好奇心全開!!遊行期を遊ぶ

 遊行期も今から上り坂、やっと命の不思議に目覚めたような感じです。
 玄牝の門を敲きます。

地霊の語り部

2005-01-10 21:09:01 | パラダイムレボリューション
 「共時性」の磁場


 <(前略)・・・酒を飲みながら、半分酩酊した声で、高橋は、私にこう呟いた。
「スミレさんが、娼婦だったのか、ヤクザの情婦だったのか、単なる卓球好きのお姉さんだったのか、ようくわからないけどさ、オレはあのあと、おれの進みたいと思った道を見つけて働いてきたのさ。真鍋もそうさ、真鍋も自分の進みたい道を、自分で考えてあれから歩きだしたのさ。卒業を、もう一度見てみたいもんだなあ。」
「おれも、少し、酔っぱらってきたよ、オレも、もう一度、映画(卒業)を見てみたいもんだ。」
もう、とっくに大相撲ダイジェストは終わっていて、赤提灯がかすかに揺れていた。>

 『荒川卓球場秘話』くれはやししゅん しゅんさんの青春譚がオモシロイ。かぎりなく広がる記憶の世界。誰もが思い至る一場面。百人百話。しゅんさんの語りを通過すると一つひとつの話が普遍性を持ち始めるから不思議だ。一つの言葉、一つの場面が、人の記憶の海につながって、共感を呼び覚ます。ほろっと涙がこぼれる。筑豊という風土に力があるのかもしれない。筑豊の地霊があるいはしゅんさんにヒョウエしているのかもしれない。・・・それは後の考察の課題に残して、スミレさんが高橋や真鍋の『運命の女神』だったことを知ればいい。学校や教師よりもずっとずっと大きな力で青年をエンパワーメントする存在が、昔はあった。しゅんさんの青春譚はそれを一つひとつ丁寧に拾い上げ、開示し、人の心に再生させていく。共感、共鳴の時空が生成されている。地霊の教育力といっていいのかもしれない。
 <・・・ここは、筑豊、直方の居酒屋。今年も、魁皇はだめだったか、店主がふと呟いた。海王にしとけば、よかったんだよ、なまじ魁皇などとするものだから、さきがけだろう、これじゃあ、しんがりさ、ちぇ。・・・>と呟く店の親父さんが存在する世界に人間力が内蔵されているのだ。「学力至上主義」の破綻が明らかになったのに、もう一度「学力至上主義」へ逆流する日本の教育はもう一度この風土力を再構築し直す必要があるだろう。・・・と、これも後の考察の課題であって、やっぱりオモシロイのはエロスの持つ力なのだ。青春の門が持つエロスの幻想は、今の子ども達に失われているのではないか・・・。エロスの幻想力を失っているからカオスに対峙できない消耗、逃亡型の恋愛が蔓延るのだ。その結果が没人類的状況。今の高校生の10人に一人が性感染症にかかっている。

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