鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

嘘がほんとでほんとが嘘で

2022-05-28 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今、ウクライナでロシアの侵略が続いている。
ロシアは、自らの行動を正当化するため、ありとあらウソと言い訳を並べている。
中にはもっともらしいウソがあり、もっぱら国内向けの報道に使われている。
国民はそれを信じている。
報道が規制されているため、嘘だけが伝えられている。
しかも、それをウソだというと、逮捕されるという。
この戦争は長くなりそうで、心配だ。

この詩もコメントはありません。

    嘘がほんとでほんとが嘘で
                          2010年9月

嘘がほんとのようで、ほんとが嘘のようで
なにが善くて、なにが悪いのか
何が正しくて、何が間違いなのか
嘘をつくことがあたりまえになって
誰も違和感を持たなくなっている
わたしにはそれが怖い気がしているのだ
人を不幸せにしない嘘なら
自分を不幸せにしない嘘なら
多少の嘘はあっていいのかもしれない
でも、都合のいい嘘が多過ぎる
都合のいい嘘がまかり通っている
そして、嘘がほんとのように、ほんとが嘘のように
なにがなんだかわからなくなる
何を見ればいいかわからなくなる
わたしは嘘ばかりつくことはしたくない
嘘に染められるのは嫌なのだ
人をほんとうに幸せにする嘘なら
自分をほんとうに幸せにする嘘なら
許されることもあるかもしれない
それでも、嘘のない思いで生きたいのだ
あなたはどうだろうか


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砂と雨

2022-05-24 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から
絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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雨が土にしみこんで、それが川となり、海にそそぐ。
自然の営みだけれど、これがときに途中で暴れるため、がけ崩れが起きたり、川が氾濫したりする。
なかなか思うようにはいかないようだ。

この詩は、詩手紙になっていないのでコメントはありません。

      砂と雨
                        2010年9月

砂に雨がしみこみ、しみこみ
砂が濃い灰色に染まってゆく
すべて吸いこんでゆくつもりなのか
砂に熱がしみこみ、しみこみ
砂が薄い灰色に乾いてゆく
すべて吸いこんでゆくつもりなのか

もし、砂に悲しい涙つぶを落としたら
しみこみ、しみこみ、吸いこんで
地球の裏まで届くだろうか
もし、砂に愛の涙つぶを落としたら
しみこみ、しみこみ、吸いこんで
地球の果てまで届くだろうか

もし、雨が悲しい涙つぶだとしたら
どこまで、しみこみ、しみこみ、吸いこまれ
記憶に何を残していくのだろうか
もし、雨が愛の涙つぶだとしたら
どこまで、しみこみ、しみこみ、吸いこまれ
記憶の何を変えていくのだろうか

また、雨が降ってきたようだ
そして、砂にしみこんでいく
数時間もすれば、また、陽がさすはず
そして、熱がしみこんでいく

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母国~日本という国~

2022-04-29 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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ここしばらくロシアのウクライナ侵略の話題が毎日報道されている。
たった一人の権力者の妄想のために世界中が振り回されているのだ。
ウクライナは実にかわいそうだ。
ニュースを見るのは気が重い。

それにしても、自分の国というのは大切なもの、ということがよくわかる。
この国を何としても守らなければならない。

詩手紙のコメントはこう書いている。
「台風が、まさか横断していくことになるとは。
 恵みの雨になるといいです。ちょっと激しいですが。」


      母国~日本という国~
                          2010年9月

わたしはいま
母国のたいせつさがわかる気がします
春夏秋冬がある、この国
春は芽生えをもたらす
夏は成長期をむかえて
秋は実りをつけて
冬は命をつないでいく
和の精神が息づく、この国
和は輪であり
和はなごみであり
和はゆとりであり
和は心であるのです
人が思いやりをもつ、この国
思いやりはちょっとしたこと
思いやりは気づかい
思いやりが思いやりを生み
思いやりは消えない思いを残すのです
人が人とかかわりあってきた、この国
かかわるとは関心をもつこと
かかわるとは人の立場にたつこと
かかわるとは人の心をみること
かかわるとは手をとりあうことなのです
忘れかけたものなのかもしれない
けれど、確かにあるものなのです
失いかけてきたものなのかもしれない
けれど、確かにある筈のものなのです
わたしはいま
母国のたいせつさがわかる気がします

   詩手紙2010.9.8
   

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鳥のつばさ

2022-04-24 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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「翼をください」という歌があります。
50年前に発表された歌で、いまだに若い人にも人気のある歌です。
鈴木信夫もこの歌が好きでした。
♫悲しみのない自由な空へ
という歌詞が気持ちを代弁してくれていたのかもしれません。

詩手紙のコメントは季節に関してです。
「まだまだ冷たい麦茶が美味しいです。
 夏が終わらない感じがします。」


      鳥のつばさ
                         2010年8月

ぼんやり見つめる鳥のすがた
そこにはなにがあって、なにが見える
鳥のつばさがあるなら
僕は、空にあるものを見てみたい
空にあるものをつかんでみたい
鳥のつばさがあるなら
僕は、地上を上から見てみたい
地上をもういちど見なおしてみたい
ちがう世界を知らなすぎて
ちがう見えかたを知らなすぎて
気づいたころには、なにかがちがっている
そういうことが多くなっているのかもしれない

ぼんやり見つめる鳥のすがた
そこにはなにがあって、なにが見える
鳥たちはなにを思い、どう思う
僕たちには、それが見えないから
右に向いたり、左に向いたりする
鳥たちはなにを思い、どう思う
僕たちには、それが見えないから
ふみだしたり、あとずさりしたりする
ちがう世界を知らないから
ちがう見えかたを知らないから
我にかえった時には、なにかがちがっている
それでは、ちょっと悲しい

人に鳥のつばさがあるなら
進みすぎた時計の針を戻せるかもしれないのに  

   詩手紙2010.9.7
   



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なぜ、みんな笑うの?

2022-04-20 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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テレビを見ていると、美味しいものを食べたときにはみんな楽しそうな顔になります。
楽しい時は、不愉快な顔をしている人はいません。
コロナ禍でみんなマスクをしていて表情がわかりにくいのですが、楽しい時は目が笑っています。
笑顔はいいものですね。

詩手紙のコメントはこう書いています。
「人間って、つくづく不思議だけど、あったかいもの。
 そして、誰でも笑い顔はいいですよね。」


      なぜ、みんな笑うの?
                          2010年8月

なぜ、おいしいものを食べるとみんな笑うの?
そう思ったことはありますか
人は幸せだと自然に笑ってしまうんだよ
人は心が満たされると自然に笑ってしまうんだよ
それはそういうふうにできている
そうとしか僕には言えないんだけどね

なぜ、おいしいものを食べるとみんな笑うの?
そう思ったことはありますか
人は楽しいと自然に笑ってしまうんだよ
人は心が喜んでいるときには自然に笑ってしまうんだよ
それはそういうふうにできている
そうとしか僕には言えないんだけどね

おいしいものを食べると体は喜んで、笑ってしまうんだよ
おいしいものを食べると体は満たされて、笑ってしまうんだよ
それは、かみさまが僕たちにくれたもので
僕たちが、生きる楽しみを見つけるためのもの
それから、口で食べて、おいしいものもだいじだけど
心で食べて、おいしいものもだいじだよね

それを忘れないで、おいしいものを食べよう
そして、にっこりと笑おう
みんなでいっしょにね、にっこりと笑おう.

   詩手紙2010.9.6
   
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聖なる愛があり俗なる愛があり

2022-04-17 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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「愛」という言葉はいろいろな場面でよく使われます。
その中身は様々で、人によって思い違いや勘違いが生じます。
そのことを鈴木信夫は言っています。
私自身はよくわかっていないと思いますが「おもいやりのあるなし」かと思います。

詩手紙のコメントはこう書いています。
「もっとたくさんのものを吸収しないとネタがつきそうです。」
毎日のように詩を創っているとこうなるのでしょうか。


    聖なる愛があり俗なる愛があり
                          2010年8月

俗なる愛はこれです
聖なる愛はこれです
そうやって見せることはできない
だから愛を見わけるのは難しいのです
だから愛を見まちがえてしまうのです
俗なる愛は、求めすぎる愛、求めるだけの愛
俗なる愛は、どこにも流れない愛
俗なる愛は、狭い世界をつくりだす
人はその愛を手に入れるために画策したり
誰かを陥れようとしたりする
手に入れたところで終わってしまうもの
そして次の愛がほしくなる
俗なる愛にはキリがないのです
聖なる愛は、与える愛、与えきりの愛
聖なる愛は、父母(ちちはは)から流れる愛
聖なる愛は、宇宙にあふれだす愛
人に与えることができたなら
かならず与えられるもの、どこからか
それは胸のなかをあたためつづけるもの
永遠に永遠に、それが聖なる愛なのだと思います
俗なる愛はこれです
聖なる愛はこれです
そうやって見せることはできない
だから愛を見わけるのは難しいのです
だから愛を見まちがえてしまうのです

   詩手紙2010.9.5
   
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躓(つまづ)いて、なんぼ

2022-04-10 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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人生順風満帆、すべてうまくいってる人は、まずいないでしょう。
誰しも躓くのです。
ただ、その躓きが自分のせいなのかどうかが問題です。
自分のせいならば改めればいいのです。

ウクライナで戦争が起こっています。
どう考えてもロシアのやってることは理解できません。
すぐに侵略できると思ったのが、そうでないことが判り、さらにエスカレートしているのです。
躓きを糧にしていません。

詩手紙のコメントはこう書いています。
「躓いたときは、落ち込みますが、
 それをどう糧にするかで全てはきまる気もします。」


      躓(つまづ)いて、なんぼ
                          2,010年8月

人間なんてものは躓いて、なんぼ
躓かなければ、なにもわかりゃしない
誰かが躓きたくない
そう言っている声が聞こえるが
それは、どうも違うらしい
躓かないでいけることのほうが世の中少ない
躓きは人間を強くしてくれる
躓きは人間を目覚めさせてくれる
だからさ、人間なんてものは躓いて、なんぼ
躓かなければ、なにもわかりゃしない
躓いて、躓いて、躓いて
またまた、躓いて
それで、人間についてほんの少しだけわかるのさ
躓かないでいけることのほうが変じゃないか
躓きは人間に教えてくれる
躓きは人間に考えさせてくれる
そうなんだよ、人間なんてものは躓いて、なんぼ
躓かなければ、なにもわかりゃしない
躓いて、なんぼ、躓いて、なんぼ

   詩手紙2010.8.31
   

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Strawberry Is Strange

2022-04-06 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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去年の夏は蝉の登場してくる順番が少し乱れていたように感じました。
気候が季節に合っていなかったのかもしれません。
地球温暖化の影響で、生態系も乱れてきたように感じます。

10年前はこうでした。詩手紙のコメントです。
「せみと秋の虫の声の「せめぎあい」です。
 そうやって季節は動いていくのですね。」


     Strawberry Is Strange
                          2010年9月

ちゃんとしたところに、ちゃんとした種をまかなければ
可笑(おか)しなものが生まれてくる
もし、ちゃんとしたところでなくても、ちゃんとした種をまけば
可笑(おか)しなものは生まれてこない
知らない間に路上に顔をだした
可笑しなStrawberryのように
その意味が、あなたになら、わかるでしょう
まるで可笑しなStrawberryのように
わたしのいるところも奇妙なものが生まれているのです

見わたせば、誰も彼も人の真実を見ないで
誰も彼も人への想いをなくしている

つまり、ちゃんとした種をまいていないということ
だから、ちゃんとした芽がでないのかもしれない
可笑(おか)しなStrawberryのように
芽がでても可笑しな形で生まれてしまう
わたしにはかすかに見える気がします
ここで、なにをすべきなのかが
わたしはちゃんとした芽をだすための心をつたえたい
芽とは、愛であり、許しであり、向き合うこと
芽とは、人を受け入れることであり、人を思いやること
それをつたえるためにわたしは生まれたのかもしれない

   詩手紙2010.9.3
   
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人間そのもの、人間ありのまま

2022-03-29 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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人間、自然体でいきたいと思います。
しかし、なかなかままならないのが現実ですよね。
若いころは心が純粋なのか、ありのままに生きようとするが、歳とともにその気持ちが薄れていく。
それが人間なのかもしれない。

詩手紙のコメントは、季節の感想です。
「秋のあしおとは、どこへやら・・・。まだまだのようですね。
 体力だけは落とさないようにしたいです。」


人間そのもの、人間ありのまま

人間そのものをここにおいて
人間ありのままにいけばいい
生まれてから人間は少しずつ色落ちしていく
やわらかな感覚は色落ちし
優しい気持ちは色落ちし
人間味は色落ちし
そして、色落ちしたところを余計なもので染めていく
自分にとって得なのは何か
自分にとって損なのはどちらか
安易に流れることを覚えて
そして、いつのまにか、もとの色とは違ってしまう
なぜ、なぜ、なぜなのだろう
人間はわからなくなっていく
なんなのだろう、なんなのだろう
人間そのものは、ありのままの人間は
だから、色落ちしないように生きるのがだいじ
生まれもった、あなたの色が落ちないように
だから、色を止めておこうとするのがだいじ
生まれもった、あなたの色を止めておくように
そうやって
あなたそのもの、ありのままのあなた
わたしそのもの、ありのままのわたし
それをいつも心においておこう
そうやって
人間そのものをここにおいて
人間ありのままにいけばいい

   詩手紙2010.9.1
   
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酒に心の毒を吸わせて

2022-03-15 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの絵手紙・詩手紙の交流は2年を超えて
続いており、このころは、ほぼ毎日1編の詩をつくっています。
できるだけ鈴木信夫らしい詩を選び、詩手紙そのものを見ていただき、
そこに書き加えられたコメントを紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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先月から始まったロシアによるウクライナ侵攻、ひどいものです。
テレビのニュースを見ると気が滅入ります。
なにもできないのがもどかしく、心が落ち着きません。
こんな時は酒でも飲んで・・といきたいところですが、最近は、酒が飲めなくなっています。
どうすればいいのでしょうか。

      酒に心の毒を吸わせて
                          2010年8月

心にある毒は、酒で流そう
人には酒の力をかりたい時があるもの
それは、悔しさでつぶれそうな時
それは、苦しさで叫びたくなった時
そういう時は、毒が口から出てしまう
そういう時は、毒が心から出てしまう
しかたない時は、酒でも飲んで
流しきって、すっきりしてしまおう
心にある毒は、酒に吸わせよう
人には酒の力をかりたい時があるもの
それは、崖っぷちに立たされている時
それは、前にも後にもいけない時
そういう時は、毒が口から出てしまう
そういう時は、毒が心から出てしまう
答えが出ない時、酒でも飲んで
流しきって、すっきり片づけてしまおう
それにしても、わたしの心には毒が多い
それにしても、それにしても…
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作品を引用するとき

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