鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

Season Of My Mind

2016-06-30 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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あまり外へ出ることがなかったので季節を肌で感じることが少なかったと思います。
それでも、窓から見える景色、テレビで見る映像から季節の移り変わりを感じていました。


          Season Of My Mind
                                       2007年10月

画面に入れられた”街ゆく人”に見る、季節の流れ
それを見てるわたしがここにいる…動けないわたしが…
ただ、わたしの胸のなかでも季節はめぐってる
Season Of My Mind、Season Of My Life
いまどの季節にいて、どこにいくつもりでいればいいのだろう
そうやって、想いのなかの季節を感じて
そうやって、わたしの存在を確かめてる

わたしは、いまどの季節にいるのだろう、これからどこにいくのだろう

この眼に映りこんでくるものに見える、季節の流れ
そこに生きてるわたしがここにいる…あいまいなままに…
けれど、わたしの胸のなかでは季節はめぐってる
Season Of My Mind、Season Of My Life
いまどの季節にいて、どこにいくつもりでいればいいのだろう
そうやって、想いのなかの永遠なものを感じて
そうやって、わたしの姿を追いかけてる

わたしは、いまどの季節にいるのだろう、これからどこにいくのだろう
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舵をとれ!いますぐに!

2016-06-28 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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人生には何度か壁や山にぶつかることがあります。
そんな時、うまく舵をとるのはなかなか難しいことです。
自分を信じることが大事でしょうね。

この詩は「詩手紙」2008.3.29に使われています。

          舵をとれ!いますぐに!
                                      2007年10月

荒れた海をこえなければならない
そんな時が誰にもあるから
ふるえる心に負けそうになっても
”勇気”打ち込み、前をみるしかない
向かう先に光を求めるだけ

そうだ、すぐに舵をとれ!いますぐに!新しい軌跡を描き出すために
そうだ、すぐに舵をとれ!いますぐに!新しい世界を切り拓くために

すべてを懸けてやらねばならない
そんな時が男にはあるから
誇れるものなんてなくても
持っている”命”、燃やしつくすしかない
そこに小さな何かが光りだすまで

そうだ、すぐに舵をとれ!いますぐに!新しい軌跡を描き出すために
そうだ、すぐに舵をとれ!いますぐに!新しい世界を切り拓くために

詩手紙2008.3.29


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光よ、踊れ。

2016-06-26 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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「光」にしても「風」にしても、それそのものの形を見ることは出来ません。
木の葉が揺れ、あるいは影ができてはじめてわかるのです。
なんとなく見えているような気がするのは不思議ですね。


      光よ、踊れ。
                          2007年2月

光、光、踊れよ、光。
踊れ、踊れ、光よ、踊れ。
あらゆる闇を打ち消すほどに…。
いまこそ強い光が必要なとき。
踊れ、踊れ、光よ、踊れ。
いまこそ強い光が必要なとき。
風よ、風よ、踊れよ、風よ。
踊れ、踊れ、風よ、踊れ。
そこにある苦しみを吹きながすほどに…。
苦しみを怒りに変えてはならない。
踊れ、踊れ、風よ、踊れ。
いまこそ強い光が必要なとき。

愛よ、愛よ、踊れよ、愛よ。
踊れ、踊れ、愛よ、踊れ。
きえない切なさを抱(だ)きしめるように…。
いまこそ確かな愛を求めるとき。
踊れ、踊れ、愛よ、踊れ。
いまこそ確かな愛を求めるとき。
心よ、心よ、踊れよ、心。
踊れ、踊れ、心よ、踊れ。
あなたに喜びが生まれるように…。
未来の宇宙(そら)に喜びをつなげ。
踊れ、踊れ、心よ、踊れ。
いまこそ確かな愛を求めるとき。
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生き方さがし

2016-06-24 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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鈴木信夫は、病気からは逃れられないが、生きる意味をいつも追い求めていました。
先日の朝日新聞の「折々のことば」にこんな言葉がありました。
  人生において、病気になったという事実を変えることはできませんが、
  病気になった意味を変えることは出来ると信じています。
                   宮本直治(自身がんになった薬剤師の言葉)
同じ思いがこの詩にはあると思います。

         生き方さがし
                                2007年9月

悔しい、悔しい、悔しい
そればかりをこの手でつかんでる、わたしは
なんてことなのだろう
苦しい、苦しい、苦しい
そればかりがこみあげてくる、わたしには
なんてことなのだろう

そう思えば思うほどに
弱りきった心は右に揺れる…、揺れる…
逃げたい、逃げたい、逃げたい
沈められた心は左に揺れる…、揺れる…
逃げられない、逃げられない、逃げられない
 
それではいけないとわかっていても
いつでも迷い迷って、生き方をさがしてる
人生は、そんな生き方さがし
わたしは、いまも生き方をさがしつづけてる
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こころすなおに

2016-06-22 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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後の詩手紙(註)の中でこのようにコメントしています。
「気持ちを新鮮にするには、何が必要なのでしょうね。
 何かうまく回っていく良い方法があるといいのですが。
 自分なりに見つけていけるようにしていきたいです。」
まどみちおさん風にすべてひらかなで書いています。


       こころすなおに
                              2007年9月

ついすなおでない、こころがでてしまうね
なぜか、でてしまうんだよね
すなおになりたいのに
すなおになりたいのにね
なんですなおになれないのかな
じぶんにじしんがないからかな
なんですなおになれないのかな
じぶんがだめだっていわれてるみたいだからかな
いつもすなおになりたい、すなおになりたい
そうおもうのだけど
すなおになれない、かなしいね
すなおになれない、かなしいね

すこしすなおになりたいね
すこしすなおになりたいね


(註)
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夜間飛行

2016-06-20 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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金子みすゞさんの詩の中に昼間の星をテーマにしたものがあります。
「ひるの星は見えない、でも見えないものでもあるんだ」
というものですが、この詩も同じことを言っています。


        夜間飛行
                              2007年8月

たまには夜間飛行がいい
明るい時には見えないものが見えてくるから
小さなものを見落としがちな僕ら
暗くなれば、小さな明かりも大きく見える
だから、ちょっと夜間飛行してみよう

たまには夜間飛行がいい
世界では小さなものが見落とされて
大きなものばかりに視線があつめられている
それも暗いところは見えていない
だから、ちょっと夜間飛行してみよう

たまには夜間飛行がいい
暗いところにある小さな明かりを見てみよう
そこに何を感じるだろうか
そこに何かが育つだろうか
ちょっと夜間飛行してみよう
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ゆれて、ゆれて、ゆれつづけて

2016-06-18 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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思うにまかせない身体で毎日を生きていくことがいかに大変なことか自分自身でよくわかっていてもいろいろな思いに心が揺れ動いていました。
何とかしてください!という気持ちでしょうか。


      ゆれて、ゆれて、ゆれつづけて
                                  2007年8月

蒼い波に陽光がゆれるように
気まぐれに僕の想いはゆれつづける
ゆれて、ゆれて、ゆれつづけている

無秩序に結びついて、抜け出せない悪循環のなかで
なにかが僕をひきずっていこうとする
…と思うと

垂れ込めた雲が切れるように、道が出来ていく
なにかが僕をひきあげようとする
…行ったり来たりを繰り返して

もう、あなたに願うしかない
あなたに届きますか、届いてますか

もう、あなたに願うしかない
あなたに届きますか、届いてますか

また、ゆれて、ゆれて、ゆれつづけている
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Beautiful Days~こころ~

2016-06-16 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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梅雨に入ったようです。
今年の梅雨は例年と少し違って雨が降り続くことはないそうです。
雨の妃と晴れの日が交互にやってくるようで、いいような、らしくないような複雑ですね。


      Beautiful Days~こころ~
                              2007年8月

あったでしょう、あるでしょう、あなたにも
すべてが光をはなつ美しい日々が

“こころ”の旅路をたどっていく、わたし
わたしに数え切れない恵み、注がれていた
それに気づいたなら
かならず、手がさしのべられていく
Beautiful Days-虹をかけるように

“こころ”の旅路を歩いていく、わたし
わたしは数え切れない幸せにつつまれていた
それに気づいたなら
かならず、手がさしのべられていく
Beautiful Days-ゆだねるだけで

あったでしょう、あるでしょう、あなたにも
すべてが光をはなつ美しい日々が
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雲はながれて

2016-06-14 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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沖縄民謡の「花」という歌に
”川は流れてどこどこ行くの”という歌詞があります。
雲に置き換えて考えてみたのかもしれません。

雲の流れを自分の人生に映しているのでしょう。


        雲はながれて
                              2007年6月

雲はながれて、どこまで行けばいいのか
そんな事を考えてどうするの?
という「問い掛け」が耳に聞こえてくる
けれど、
雲をみつめて、僕は思い返す
これまでの僕の生きた時の流れを
後ろばかりを振り返っていた日々を
あの日あの時にいた僕自身を
自身の未来さえも感じとれない日々を
そうすると一つわかってくる事があるね
恵まれない事をなげくこともあっても
苦しい苦しいと悔しがることがあっても
それは一緒で忘れてしまおうか
どの世界にいても変わらない事実があるから
そして、
この人生は僕だけに与えられたものだと
それを黙って魂へと落としていく
そうする事でもう一度、みつめられるようになる
今日も僕は雲をみつめるよ
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のらねこ

2016-06-12 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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世の中はペットブームなのか犬や猫をテーマにしたテレビ番組も多く見られます。
朝日新聞には夏目漱石の「吾輩は猫である」が連載されています。
ただ、私はどうも猫が好きになれません。(猫好きの皆さんすみません)
嫌いというのではないのですが、可愛げがないと感じるのです。


           のらねこ
                                      2006年5月

うちの庭にいつも一匹のねこがやって来るようになった
やって来る時間は、まったくきまってないみたい
そこは、ねこらしく気ままに生きているのかな

お気に入りの居場所があって、
それは倉庫の上に敷かれた「すのこ」の上なんだ
耳をすこしピクピクさせながら、いつもそこにうずくまっている
気持ちよさそうでいいなあ
ときどき寝がえりを打ったりしながら、周りをキョロキョロ見回している
気持ちよさそうでいいなあ

目が合ってもまったく平然として、なかなか大したやつかもしれない
二時間くらい座り込んでいたかと思うと、今日も時間が来ると帰っていく
明日も好きな時間に、お気に入りの場所にやって来るはずだ
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愛は哀で藍で逢い

2016-06-10 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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日本語は複雑です。
同じ発音で意味が全く変わるものがあるからです。
外国人が日本語を難しいというのはこの辺りにあるのかもしれません。
そんなところをテーマにしたものがこの詩です。


     愛は哀で藍で逢い
                              2007年5月

愛は「哀」です、哀しみです
愛ってこんなに切ないものだったでしょうか
僕は哀しみから愛を知りました
あなたの哀しみを愛にかえてください

愛は「藍」です、藍色です
愛ってこんなに綺麗なものだったでしょうか
僕は愛に色があるのを知りました
あなたの愛に色をつけてください

愛は「逢い」です、出逢いです
愛ってこんなに嬉しいものだったでしょうか
僕は出逢える喜びを知りました
あなたとの出逢いに愛を感じたい
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きみに残せるものがあるのなら

2016-06-08 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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先月、伊勢志摩でG7サミットが開催されました。
多額の費用をかけた割にはあまり大した成果はなかったような気がします。


  きみに残せるものがあるのなら
                            2007年3月

きみに残せるものがあるのなら
それは一体何だろうか
僕の胸のなかを探してみる
きみに残せるものがあるのなら
それは一体何だろうか
僕の胸のなかを振り返ってみる
そんなにあるものではないけれど
「前をみることだけは忘れないで」
そう心から願っているよ

落ち込んだ時には空から星が
ひとつ消えるそうだね
嬉しさで満たされた時には空に星が
ひとつ輝くそうだね
僕はいくつの星を消して
いくつの星を輝かせられたかな
ひとつでいいたったひとつでいいから
きみの星をひとつ輝かせよう
すぐにできることでなくても

きみに残せるものがあるのなら
それは一体何だろうか
きみに残せるものがあるのなら
それは一体何だろうか


この詩は5月29日に一度紹介していました。
うっかり重複して載せてしまいました。(謝)
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生まれ変わろう

2016-06-06 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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前回に続き新しく曲が付いた詩を紹介します。
この曲も若手の作曲家「蛯子浩二郎」さんの作曲によるものです。
蛯子さんはこのほかにも曲をつけていただきましたが別の機会に紹介します。


      生まれ変わろう
                              2007年1月

落とされた運命のなかに 何がみえるの
あなたは そこで涙をながしてるの
あなたは そこで寒さにふるえてるの
もういい もういいよ
そこに優しい手は 差しのべられるから
信じていける 愛していける

あなたとともに 生まれ変わろう
新しい世界の力に なるために

あなたとともに 生まれ変わろう

味わった苦痛のなかに 何があるの
あなたは そこで恨みつづけてるの
あなたは そこで望みをなくしてるの
もういい もういいよ
そこに約束の時は 訪れるはずだから
背負わされた 十字架を越えて

あなたとともに 生まれ変わろう
新しい生命を 受け取るために

あなたとともに 生まれ変わろう
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太陽が美女を抱いたから

2016-06-04 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今日と次回は新しく曲が付いた詩を紹介します。
この詩には「北野善知」さんという新進のクラシック作曲家が曲をつけてくれました。
この曲のほか新しい曲を集めたコンサートを今年秋には開く予定です。


    太陽が美女を抱いたから
                          2007年2月

太陽が美女を抱いたから
光が魅力に入りこむ

僕はどこへたどりつくのだろうか

“輝き”という名の
消えかけたあなたの影を
腕のなかまでひきよせて
遠い海をみつめている
あやふやな気持ちに支配され
なぜかここから動けない

太陽が伝説になるまでは
夢だけを希望につなげていく

僕はどうやって生きるつもりなのか

痛いほどに現実的な
あなたの影から飛び立って
どこまでも行きたいと思う
そうすれば分かる気がする
迷い心をなぐさめながら
僕はあるきだす少しだけ

太陽の向こうに何かを求めて
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月下美人が咲く夜は

2016-06-02 | 
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鈴木信夫の充実期の作品から


2005年~2007年の充実期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今日は鈴木信夫の代表作の一つをご紹介します。

2009年、第34回「わたぼうし音楽祭」(*1)の作詞部門へ応募し、優秀作品10篇のひとつにに選ばれました。
この詩に東京に住むシンガーソングライターの熊谷友彦さん(*2)が曲をつけてくれました。
音楽祭当日は、熊谷さんのピアノ伴奏、夏目大輔さん(*3)の歌で披露されました。そしてこの曲が「奈良県知事賞」「NHK賞」を受賞しました。残念ながら会場が奈良だったため体調を考え信夫はせず、私が代わりに出席しました。
のちに熊谷さん夏目さんのご協力を得てCDにしました。

  CD表紙
  


    月下美人が咲く夜は
                          2006年12月

わたしは呼吸をつなげています
見えないものを見るために
聞こえないものを聞くために
いつでもわたしを紡いでいたい

そして見つめて

ためらわずにあなたを愛そうと思います
月下美人が咲く夜は
わたしの心も咲きはじめるから

ここにいられること
たいせつにしてみたい

わたしはあなたとつながっていたい
なくしたものを見つけるために
伝えられないことを伝えるために
いつでもわたしを残していたい

そして見つめて

あきらめずにあなたを愛せるでしょうか
わたしの心が咲く夜に
あなたの心に指が触れるなら

ここにいられること
たいせつにしてみたい


(*1)「わたぼうし音楽祭」
   障害者が参加するイベントで作詞または作詞作曲で参加できる。
   今年で42回を数え、毎年8月に奈良でコンサートが開催され、優秀作品が紹介される。
    http://tanpoponoye.org/wataboshi-list/festival

(*2)熊谷友彦(くまがいともひこ)
   東京都在住のシンガーソングライター。作詞作曲、アレンジャーなどで活躍中。
    http://www.k5.dion.ne.jp/~t-kuma/

(*3)夏目大輔(なつめだいすけ)
   東京都在住のミュージシャン。CDを出すなどシンガーソングライターとして活躍中。
    http://natsumedaisuke.web.fc2.com/
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作品を引用するとき

作品を引用する際は、必ず作者名を記載下さい。 また、書籍に収められているものは、出版社名も併せて記載下さい。