鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

ため息ひとつ

2014-02-21 | 
ため息にもいろいろあると思います。
どちらかといえば暗い感じとなるため息…前向きのため息はないものでしょうか。


        ため息ひとつ
                            2006年6月 鈴木信夫

ため息をひとつついたら幸せがひとつ逃げていく
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、人より幸せじゃない」そう想い
ため息ついて、幸せに幾つも逃げられても、それはそれでいいじゃない
それはそれでいいじゃない
この窓を開けて空気を入れかえてみたら、ため息止められるかな
ため息止められなくても、それでも生きられるならいいじゃない

ため息のひとつくらいつくのが人の性(さが)ってもの
そんなことわかっているのに、ため息が生まれては消えていく
そんなことわかっているのに、心の中から生まれては消えていく
「僕は、これで終わりたくない」そう想い
ため息ついて、僕が何かも見えなくなっても、そんなのどうってことないじゃない
そんなのどうってことないじゃない
この窓を開けて深呼吸をしてみたら、ため息なくなるかな
ため息ついたとしたって、それでも生きられるならいいじゃない

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私という仕事 | トップ | 一歩一歩 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事