蝲蛄には一対の大きなはさみがある
7.とても煌びやかな鈿瓔
8.日が曄然と輝いている
9.綾子の帯を誂える
10.柚柑はミカン科の常緑低木でのゆずの一変種だ
11.女性に壼訓を示す
12.蘆薈の葉は“医者いらず”の異名をもつ
13.幣帛を供進す
14.嵩高な山々に囲まれる
15.葬列の轜車を見送る
16.ご自愛摶一に願う
17.車螯の肉は食用、殻は装飾用となる
18.まことに靦汗の至りです
19.袈裟は僧侶の標幟となるべき法衣である
20.書物の鼇頭にある注釈を読む
21.心が弥猛にはやる
22.はタカ科の小形の鳥だ
23.手賀沼にはの植生がみられる
24.全身が
25.思うように学習が進まず、い思いをしている
26.囚人をで紲ぐ
27.敵の攻撃を
28.とてもい子だ
29.を纏って托鉢に行く
30.は栴檀の古名である

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.マンプクの自信をもって受検に臨む 
2.箱がヒシャげた 
3.レンカを使って穀物の殻を打ち落す 
4.宿痾が死のテンキをとる  
5.ズボンをく 
6.コロで重い石を移動させる   
7.彼はゴウトウな気性で知られている 
8.鳥類にはキノウがあるので高く長く飛べる 
9.病がセンユしたので退院できた 
10.身をヨジって笑う  
11.その煮物はびている 
12.意気ヨウヨウとして受検結果を報告する 
13.小舟がヨウヨウとしてただよう 
14.愚行をタンゼンと愧じる 
15.手賀沼の湖水が静かにタンゼンとしている

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.タスキ掛けで働く 
2.イリを調節して水を抜く
3.ニオの浮巣
4.トテも大事な話だ  
5.草ムシりに精を出す 

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.土地の広さや長さ
2.美女のしなやかな歩み
3.墓地・火葬場
4.徳をあおぎ慕うこと。ほめたたえてあおぐこと。
5.心が清らかでけがれのないたとえ

<語群>
(さんまい、びゃくれん、ぼさん、さんごう、えんぼう、きんれんぽ、あだほ、けいごう)
  
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.有口(  ) 2.イ.左右(  ) 3.ウ.浮雲(  ) 4.エ.歓喜(  ) 5.オ.妻梅(  )  
6.カ.(  )失貌  7.キ.(  )心通 8.ク.(  )知源 9.ケ.(  )沙汰  10.コ.(  )修行   

<語群>
(ようやく、しかく、きゅうりゅう、にんじょう、さんろう、そうしょう、ゆうし、むこう、もくし、きんもう)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.一定期間、神社などに昼夜こもって祈願すること。おこもり。
12.家を離れて旅をする人 
13.結果からその原因を推定すること
14.枝葉末節にこだわって、根本を忘れること
15.言葉に表さなくても心で理解すること 

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.白英 2.金沸草 3.羊蹄 4.小櫱 5.眉児豆 6.野蜀葵 7.野木瓜 8.油点草 9.羊乳 10.魚条 

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.綰髪 ― 2.綰ぶ 
イ.3.剌謬 ― 4.剌く  
ウ.5.淋漓 ― 6.漓る 
エ.7.弋猟 ― 8.弋る 
オ.9.牖民 ― 10.牖く

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.下賜 2.凶歉 3.出生 4.款識 5.看経
<類義語>
6.弦月 7.瀑布 8.黔黎 9.弊衣 10.遊女

<語群>
(わんげつ、みょうじゅう、ぼうれい、どくじゅ、かじょう、らんい、むめい、ほうじん、ちょうだい、すいれん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>

1.様に依りてコロを描く  
2.センダンは双葉より芳し
3.ジンを迎えて解く  
4.年寄りの言うことと牛のシリガイは外れない   
5.テンセキ、苔を生ぜず
6.れ鍋に綴じ蓋  
7.牝鶏、アシタす  
8.トウセツは貧窮に起こる
9.ソウチュウ塵を生じ、釜中魚を生ず
10.シュクユウの災い  

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

(A)「・・・ 同じ陳蔡の厄の時、いまだ容易に囲みの解けそうもないのを見て、子路が言った。君子も窮することあるか? と。師の平生の説によれば、君子は窮することが無いはずだと思ったからである。孔子が即座に答えた。「窮するとは道に窮するの(ア)謂に非ずや。今、丘、仁義の道を抱き乱世の患に遭う。何ぞ窮すとなさんや。もしそれ、食足らず体(イ)瘁るるをもって窮すとなさば、君子ももとより窮す。但、小人は窮すればここに濫る。」と。そこが違うだけだというのである。子路は思わず顔を(ウ)赧めた。己の内なる小人を指摘された心地である。窮するも命なることを知り、大難に臨んでいささかの興奮の色も無い孔子の容(すがた)を見ては、大勇なる哉と嘆ぜざるを得ない。かつての自分の誇りであった・白刃前に(エ)接わるも目(ま)じろがざる底の勇が、何と惨めにちっぽけなことかと思うのである。
 楚が呉を伐うった時、工尹商陽という者が呉の師を追うたが、同乗の王子棄疾に「王事なり。子、弓を手にして可なり。」といわれて始めて弓を執り、「子、これを射よ。」と勧められてようやく一人を(オ)射斃した。しかしすぐにまた弓をかわぶくろに収めてしまった。再び促されてまた弓を取り出し、あと二人を斃したが、一人を射るごとに目を掩うた。さて三人を斃すと、「自分の今の身分ではこの位で充分反命するに足るだろう。」とて、車を返した。
 この話を孔子が伝え聞き、「人を殺すの中、また礼あり。」と感心した。子路に言わせれば、しかし、こんなとんでもない話はない。殊に、「自分としては三人斃した位で充分だ。」などという言葉の中に、彼の大嫌いな・一身の行動を国家の(1)キュウセキより上に置く考え方が余りにハッキリしているので、腹が立つのである。彼は(2)フツゼンとして孔子に喰って掛かる。「人臣の節、君の大事に当りては、ただ力の及ぶ所を尽くし、死して而して後に已む。夫子何ぞ彼を善しとする?」孔子もさすがにこれには一言も無い。笑いながら答える。「然り。汝の言のごとし。吾れ、ただその、人を殺すに忍びざるの心あるを取るのみ。」
べし」と。子路再拝して謝し、欣然として任に赴いた。
 蒲に着くと子路はまず土地の有力者、反抗分子等を呼び、これと腹蔵なく語り合った。手なずけようとの手段ではない。孔子の常に言う「教えずして刑することの不可」を知るが故に、まず彼等に己の意の在る所を明かしたのである。気取りの無い率直さが荒っぽい土地の人気に投じたらしい。壮士連はことごとく子路の明快闊達に(3)スイフクした。それにこの頃になると、既に子路の名は孔門随一の快男児として天下に響いていた。「片言もって獄を(カ)折むべきものは、それ由か」などという孔子の推奨の辞までが、大袈裟な尾鰭をつけて普く知れ渡っていたのである。蒲の壮士連をスイフクせしめたものは、一つには確かにこうした評判でもあった。
・・・
 衛の霊公は極めて意志の弱い君主である。賢と不才とを識別し得ないほど愚かではないのだが、結局は苦い諫言よりも甘い(4)テンユに欣ばされてしまう。衛の国政を左右するものはその後宮であった。
 夫人南子はつとに淫奔の噂が高い。まだ宋の公女だった頃異母兄の朝という有名な美男と通じていたが、衛侯の夫人となってからもなお宋朝を衛に呼び大夫に任じてこれと醜関係を続けている。すこぶる才走った女で、政治向きの事にまで容喙するが、霊公はこの夫人の言葉なら頷かぬことはない。霊公に聴かれようとする者はまず南子に取り入るのが例であった。
 孔子が魯から衛に入った時、召を受けて霊公には謁したが、夫人の所へは別に挨拶に出
なかった。南子が冠を曲げた。早速人を遣わして孔子に言わしめる。四方の君子、寡君と兄弟たらんと欲する者は、必ず寡小君(夫人)を見る。寡小君見んことを願えり云々。
 孔子もやむをえず挨拶に出た。南子は絺帷(ちい:薄い葛布の垂れぎぬ)の後に在って孔子を引見する。孔子の北面(5)ケイシュの礼に対し、南子が再拝して応えると、夫人の身に着けた(キ)環佩が璆然(きゅうぜん)として鳴ったとある。
 二乗の車が衛の都を行く。前なる四輪の豪奢な馬車には、霊公と並んで(ク)嬋妍たる南子夫人の姿が牡丹の花のように輝く。後ろの見すぼらしい二輪の牛車には、寂しげな孔子の顔が端然と正面を向いている。沿道の民衆の間にはさすがに秘やかな嘆声と顰蹙とが起る。
 群集の間に交って子路もこの様子を見た。公からの使を受けた時の夫子の欣びを目にしているだけに、(ケ)腸の煮え返る思いがするのだ。何事か(6)キョウセイを弄しながら南子が目の前を進んで行く。思わず嚇(かっ)となって、彼は拳を固め人々を押し分けて飛び出そうとする。背後から引き留める者がある。振り切ろうと眼を瞋らせて後ろを向く。子若と子正の二人である。必死に子路の袖を控えている二人の眼に、涙の宿っているのを子路は見た。子路は、ようやく振り上げた拳を下す。
 一行が招かれて楚の昭王の許へ行こうとした時、陳・蔡の大夫共が相計り秘かに暴徒を集めて孔子等を途に囲ましめた。孔子の楚に用いられることを惧れこれを妨げようとしたのである。暴徒に襲われるのはこれが始めてではなかったが、この時は最も困窮に陥った。糧道が絶たれ、一同火食せざること七日に及んだ。さすがに、餒え、疲れ、病者も続出する。弟子達の困憊と恐惶との間に在って孔子は独り気力少しも衰えず、平生通り絃歌して  (コ)輟まない。従者等の(7)ヒハイを見るに見かねた子路が、いささか色を作して、絃歌する孔子の側に行った。そうして訊ねた。夫子の歌うは礼かと。孔子は答えない。絃を操る手も休めない。さて曲が終ってからようやく言った。
「由よ。吾れ汝に告げん。君子楽を好むは驕るなきがためなり。小人楽を好むは懾るるなきがためなり。それ誰の子ぞや。我を知らずして我に従う者は。」
 子路は一瞬耳を疑った。この窮境に在ってなお驕るなきがために楽をなすとや? しかし、すぐにその心に思い到ると、途端に彼は嬉しくなり、覚えず戚(ほこ)を執って舞うた。孔子がこれに和して弾じ、曲、三度めぐった。傍にある者またしばらくは飢えを忘れ疲れを忘れて、この武骨な即興の舞に興じ入るのであった。・・・」「弟子」(中島敦)

(B)「・・・人生百般の事業は譬へば、猶、酒の如し、自由は譬へば、猶、酵母の如し。葡萄酒や麦酒や其の財料如何に良好なるも若し酵母たる者無きに於ては夫の財料は皆(8)ソウテイに沈澱して其の精気を沸醸せんと欲するも得可からず。
・・・
人或いは言はん、『邦国の富強なるは財貨の(9)インプなるに由る、財貨のインプなるは学術の精巧なるに由る。何となれば物理学や物化学や動植の学や算数の学や、其の効力を把り来りて之を工業実地の際に応用し時間を省き体力を倹して其の得る所の貨物多くして且つ精なること、大に手指の直に作為する所に勝る。是れ国のインプなるを致す所以なり。国既にインプなり。是に於て精兵を蓄へ堅艦を設け釁(きん=隙)を観て出征し地を闢き境を拓き遠く亜細亜、阿非利加の地を略有し、民を移して市場を置かしめ本土の産を賤買して自国の貨を貴売し、利を攫むことを貲(はか)られず(=無限)。工業愈々(いよいよ)熾(さか)んに販路愈々広くして 海陸軍備も亦随ふて益々強大なるを致すは、自然の勢なり、自由の制度に(10)エンユウするに非ざるなり』と。・・・」「三酔人経綸問答」(中江兆民)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その8 標準解答>
(一)
1.そもう 2.ぜんざい 3.りゅうぜん(“おそれおののく”場合は各辞典とも「リュウゼン」の模様) 4.やくし 5.もうみ 6.らっこ 7.でんえい 8.ようぜん 9.りんず 10.ゆこう 11.こんくん 12.ろかい 13.へいはく 14.すうこう 15.じしゃ 16.せんいつ 17.しゃごう 18.てんかん 19.ひょうし・ひょうじ 20.ごうとう 
21.やたけ 22.はいたか・はしたか 23.はす 24.だる(い) 25.はがゆ(い) 26.なわ 27.ひし(ぐ) 28.かしこ(い) 29.ぼろ・つづれ 30.おうち
(二)
1、満幅 2.拉 3.連枷 4.転帰 5.穿 6.転・木呂 7.豪宕 8.気囊(嚢)9.痊癒 10.捩・捻 11.黴 12.揚揚 13.揺揺 14.赧然 15.湛然
(三)
1.襷 2.圦 3.鳰 4.迚 5.挘・毟
(四)
1.延袤 2.金蓮歩 3.三昧 4.鑽仰(*“さんぎょう”とも読む) 5.白蓮  
(五)
問1
1.無行 2.相称 3.遊子(*「游子」も可。) 4.踊躍 5.子鶴 6.謹毛 7.黙識 8.汲流 9.刃傷 10.参籠  
問2
11.コ 12.ウ 13.ク 14.カ 15.キ
(六)
1.ひよどりじょうご 2.おぐるま 3.ぎしぎし 4.めぎ 5.いんげんまめ 6.みつば 7.むべ 8.ほととぎす 9.つるにんじん 10.すわやり
(七)
1.わんぱつ 2.むす(ぶ) 3.らつびゅう 4.そむ(く) *「もと(る)」訓もあり 5.りんり 6.したた(る) 7.よくりょう 8.と(る) 9.ゆうみん 10.みちび(く)
(八)
1.頂戴 2.豊稔 3.命終 4.無銘 5.読誦 6.彎月 7.水簾 8.萌隷(「萌黎」「氓黎」でも可となると思う・・・) 9.襤衣 10.花娘
(九)
1.胡蘆 (△「葫蘆」の「葫」は対象外。「葫=コ、ゆうがお、にんにく」。葫蘆=胡蘆=瓢箪(ひょうたん)) 2.栴檀 3.刃 4.鞦・尻繋・紂 5.転石 6.破 7.晨 8.盗窃 9.甑中 10.祝融
(十)
(1)休戚 (2)怫然 (3)推服 (4)諂諛 (5)稽首 (6)嬌声 (7)疲憊 (8)槽底 (9)殷富 (10)縁由
(ア)いい (イ)つか (ウ)あから (エ)まじ (オ)しゃへい (カ)さだ (キ)かんぱい (ク)せんけん (ケ)はらわた (コ)や

👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その7

2016年06月04日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その7」の配信です。 
●事前の<お知らせ>で申し上げたとおり、文章題を除き、ほとんどすべて、漢検漢字辞典に掲載されている内容からの出題です。
●易しいかも知れませんが、<今回の難易度>は、“人によります”。漢検漢字辞典の習熟度(+応用力)次第です。・・・「対義語・類義語」「四字熟語」あたりが目新しいかと・・・新出といえば新出? ・・・ただ、本番ではこういう出題の仕方・内容はあまり考えられません・・・
●<制限時間>:従って、一応60分を目途にやられたらどうかとは思いますが、“模擬試験”とは云っても、本番をあまり模していないので、じっくりやっても効果あると思います。点数よりも頭の訓練を目的に取り組んだ方が学習効果があると思います。
●本番前のチェックと今後の弱点補強のための学習などにお役に立てば幸いです。みなさんの初合格、あるいは高得点での合格を願っております・・・というか、全員の点数“底上げ”につながれば幸い👍👍👍
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●なお、明日(6/5)6:00、<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題28-①用 その8>(最終回)を配信する予定です。あと2週間、最後の追い込みでがんばりましょう👋👋👋
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その7>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.彪炳千古、永遠に光彩を放つ  
2.辺塞に警柝の音が響く
3.超擢により高い地位についた
4.死者の顔を幎冒で蔽う
5.彼女の嚬呻はとても苦しそうだ
6.藐姑射の山とは、いわゆる仙洞で上皇の御所を祝っていう語である。
7.漆塗りの下地の合わせ目や割れ目などを埋めるために刻苧を施す
8.倩倩とした美女に出遭う
9.酷い車磔の刑を受けた
10.他国の領土を荐食する
11.鳥が嘲哳と鳴いている
12.鉗梏で束縛される
13.あの小2の子は孱弱な体つきをしていた 
14.情報が縒綜している
15.天下の珍宝とされた和璞・・・
16.家庭が梏桎となることもある
17.敵軍を陝塞で邀撃した 
18.敵の大軍を前にして逗撓して進まず
19.前栽をゆっくりと観賞する
20.金銀・鍮石を以って針と為す
21.菜葱は雨久花(みずあおい)の別称である
22.恋にえる青春は誰もが経験するものだ
23.は、今のイヤリングのことか・・・。
24.春の野の枯草を焼くを見る
25.車のが轂にあつまる
26.舞台の幕切れで柝頭が入った
27.歳の割に、かな小学生だ
28.をしかけて魚を捕る
29.“”とは、芭蕉俳諧の理念の一つを表す言葉だ
30.で地面を均す

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.ひそかにヨウゲキの準備をする
2.はるかヨウチョウの地へ旅立つ
3.いわば、コンリョウの袖に隠れた振る舞いだ  
4.デートなのでメカしこんで出かけた 
5.ハリとは、いばらだけでつくった垣根のことだ 
6.人の世は貧富ジュヨウさまざまだ
7.複数の神を一つの神社にゴウシする 
8.越後トジの造る酒は絶品だ 
9.頑張ったがトジに終わった 
10.激しい腹痛を伴うリビョウが流行っている  
11.結核などのリビョウが増えている  
12.ユウユウとした長い黒髪がとても綺麗だ 
13.ユウユウと時が流れて行く 
14.辛く悲しく、ソウゼンとして涙を流す 
15.鈴が触れ合いソウゼンと鳴る
 
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.ハタハタを鍋にして食す
2.スイ臓癌に罹った  
3.コウ纈染めは染色法の一つだ  
4.オオボラの卵巣から鱲をつくる 
5.ヤガて夏が来る

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.おおきなはかりごと
2.川の中の小島。川にできた砂地の陸。
3.人に面会を求めること
4.攻めること、攻撃して押さえつけること
5.すぐれた景色や絵などをじゅうぶんにあじわい楽しむ
<語群>
(はくげき、かんしょう、そうもん、ぎんしょう、こうゆう、しゅうしょ、ていしょ、そうたい)
  
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.追根(  ) 2.イ.門巷(  )  3.ウ. 無病(  ) 4.エ.以羊(  ) 5.オ.道不(  )  
6.カ.(  )羹霍(藿) 7.キ.(  )崇拝  8.ク.(  )者莪 9.ケ.(  )皆然    10.コ.(  )山脈    

<語群>
(としゃ、せきりょう、しゅうい、えきぎゅう、えきち、せいしん、せいせい、じんてい、てんしゅう、じきゅう、)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.不必要な事をして自分でつらい目をみるたとえ
12.考えや行為はそれぞれの立場に左右されるものだということ
13.他人だけの為に苦労するたとえ    
14.本質的には何も変わらないということ
15.人材を育成すること、それを楽しむこと

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.蒟醬 2.蒲葵 3.枸榾 4.菜豆 5.尸者 6.沙子 7.白屈菜 8.千屈菜 9.礬水 10.白花菜

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.考槃 ― 2.槃しむ 
イ.3.緝綴 ― 4.緝める 
ウ.5.雍樹 ― 6.雍く 
エ.7.充塞 ― 8.塞ちる  
オ.9.屏息 ― 10.屏う  

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.媾和 2.仄日 3.擡頭 4.主客 5.明瞭
<類義語>
6.佞人 7.厩舎 8.饗応 9.暴風 10.狃習

<語群>
(たいとう、せっこう、そうれき、じんじん、はんらん、ばいひん、たんじつ、きょうひょう、けいしょ、せんせん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.白頭新の如く、傾蓋の如し  
2.土にキュウ  
3.水到りてキョ成る  
4.ショウキュウの鳥 
5.ジジョの交わり 
6.センキンの子は坐するに堂に垂せず 
7.オイテに帆を揚げる    
8.ハントにして廃す  
9.アイクチに鍔    
10.ヒバは鞭箠を畏れず (注)鞭箠(ベンスイ)=むちのこと  

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・晋の魏楡(きゆ)の地で石がものを言ったという。民の(1)エンサの声が石を仮りて発したのであろうと、ある賢者が解した。既に衰微した周室は更に二つに分れて争っている。十に余る大国はそれぞれ相結び相闘って(2)カンカの止む時が無い。斉侯の一人は臣下の妻に通じて夜ごとその(ア)邸に忍んで来る中についにその夫に弑せられてしまう。楚では王族の一人が病臥中の王の頸をしめて位を奪う。呉では足頸を斬り取られた罪人共が王を襲い、晋では二人の臣が互いに妻を交換し合う。このような世の中であった。
 魯の昭公は(3)ジョウケイ季平子を討とうとしてかえって国を逐われ、亡命七年にして他国で(4)キュウシする。亡命中帰国の話がととのいかかっても、昭公に従った臣下共が帰国後の己の運命を案じ公を引き留めて帰らせない。魯の国は季孫・叔孫・孟孫三氏の天下から、更に季氏の宰・陽虎の(イ)恣な手に操られて行く。
 ところが、その策士陽虎が結局己の策に倒れて失脚してから、急にこの国の政界の風向きが変った。思いがけなく孔子が中都の宰として用いられることになる。公平無私な官吏や苛斂誅求を事とせぬ政治家の皆無だった当時のこととて、孔子の公正な方針と周到な計画とはごく短い期間に驚異的な治績を挙げた。すっかり驚嘆した主君の定公が問うた。汝の中都を治めし所の法をもって魯国を治むればすなわちいかん? 孔子が答えて言う。何ぞ但魯国のみならんや。天下を治むるといえども可ならんか。およそ法螺とは縁の遠い孔子がすこぶる恭しい調子で澄ましてこうした壮語を弄したので、定公はますます驚いた。彼は直ちに孔子を司空に挙げ、続いて大司寇に進めて宰相の事をも兼ね摂らせた。孔子の推挙で子路は魯国の内閣書記官長とも言うべき季氏の宰となる。孔子の内政改革案の実行者として真っ先に活動したことは言うまでもない。
 孔子の政策の第一は中央集権すなわち魯侯の権力強化である。このためには、現在魯侯よりも勢力を有つ季・叔・孟・三桓の力を削がねばならぬ。三氏の私城にして百雉(厚さ三丈、高さ一丈)を超こえるものに郈(こう)・費・成の三地がある。まずこれ等を(ウ)毀つことに孔子は決め、その実行に直接当ったのが子路であった。
・・・
 天についてのこの不満を、彼は何よりも師の運命について感じる。ほとんど人間とは思えないこの大才、大徳が、なぜこうした不遇に甘んじなければならぬのか。家庭的にも恵まれず、年老いてから放浪の旅に出なければならぬような不運が、どうしてこの人を待たねばならぬのか。一夜、「鳳鳥至らず。河、図を出さず。(エ)已んぬるかな。」と独言に孔子が呟くのを聞いた時、子路は思わず涙の溢れて来るのを禁じ得なかった。孔子が嘆じたのは天下蒼生のためだったが、子路の泣いたのは天下のためではなく孔子一人のためである。
 この人と、この人を(オ)竢つ時世とを見て泣いた時から、子路の心は決っている。濁世のあるゆる侵害からこの人を守る楯となること。精神的には導かれ守られる代りに、世俗的な(5)ハンロウ汚辱を一切己が身に引受けること。僭越ながらこれが自分の務めだと思う。学も才も自分は後学の諸才人に劣るかも知れぬ。しかし、いったん事ある場合真っ先に夫子のために生命を(カ)抛って顧みぬのは誰よりも自分だと、彼は自ら深く信じていた。
・・・
「ここに美玉あり。(キ)匱(ク)韞めて蔵(かく)さんか。善賈(ぜんか)を求めて(ケ)沽らんか。」と子貢が言った時、孔子は即座に、「これを沽らん哉かな。これを沽らん哉。我は(コ)賈を待つものなり。」と答えた。
 そういうつもりで孔子は天下周遊の旅に出たのである。随った弟子達も大部分はもちろん沽りたいのだが、子路は必ずしも沽ろうとは思わない。権力の地位に在って所信を断行する快さは既に先頃の経験で知ってはいるが、それには孔子を上に戴くといった風な特別な条件が絶対に必要である。それが出来ないなら、むしろ、「 (6)カツを被(き)て玉を懐く」という生き方が好ましい。生涯孔子の番犬に終ろうとも、いささかの悔いも無い。世俗的な虚栄心が無い訳ではないが、なまじいの仕官はかえって己の本領たる磊落闊達を害するものだと思っている。
 様々な連中が孔子に従って歩いた。てきぱきした実務家の冉有。温厚の長者閔子騫。 (7)センサク好きな故実家の子夏。いささか(8)キベン派的な享受家宰予。気骨(9)リョウリョウたる慷慨家の公良孺。身長九尺六寸といわれる長人孔子の半分位しかない(10)タンワイな愚直者子羔。年齢から云っても貫禄から云っても、もちろん子路が彼等の宰領格である。・・・」「弟子」(中島敦)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その7 標準解答>
(一)
1.ひょうへい(*漢検2読み) 2.けいたく 3.ちょうたく(*順序を飛び越えて高い地位に挙げ用いる。漢検2は読みナシ、大漢和・大字源・漢字源は「ちょうたく」、字通は不明だが「ちょうてき」かも。「ちょうてき」でもたぶん〇) 4.べきぼう 5.ひんしん 6.ばくこや・はこや 7.こくそ 8.せんせん 9.しゃたく 10.せんしょく 11.ちょうたつ・とうたつ 12.けんこく 13.せんじゃく 14.さくそう 15.かはく 16.こくしつ 17.せんさい(*“陝西”という地にあるとりで) 18.とうどう 19.せんざい 20.とうせき
21.なぎ 22.もだ 23.みみだま 24.のび 25.や 26.きがしら 27.おろ 28.やな 29.しおり 30.さらい
(二)
1.要撃(*待ち伏せして敵を攻撃すること。邀撃は“迎え撃つこと。「胴欲」と同様の引っかけ問題・・・) 2.杳窕 (*漢検2は「窈窕」にこの種意味を載せていない・・・) 3.袞竜 4.粧 5.笆籬 6.寿夭 7.合祀 8.杜氏 9.徒爾 10.痢病 11.罹病 12.油油 13.悠悠 14.愴然 15.錚然(鏘然、鎗然)
(三)
1.鱩・鰰 2.膵 3.纐 4.鮱 5.軈
(四)
1.鴻猷 2.洲嶼 3.掃門 4.搏撃 5.酣賞
(五)
問1
1.尋底 2.塡集 3.自灸 4.易牛 5.拾遺(*「道に遺ちたるを拾わず」から・・・)
6.屠者(*霍(藿)は豆の葉) 7.星辰 8.菁菁 9.易地 10.脊梁
問2
11.ウ 12.ケ 13.カ 14.エ 15.ク
(六)
1.キンマ 2.びろう 3.ひいらぎ 4.いんげんまめ 5.ものまさ 6.いさご 7.くさのおう 8.みそはぎ 9.どうさ 10.ふうちょうそう 
(七)
1.こうはん 2.たの(しむ)3.しゅうてい 4.あつ(める)*漢検2:シュウテイ読みのみ。 5.ようじゅ 6.いだ(く) 7.じゅうそく 8.み(ちる) 9.へいそく 10.おお(う)
(八)
1.宣戦 2.旦日(②夜明けの太陽) 3.頽唐 4.陪賓 5.汎濫(*曖昧なこと、不確定なこと。「“犯”濫」にはこの意味ナシ。)
6.壬人 7.槽櫪 8.鶏黍 9.狂飆 10.褻狎
(九)
1.故(✕古) 2.灸 3.渠 4.傷弓 5.爾汝 6.千金 7.追風 8.半途(✕版図) 9.匕首 10.罷馬(「疲馬」でも良いと思うが・・・)
(十)
(1)怨嗟 (2)干戈 (3)上卿 (4)窮死 (5)煩労 (6)褐 (7)穿鑿(詮索) (8)詭弁 (9)稜稜 (10)短矮
(1)やしき (2)ほしいまま (3)こぼ (4)や (5)ま (6)なげう (7)ひつ(*「はこ」もokかも・・・。) (8)おさ (9)う (10)あたい(*前文で、「善賈(ぜん“か”)とあるので、この文では、「賈(コ)=商人」のことではなく、「賈(カ)=ねだん、あたい」のことであることがわかる)

👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<お知らせ>漢検1級<28ー①向け>模擬試験問題(第7回)

2016年06月03日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<2016年 🐁🐃🐯🐇🐉🐍🐎🐑🐒🐔🐕🐖  丙申(ひのえさる・ヘイシン)>宇
①10干=甲・乙・・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(コウイツ・ヘイテイ・ボキ・コウシンジンキ) 
②12支=子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・・酉・戌・亥(シチュウインボウ・シンシゴビ・シンユウジュツガイ)
③木火土金水(モッカ ドキンスイ)+兄弟(エト)➪きのえ/きのと、ひのえ/ひのと、つちのえ/つちのと、かのえ/かのと、みずのえ/みずのと・・・「木+兄」=きのえ ~ 「水+弟」=みずのと・・・丙=火+兄=ひのえ 申=さる 丙申=ヘイシン・ひのえさる・・・
*来年の2017年は、丙→丁(テイ、火+弟=ひのと)、申→酉(ユウ、とり)・・・➪ 丁酉(テイユウ、ひのととり)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
漢検1級<28ー①向け>模擬試験問題(第7回)を明日(6/4)6:00 に配信します。
・“模擬”試験というより、“チェック”用にお使いください・・・28-①までの学習深化のために有効にご活用いただければ幸いです・・・

👍👍👍 🐒 👍👍👍
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu  漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その6

2016年06月02日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その6」の配信です。 
●事前の<お知らせ>で申し上げたとおり、文章題を除き、ほとんどすべて、漢検漢字辞典に掲載されている内容からの出題です。
●易しいかも知れませんが、<今回の難易度>は、“人によります”。漢検漢字辞典の習熟度(+応用力)次第です。・・・「対義語・類義語」「四字熟語」あたりが目新しいかと・・・新出といえば新出? ・・・ただ、本番ではこういう出題の仕方・内容はあまり考えられません・・・
●<制限時間>:従って、一応60分を目途にやられたらどうかとは思いますが、“模擬試験”とは云っても、本番をあまり模していないので、じっくりやっても効果あると思います。点数よりも頭の訓練を目的に取り組んだ方が学習効果があると思います。
●<その7>も、今週中には配信する予定です。後学のため、今回の“模擬”試験問題についての感想、コメントなどもよろしくお願いします。
●本番前のチェックと今後の弱点補強のための学習などにお役に立てば幸いです。みなさんの初合格、あるいは高得点での合格を願っております・・・というか、全員の点数“底上げ”につながれば幸い👍👍👍
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その6>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.軍が公禰とともに出陣する 
2.その才、俶儻なり
3.蓍草で占い用の細い棒を作る
4.土を良耜で掘り起こす
5.諒陰に国民も服喪した
6.衣類を筐笥に入れておく
7.秋の清風に、枕簟が涼しい
8.車が故障したので倅車に乗り換える
9.一軍の指揮に幢幡を使う  
10.白雲、繆繞として棚引く
11.寒餒に苦しむ
12.原隰は、いわゆる五地の一つである
13.蒻蓆の上に坐す
14.いまだに慚悔の念に堪えない
15.駿馬に馬絛を装着する
16.髪飾りに釵釧を用いた
17.無上の説楽を味わった
18.庭園に美しいがあった 
19.茶碗を帛紗で受けとる
20.柏槙とは伊吹(いぶき)の別称である
21.この絨毯はとても
22.黒框に死亡広告を出す
23.漬物がれて味がよくなった
24.この画は、なんとも見事だ、・・・
25.高貴な身分の人にをさしかける
26.の男と女御が鉢合わせした
27.秋に獲物をる 
28.陣中でを鳴らし士気を鼓舞した
29.今年も到頭、大晦を迎えた
30.魚が尾鰭を動かしている

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.時下、益々ごセイボクのことと存じます
2.国書にコクジを押す 
3.京都八坂神社のオケラ参りを観に行く
4.車のが轂にあつまる 
5.歩いても歩いてもミチハカがゆかない  
6.このキイチゴはとても美味しい
7.ザッパクな知識を振り回す 
8.修験者が瘴気を防ぐためトキンをかぶる 
9.見せかけだけ、トキンでごまかした
10.景色がゼンゼンと移り変わる  
11.草木がゼンゼンと盛んに茂っている 
12.資料を集めて校史をサンジュツする 
13.校史の不要な部分を取り除いてサンジュツする
14.恩師のコウエンに列する 
15.恩師がコウエンとして逝ってしまった

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.砲コウとは、火砲・大砲のことだ  
2.落語のハナシ家と同席した 
3.ハヤはコイ科の淡水魚だ  
4.ハラカが献上された    
5.ワカサギの天ぷらを食す  

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.こもの敷物。むしろ。
2.多くの参考書を周囲に並べ広げること
3.寄せ鍋の類
4.先人の作品、昔の書物。
5.古代漢字の書体の一種。矛など武具の装飾用に用いられた、極めて装飾性の高い書体。

<語群>
(だいてん、だっさいぎょ、ちょうてん、のうへん、せんせき、ごこうせい、てんせき、ろれつ)
  
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.風光(  ) 2.イ.偏聴(  ) 3.ウ.百折(  ) 4.エ.竜門(  ) 5.オ.西山(  )  
6.カ.(  )礼拝 7.キ.(  )入淵 8.ク.(  )成章 9.ケ.(  )綉葉 10.コ.(  )徳人   

<語群>
(にちはく、ふざ、けいふ、ぜっか、けいは、しょうかん、げろう、ちょうだい、ひぜん、てんがく)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.年老いて死期が迫っている喩え
12.不公平で悪い結果をもたらすこと
13.仏教の礼法の一。尊者の前にひれ伏し、頭を地につけ、足元を拝する最敬礼。
14.身分は低いが金持ちの人
15.適材適所でないこと。 才能を発揮すべき所を誤まることの喩え

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.蛇牀 2.八首鳥 3.太平簫 4.拍手 3.三白草 6.馬蹄草 7.蟇子 8.拍板 9.黒菜 10.馬尾藻

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.珥筆 ― 2.珥む  
イ.3.狡憤 ― 4.狡う  
ウ.5.肺癆 ― 6.癆せる 
エ.7.按排 ― 8.排ねる
オ.9.秉彝 ― 10.秉る

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.出生 2.落暉 3.天眷 4.順調 5.蒿里
<類義語>
6.矜大 7.随想録 8.僧俗 9.簷馬 10.菲才
<語群>
(さっき、たくれい、てんけん、ちょうきょく、かいろ、そせい、ごうごつ、ふねい、けんきょく、しそ)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ソウトツ未だ黔まず 
2.三軍もスイを奪うべし
3.人生相見えざることシンショウの如し
4.楊震のシチ(または、「シチの教え」)
5.ニンニクの袈裟   
6.怒れる拳、ショウメンに当らず
7.カンジャク噪ぎて行人至り、蜘蛛集いて百事嘉し 
8.酒は憂いを掃うタマハハキ
9.タンジの間  
10.ネタバを合わす

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・魯の卞(べん)の游侠の徒、仲由(ちゅうゆう)、字は子路という者が、近頃賢者の噂も高い学匠・陬人孔丘を辱めてくれようものと思い立った。似而非賢者何程のことやあらんと、蓬頭突鬢・垂冠・短後の衣という服装で、左手に雄雞(おんどり)、右手に牡豚を引っ提げ、勢い猛に、孔丘が家を指して出掛ける。雞を揺り豚を奮い、(ア)嗷しい脣吻の音をもって、儒家の絃歌講誦の声を擾そうというのである。
 けたたましい動物の叫びと共に眼を瞋らして跳び込んで来た青年と、(イ)圜冠(注1)(ウ)句履(注2)緩く玦(けつ)を帯びて几に凭った温顔の孔子との間に、問答が始まる。
・・・
 学の権威について云々されては微笑(わら)ってばかりもいられない。孔子は(1)ジュンジュンとして学の必要を説き始める。人君にして(2)カンシンが無ければ正を失い、士にして教友が無ければ聴を失う。樹も縄を受けて始めて直くなるのではないか。馬に(エ)策が、弓に(3)ケイ(注3)が必要なように、人にも、その放恣な性情を矯める教学が、どうして必要でなかろうぞ。匡し理め磨いて、始めてものは有用の材となるのだ。
 後世に残された語録の字面などからは到底想像も出来ぬ・極めて説得的な弁舌を孔子は有っていた。言葉の内容ばかりでなく、その穏やかな音声・抑揚の中にも、それを語る時の極めて確信に充ちた態度の中にも、どうしても聴者を説得せずにはおかないものがある。青年の態度からは次第に反抗の色が消えて、ようやく(4)キンチョウの様子に変って来る。
・・・
 ある時、子路が一室で(5)シツを鼓していた。
 孔子はそれを別室で聞いていたが、しばらくして傍らなる冉有に向って言った。あのシツの音を聞くがよい。(6)ボウレイの気がおのずから(オ)漲っているではないか。君子の音は温柔にして中におり、生育の気を養うものでなければならぬ。昔、舜は五絃琴を弾じて南風の詩を作った。南風の薫ずるやもって我が民の(カ)慍りを解くべし。南風の時なるやもって我が民の財を阜(おお)いにすべしと。今、由の音を聞くに、誠に殺伐激越、南音に非ずして北声に類するものだ。弾者の荒怠暴恣の  (7)シンジョウをこれほど明らかに映し出したものはない。――
 後、冉有が子路の所へ行って夫子の言葉を告げた。
 子路は元々自分に楽才の乏しいことを知っている。そして自らそれを耳と手のせいに帰していた。しかし、それが実はもっと深い精神の持ち方から来ているのだと聞かされた時、彼は愕然として懼れた。大切なのは手の習練ではない。もっと深く考えねばならぬ。彼は一室に閉じ籠り、静思して喰らわず、もって(8)コツリツするに至った。数日の後、ようやく思い得たと信じて、再びシツを執った。そうして、極めて恐る恐る弾じた。その音を洩れ聞いた孔子は、今度は別に何も言わなかった。咎めるような顔色も見えない。子貢が子路の所へ行ってそのむねを告げた。師の咎が無かったと聞いて子路は嬉しげに笑った。
 人の良い兄弟子の嬉しそうな笑顔を見て、若い子貢も微笑を禁じ得ない。聡明な子貢はちゃんと知っている。子路の奏でる音が依然として殺伐な北声に満ちていることを。そうして、夫子がそれを咎めたまわぬのは、痩せ細るまで苦しんで考え込んだ子路の一本気を(キ)愍れまれたために過ぎないことを。
・・・
 弟子の中で、子路ほど孔子に叱られる者は無い。子路ほど遠慮なく師に反問する者もない。「請う。古の道を釈てて由の意を行わん。可ならんか。」などと、叱られるに決っていることを聞いてみたり、孔子に面と向ってずけずけと「これある哉。子の迂なるや!」などと言ってのける人間は他に誰もいない。それでいて、また、子路ほど全身的に孔子に凭り掛かっている者もないのである。どしどし問い返すのは、心から納得出来ないものを表面だけ(ク)諾うことの出来ぬ性分だからだ。また、他の弟子達のように、嗤われまい叱られまいと気を遣わないからである。
 子路が他の所ではあくまで人の下風に立つを潔しとしない独立(9)フキの男であり、一諾千金の快男児であるだけに、碌々たる凡弟子然として孔子の前に侍っている姿は、人々に確かに奇異な感じを与えた。事実、彼には、孔子の前にいる時だけは複雑な思索や重要な判断は一切師に任せてしまって自分は安心しきっているような滑稽な傾向も無いではない。母親の前では自分に出来る事までも、してもらっている幼児と同じような工合である。退いて考えてみて、自ら苦笑することがある位だ。

 だが、これほどの師にもなお触れることを許さぬ胸中の奥所がある。ここばかりは譲れないというぎりぎり結著の所が。
 すなわち、子路にとって、この世に一つの大事なものがある。そのものの前には死生も論ずるに足りず、いわんや、区々たる利害のごとき、問題にはならない。侠といえばやや軽すぎる。信といい義というと、どうも道学者流で自由な躍動の気に欠ける(ケ)憾みがある。そんな名前はどうでもいい。子路にとって、それは快感の一種のようなものである。とにかく、それの感じられるものが善きことであり、それの伴わないものが悪しきことだ。極めてはっきりしていて、いまだかつてこれに疑を感じたことがない。孔子の云う仁とはかなり開きがあるのだが、子路は師の教の中から、この単純な倫理観を補強するようなものばかりを選んで摂り入れる。巧言令色(コ)足恭、怨ミヲ匿シテ其ノ人ヲ友トスルハ、丘之ヲ恥ヅ とか、生ヲ求メテ以ッテ仁ヲ害スルナク身ヲ殺シテ以テ仁ヲ成スアリ とか、狂者ハ進ンデ取リ(10)ケンジャ ハ為サザル所アリ とかいうのが、それだ。孔子も初めはこの角を矯めようとしないではなかったが、後には諦めて止めてしまった。とにかく、これはこれで一匹の見事な牛には違いないのだから。策を必要とする弟子もあれば、手綱を必要とする弟子もある。容易な手綱では抑えられそうもない子路の性格的欠点が、実は同時にかえって大いに用うるに足るものであることを知り、子路には大体の方向の指示さえ与えればよいのだと考えていた。敬ニシテ礼ニ中ラザルヲ野トイヒ、勇ニシテ礼ニ中ラザルヲ逆トイフ とか、信ヲ好ンデ学ヲ好マザレバソノ蔽ヤ賊、直ヲ好ンデ学ヲ好マザレバソノ蔽ヤ絞などというのも、結局は、個人としての子路に対してよりも、いわば塾頭格としての子路に向っての叱言(こごと)である場合が多かった。子路という特殊な個人に在ってはかえって魅力となり得るものが、他の門生一般についてはおおむね害となることが多いからである。・・・」「弟子」(中島敦)
(注1)圜冠:まるい冠 (注2)句履:曲ったくつ (注3)ケイ:ゆだめ。弓を反らせる道具。
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その6 標準解答>
(一)
1.こうでい(*大字源「こうでい」*戦争のときに捧持していく位牌、かたしろ。) 2.てきとう 3.しそう 4.りょうし 5.りょうあん 6.きょうし 7.ちんてん 8.さいしゃ 9.とうはん(*“どうばん”なら仏堂に飾る旗。) 10.りょうじょう 11.かんだい 12.げんしつ・げんしゅう 13.じゃくせき 14.ざんかい(*“ざんげ(懺悔)”とミスしやすい) 15. ばとう(*馬のはらおび) 16.さいせん 17.えつらく・えつがく(「えつがく」の場合は音楽を喜び楽しむ意) 18.ばいたい 19.ふくさ 20.びゃくしん
21.あつ(い) 22.くろわく 23.な(れる) 24.のう 25.きぬがさ 26.しず 27.か(る) 28.どら 29.おおつごもり 30.おびれ(✕「おひれ」は別義)  
(二)
1.清穆 2.国璽 3.朮・白朮 4.輻 5.道捗・道果 6.木苺・懸鉤子 7.雑駁 8.兜巾(*広辞苑では「頭巾、頭襟」とも。) 9.鍍金 10.冉冉(漸漸) 11.苒苒 12.纂述 13.刪述 14.講筵 15.溘焉
(三)
1.熕 2.噺 3.鰙 (✕鮠) 4.鰚 5.鰙
(四)
1.薦席 2.獺祭魚 3.五侯鯖 4.曩篇(編) 5.鳥篆
(五)
問1
1.絶佳 2.生姦(*「偏聴、姦を生ず」) 3.不挫 4.点額 5.日薄(*「西山、日に薄(せま)る」の原・四字熟語 6.頂戴(*「帰命“頂礼”」のもとの四字熟語。お釈迦さまの足を“頂戴”するような礼拝の仕方ってこと) 7.掲斧(*「斧を掲げて淵に入る」) 8.斐然 9.瓊葩 10.下臈 
問2
11.オ 12.イ 13.カ 14.コ 15.キ
(六)
1.はまぜり 2.やつがしら 3.チャルメラ 4.かしわで 5.はんげしょう 6.かきどおし 7.ぶゆ 8.びんざさら 9.くろめ 10.ほんだわら
(七)
1.じひつ 2.さしはさ(む) 3.こうふん 4.くる(う) 5.はいろう 6.おとろえや(せる) 7.あんばい 8.つら(ねる) 9.へいい 10.まも(る)
(八)
1.徂逝 2.朝旭 3.天譴 4.蜷局(「蜷曲」も可かも) 5.薤露(*貴人用の挽歌「薤露」・庶民用の挽歌「蒿里」)
6.傲兀 7.箚記 8.緇素 9.鐸鈴 10.不佞(*漢検2には下付き熟語で小さく掲載されている。意味説明などはナシ。)
(九)
1.竈突 2.帥 3.参商 4.四知 5.忍辱 6.笑面 7.乾鵲(かささぎのこと。*中国の俗説。*「乾鵲」という漢検2掲載熟語から調べた故事成語・・・) 8.玉箒 9.弾指(“ダンシ”とも。) 10.寝刃 
(十)
(1)諄諄(諄々) (2)諫臣 (3)檠 (4)謹聴 (5)瑟 (6)暴厲(「暴戻」でも可となるでしょう) (7)心状 (8)骨立 (9)不羈 (10)狷者
(ア)かまびす (イ)えんかん (ウ)こうり (エ)むち (オ)みなぎ (カ)いか(キ)あわ (ク)うべな (ケ)うら (コ)すうきょう(すきょう・しゅきょう)

👍👍👍 🐒 👍👍👍



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<お知らせ>漢検1級<28ー①向け>模擬試験問題(第6回)

2016年06月02日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<2016年 🐁🐃🐯🐇🐉🐍🐎🐑🐒🐔🐕🐖  丙申(ひのえさる・ヘイシン)>宇
①10干=甲・乙・・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(コウイツ・ヘイテイ・ボキ・コウシンジンキ) 
②12支=子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・・酉・戌・亥(シチュウインボウ・シンシゴビ・シンユウジュツガイ)
③木火土金水(モッカ ドキンスイ)+兄弟(エト)➪きのえ/きのと、ひのえ/ひのと、つちのえ/つちのと、かのえ/かのと、みずのえ/みずのと・・・「木+兄」=きのえ ~ 「水+弟」=みずのと・・・丙=火+兄=ひのえ 申=さる 丙申=ヘイシン・ひのえさる・・・
*来年の2017年は、丙→丁(テイ、火+弟=ひのと)、申→酉(ユウ、とり)・・・➪ 丁酉(テイユウ、ひのととり)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
漢検1級<28ー①向け>模擬試験問題(第6回)を本日18:00 配信します。
・“模擬”試験というより、“チェック”用にお使いください・・・28-①までの学習深化のために有効にご活用いただければ幸いです・・・

👍👍👍 🐒 👍👍👍


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その5 

2016年05月28日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その5」の配信です。 
●今回の難易度:やや易(一)読み(音・訓)  やや難:(五)四字熟語 (八)対義語・類義語
制限時間 60分以内を厳守のこと *時間内でやることに意味・意義があります。また、問題を多く解くことが勘や閃きを養成することにつながります。
●28ー①向け模擬試験問題は今回で終了させていただきます。今後1か月弱となった本番前のチェックと今後の弱点補強のための学習などにお役に立てば幸いです。みなさんの初合格、あるいは高得点での合格を願っております👍👍👍
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その5>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.爵禄なる者は人臣の轡銜なり 
2.愧赧の念を禁じ得ない  
3.窓櫺から曙光が射し込む
4.篳竇とは「篳門閨竇」の略で、貧者の家や草庵のことを指す
5.猷念を捨てて、相、従う 
6.多項式の各項を降羃の順に排置す 
7.一家を機杼
8.その地、禺淵に近し  
9.粗襍な文に辟易した 
10.木の罌缶を以て軍を渡す
11.清 を揚げ滓穢を蕩去す 
12.遏雲の曲、遶梁の音 
13.老牛、舐犢の愛を懐く
14.躱熱のため、高原へ出向く
15.素晴らしい鸞輅が出来上がった 
16.熊野の古馗を行く  
17.最近、暴走族の飆馳を見ない
18.骭瘍を患う 
19.黼裘を着して出座する
20.颯辣とした兵士は頼もしい
21.が石につかえたように捗らない 
22.天子立ちて天下治まるに、我なお、る 
23.哭声、雲霄をす 
24.夫婦はばざるを得ず
25.樵は曲げ木のをつけて山に入った
26.平成28年の干支は、丙申である 
27.米つ 男等、恐れ惑いて蹲る
28.客人にをすすめる
29.糸が表に出ないようにう 
30.百年を期と曰いて、

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.話がコジれて纏まらない   
2.碩学のケイガイに接する機会を得た
3.人心をコワクする
4.どういう結果をモタラすか、予断を許さない。
5.カンに障ることばかり言う
6.カムロ髪した乙女が可愛い
7.渓谷にカジカが鳴いている
8.紫陽花のハナダ色が映える
9.事実と嘘がい交ぜになった話だ
10.渓流の音がセンセンと聞こえる
11.新緑がセンセンと輝きわたる
12.果実をって極上品をあつめる
13.こよりを
14.山川のショウキが漂う
15.あの芸術家はショウキが強すぎる

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.イサザはハゼ科の淡水魚で琵琶湖の固有種だ   
2.キクイタダキは頭頂部に菊の花びらを載せているような冠羽がある 
3.今度の受検ではアッパレな点数をとりたい  
4.トテも満点は取れそうにない 
5.「その手はわない」といったら、小言をってしまった

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.木や石が角ばって突き出たりからんだりしているさま
2.容易にとけない雪。かたい雪。 
3.老人と子供のこと
4.大口をあけて笑うこと 
5.遊女におぼれている男。放蕩者。 
<語群>
(ぼうげい、さが、そうが、りゅうろう、けいせつ、たいせつ、かいい、らんしょう)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア 偃武(  ) 2.イ 売剣(  ) 3.ウ 万寿(  ) 4.エ 一挙(  )  5.オ 玉石(  )
6.カ (  )尾籠 7.キ (  )春草 8.ク (  )款識 9.ケ (  )伉儷 10.コ (  )杏林 
<語群>
(むきょう、どうき、ちとう、らくせい、きっせい、かいぶん、ばいとく、いんぎん、えいかい、そうきん)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.医者に対する敬称
12.書画などに自筆で署名し印をおすこと、その署名や印。
13.武器を捨てて、農業に従事すること
14.戦いをやめ、文徳をひろめること
15.一つの行動で二つの利益を得ること

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.梅花皮 2.胡孫眼 3.日照雨 4.蝦虎魚 5.竹筒  6.南風 7.杜父魚 8. 杜夫魚 9.金縷梅  10.金襖子

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.伶俐(  ) ― 2.俐(  )い 
イ.3.齏粉(  ) ― 4.齏(  )く
ウ.5.瞞然(  ) ― 6.瞞(  )じる 
エ.7.校讐(  ) ― 8.讐(  )す  
オ.9.擯介(  ) ― 10.擯(  )く

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.虚誕 2.安佚 3.吻合 4.咎徴 5.大廈 
<類義語>
6.憤怒 7.欄干 8.娑婆 9.深更 10.衲衣
<語群>
(かんかく、ろうきょ、かたく、はんえん、じっしょう、ふんぞうえ、れいかん、おうしょう、らんせき、きゅうしょう)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.ホベンの治
2.頻りに鴻慈に浴し、未だ、ゲキタイの歎にあらず 
3.ホウカの徒に懸かるを懼る 
4.卵を以てカンジョウの将を棄つ 
5.明日はエンブの塵とならばなれ 
6.エンソ河に飲むも満腹に過ぎず
7.霊鳳、センを啄まず
8.コウテン、成命あり
9.恋愛は人生のヒヤクである
10.コウリョウ、水を得

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・
  私はその晩の事を記憶のうちから抽き抜いてここへ詳しく書いた。これは書くだけの必要があるから書いたのだが、実をいうと、奥さんに菓子を(1)モラって帰るときの気分では、それほど当夜の会話を重く見ていなかった。私はその翌日午飯(ひるめし)を食いに学校から帰ってきて、昨夜机の上に載せて置いた菓子の包みを見ると、すぐその中からチョコレートを塗った(2)トビイロのカステラを出して頬張った。そうしてそれを食う時に、必竟この菓子を私にくれた二人の男女は、幸福な一対として世の中に存在しているのだと自覚しつつ味わった。
 秋が暮れて冬が来るまで格別の事もなかった。私は先生の宅へ出はいりをするついでに、衣服の洗い張りや仕立方などを奥さんに頼んだ。それまで繻絆というものを着た事のない私が、シャツの上に黒い襟のかかったものを重ねるようになったのはこの時からであった。子供のない奥さんは、そういう世話を焼くのがかえって退屈凌ぎになって、結句身体の薬だぐらいの事をいっていた。
「こりゃ手織ね。こんな地の好い着物は今まで縫った事がないわ。その代り縫い悪いのよそりゃあ。まるで針が立たないんですもの。お蔭で針を二本折りましたわ」
 こんな苦情をいう時ですら、奥さんは別に面倒くさいという顔をしなかった。
・・・
 父はかねてから腎臓を病んでいた。中年以後の人にしばしば見る通り、父のこの病は慢性であった。その代り要心さえしていれば急変のないものと当人も家族のものも信じて疑わなかった。現に父は養生のお蔭一つで、今日までどうかこうか凌いで来たように客が来ると(ア)吹聴していた。その父が、母の書信によると、庭へ出て何かしている(イ)機に突然眩暈がして引ッ繰り返った。家内かないのものは軽症の脳溢血と思い違えて、すぐその手当をした。後で医者からどうもそうではないらしい、やはり持病の結果だろうという判断を得て、始めて卒倒と腎臓病とを結び付けて考えるようになったのである。
 冬休みが来るにはまだ少し間があった。私は学期の終りまで待っていても差し支えあるまいと思って一日二日そのままにしておいた。するとその一日二日の間に、父の寝ている様子だの、母の心配している顔だのが時々眼に浮かんだ。そのたびに一種の心苦しさを(3)カナダライから立ち上あがる湯気で、呼吸(いき)の苦しくなるのを防いでいた。
・・・
父の病気は思ったほど悪くはなかった。それでも着いた時は、床の上に胡坐をかいて、「みんなが心配するから、まあ我慢してこう凝(じっ)としている。なにもう起きても好いのさ」といった。しかしその翌日からは母が止めるのも聞かずに、とうとう床を上げさせてしまった。・・・
 私の兄はある職を帯びて遠い九州にいた。これは万一の事がある場合でなければ、容易に父母の顔を見る自由の(4)キかない男であった。妹は他国へ嫁いだ。これも急場の間に合うように、おいそれと呼び寄せられる女ではなかった。兄妹三人のうちで、一番便利なのはやはり書生をしている私だけであった。その私が母のいい付け通り学校の課業を放り出して、休み前に帰って来たという事が、父には大きな満足であった。
・・・
 私は先生に手紙を書いて(5)オンシャクの礼を述べた。正月上京する時に持参するからそれまで待ってくれるようにと断わった。そうして父の病状の思ったほど険悪でない事、この分なら当分安心な事、眩暈も嘔気(はきけ)も皆無な事などを書き連ねた。最後に先生の風邪についても一言の見舞を附け加えた。私は先生の風邪を実際軽く見ていたので。
 私はその手紙を出す時に決して先生の返事を予期していなかった。出した後で父や母と先生の噂などをしながら、(ウ)遥かに先生の書斎を想像した。
・・・
私は退屈な父の相手としてよく(エ)将碁盤に向かった。二人とも無精な性質なので、炬燵にあたったまま、盤を  (オ)櫓の上へ載せて、駒を動かすたびに、わざわざ手を掛蒲団の下から出すような事をした。時々持駒を失くして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。それを母が灰の中から見付け出して、火箸で挟み上げるという滑稽もあった。
・・・
 その年の六月に卒業するはずの私は、ぜひともこの論文を(6)セイキ通り四月いっぱいに書き上げてしまわなければならなかった。二、三、四と指を折って余る時日を勘定して見た時、私は少し自分の度胸を疑った。他のものはよほど前から材料を蒐めたり、ノートを溜めたりして、余所目にも忙しそうに見えるのに、私だけはまだ何にも手を着けずにいた。私にはただ年が改まったら大いにやろうという決心だけがあった。私はその決心でやり出した。そうして忽ち動けなくなった。今まで大きな問題を空に描いて、骨組みだけはほぼでき上っているくらいに考えていた私は、頭を抑えて悩み始めた。私はそれから論文の問題を小さくした。そうして練り上げた思想を系統的に纏める手数を省くために、ただ書物の中にある材料を並べて、それに相当な結論をちょっと付け加える事にした。
・・・
   梅が咲くにつけて寒い風は段々向きを南へ更えて行った。それが一仕切り経つと、桜の噂がちらほら私の耳に聞こえ出した。それでも私は馬車馬のように正面ばかり見て、論文に(カ)鞭たれた。私はついに四月の下旬が来て、やっと予定通りのものを書き上げるまで、先生の敷居を(7)マタがなかった。
・・・
 私の自由になったのは、八重桜の散った枝にいつしか青い葉が霞むように伸び始める初夏の季節であった。私は籠を抜け出した小鳥の心をもって、広い天地を一目に見渡しながら、自由に(キ)搏きをした。私はすぐ先生の家へ行った。枳殻の垣が黒ずんだ枝の上に、萌えるような芽を吹いていたり、柘榴の枯れた幹から、つやつやしい茶褐色の葉が、柔らかそうに日光を映していたりするのが、道々私の眼を引き付けた。私は生れて初めてそんなものを見るような珍しさを覚えた。・・・」
・・・
 私は父の病気について正月以後何にも知らなかった。月々国から送ってくれる為替かわせと共に来る簡単な手紙は、例の通り父の(8)シュセキであったが、病気の訴えはそのうちにほとんど見当らなかった。その上書体も確かであった。この種の病人に見る(ク)顫えが少しも筆の運びを乱していなかった。
・・・
「私は他(ひと)に欺かれたのです。しかも血のつづいた親戚のものから欺かれたのです。私は決してそれを忘れないのです。私の父の前には善人であったらしい彼らは、父の死ぬや否や許しがたい不徳義漢に変ったのです。私は彼らから受けた屈辱と損害を小供の時から今日まで背負わされている。恐らく死ぬまで背負わされ通しでしょう。私は死ぬまでそれを忘れる事ができないんだから。しかし私はまだ復讐をしずにいる。考えると私は個人に対する復讐以上の事を現にやっているんだ。私は彼らを憎むばかりじゃない、彼らが代表している人間というものを、一般に憎む事を覚えたのだ。私はそれで沢山だと思う」
 私は慰藉の言葉さえ口へ出せなかった。
・・・
 席を立とうとした時、先生は急に私をつらまえて、「時にお父さんの病気はどうなんです」と聞いた。私は父の健康についてほとんど知るところがなかった。何ともいって来ない以上、悪くはないのだろうくらいに考えていた。
「そんなに容易く考えられる病気じゃありませんよ。尿毒症が出ると、もう駄目なんだから」
 尿毒症という言葉も意味も私には解らなかった。この前の冬休みに国で医者と会見した時に、私はそんな(9)ジュツゴをまるで聞かなかった。
・・・
「だって丈夫なんですもの。ほとんど煩った(ケ)例がないじゃありませんか。そりゃどうしたって私の方が先だわ」
「先かな」
「え、きっと先よ」
 先生は私の顔を見た。私は笑った。
「しかしもしおれの方が先へ行くとするね。そうしたらお前どうする」
「どうするって……」
 奥さんはそこで(コ)口籠もった。先生の死に対する想像的な悲哀が、ちょっと奥さんの胸を襲ったらしかった。けれども再び顔をあげた時は、もう気分を更えていた。
「どうするって、仕方がないわ、ねえあなた。(10)ロウショウフジョウっていうくらいだから」
 奥さんはことさらに私の方を見て笑談(じょうだん)らしくこういった。・・・」「こころ」(夏目漱石)
👍👍👍 🐒 👍👍👍

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その5 標準解答>
(一)
1.ひかん 2.きたん 3.そうれい 4.ひつとう 5.ゆうねん 6.こうべき 7.きちょ 8.ぐえん(*日の入る所) 9.そざつ 10.おうふ 11.しわい 12.じょうりょう 13.しとく 14.たねつ(*避暑のこと) 15.らんろ 16.こき 17.ひょうち 18.かんよう 19.ふきゅう・ほきゅう 20.さつらつ 
21.もぐら(もぐらもち) 22.つかさど(る) 23.おか(す) 24.よろこ(ぶ) 25.かんじき 26.ひのえさる 27.か(つ) 28.こしかけ 29.ぬ(う) 30.やしな(う)
(二)
1.拗 2.謦咳 3.蠱惑 4.齎 5.癇 6.禿 7.河鹿 8.縹 9.綯 10.潺潺 11.閃閃 12.選・択 13.縒・撚 14.瘴気 15.匠気
(三)
1.𩶗(*13画目は撥ねているから筆記のときは要注意) 2.鶎 3.遖 4.迚 5.喰(*漢検では準1の国字扱いの模様)
(四)
1.槎牙 2.勁雪 3.旄倪 4.解頤 5.劉郎
(五)
問1
 1.恢文 2.買犢 3.無疆(×「彊」にしないように・・・) 4.双擒(×「・・・禽」ではない) 5.同匱
 6.慇懃 7.池塘 8.落成 9.栄諧 10.橘井 
問2
11.コ 12.ク 13.イ 14.ア 15.エ
(六)
1.かいらぎ 2.さるのこしかけ 3.そばえ 4.はぜ 5.ささえ 6.はえ 7.かじか 8.かくぶつ 9.まんさく 10.かじかがえる
(七)
1.れいり 2.かしこ(い)(*「さと(い)」読みはナシ) 3.せいふん 4.くだ(く) 5.もんぜん 6.は(じる) 7.こうしゅう 8.くらべただ(す) 9.ひんかい 10.みちび(く)
(八)
1.実正 2.鞅掌 3.扞格(捍格) 4.休祥 5.陋居 6.攀縁 7.櫺檻 8.火宅 9.闌夕 10.糞掃衣 
(九)
1.蒲鞭 2.鷁退 3.匏瓜 4.干城 5.閻浮 6.偃鼠 7.羶 8.昊天 9.秘鑰 10.蛟竜 (*「亢竜、悔いあり」と間違いやすい) 
(十)
(1)貰 (2)鳶色 (3)金盥(金槃) (4)利(*「効」は可かどうか疑問) (5)恩借 (6)成規 (7)跨(胯) (8)手蹟 (9)術語 (10)老少不定
(ア)ふいちょう (イ)はずみ (ウ)はる(エ)しょうぎ (オ)やぐら (カ)むちう (キ)はばた(原文は「羽搏(き)」) (ク)ふる(ケ)ためし (コ)くちご

👍👍👍 🐒 👍👍👍
*(三)国字の問題の「1.いさざ」の字は、標準解答でうまく反映していない場合、こちらをご覧ください。




コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする