鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

Bluebird

2015-04-30 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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♪幸せは歩いてこない。だから…
という歌がありました。
待つものではなくてつかみに行くもののようですね。

      Bluebird
                            2002年5月

僕は、幸せになりたいと君に言っていたよね
そして、僕は待ち続けていたんだよ
ただ、待ち続けるしかできなかった
それはね、
その幸せっていうものがどこか自分の外にあって、
だれかが、何かがどこからか運んできてくれると、
そう思っていたから…
でも、ある時に知ったんだ
それが、
あやまりだったという事実を
そんなBluebirdみたいなものがいて
見つけたら、幸せになれるわけじゃないって
Bluebirdは僕の心のなかにいたんだよ
心から飛び立たせてやるだけでいいんだ
それを
やわらかい陽差しを与えてやまない太陽から
ながれ出てやまない湧き水から教えてもらったよ
幸せは、自分を解き放つことができた時に
その時に、僕のもとを訪れてくれるものだって…
さあ、君も待っていないで、逃げないで、
僕といっしょに幸せをつかめるはずだよ


「生命いっぱい」神奈川新聞社
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今 僕にできること

2015-04-28 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。                   自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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この詩集のエッセイに次の文章があります。
『あなたは「もし、不幸にも治すことができない病気になってしまったなら、どうしますか?」と聞かれたらどう答えますか。以前なら、自信をもっては答えられなかったであろう私の答えは、今ならハッキリしています。
向き合うこと、そこからが始まりです。どうやって向き合っていくかです。
私は「向き合う」とは、現実から逃げないで今を生きることだと思っています。まず生きることです。』
この詩は、この気持ちそのものです。
(この詩は2014年6月9日の当ブログで一度紹介しています。)


  今 僕にできること
                            2006年12月

僕にできることを考えてみた

笑顔で人をなごますことも

人のかなしみを分かちあうことも

人を愛することも

人の期待にこたえることもできる

できることはたくさんある

でも、大切なのは、この時に僕がいること、「今を生きる」こと

僕は、今を生きたいんだ


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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肌触り

2015-04-26 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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年を取ってくると肌の潤いが無くなりカサカサしてきます。
それに引き換え赤ちゃんの肌はなんともいえずスベスベしています。
しかたがないことですが、うらやましく思います。


      肌触り
                          2004年10月

いつか触れた、ばらの花びらの肌触り
なめらかでするするした感触がいいね

いつか触れた、びぃだまの肌触り
ぴかぴかでつるつるした感触がいいね

いつか触れた、たいるの肌触り
つめたくてぺたぺたした感触がいいね

いつか触れた、すなの肌触り
ざらざらでからみついてくる感触がいいね

いつか触れた、きみのこころの肌触り
いつでもかわることのない感触がいいね

これって神様の肌触りなのかな
生きているっていう感触がいいよね

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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初めての自分に会いたい

2015-04-24 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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4月になって新入生、新社会人など新しい世界に一歩を踏み出した人がたくさんいます。
「初心忘れるべからず」という言葉がありますが、新しい気持ちをどれだけ持ち続けることができるかによって人生も変わってくるのかもしれません。


    初めての自分に会いたい
                              2006年3月

ひとは時にながされて、日常を生きるだけ
だれもがそんな風になりがち
同じようなサイクル繰り返しているだけ
いつのまにかそんな風になりがち

そこにいる「きみ」だってそうだろ?
それでも「生きてる」って胸を張れるか?
初めての自分に会いたくはないか?
それにはチャレンジすること、新しいことに、新しい「きみ」に
初めての自分に会いにいこう!

もうそろそろ変えてみないか?
ひとつだけでも変えてみないか?
初めての自分に会いたくはないか?
それには飛び出していくこと、新しい空間に、新しい世界に
初めての自分に会いにいこう!

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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1cm

2015-04-22 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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先日、水泳の日本選手権をテレビで見た。
時には100分の1秒を争う世界は凄いなあと思います。
そのためにどれだけの努力をしているのか想像するしかありませんが、頭が下がります。


     1cm
                          2004年8月

すべては上手くいくとき、いかないときがある
その違いはどこにあるのか?
僕にはそこに大きな違いがあるとは思えない
それは1cmほどの違いだと僕は思う
1cm手を伸ばすか伸ばさないか
1cm足を伸ばすか伸ばさないか
1cm高く跳ぶか跳ばないか
それだけで変わってくること
1cm、1cm、1cm…
「たかが1cm努力してどうする…」
そう思われても構わないから
たった1cmにこだわりたい
たった1cmをおろそかにしたくない
たった1cmであっても前にいきたい
そういう気持ちをなくしたくないと思う
1cm、1cm、1cm…


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社

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目的地へ

2015-04-20 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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「急がば回れ」ということわざがあります。
エスカレーターに乗って駆け上がっている人を見かけます。
ひょっとして電車の中で歩いてる人がいるのじゃないかとバカなことを考えてしまいました。
以前「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」というポスターがありました。


      目的地へ
                              2003年5月

果たして目的地に早く着くことだけが
人間にとって素晴らしいことなのか
すべてが順調に行っているときには
それがただひとつの価値に思える
でも、何かひとつでもつまづきや失敗を知って
まわりの優しさを感じたことがあれば
早く着くこと、それ自体に大きな意味は見出せなくなる
ときにはゆっくり進めばいい
目的地に着くことが大切で価値があるのだから
あなたのぺースでいけば、それでいい
苦しむこと、悩むこと
それも人生のちょっとしたアクセントになる
少しスピードをゆるめていってみようか


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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僕はくじら、くろい大きなくじら

2015-04-18 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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自分で体を動かすことができなかったので、よく想像の世界へ旅をしていました。
自身をくじらに置き換え飛び回る姿を描いたものがこの詩です。


 僕はくじら、くろい大きなくじら
                          2004年1月

僕はくじら、くろい大きなくじら
あるとき海からとびだして
あおい空にぽっかりうかぶ雲になったよ
空ではからだもかるくって
なんだか気持ちまでうきうきしてね
空ってなんていいところ
潮をふいたら、雨にかわってく
夏ならあたたかぁいにわか雨になる
冬ならつめたぁい白い雪になる
空ってなんて不思議なところ
風におねがいしてさ、どこまでもいってみたし
あつぅい日ざしの南の島にもいったよ
さぁむい空気の氷の世界もきれいだったよ
空ってなんて広いところ
僕はくじら、くろい大きなくじら

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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勇気をください

2015-04-16 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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「勇気」って何でしょう。
自分自身で作り出すものなのか、誰かから与えられるものなのか。
誰しも心の中には持っているものの表には出せないものなのかもしれませんね。



     勇気をください
                              2000年11月

僕はいつから弱さに勝てなくなって
言い訳しかできない人間になってしまったのか。

僕はいつから理由をつけてはつらいことを避け
逃げることばかり考える人間になってしまったのか。

あと少しの勇気があれば、乗り越えられるのに。
あと少しの勇気があれば、弱さに打ち勝ってみせるのに。

誰か勇気を、僕に勇気をください。


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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この美しく輝く世界に

2015-04-14 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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世界は、宗教紛争、民族紛争が絶えず、過激な思想の持ち主が争いを起こしています。
何もできないことに多少苛立ちを覚えますが、早く収まってほしいものです。


   この美しく輝く世界に
                           2001年6月

わたしは生まれてきた
この美しく輝いている世界に
あなたも生まれてきた
この美しく輝いている世界に
どうしてなんだろう
もっともっと輝いている世界にしたいから
もっともっと人が、空が、風が輝いている世界にしたいから
だから生まれてきた、わたしもあなたも  
僕は生まれてきた
この美しく輝いている世界に
きみも生まれてきた
この美しく輝いている世界に
どうしてなんだろう
もっともっと素敵な世界にしたいから
もっともっと人が、大地が、花たちが輝いている世界にしたいから
だから生まれてきた、僕もきみも
この美しく輝いている世界に

もっともっと人の笑顔をつくりたい
もっともっとしあわせの花束をとどけたい
世界をもっともっと美しく輝かせたい

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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助けてもらうことと助けること

2015-04-12 | 
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詩集「生命いっぱい」より

2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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今月から朝日新聞の朝刊に「折々のことば」というコラム記事が連載されています。
4月2日こんな言葉が載っていました。

 めいわくかけて
 ありがとう 
           たこ八郎

コメディアンのたこさんのことばです。
ごめんなさいではなく、みんなに迷惑をかけたけれど、助けてくれたことへの感謝だそうです。


 助けてもらうことと助けること
                              2002年4月

きみは人に助けてもらうこと、どう思う?
「ごめんね…」ってあやまりたくなってしまうよね
つらいことも数えきれないほどあるよね
僕には、とてもよくわかるよ
なく、たくさんの人に助けてもらっているから
僕は、いやでたまらない時もたくさんあった
でも、考えてみてくれるかな
どんなにすごい人だって助けてもらわない人はいないんだよ
どこかでだれかに助けられているんだよ
もしも、助けられていてもね
「ありがとう」っていう気持ちがあればいいよ

もうひとつ聞いてくれるかな
きみは人を助けることなんてできないと思うかもしれないね
なんでもできたら、お父さん、お母さんを助けてあげられるのにって思うよね
僕には、とてもよくわかるよ
なぜって、たくさんの人に助けてもらっているから
僕は、いやでたまらない時もたくさんあった
でも、考えてみてくれるかな
助けてもらっていることは実は、人を助けることでもあるんだよ
なんでも自分でできる人は、それがどんなに嬉しいことなのか
どんなに人に優しくすることが大切なのか
忘れてしまうんだよ
きみのまわりの人は、きみがいることで、いてくれることで
思いだすんだよ、人が大切にしなければならないこと
それを教えることができるきみは、人を助けていることになるんだよ
だから、きみは、みんなに愛されているんだよ

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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自画像~自分という存在

2015-04-10 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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自分で自分の顔を描く…画家ならともかく難しいですよね。
自分を見つめることは大切なことかもしれません。
そしてそれを隠さずに見せることができればいいのですが…。


   自画像~自分という存在
                              2002年12月

自画像を描いてみる
自分の自画像を描いてみる
昨日の自画像には何が見えるだろう
今日の自画像には何が見えるだろう
明日の自画像には何が見えるだろう
ひとつひとつの違いのなかにいる自分という存在
ひとつひとつ違う自分ではあるけれど
そのときに心のなかにあるものが見える
怒りが見えたり、自己嫌悪が見えることもある
悲しみが見えたり、苦悩が見えたりもする
笑顔が見えたり、喜びが見えることもある
でも、そのすべてが自分という存在をつくっている
何も隠したりする必要はない、そのままでいい
すべてをさらけ出して描かれた自画像
それが現在(いま)の自分という存在


   
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いのちがみえるよ、きこえるよ

2015-04-08 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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いのちって何だろう、といつも考えていました。
窓から見えるちょっとした景色の中にもいのちはあったのです。


  いのちがみえるよ、きこえるよ
                           2003年11月

小さな雨のしずくが一枚の葉をゆらす
僕には、はじける音がきこえてきたよ
ぽつっ、ぽつぽつっ、ぽつっ、ぽつぽつっ
それは、いのちの音だね
小さな小さないのちの音だね
それは、僕たちのなかにね、ながれてる
しずかで、たしかないのちの音でもあるんだね
その胸に手をあててみて
そうすれば、君たちにもきこえてくるよ

小さな雨のしずくに光が反射してる
僕には、きれいな光がみえてるよ
きらっ、きらきらっ、きらっ、きらきらっ
それは、いのちの光だね
優しい優しいいのちの光だね
それは、僕たちのなかにね、あふれてる
あたたかで、ここちいい、いのちの光でもあるんだね
その胸に手をあててみて
そうすれば、君たちにもかんじとれるよ


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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空へ

2015-04-06 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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何か自分にできることはあるのか…いつも問いかけていました。
そして、自分が生きている意味を確かめていたのです。


     空へ
                        2004年5月

空へ手を伸ばしてつかみとりたい
雲も風も鳥も何もかも
そこに求めるものがあるわけではないけれど
何かをつかみとって
自分というものを確かめたい

空へ向かい想いを響かせたい
心のなかにある何もかも
そこに意味があるのかまだわからないけれど
何かを響かせることで
自分というものを残したい

この空をながめていてそう思う


   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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神様はみているから

2015-04-04 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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病気と向き合っていてもできることは限られています。
でも、少しでも多くの人に生きるということを伝えたかったのです。


   神様はみているから
                          2005年6月

わずかに動く指先で生きるわたし
ひとと話すことで生きるわたし
あとはみずからでは生きられないわたし
それでも神様はみているから生きていられるわたし
あたえられているから生きていられるわたし
生きているからつたえられること
わたしはそれをあなたにとどけていきたい
言葉でしかつながれないわたし
想いでしかつながれないわたし
そんなわたしでも生きていることを知らせたい
それがわたしができることのひとつ
あなたにも生きる勇気をとどけていきたい


   
  「生命いっぱい」神奈川新聞社
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ほのかな光がさすところへ

2015-04-02 | 
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詩集「生命いっぱい」より


2007年6月、三冊目の著書を神奈川新聞社から出版しました。
自身の人生観と世界や社会に対する想いを詩とエッセイにした詩集です。
絵手紙作家の浅田美知子さんが表紙カバーと挿絵を書いて下さいました。
この詩集の中から選んで紹介してゆきます。
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4月に入り、各地で桜が満開になっています。
一年で一番いい季節だと思いますが、少し世の中が騒がしくなる季節でもありますね。
落ち着いた日々を送りたいと思います。

この詩は、若手の作曲家 蛯子浩二郎さんが曲をつけてくれることになっています。
5月31日にコンサートを予定していますのでそこで披露してもらえるでしょう。
コンサートについては、また改めてご案内します。


 ほのかな光がさすところへ
                          2005年11月

ほのかな光がさすところへ
君が行く先なくしても
かならずどこかにみえている
それをめざしていければいい
それでいい、それでいいさ
ほのかな光がさすところへいこう
世界中でいちばんやわらかな光がさすところへ

ほのかな光がさすところへ
ここまで来られたのは
いつもそれがみえているから
それがあるなら生きていける
それでいい、それでいいさ
ほのかな光がさすところへいこう
世界中でいちばんやわらかな光がさすところへ

   
   「生命いっぱい」神奈川新聞社
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作品を引用するとき

作品を引用する際は、必ず作者名を記載下さい。 また、書籍に収められているものは、出版社名も併せて記載下さい。