鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

行き先のわからない列車

2014-02-11 | 
2月8日から関東地方は大雪になりました。
交通機関はかなりの影響を受け、運休したり、大幅な遅れが出たりと混乱しました。
人生の列車も、時々遅れたり休んだりしますね。
でもそれでいいのだと思います。


     行き先のわからない列車
                          2006年5月 鈴木信夫

人生は「行き先のわからない列車」に乗るようなもの
十年、二十年、いや一年先だってわからない
それだから、人生というものには意味があるのだろう
人生の行き先が決まっていたら
どんなに楽な旅ができるだろうか、そう何度となく思っていた
それだから、人生というものは面白みがあるのだろう
人生の行き先が決まっていたら
どんなに退屈な旅だっただろうか、そうとも感じていた
行き先がわからないこと
それは、自由に生きられるということ
それを知ってから、人生はいいものだと思える私になれた

人生は「行き先のわからない列車」に乗るようなもの
何処が終点で、何時(いつ)やって来るのかわからない
それだから、人生というものは今が大事なのだろう
人生の終点が決まっていたら
どれだけ計画的な人生を送れるだろうか、そう何度となく思っていた
それだから、人生というものは不思議なものなのだろう
人生の終点が決まっていたら
どれだけ今を大事にできていただろうか、そうとも感じていた
終点がわからないこと
それは、今日を生きなさいということ
それを知ってから、人生はありがたいと思える私になれた
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

作品を引用するとき

作品を引用する際は、必ず作者名を記載下さい。 また、書籍に収められているものは、出版社名も併せて記載下さい。