鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

それでも人生は続いていく

2014-02-28 | 
どんな生き方をしても人生は続いていく。
そんな自分を自分で励まし続けました。


   それでも人生は続いていく
                    2006年7月 鈴木信夫

この人生から逃げ出したい
それくらい生きることには悲しみがつきまとう
人生はなぜそうなのか
人生からなにを知れというのか
いつもそんな気持ちが私の心を揺らしている
私がどれほど苦しんだとしても…
それでも人生は続いていく、続いていく

この人生から自分を消したい
それくらい生きることには辛さがついてくる
人生はなぜそうなのか
人生を私はどうすればいいのか
すぐにそんな気持ちが私の心に浮かんでくる
私がどれほど悩みのなかにあっても…
それでも人生は続いていく、続いていく

こんな人生でも続くのなら生きるしかない
私だけの人生を限界が来るまで生きるしかない
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こころに花を咲かせたい

2014-02-27 | 
”花のように生きたい”というのがずっと持ち続けてきた気持ちでした。
この気持ちをテーマにした詩はたくさんあります。


       こころに花を咲かせたい
                       2006年6月 鈴木信夫

こころには花が咲きます
春に春の花が咲くように、こころに花を咲かせたい
夏に夏の花が咲くように、こころに花を咲かせたい
花にあこがれてきたから、花のようでありたい
花のようになりたいから、花のように生きたい
あなたがあなたであるように、生きていけばそれでいい
花を咲かせればそれでいい
私が私であるように、生きていければそれでいい
花を咲かせればそれでいい

こころには花が咲きます
赤い花があるように、こころに花を咲かせたい
白い花があるように、こころに花を咲かせたい
花が優しいように、人に優しくありたい
花が美しいように、ひかえめに美しく生きたい
あなたがあなたであるように、生きていけばそれでいい
花を咲かせればそれでいい
私が私であるように、生きていければそれでいい
花を咲かせればそれでいい
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子供の力

2014-02-26 | 
我が家の前に公園があります。
毎朝8時になると小さな子供の声が聞こえてきます。
すぐ近くにある保育園の子供たちなのですが、元気に育って欲しいものだと思います。


      子供の力
                    2006年6月 鈴木信夫

「子供の力」って何ですか
その力を信じていますか
私たちが気づいていないかも知れない不思議な力
忘れないでください
子供の笑顔がくれる力、子供の声がくれる力
「子供の力」は、私たちにもう一つの力をあたえてくれます
その力を信じていれば
子供たちの心がみえてきます
私たちの心がみえてきます

「子供の力」って何ですか
その力を信じていますか
私たちには、はかり知ることない不思議な力
忘れないでください
子供の元気がくれる力、子供の魂がくれる力
私たちは、いつもどこかで子供から力をもらっています
その力を信じていれば
子供たちの心がみえてきます
私たちの心がみえてきます
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名もない花のように

2014-02-25 | 
名もない花のようにひっそりと生きたい。
そう思う人は案外多いのかもしれない。
でも、どんな花にも名前があるのです。


     名もない花のように
                  2006年6月 鈴木信夫

一日を終えて行き交う人をながめていて
感じている
人にはいろんな生き方がある
それぞれの「今」がある
今日という日を見つめ直してみて
思うことがある
人にはいろんな人生がある
それぞれの「時」がある

限りあるなかで生きるとするなら
いつも咲いていたい
僕は名もない花のように咲いていたい
きみのそばで咲いていたい
咲きつづけていたい
そう、名もない花のように咲いていたい

愛を届けられるとするなら
いつも生きていたい
僕は名もない花のように生きていたい
きみのそばで生きていたい
生きつづけていたい
そう、名もない花のように生きていたい
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Special Gifts

2014-02-24 | 
一昨日、ちょっと変わったところへ行ってきました。

JR根岸線の石川町駅の前に「ひらがな商店街」という通りがあります。
その一角に「と」という場所(お店とはちょっと違う)があります。
「アートスペース」というんだそうですが、何でも好きなことに使えるのだそうです。
絵を描いてもいいし、本を読んでもいい、打ち合わせに使ってもいい自由な場所のようです。
若いアーティストの作品や本などが展示されています。
注文すればお茶も飲めます。

そこに鈴木信夫の本とCDを置いていただくことになりました。
また新しい出会いが生まれそうです。
ついでの折がありましたら一度覗いてみてください。
ホームページ→ http://jiza1.jp/to



    Special Gifts
               2006年6月 鈴木信夫

この世界にあるすべてが
空から降りてきたSpecial Gifts
光・風・水、花・鳥・人
すべてがSpecial Gifts
あなたが・わたしがいること
すべてがSpecial Gifts
この世界にあるすべてが
空から降りてきたSpecial Gifts
かなしみ・せつなさ・さびしさ
それさえもSpecial Gifts
小さなこと・小さく見えること
ひとつひとつがSpecial Gifts
愛・勇気・夢、過去・未来・今このとき
すべてがSpecial Gifts
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BestよりBetter

2014-02-23 | 
「二番じゃダメなんですか」という言葉が流行ったことがありました。
すべてに一番を求めることは無理があると思います。
でも人間はどうしても最高・最良を望むものです。


        BestよりBetter
                       2006年6月 鈴木信夫

人生をBestにしようとするのは、そろそろやめていい
なぜって、あなたを苦しめるだけだから
人はみなすべてをBestにしようとする
そこから心が背伸びを始める、心が無理を始めだす

人生をBestにしようとするのは、そろそろやめていい
なぜって、あなたのいいところが消えてしまうから
人はみなBestでないと心、満たされない
そこから心が乱れ始める、ただあなたであればいいのに

人生はBetterでいければ、なかなかいい
いまだから、そう思えるのかも知れない
Betterな生き方を始めてみよう、心を軽くしてみよう
そこからあなたがあなたになれるから

人生はBetterでいければ、なかなかいい
いまだから、Betterでいくことが幸せに思える
BestよりBetterに生きてみよう、心を緩めてみよう
そこからなかなかいいと思えてくるから
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一歩一歩

2014-02-22 | 
焦りや苛立ちは誰しも感じるものですが、身体が不自由であればなおさらのことだったようです。
それを押さえてゆっくりゆっくり…と自分に言い聞かせていました。


        一歩一歩
                            2006年6月 鈴木信夫

私は一歩一歩、この道を生きてきました
時には、悩みのなかにありました、悲しみのなかにもありました
時には、苦しみのなかにありました、喜びのなかにもありました
一つずつ一つずつ、そこにある空白を埋めながら生きてきました
人が生きるとはそういうものなのですね
私は一歩一歩、この道を生きていくつもりです
人生、本当は勝ちも負けもないのかもしれない
私は私であるしかないのですから

私は一歩一歩、この道を生きてきました
時には、人との出会いがありました、人との別れもありました
時には、愛のなかにありました、憎しみのなかにもありました
一つずつ一つずつ、そこにある意味たちをかみしめてきました
人が生きるとはそういうものなのですね
私は一歩一歩、この道を生きていくつもりです
人生、本当は幸せも不幸せもないのかもしれない
私は私であるしかないのですから
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ため息ひとつ

2014-02-21 | 
ため息にもいろいろあると思います。
どちらかといえば暗い感じとなるため息…前向きのため息はないものでしょうか。


        ため息ひとつ
                            2006年6月 鈴木信夫

ため息をひとつついたら幸せがひとつ逃げていく
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、人より幸せじゃない」そう想い
ため息ついて、幸せに幾つも逃げられても、それはそれでいいじゃない
それはそれでいいじゃない
この窓を開けて空気を入れかえてみたら、ため息止められるかな
ため息止められなくても、それでも生きられるならいいじゃない

ため息のひとつくらいつくのが人の性(さが)ってもの
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、これで終わりたくない」そう想い
ため息ついて、僕が何かも見えなくなっても、そんなのどうってことないじゃない
そんなのどうってことないじゃない
この窓を開けて深呼吸をしてみたら、ため息なくなるかな
ため息ついたとしたって、それでも生きられるならいいじゃない
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私という仕事

2014-02-20 | 
20才までの生命、と言われていましたので、生きることが仕事みたいなものでした。
あとに続く同じ病気の人たちを励ますことができたのです。


     私という仕事
                    2006年1月 鈴木信夫

私っていう生き方はこれしかない
それは私しかできない仕事だったんだね
私が生きているのが優しく許されている
なんてすごいことなんだろうか
小さい私だからこその仕事をしていきたい
歩いて行けるところまでね
みんな生き方は1つしかない
この世界に1人1人が生きているのがいい
それぞれが大切な仕事だったんだね
1人1人の生き方が静かに許されている
なんて嬉しいことなんだろうか
あなただからできる仕事が生きること
生命が許される限りね
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無理せず、ゆっくりいけばいい

2014-02-19 | 
自分ではそれほど頑張っているつもりではないけれど、気がついたら力が入っていた、
ということはよくあります。
肩の力を抜いて…というのはなかなかできないけれど心掛けたいですね。


    無理せず、ゆっくりいけばいい
                      2006年4月 鈴木信夫

無理せず、ゆっくりいけばいい
悩みはつきないのが人なのだから、あせることはない
あせると人は前に進めなくなるだけだよ

無理せず、ゆっくりいけばいい
あなた一人で戦うのは、やめたほうがいい
燃えつきて心がボロボロになるだけだよ

無理せず、ゆっくりいけばいい
あなたはできることからすればいい
あとは時がからまった糸をほどいてくれる

無理せず、ゆっくりいけばいい
あなたの心を楽にしてみてほしい
いちばん最後には、ただ信じる想い一つだからね
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幸せの風、吹かせてみようか

2014-02-18 | 
風は時として乱暴者になることがあります。
でもそれはめったにないことで、普通は心地よく感じることの方が多いように思います。


   幸せの風、吹かせてみようか
                     2006年4月 鈴木信夫

風、吹かせてみようか
きみらしい風、吹かせてみようか
それはとても簡単な事だから
きみが生きているだけでいいんだよ
生きているだけで吹いてくる不思議な風なんだ
ほら、きみの優しいこころが風に乗っていく
こころの世界に風を吹かせてみようか
きっと一人一人のこころを優しくしてくれる
風、吹かせてみようか
きみらしい風、吹かせてみようか
それはとても小さな事だから
きみがそこにいるだけでいいんだよ
いるだけで吹いてくる不思議な風なんだ
ほら、きみの小さな想いが風に乗っていく
想いの世界に風を吹かせてみようか
きっと一人一人の想いをかなえてくれる
幸せの風、吹かせてみようか
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虚空(そら)に向けて、手をそっと合わせて

2014-02-17 | 
14日に降った大雪で家の前は大変なことになっていました。
せめて出入りだけでもできるように雪かきをしたのですが、相当な重労働でした。
おかげでこのブログお休みしてしまいました。
空におられる神様はときには働けとおっしゃっているのでしょうね。


  虚空(そら)に向けて、手をそっと合わせて
                           2006年1月 鈴木信夫

虚空(そら)に向けて、この手をそっと合わせて
あなたを想い浮かべて遠い日々を思う
そこに僕のすべてが見えるようだ
そこには生命が息づいている
もう一度、虚空(そら)に向けて、手をそっと合わせて
あなたは遥かな記憶の中にいた頃から
そこで僕を生かし育んでくれてた
そこには愛がいつも流れている
果てしない、虚空(そら)に向けて、手をそっと合わせて
あなたはシルクロードの風のように
いつも渇いたこの心を吹き抜けていく
そこには希望が満たされている
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お地蔵さんみたいに

2014-02-13 | 
仏像を見ていると心が落ち着く気がします。
どこにでもある仏像がお地蔵さんではないでしょうか。


       お地蔵さんみたいに
                        2006年5月 鈴木信夫

私は、お地蔵さんみたいになりたいですね
雨が降ってきても、私たちを見つめてくれています
私たちは一人ぼっちじゃないんですね
風が吹いてきても、いつも変わらずかすかに微笑みをたたえています
私たちまで微笑んでしまいます
誰もわけへだてすることなく、そこにいてくれます
私は、そんなお地蔵さんみたいになりたいですね
いつも誰かのそばにいて微笑んでいたいです
自分がつよく前に出ることはしないんですね
私は、そんなお地蔵さんみたいになりたいですね
いつもひかえめによりそっていたいです
私も、あなたみたいになれますか
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ほめてあげます

2014-02-12 | 
先週土曜日は大雪で家の前の道路に雪が積もりました。
そのまま凍ってしまっては困りますので雪かきをしたのですが、けっこう重労働でした。
その雪がなくなった道をまったく当たり前という感じで車が通って行きます。
なんともいえない気分でした。


        ほめてあげます
                       2006年5月 鈴木信夫

がんばっているのに、だれもなにも言ってくれない
あなたは、そんな風に思ってませんか?
それなら僕が「あなたはいつもがんばっていますね」
そう言って、そっとほめてあげましょう
そうしたら、がんばれるでしょうか?

がんばりすぎて、こころがこわれそうになっている
あなたは、そんな状態のなかにありませんか?
それなら僕が「ここまでよくやってきましたね」
そう言って、そっとほめてあげましょう
そうしたら、こころをとりもどせるでしょうか?

自分は今までいいことが一つもなかった
あなたは、そんな風に思ってませんか?
それなら僕が「生きていてくれてよかった」
そう言って、そっとほめてあげましょう
そうしたら、もういちど生きてみようと思いますか?

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行き先のわからない列車

2014-02-11 | 
2月8日から関東地方は大雪になりました。
交通機関はかなりの影響を受け、運休したり、大幅な遅れが出たりと混乱しました。
人生の列車も、時々遅れたり休んだりしますね。
でもそれでいいのだと思います。


     行き先のわからない列車
                          2006年5月 鈴木信夫

人生は「行き先のわからない列車」に乗るようなもの
十年、二十年、いや一年先だってわからない
それだから、人生というものには意味があるのだろう
人生の行き先が決まっていたら
どんなに楽な旅ができるだろうか、そう何度となく思っていた
それだから、人生というものは面白みがあるのだろう
人生の行き先が決まっていたら
どんなに退屈な旅だっただろうか、そうとも感じていた
行き先がわからないこと
それは、自由に生きられるということ
それを知ってから、人生はいいものだと思える私になれた

人生は「行き先のわからない列車」に乗るようなもの
何処が終点で、何時(いつ)やって来るのかわからない
それだから、人生というものは今が大事なのだろう
人生の終点が決まっていたら
どれだけ計画的な人生を送れるだろうか、そう何度となく思っていた
それだから、人生というものは不思議なものなのだろう
人生の終点が決まっていたら
どれだけ今を大事にできていただろうか、そうとも感じていた
終点がわからないこと
それは、今日を生きなさいということ
それを知ってから、人生はありがたいと思える私になれた
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作品を引用するとき

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