鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

ため息ひとつ

2014-02-21 | 
ため息にもいろいろあると思います。
どちらかといえば暗い感じとなるため息…前向きのため息はないものでしょうか。


        ため息ひとつ
                            2006年6月 鈴木信夫

ため息をひとつついたら幸せがひとつ逃げていく
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、人より幸せじゃない」そう想い
ため息ついて、幸せに幾つも逃げられても、それはそれでいいじゃない
それはそれでいいじゃない
この窓を開けて空気を入れかえてみたら、ため息止められるかな
ため息止められなくても、それでも生きられるならいいじゃない

ため息のひとつくらいつくのが人の性(さが)ってもの
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、これで終わりたくない」そう想い
ため息ついて、僕が何かも見えなくなっても、そんなのどうってことないじゃない
そんなのどうってことないじゃない
この窓を開けて深呼吸をしてみたら、ため息なくなるかな
ため息ついたとしたって、それでも生きられるならいいじゃない
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