鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

ふわふわっといこう

2022-02-16 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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いわゆる「石頭」と言われる人がいます。
自分自身の価値観が一番で、それ以外の考え方ややり方を受け入れられない人です。
必ずしも悪いことではないのですが、社会生活や人間関係においては嫌われることが多いようです。
堅いだけではダメなんですね。
ふわっといくことがいいようですね。

この詩手紙ではこんなコメントを添えています。
「こころというのは、むずかしくて。落ち着けない、わたしです。」


      ふわふわっといこう
                          2010年8月

ふわふわっといくのがいいかな
ぼくは、なかなかふわふわっとはいかない
ぼくは、なんかうまくできないのです
うまくできないのです

そういうにんげんなのです
かなしいかな、そういうにんげんなのです

ふわふわっといくひとがたくさんいるのをみて
ふわふわっといきているひとがたくさんいるのをみて
ものすごくうらやましくなっているばかり
ものすごくうらやましくて、なみだひとしずく

そういうにんげんなのです
かなしいかな、そういうにんげんなのです

それだけでは、ぼくはつぶれてしまう
それだけでは、ぼくはくずれてしまう
かぜにまかせるように、ふわふわっとしよう
みずのながれにまかせるように、ふわふわっとしよう

ぼくは、すこしはやわらかくなるだろう
ぼくは、すこしはらくになれるだろう

ふわふわっといくことにすれば
ぼくは、もうすこし、しあわせになれるかもわからない
あしたから、ふわふわっといこう

   詩手紙2010.8.27
   
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